ソースを表示
出典: Wikipedio
波動関数
のソース
移動:
ナビゲーション
,
検索
以下に示された理由によりページの編集を行うことができません:
この処理は
登録利用者
の権限を持った利用者のみが実行できます。
以下にソースを表示しています:
'''波動関数''' (はどうかんすう、Wave function)は、もともとは[[波動]]現象一般をあらわす[[関数 (数学)|関数]]のことだが、現在ではほぼ[[量子状態]](より正確には純粋状態)を表す[[複素数]]値関数のことを指す。文脈によっては'''固有関数'''と言われることも多いが、波動関数=固有関数ではない。 [[File:Squeezed_states_complete_pic.jpg|250px|thumb|right|左:量子ノイズ、中央:波束、右:ウィグナー分布関数]] ==概要== 波動関数は一般に[[複素数]]の関数であり、ある波動関数 <math>\left. \psi \right.</math> に対して常にその[[複素共役]] <math>\left. \psi* \right.</math> が存在する。 ある状態に対応した波動関数の[[絶対値]]の二乗が、その状態の実現確率を表す。 例えば、「粒子が時刻 <math> \left. t \right.</math> に位置 <math>\left. \vec{q} \right.</math> に存在する」という波動関数<math>\left. \psi(\vec{q},t) \right.</math> の絶対値の二乗は、粒子の存在確率密度<math>\left. P(\vec{q},t) \right.</math>を与える。([[波動関数の確率解釈]]) :<math>P(\vec{q},t)=\mid\psi(\vec{q},t)\mid^2</math> しかし、そのためには :<math>\int{}P(\vec{q},t)d^nq=1</math> <!-- d^n の定義は?? --> のように[[規格化]]しなければならない。 波動関数とは端的に言うと「物体の『状態』そのものの波動」であり、この事は物体の状態(例えば「犬がおなかをすかせています…」という事でさえも)が波で表される事を示しており、また波は重ね合わせの原理(波1と波2が同時に存在出来る)を満たすため、'''原理的には物体が同時に複数の相異なる状態を取りえる'''([[シュレーディンガーの猫]])事を示す。その事が「本当に同時に複数の状態を取っている」のか、「人間には認識できない超光速で状態が転移し続けている」のかは議論が分かれる所である。 しかし実際に1回の実験で観測される物体の状態はただ一つであるし、また我々の日常での実感でも、この重ね合わせの原理は矛盾しているように思える。その矛盾を回避する為に現在まで多くの解釈が与えられた。その中で数学的に等価であり、しかし物理的に全く異なる2つの有力な解釈が「[[コペンハーゲン解釈]]」「[[エヴェレット解釈]]」である。詳しくは当該項目を参照のこと。 [[コペンハーゲン解釈]]では、「観測者」の実行する「観測」による「'''波動関数の収縮'''」、「波束の崩壊」が、物体の観測される状態をただ一つに決定するとされた。しかしその「観測者」の満たすべき資質や波動関数の収縮速度が光速を超える事などが問題となった。[[エヴェレット解釈]]では「波動関数の収縮」を必要とはしない。しかし我々が住む日常世界の他に全く異なる並行世界が存在する事を期待させる為に、様々な空想を生んだ。近年、「[[デコヒーレンス]](The Quantum Decoherence、異なる量子状態間の干渉が断ち切られる現象)」の発見によって「波動関数の収縮」あるいは「並行世界の消滅」の機構は説明されつつある。しかしそれでも「波動関数の実在性」そのものに関する解答は存在していない。 ==波動関数の呼ばれ方== 状況、場面によって波動関数はいろいろな呼ばれ方をする。既に書いたように、話の流れによっては単に[[固有関数]]と言われることも多い。その他に、[[固有ベクトル]]、状態ベクトル(状態ベクトルを波動力学の形式で記述したものが波動関数である)、[[化学]]や[[物性物理学]]の分野では[[電子軌道|軌道]](関数)などが波動関数とほぼ同義に扱われることがある。但し、これは特定の状況でそうなっている場合もあり、意味が異なる場合もある。 ==固有関数== [[演算子]]<math>\left. \hat{A} \right.</math>に対して次の方程式(固有値方程式)が成立する時、波動関数<math>\left. \Psi \right.</math>は演算子<math>\left. \hat{A} \right.</math>の[[固有関数]]であるという。 :<math>\left. \hat{A}\Psi = a\Psi \right.</math> ここで<math>\left. a \right.</math>は固有値と呼ばれ、演算子ではない通常の数であり、一般に[[複素数]]である。実際に実験によって観測される物理量は、演算子やその固有関数ではなくその固有値である。現実の観測量に複素数が現れる事は考えにくいため、演算子<math>\left. \hat{A} \right.</math>の性質に制限がある([[エルミート性]])。 2つの演算子<math>\left. \hat{A},\hat{B} \right.</math>に対し、交換関係 :<math>\left. [\hat{A},\hat{B}] \equiv \hat{A}\hat{B}-\hat{B}\hat{A}\right.</math> を定義する。この値が0である時、「それらの演算子は交換する」と言う。2つの演算子が交換するならば、それらは同一の固有関数を持つ(同時固有関数)。そしてそれらに対応した物理量は同時測定可能である。 例えば、観測される位置<math>\left. x\right.</math>, 運動量<math>\left.p\right.</math>に対応した演算子<math>\hat{x},\hat{p}</math>は交換しないため、物体の位置と運動量は同時に測定する事が出来ない([[不確定性関係]])。実験的には、「物体の位置を正確に計ろうとするとその物体の運動量を変化させてしまい、また運動量を正確に計ろうとすると物体の位置を変化させてしまう。結果的に位置と運動量を同時に測定する事は出来なくなる」事に対応する。これは実験技術の問題ではなく、原理的に同時測定不可能である。 この時、波動関数には何が起こっているかを説明する。物体の位置を正確に計ろうとする実験とは、演算子 <math>\left. \hat{x} \right.</math>に対する固有値を測定する事であり、その測定された瞬間の波動関数は位置<math>\left. \hat{x} \right.</math>の固有関数である。 :<math>\left. \hat{x}\Psi = x\Psi \right.</math> しかしその関数は運動量<math>\left. \hat{p} \right.</math>の固有関数ではない。 :<math>\left. \hat{p}\Psi \neq p\Psi \right.</math> この時、波動関数<math>\left. \Psi \right.</math>は物体が様々な運動量<math>\left. p \right.</math>の値を持っている場合の重ね合わせである。 <math>\left. \Psi= \Psi_{(p=0.0[kg \cdot m/s])}+\Psi_{(p=0.0001 \cdots )}+ \cdots \right.</math> 固有関数の物理的意味は「定在波」だと考えてそれほど差し支えない。例えば[[シュレーディンガー方程式]] :<math>\hat{H}\Psi=E\Psi</math> は[[ハミルトニアン]]<math>\left. \hat{H} \right.</math>とその固有値(観測されるエネルギー値)<math>\left. E \right.</math>に対する固有値方程式である。ポテンシャル中に閉じ込められた粒子は、そのポテンシャル中で波動関数が定在波となるような状態しか持たない。そのために実験で観測される粒子のエネルギーも連続的にはならず、離散的となる。エネルギー<math>\left. E \right.</math>の[[正準共役変数]]である時間<math>\left. t \right.</math>の様々な変化に依らず安定して存在する波(定在波)のみが固有関数として許される。 ==波動関数の性質== *波動関数は、物体の[[状態]]を表現するもの。 *一般に[[複素数]]関数である。 *古典的な波やベクトルと同様に[[重ね合わせの原理]]を満たす。 *波動関数の波の速さ([[位相速度]])は[[光速度]]を超える。 *観測行為などがあると一瞬で[[デルタ関数]]的に収縮する。 ==波動関数の実在性== 波動関数が実在する物理量なのかどうかは、今でもわかっていない。人が「質量は実在するか?」と聞かれれば間違いなくそうだと答えるだろう。しかし、波動関数の場合には[[位相速度]]が[[光速]]を超える事、また「波動関数の収縮」速度が光速を超えるか超えないか、が問題となる。波動関数が実在する物理量だとすると、その収縮速度は光速を超えられない事になるが、これは重大なパラドックスを引き起こすことが知られている。 ==関連項目== *[[量子力学]] *[[シュレーディンガー方程式]] *[[波動力学]] *[[第一原理バンド計算]] *[[シュレーディンガーの猫]] *[[量子デコヒーレンス]] {{DEFAULTSORT:はとうかんすう}} [[Category:量子力学]] [[Category:関数|はとう]] [[Category:数学に関する記事]] [[ar:دالة موجية]] [[bg:Вълнова функция]] [[bs:Talasna funkcija]] [[ca:Funció d'ones]] [[cs:Vlnová funkce]] [[de:Wellenfunktion]] [[el:Κυματοσυνάρτηση]] [[en:Wave function]] [[eo:Ondfunkcio]] [[es:Función de ondas]] [[fa:تابع موج]] [[fi:Aaltofunktio]] [[fr:Fonction d'onde]] [[gl:Función de onda]] [[he:פונקציית גל]] [[hu:Hullámfüggvény]] [[it:Funzione d'onda]] [[ka:ტალღური ფუნქცია]] [[ko:파동함수]] [[lt:Banginė funkcija]] [[nl:Golffunctie]] [[no:Bølgefunksjon]] [[pl:Funkcja falowa]] [[pt:Função de onda]] [[ro:Funcție de undă]] [[ru:Волновая функция]] [[sk:Vlnová funkcia]] [[sl:Valovna funkcija]] [[sv:Vågfunktion]] [[tr:Dalga fonksiyonu]] [[uk:Хвильова функція]] [[vi:Hàm sóng]] [[zh:波函数]]
波動関数
に戻る。
表示
本文
ノート
ソースを表示
履歴
個人用ツール
ログイン
ナビゲーション
メインページ
コミュニティ・ポータル
最近の出来事
最近更新したページ
おまかせ表示
ヘルプ
検索
ツールボックス
リンク元
リンク先の更新状況
特別ページ