白金
出典: Wikipedio
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一般特性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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名称, 記号, 番号 | 白金, Pt, 78 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | 遷移金属 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
族, 周期, ブロック | 10 (VIII), 6 , d | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
密度, 硬度 | 21450 kg·m−3, 3.5 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
単体の色 | 光沢がある淡い金属色 120px|白金 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
原子特性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
原子量 | 195.084(9) u | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
原子半径 (計測値) | 135 (177) pm | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
共有結合半径 | 128 pm | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
VDW半径 | 175 pm | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電子配置 | [Xe]4f14 5d9 6s1 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電子殻 | 2, 8, 18, 32, 17, 1 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
酸化数(酸化物) | 2, 4(塩基性酸化物) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
結晶構造 | 面心立方構造 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
物理特性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
相 | 固体 (常磁性) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
融点 | 2041.4 K (1768.3 ℃, 3214.9 °F) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
沸点 | 4098 K (3825 ℃, 6917 °F) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
モル体積 | 9.09 × 10−3 m3·mol−1 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
気化熱 | 510 kJ·mol−1 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
融解熱 | 19.6 kJ·mol−1 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
蒸気圧 | 0.0312 Pa (2041 K) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
音の伝わる速さ | 2680 m·s−1 (293.15 K) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
その他 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
クラーク数 | 5×10-7 % | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電気陰性度 | 2.28 (ポーリング) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
比熱容量 | 130 J·kg−1·K−1 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
導電率 | 9.66 × 106 S/m | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
熱伝導率 | 71.6 W·m−1·K−1 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
イオン化エネルギー | 第1: 870 kJ·mol−1 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第2: 1791 kJ·mol−1 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(比較的)安定同位体 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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注記がない限り国際単位系使用及び標準状態下。 |
白金(はっきん、Platinum、鉑)は原子番号 78。元素記号はPt。貴金属元素のひとつ。
学術用語としては白金が正しいが、現代日本の日常語においてはプラチナと呼ばれることが多い。なお、白金という名称からホワイトゴールドと混同されることがある(表記による誤解を参照)。
単体では、白い光沢を持つ金属として存在する。化学的に非常に安定であるため、装飾品に多く利用される一方、触媒としても自動車の排気ガスの浄化をはじめ多方面で使用されている。酸に対して強い耐食性を示し、金と同じく王水以外には溶けないことで知られている。
目次 |
歴史
古くは古代エジプト第18王朝時代にファラオの装身具としてわずかながら利用されていたらしい。
現存する最古のプラチナ製品は、ルーブル美術館収蔵の、通称「テーベの小箱」である。これはエジプトのテーベにある女性神官シェペヌペットの墓から出土した小箱で、紀元前720年から紀元前659年頃のものと思われる。
また、10世紀頃には、南米でも装身具として利用されていた。これは純度80%以上もあるもので、当時すでに高度な精錬技術があったことを示す。
ただ合金状のものでも融点まで加熱するのは当時の技術水準では不可能であったが、貴金属ゆえに酸素では酸化されない性質を利用し粉末状・粒状のものを現在の粉末冶金などと呼ばれる方法で成型していたものと考えられている。
スペイン人による南米への侵略の際に、当時ヨーロッパで珍重されていた銀と勘違いされて略奪され持ち帰られた。しかし、銀よりも融点が高いプラチナは銀用の加工設備では溶かすことができず、大量に廃棄された。
1735年に、スペインの海軍将校がコロンビアのピント川河畔で銀に似た白い金属を発見し、本国に報告。これがプラチナの「再発見」となった。スペイン人達は、これを「ピント川の小さな銀 (platina del Pinto)」と呼び、これが元素名 platinum の語源となっている<ref>スペイン語で「銀」は plata、これに縮小辞をつけたのが、プラチナの語源となった platina で、あえて意訳すれば“銀のようなもの”。物質名の慣例にあわせてこれをラテン語・中性名詞化したのが platinum で、英語などではこのまま借用している。これの複数形は規則的に platina で、偶然にも語源と同じ -a の形。ちなみにスペイン語における「プラチナ」は platinum を自国語化した platino であり、platina と呼ぶことはない。</ref>。
これまでに人類によって産出されたプラチナの総量は約4,000トン、体積にして約200立方メートル(一辺が約6メートルの立方体)ほどである。稀少な貴金属なため、「プラチナチケット」のように入手しにくい、貴重なもののたとえに使われることもある。
用途
宝飾品として利用されるほか、化学的に極めて安定しており酸化されにくいこと、融点が 1,769 ℃(理化学辞典)と高いことなどから、電極、るつぼ、白金耳、度量衡原器(キログラム原器、メートル原器)などに利用されている。
また触媒として高い活性を持ち、自動車には排気ガスの浄化触媒として多くの量が使用されており、さらにはその高い耐久性により同じく自動車の点火プラグや排気センサーなど過酷な環境に晒される部品にも多用される。その他では化学工業でも水素化反応の触媒などとして利用されるほか、燃料電池への利用も盛んに行われている。
なじみ深い所では ハクキンカイロの発熱装置、プラチナとイリジウムなどの合金は万年筆のペン先、フルート、としても利用されている。
白金の電気抵抗と温度との関係を使い、白金抵抗温度計に使われている。13.81 K から 1234.93 K までの範囲で標準温度計として利用されている。
また、白金磁石など磁性体の材料としても有名である。マンガンとの合金は GMR(巨大磁気抵抗効果)が磁気記録ヘッドに用いられているほか、鉄やコバルトとの合金は、L10規則相において非常に強い結晶磁気異方性を示す。
医療分野においてはアンモニウムイオンおよび塩化物イオンとの化合物であるcis-ジクロロジアンミン白金 (cis-[Pt(NH3)2Cl2]) がシスプラチンの名で抗ガン剤 として広く用いられている。
産出
主な産出国は南アフリカ共和国、ロシアである。日本でも僅かであるが埋蔵されていることが確認されている。北海道の天塩川、石狩川の川砂中で認められた(砂白金の項を参照)他、新潟県で発見されている。
2004年の白金産出国ランキング上位6カ国は下記のとおり。数値は産出量(キログラム)、世界シェア。(出典:アメリカ合衆国内務省「ミネラル・イヤーブック2004」)
- 南アフリカ共和国 160,013 (74.8%)
- ロシア 36,000 (16.8%)
- カナダ 7,000 (3.3%)
- ジンバブエ 4,438 (2.1%)
- アメリカ合衆国 4,040 (1.9%)
- コロンビア 1,400 (0.7%)
(世界産出計 214,000kg)
白金鉱石
白金鉱石を構成する鉱石鉱物には、次のようなものがある。
- 自然白金 - Pt
- 砒白金鉱 - PtAsTemplate:Sub
同位体
その他
純度(品位)
ISO9202、JIS H6309により、金、銀、パラジウム同様、ジュエリー用白金合金の純度(品位)は、千分率‰(パーミル)で表記する。この規格にはPt950、Pt900、Pt850の3区分がある。 日本国内では、宝飾品として販売される白金(合金)の品位は、上記のほか、Pt1000を加えた4区分が一般的である。ISOおよび社団法人日本ジュエリー協会は、プラチナジュエリーと呼称できるのは、Pt850以上とさだめている。また、造幣局の品位証明区分もこの4区分を採用している。 しかし、地金価格高騰の影響を受け、実際には、K18の品位にあたるPt750、K14にあたるPt585、さらにPt505製品が市場に供給され、議論を巻き起こしている。これは、海外でも同じ傾向である。 物品税(貴金属製品とされるPt700以上は15%課税)撤廃までは、少ないがPt700以下の製品も製造されていた。 白金合金の品位の定義は千分率だが、他の金属などの百分率と混同されることがあり、この錯誤を意図的に誘発させる詐欺的なPt100製品もあるので注意が必要である。
表記による誤解
「白金」の表記は「白い金」と解釈されてしまう事、また英語に逐字訳すると「ホワイトゴールド」 (white gold) となることなどから、白金=ホワイトゴールドとされる事がよくあるが、これは誤りである。ホワイトゴールドは金をベースとした合金であり、本項で言及している白金とは全く異なる金属である。
和名
プラチナの和名「白金」は、江戸時代の蘭学者、宇田川榕庵(ようあん)が著した化学書「遠西医方名物考補遺巻八」(えんせいいほうみょうぶつこうほい)に、白金(一種銀色の金属、原名プラチナ)の訳語があり、榕庵が命名し日本で最初に使われた用語と言われている。
宝飾品の刻印
宝飾品へ打刻される、素材などを表す略号に関しては、現在では元素記号と共通の Pt という表記が使われるが、以前は Pm という表示が用いられることがあった。一説に Platinum metal の略であったという。「プラチナを使用しています」というほどの意味で、Pm900 のように純度を表す数字を添えるケースが多い。ただし信憑性には欠けるとされる。
東南アジアなどでは「白金」と打刻されることもある。 なお、「Pm」「白金」ともにパラジウムの意味でも使われ、パラジウムが主体のジュエリー類にそのように打刻されることもあるので、注意が必要である。
国際キログラム原器
キログラム(瓩、記号:kg,kg)は、国際単位系 (SI) における質量の基本単位であり、「国際キログラム原器の質量」として定義されている。国際キログラム原器は化学的に安定なプラチナ(白金)90%、イリジウム10%からなる合金で作られ、国際度量衡局に、二重の気密容器で真空中に保護された状態で保管されている。(詳細は当該記事参照の事)
純プラチナ製 機動戦士ガンダム
バンダイは田中貴金属ジュエリーと共同で「純プラチナ製 機動戦士ガンダム〔GUNDAM FIX PLATINUM〕」を製作した。時代を超えた人気を誇るキャラクターを、純粋性、希少性、永続性の象徴とされている純プラチナ(Pt1000)を素材として使用し、永遠に白く輝き続けるプラチナで再現することにより、ガンダムの持つ魅力と輝きを永遠に保つことに成功した。貴金属特有の硬質な雰囲気を放ちながら、89にも及ぶ精巧なパーツを組み立てた設計となっているため、繊細かつ高貴な印象の仕上がりとなっている。 参考価格としてはUS$250,000相当、素材は純プラチナ(Pt1000)で、重さは1,400g。 http://www.bandai.co.jp/releases/J2007032901.html
関連項目
外部リンク
脚注
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