長谷川裕一

出典: Wikipedio


プライバシー・ポリシー Wikipedioについて 免責事項 Template:Infobox 漫画家 Template:漫画 長谷川 裕一(はせがわ ゆういち、1961年4月25日 - )は、日本漫画家特撮評論家。千葉県佐原市(現・香取市)出身。男性。少数ながら、長谷川 裕二(はせがわ ゆうじ)名義での活動も存在する(作品リストを参照)。なお、アニメ脚本家ライトノベル作家・スーツアクター長谷川勝己は実弟<ref>兄のデビュー当初の頃にアシスタントを務めていたことがある。</ref>。

主な作品に『マップス』『マップス ネクストシート』『機動戦士クロスボーン・ガンダム』『轟世剣ダイ・ソード』『クロノアイズ』などの漫画作品や、東映特撮作品のSF考証本『すごい科学で守ります!』がある。この内『マップス』は2度に渡ってOVA化されている。

目次

略歴

千葉県立千葉東高等学校在学中に自主制作アニメ『スタージャッジ』を制作(ただし完成したのは高校卒業後である)。高校卒業後に松田一輝に師事した後、秋田書店の『月刊少年チャンピオン1983年11月号掲載の「魔夏の戦士」で商業誌にデビュー。同誌などで数本の読み切り作品を発表した後、1985年学習研究社が『アニメディア』増刊として刊行した『SFアニメディア』(後の『月刊コミックNORA』)創刊号で「マップス」を発表。作者は読み切りのつもりで描いたのだが、送られてきた創刊号に次号へ続く旨が書かれており、なし崩し的に連載することとなる<ref>編集の連絡ミスが原因。</ref>。同作の連載で知られるようになり、以来現在に至るまで主に月刊少年漫画誌(あるいはマニア誌やメディアミックス漫画誌などと分類されることもある)で活動している。

デビューに前後して、人づてでテレビアニメ作品『超時空騎団サザンクロス』のデザイン(主に主人公達が着る甲冑、アーミング・ダブレットの足跡)を手伝っていたことや、タイムボカンシリーズの復活企画<ref>この企画は結局実現しなかった。</ref>用の主人公メカのデザインを手がけたことがある。同じ頃、小学館の依頼で『ドラえもん』の道具の内部図解をアルバイトで担当し、今ではそれがそのまま公式設定とされている。一番苦労したのはタイムふろしきの内部図解であったと後に述懐している(参考)。また、横山光輝が『元禄御畳奉行の日記』を漫画化した際にそのバックを手伝ったこともある。ちなみに長谷川裕一が横山光輝に会ったことがあるのはその時の一度だけで、後に手がけることになる「鉄人28号 皇帝の紋章」の連載中に横山光輝が死去してしまったため、再度会うことは叶わなかった。

なお2007年10月発売の『コミックボンボン』11月号に掲載された「MSV戦記 ジョニー・ライデン」以降、漫画雑誌ではなくウェブコミック誌にのみ作品が発表される状態が続いていた。しかし2010年5月発売の『月刊コミックラッシュ』7月号より「ゴッドバード」を連載開始するにあたり、約2年半ぶりに漫画雑誌に作品が掲載された。

受賞歴

星雲賞を2度受賞している。

また、受賞には至らなかったが、1995年(第26回)に『マップス』、1998年(第29回)に『機動戦士クロスボーン・ガンダム』、2004年(第35回)に『クロノアイズ・グランサー』がそれぞれコミック部門の参考候補作に挙げられていた。ちなみに、2000年には第10回暗黒星雲賞の企画部門とゲスト部門を受賞している。

作風

漫画作品

SF的ギミックを用いた正統派の冒険活劇ものを得意とし、他に例を見ないそのスケールの桁違いな大きさと荒唐無稽な世界観、にもかかわらずその大風呂敷をしっかりと畳み切れる構成の巧みさのあるストーリーテラーである。また、オリジナル作品・原作つき作品のどちらであっても時に“長谷川節”とも呼ばれる独特な雰囲気を出すことに成功している。「機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス」「超電磁大戦ビクトリーファイブ」等に見られるように、クロスオーバー作品における違和感のなさも特徴である。また同一世界観を元に多数の作家が様々な作品を提供するシェアード・ワールド企画にも参加しており、「鋼鉄の狩人」と「MEAN 遥かなる歌」及び「スタジオ秘密基地劇場」がそれにあたる。前者については同人関連、後者2作品については『ヒーロークロスライン』を参照。

  • 特に、ガンダムシリーズの漫画では、世界観を破壊しかねないギリギリのネタ<ref>「ガンダムの世界に存在する伝説巨神イデオン」(『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』)、「猿が宇宙に適応してニュータイプ能力を開花」(『機動戦士クロスボーン・ガンダム外伝 猿の衛星』)、「厭戦主義者だったジョニー・ライデン」(『機動戦士ガンダムMSV戦記 ジョニー・ライデン』)など。</ref>が多用されているが、『機動戦士ゼータガンダム1/2』単行本の作者コメントで長谷川は「メディアミックスものをやるときは常に『ロープ際の魔術師』でありたいと思っている。つまり、リングから半分はみ出して戦うのだ」と述べ、それが意図的なものであることが示されている。

一方でネームやコマ割りの構成力はかなりあるが、どちらかといえば古風に位置する画風であり(作者自身もこの点は認めている)、それよりも作品の中身で勝負するタイプである。なお、この特徴が幸いして“脱がし”を多用する割にはエロ系には程遠く(若干それに近い作品として『童羅』があるが、あくまで例外的)、女性キャラが多い割にはいわゆるハーレム系作品的な方向には展開しない。またCGは単行本の表紙で極まれに使う程度である。いずれの特徴も初期から現在にいたるまでほとんど変わっていない

特撮評論

近年では特撮評論家としての活動も行っており、テレビ東京系列番組「TVチャンピオン2000年2月10日放送分「悪役怪獣・怪人王選手権」において優勝の栄冠を勝ち取っている。その活動の関連著作としてスーパー戦隊シリーズを始めとした東映特撮作品のSF考証をテーマとした『すごい科学で守ります!(通称「すごかが」)』シリーズがある。こちらでも漫画作品におけるそれ同様、様々な作品のクロスオーバーに成功しており、前述の通り星雲賞も受賞している。1997年から毎年日本SF大会(長谷川裕一は常連参加者の一人である)で開かれる同名のトーク企画は今や名物企画の1つである。

作品リスト

連載

読み切り

書籍

漫画単行本

詳細は該当記事を参照。

「すごい科学で守ります!」シリーズ

いずれも日本放送出版協会刊。詳細は「すごい科学で守ります!」の項を参照。

  • 『すごい科学で守ります!』1998年3月1日第1刷発行 ISBN 4-14-080364-9
  • 『もっとすごい科学で守ります!』2000年8月5日第1刷発行 ISBN 4-14-080503-X - 星雲賞受賞作。
  • 『さらにすごい科学で守ります!』2005年11月30日第1刷発行 ISBN 4-14-080801-2

共著

単行本未収録の作品が掲載された版権付きアンソロジーコミックのみ記載。

  • 『スーパーロボットコミック 超電磁ロボコン・バトラーV&超電磁マシーンボルテスV&闘将ダイモス編』、双葉社 〈ACTION COMICS〉 1999年9月28日第1刷発行、全1巻 ISBN 4-575-93633-2
  • 『スーパーロボットコミック 聖戦士ダンバイン編』、双葉社 〈ACTION COMICS〉 2000年11月12日第1刷発行、全1巻 ISBN 4-575-93712-6
  • 『SDガンダム GジェネレーションF 4コマKINGS』、スタジオDNA 〈DNAメディアコミックス〉 2000年11月15日第1刷発行、全1巻 ISBN 4-921066-58-2
  • 『スーパーロボット大戦D コミックギルド』、角川書店 〈角川コミックス〉 2003年12月25日第1刷発行、全1巻 ISBN 4-04-853712-1
  • マップス・シェアードワールド 翼を追う者たち』、発行:フレックスコミックス・発売:ソフトバンククリエイティブ 〈フレックスコミックス〉 2009年、全1巻

小説挿絵

その他

アニメ関係

日本ビクターから1991年9月27日に発売されたOVAもりやまゆうじと共同で原作を担当。またこれに先駆けて漫画版(原作・ネーム:長谷川裕一、漫画:もりやまゆうじ)が『アニメV』に連載されたが、単行本化はされていない。
  • 風は翼に乗る 翼は風に乗る
マップス KSS版OVA』(1994年)の主題歌。長谷川裕二名義で作詞を担当。
1997年7月1日発売。「まんが天狗」役で声優として出演している。

ゲームソフト関係

ゲームアーツDCPS2用RPG。重馬敬と共同でシナリオ原案を担当した[1]が、実際の作品ではかなり改変されたとのこと。
タイトーPS2用RPG。プレイヤーが描いたラクガキで対戦するゲームで、開発スタッフの知人であった長谷川裕一がこの作品の最初のテストプレイヤーであった。また、本作およびシリーズ作品『天才ビットくん グラモンバトル』の本編中で対戦するラクガキも作成している。
公式サイト内のデモ 関連記事(Impress Watch)[2][3](ファミ通.com)[4][5](電撃オンライン)[6]
1990年に発表された『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』は「ガンダムイデオン」という一見するとイロモノ的な(担当編集者も企画を聞いた当初はギャグものだと思っていた)内容を大真面目に描いた、当時としては画期的な作品であり、後のスーパーロボット大戦シリーズを予見するような作品である。事実、同シリーズのチーフプロデューサーである寺田貴信はこの作品を見て企画に確信を持ったという。
長谷川裕一自身も同シリーズのファンであり、関連のアンソロジーコミックでもいくつかの作品を発表しているが、『スーパーロボット大戦α』の前日談として設定だけが存在した恐竜帝国(ゲッターロボの敵役)との戦いを描いた『スーパーロボット大戦α THE STORY 竜が滅ぶ日』のストーリーは、その後制作された『スーパーロボット大戦α外伝』の公式設定として取り入れられることとなった(DC版の『α』にはこれに関連したPS版からの変更が若干存在する)。また、『機動戦士クロスボーン・ガンダム』は(個別の人物・機体レベルではこれ以前にも例があるものの)漫画作品としては初めてスーパーロボット大戦シリーズに登場した作品(登場作品は2003年の『第2次スーパーロボット大戦α』)であり、以後の同シリーズの新規参戦作品の多様化のきっかけとなった作品としても知られる。
ちなみに、自作品のクロスオーバーのみでスーパーロボット大戦風のストーリーを構築するという手法を用いた『長谷川裕一ひとりスーパーロボット大戦 大外伝』を同人誌で発表している。

イラスト・コラム等

イラスト
ジャケットイラストを1枚担当(BOX1のVol.4)。
イラスト描き下ろし。
イラスト描き下ろし。

など多数。この他、時期・タイトル共に不明だが、学習研究社の『学習』に掲載されていた水沢蝶児の小説の挿絵を担当したこともある。

コラム等
『月刊コミックNORA』1994年4月号から8月号にかけて連載された1ページ連載漫画。
未来戦隊タイムレンジャー」のレビュー<ref>インターネットアーカイブ</ref>。
  • 「総統のブランチ」
特撮専門誌『宇宙船』(朝日ソノラマ)に連載されたイラストコラム。
  • 「長谷川裕一のSEEDを一刀両断」
機動戦士ガンダムSEEDオフィシャルファイル メカ編』(講談社)シリーズに連載されたイラストコラム。続編に「長谷川裕一のSEED DESTINYを一刀両断」がある。
  • 『こんなにヘンだぞ!『空想科学読本』』
山本弘による『空想科学読本』の批判書。本文イラスト監修で参加。山本の著書には長谷川裕一作品がよく取り挙げられている。
描き下ろしコラム。

など。

同人関連

その他デザイン

新名昭彦漫画作品。作中に登場しているアフロダイAの漫画版オリジナルO.P.M「オッパイロケットパンチ」のアイデアを読者に混じって応募して採用されている。
ホビージャパン誌上で、クロスボーン・ガンダムをモチーフとする武者尖駆琥狼主のデザインが募集された際も投稿し、結果的に本人の案を元にデザインされることとなった。しかし、この企画に参加した一般読者の中にはこの結果に不満を持つ者も多く、「本物である本人の案が採用されるのは不公平ではないか」「出来レースだったのではないか」と言う声も上がることとなってしまった。
長谷川裕一が四街道市在住という縁でデザインしたヒーロー。プロレス団体「KAIENTAI-DOJO2009年9月20日の興行にてデビューした。

テレビ・ラジオ・イベント等への出演

飛べ!イサミ』本放送時に放送された正月特番。この中で作画中の風景が取材されている。
1997年以降『すごい科学で守ります!』トークショーを毎年講演。

など。

関連書籍

稲葉振一郎による長谷川裕一の漫画をテーマにしたSF評論本。長谷川裕一へのインタビューと筆者による分析によって長谷川漫画の持つSF性について考察している。

補足事項

  • 誤変換に気付かずなのか「長谷川一」と表記されているWebページが多く見られるため<ref>個人サイトのみならず商業サイトや出版物にも見られる。中には本人が直接関わっているにも関わらず誤表記されている書籍も存在する。</ref>、サーチエンジン等を利用する際は注意が必要である。
  • 名前の「裕一」を「ゆういち」と読ませるのは実はペンネームである。本名は同じく「裕一」と書いて「ひろかず」と読ませる<ref>『ぱふ』1994年12月号 長谷川裕一インタビュー</ref>。
  • 自画像は『マップス』連載終盤頃から同作に登場するニュウ・エイブが使われている(友達に似ていると言われたらしい<ref>『飛べ!イサミ』第5巻作者コメント。</ref>)。最近では『マップス』や『クロノアイズ』などに登場する侵略大帝も使用。
  • 宇宙作家クラブの会員である。
  • 21世紀のコミック作家の著作権を考える会に参加している。
  • 「悪役怪獣・怪人王選手権」に出場した際、アシスタントに自らを総統と呼ばせていた。公式ブログのスタッフコメントを見る限り、現在でも同様のようである。
  • ベルセルク』の作者三浦建太郎は長谷川裕一作品のファンとしても知られており、アイデアの素晴らしさに中学時代から影響を受けていると同人誌のインタビューに答えたこともある。また『マップス ネクストシート』第9巻の帯コメントも担当している。
  • 機動新世紀ガンダムX』にカトキハジメとともに「設定協力」としてクレジットされているが、これは同作のタイトルが当時連載中だった『機動戦士クロスボーン・ガンダム』(機動戦士Xガンダム)とイメージ的にかぶるため、制作側が配慮したものである。したがって実際には同作には参加していない<ref>しかし劇中にクロスボーン・ガンダムに登場するMSとコンセプトが酷似したMSが登場する。</ref>。

脚注・出典

Template:脚注ヘルプ

<references />

関連項目

外部リンク

個人用ツール