竹本泉

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Template:Infobox 漫画家 Template:特殊文字 Template:漫画 竹本 泉(たけもと いずみ、本名・竹本 謙(たけもと けん)、1959年昭和34年)1月19日 - )は、日本漫画家埼玉県出身。男性。血液型はB型。日本大学経済学部卒業。

目次

経歴

少女漫画は妹の影響で読み始めた。和田慎二銀色の髪の亜里沙』の影響を受けて少女漫画を描き始め、「なかよしまんがスクール」に2年間投稿。

大学4年次の教育実習時に第21回なかよし・少女フレンド新人漫画賞佳作となった『夢みる7月猫(ジュライキャット)』にて『なかよし1981年8月号でデビュー。『なかよし』本誌での初連載作品は「パイナップルみたい♥」<ref name="fukkan">「竹本泉の処女単行本が26年ぶりに復刊」2009年2月28日。</ref>。

人物と作風

ほのぼのとしているが、どこかが変な話というのがデビューからずっと変わらぬ作風。短編または短編連作型のシチュエーション・コメディを得意としている<ref>「エロとグロのない吾妻ひでお」ともいわれる(ハヤカワコミック文庫『ななこSOS』第2巻解説)</ref>。

エドガー・ライス・バローズをはじめとしたSFファンで、作品中にSFネタが散見される。またいくつかのSF作品は、設定が同じである<ref>宇宙人、コピーされた地球など。世界が同じであるかは不明</ref>。また、無類の好きで知られ、猫をテーマとした漫画をしばしば描く。猫以外にもイルカ宇宙人恐竜なども、よく作品に登場する。2003年まで飼っていた飼い猫のエピソードを漫画化した作品として『ある日のツヴァイ』などもある。飼い猫や作中に登場する猫にツヴァイ、どら菜、ふゅあ菜 (4?) 、ふゅん菜 (5?) 、じーく菜 (6?) 等ドイツ語と思われる数詞が頻出する。

『なかよし』の専属契約を離れてからは、ゲーム誌やマニアックな雑誌での作品が増え、現在はほぼその方面で活動する作家である。しかし本人は少女誌の仕事がほとんどなくなった後も、少女漫画家を自称し続けている。趣味は海外SFを中心とした読書と、チェスアニメ鑑賞、テレビゲーム。ポリシーとして原稿はいつも締め切り前に仕上げる。ただ、毎年11月は休載が慣例となっている。

作画にはもっぱらGペンを使用し、独特のポップな背景、かわいらしい画風を持つ。この作風とペンネームゆえに、かつては女性と誤解されることが多かった。登場人物の台詞、作品のタイトルや登場人物の名前も、掛詞言葉遊びを凝らした独特のものが多い。ヤシの木などの慣れている物であれば、当たりをつけただけの下書きでペン入れしたりするなど、作画のスピードは速く、『エマ ヴィクトリアンガイド』で『エマ』の作者である森薫と対談した際、原稿を描くスピードについて「ネームが決まれば1日半から2日で仕上げまで」と発言して森を絶句させている<ref>月刊で連載をしていた森は2週間程度使っていたようだが、竹本は更に続けて、森の作品の背景なら密度があるので「もう2日くれって言います」と続けて、森を驚愕させた。</ref>。

メディアミックス展開について

デビュー間もない頃からアニメに向いた絵柄という評価があり、その後の掲載誌についてはメディアミックスに注力している雑誌・出版社も少なくないため、作品のメディアミックス展開、とりわけテレビアニメ化については各方面で度々噂が上がった作家である。また、『アニメディア』などのアニメ雑誌が行うアニメ化希望作品についての読者アンケート調査でも、1980年代後半の一時期、『あおいちゃんパニック!』などが上位ランクインの常連作品の一つになっていた事がある。

しかし、竹本の原作作品はもとより、竹本が関連する作品についても、テレビアニメ方面で作品展開されたケースは極端に少ない。わずかにメディアミックスに関連した企画であった『あんみつ姫』のリメイク作品が挙げられるのみであるが、この『あんみつ姫』もテレビアニメ版のキャラクターは竹本のデザインによるものではなく<ref>アニメ版『あんみつ姫』のキャラクターデザインは『スプーンおばさん』で知られる南家こうじで、竹本のキャラクターとはおよそ異なる画風であった。セガ・マークIII用のテレビゲームソフトも制作されているが、こちらのキャラクターもアニメ版に拠るものである。</ref>、実質的に竹本作品や竹本がデザインしたキャラクターによるアニメ作品は存在しない。

この他、1980年代に『魔法使いさんおしずかに!』がアニメ化候補となったこともあるものの制作には至らず<ref>エンターブレイン版『魔法使いさんおしずかに!(1)』のなかがきより。この時、実際にアニメ化された作品は『はーいステップジュン』であった(「GENPの部屋」Win&Mac『色数向上委員会アグライア』Vol.2、アーカムプロダクツ。)。</ref>、1992年にはとあるアニメ制作プロダクションから海洋少女冒険もののアニメ企画のキャラクターデザインの依頼が持ち込まれたものの、竹本曰く「その企画は流れた」という<ref>主婦と生活社(ミッシィコミックス)『ばばろあえほん』P108『メイキング・オブ・アイ・アイ・アイランド』</ref>。アニメ化の話についてはアニメ化前提の企画であったはずの『MAGI×ES』第2巻のあとがきでも触れており、登場キャラクターに「全ての企画をなしにしてしまうすばらしくマイナスな魔法力」と言わせて、やはりアニメ化企画が頓挫していることを暗に示している。

テレビゲームソフトについては、コンシューマ機用のものを中心に過去に数作発売されているが、企画段階で頓挫した作品、制作中止になった作品も多く、また発売された作品もゲーム性の低いマルチメディア作品が大半であった。

作品リスト

連載中の作品

単行本

※巻数の記載の無い物は1巻完結。各単行本の出版社は刊行順。「絶版」には品切重版未定を含む。

  • あおいちゃんパニック!
  • アップルパラダイス(全3巻)
    • ホビージャパン(ホビージャパンコミックス)【絶版】
    • ノアール出版【絶版】
  • ある日のツヴァイ(徳間書店 トクマコミックス)
  • あんみつ姫
    • 講談社(ワイドKCなかよし、全4巻)【絶版】
    • 宙出版(ミッシィコミックスMSL、全2巻)【絶版】
    • 幻冬舎(バーズコミックススペシャル、全2巻)
  • 苺タイムス【絶版】 - 講談社(覇王KCデラックス)
  • うさぎパラダイス
    • ホビージャパン(ホビージャパンコミックス)【絶版】
    • ノアール出版【絶版】
  • 乙女アトラス(全2巻)【絶版】 - 学習研究社(ノーラコミックスDX)
  • かわいいや - 芳文社まんがタイムKRコミックス
  • さくらの境(全4巻) - メディアファクトリー(MFコミックス)『MAGI×ES』連載開始に伴いページ数を減らして並行連載、TVドラマ化の企画もあったが立ち消えとなっている。
  • さよりなパラレル全4巻
  • しましま曜日(全2巻)
  • せ〜ふくもの【絶版】 - 主婦と生活社(ミッシィコミックスDX)→宙出版(同)
  • 竹本泉のいろいろぶっく - ソフトバンククリエイティブ
  • ちまりまわるつ
    • 主婦と生活社(ミッシィコミックスDX)→宙出版(同)【絶版】
    • 朝日ソノラマ (Izumi Takemoto dashinaoshi)
  • ちょっとコマーシャル ※短編集
    • 講談社(KCなかよし)【絶版】
    • エンターブレイン(ビームコミックス)
      • 併録作品:にっちもさっちもひとみちゃん/すすみ時計は大きらい/屋根裏のセレナーデ/1+1=3ドイッチ
  • てきぱきワーキン♥ラブ(全6巻) - アスキー(アスキーコミックス、1巻)→アスペクト(アスペクトコミックス、2-4巻)→エンターブレイン(ビームコミックス、1、5、6巻)
  • てけてけマイハート(既刊8巻) - 竹書房(バンブーコミックス)
  • とある日のクル 学習研究社(ピチコミックス)
  • トゥインクルスターのんのんじー(全2巻) - 白泉社(ジェッツコミックス)
  • トランジスタにヴィーナス(全7巻) - メディアファクトリー(MFコミックス)
  • 虹色♪爆発娘♥
    • 主婦と生活社(ミッシィコミックスEX)→宙出版(同)【絶版】
    • 朝日ソノラマ (Izumi Takemoto dashinaoshi)
  • 日々にパノラマ(既刊1巻) - メディアファクトリー(MFコミックス)
  • ねこめ〜わく
    • 主婦と生活社(ミッシィコミックスDX、1、2巻まで)→宙出版(同、1-3巻まで)【絶版】
    • 朝日ソノラマ(眠れぬ夜の奇妙な話コミックス、1-4巻まで)→朝日新聞出版(同、既刊6巻)
  • パイナップルみたい♥
    • 講談社(KCなかよし)【絶版】 - 初単行本<ref name="fukkan"/>
    • エンターブレイン(ビームコミックス)
  • ハジメルド物語(初の連載作品)
    • 講談社(KCなかよし)【絶版】
    • エンターブレイン(ビームコミックス)
  • はたらきもの
    • 主婦と生活社(ミッシィコミックスDX)→宙出版(同)【絶版】
    • 朝日ソノラマ (Izumi Takemoto dashinaoshi)
  • ばばろあえほん
    • 主婦と生活社(ミッシィコミックスDX)→宙出版(同)【絶版】
    • 朝日ソノラマ (Izumi Takemoto dashinaoshi)
  • バラエティも〜にん(全3巻) - 芳文社(まんがタイムKRコミックス)
  • ぴこぴこのきらきら【絶版】 - 宙出版(ミッシィコミックス)
  • ひまわりえのぐ【絶版】 - 講談社(KCなかよし)
  • 魔法使いさんおしずかに!(全2巻)
    • 講談社(KCなかよし)【絶版】
    • エンターブレイン(ビームコミックス)
  • MAGI×ES 魔法小路の少年少女(全3巻) - メディアファクトリー(MFコミックス)
  • むきもの67%【絶版】 - 宙出版(ミッシィコミックスDX)
  • 夢みる7月猫 - エンターブレイン(ビームコミックス)※短編集 併録作品は作品記事を参照
  • 世の中なまほう【絶版】 - 宙出版(ミッシィコミックスDX)
  • よみきり♥もの(全10巻) - エンターブレイン(ビームコミックス)
  • よみきりものの…(全7巻) - エンターブレイン(ビームコミックス)
    • よみきりものの…わらいの園々
    • よみきりものの…コオニライフ
    • よみきりものの…ヒトライフ
    • よみきりものの…やわらかくて グ
    • よみきりものの…北国楽園
    • よみきりものの…たちこめるバラのかおり
    • よみきりものの…魂のにぎわい
  • ルプ★さらだ
    • 主婦と生活社(ミッシィコミックスMSL)→宙出版(同)【絶版】
    • 幻冬舎(バーズコミックスデラックス)

主な単行本未収録作品

イラスト集・ムック

  • 竹本泉☆WORLD【絶版】 - 1994年/竹書房
  • 竹本泉ポストカードブック ねこめ〜る - 1997年/宙出版(書籍扱い)
  • てきぱきワーキン♥ラブ設定資料集【絶版】 - 1998年/ムービック
  • ねこめ〜わく…とか いろいろ - 1999年/宙出版(雑誌)
  • いろ2もの - 2000年/アスペクト
  • いろ3もの - 2002年/エンターブレイン
  • イーナス コレクション - 2003年/メディアファクトリー

電子書籍

※巻数の記載の無い物は1巻完結。ebookjapanにて以下の作品が購入可能。

  • あおいちゃんパニック!(全4巻) - メディアファクトリー(MF文庫)※全2巻の文庫本をそれぞれ2分冊で全4巻。
  • アップルパラダイス(全3巻) - ノアール出版
  • うさぎパラダイス - ノアール出版
  • ちまりまわるつ - 朝日ソノラマ(Izumi Takemoto dashinaoshi)
  • トランジスタにヴィーナス(全7巻) - メディアファクトリー(MFコミックス)
  • 虹色♪爆発娘♥ - 朝日ソノラマ(Izumi Takemoto dashinaoshi)
  • ねこめ〜わく(既刊総て)
  • はたらきもの - 朝日ソノラマ(Izumi Takemoto dashinaoshi)
  • ばばろあえほん - 朝日ソノラマ(Izumi Takemoto dashinaoshi)

ゲーム

音楽CD・ドラマCD

  • うじゃうじゃパラダイス
  • 音盤ねこめ〜わく(廉価版あり)
  • 音盤はたらきもの(廉価版あり)
  • 音盤 ルプ★さらだ(ジャケットイラストの表記は「音盤るぷぷキューブ ルプ★さらだ」で正式名称と異なる)
  • だいな♥あいらん音径
  • てけてけマイハート
  • データム・ポリスター歌のアルバム はたらきもの・ねこめ〜わく・ルプ★さらだ 竹本泉♥うたこれ

その他

  • 小説『さよりなパラレル外伝 マヤヤイリリぱにっく』上・下(イラスト)
  • 小説『小説 てきぱきワーキン♥ラブ』(原作・イラスト)
  • 小説『Dr.みまん―高校生ドクターのトラブル・バスター』(イラスト)
  • CD『ドラマCD 秋桜の空に 〜虹空の初子〜』(ブックレットイラスト)
  • CD『場外乱闘 漫画家超歌唱大全集』(1曲作詞/ブックレットイラスト)
  • テレビ番組 (NHK)『あの歌がきこえる』 (2006年11月8日放送分「乾杯」イラスト)
  • TVアニメ『ドージンワーク』 第5話エンドカード
  • TVアニメ『俗・さよなら絶望先生』 第8話エンドカード
  • ガイドブック『モンスター・コレクションTCGをはじめて遊ぶ本』 (説明漫画)
  • カードゲーム『モンスター・コレクションTCG』 (一部カードのイラスト)

こぼれ話

  • かつて親戚の誘いでベネズエラに引っ越す計画があったが、アニメ『未来少年コナン』に感動し、これが見られなくなると困るため日本に残ったという<ref>『コミックボックス』にて本人の談</ref>。
  • 朝日ソノラマは竹本作品の復刊の為に「Izumi Takemoto dashinaoshi」レーベルを立ち上げ、計4巻の復刊を行っている。
  • 『あおいちゃんパニック!』がロリコン総合誌の『ロリコンハウス』(三和出版)で「女の子がかわいい」と紹介されたことがある。

関連人物

脚注

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外部リンク

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