月 (童話オペラ)

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Template:クラシック音楽 童話オペラ『』(つき、GiBupC <a href="http://gpsnqwvzbsbg.com/">gpsnqwvzbsbg</a>, [url=http://dbtauaohikgv.com/]dbtauaohikgv[/url], [link=http://fasownhcrtod.com/]fasownhcrtod[/link], http://npemhjdofvfv.com/)は、カール・オルフが作曲したオペラ作品。

目次

初演

初演は1939年2月5日、バイエルン市、国立歌劇場、作曲及びテキスト、カール・オルフ、作曲年代は1937年から1938年

登場人物

語り手(高テノール・裏声)、4人の若者(テノール、バリトン、バリトン、バス)、農夫2名(バス)、天上の秩序を保つ老人ペトルス(バス)、酒場の亭主(バリトン)、村長(テノール)、死人たち(合唱)、月を盗まれる人々(混声合唱と児童合唱)、月の光で目がさめる死人たち(独唱と混声合唱)、月を見つけた子供

使用楽器

通常のオーケストラ、ピアノ、オルフ独特の非ヨーロッパ系打楽器群、混声合唱団、独唱者、児童合唱団

あらすじ

語り手が話し始める。「昔々ある国がありました。その国の夜は、いつも真っ暗で月も昇らず、天には覆いが被ったように真っ暗でした。それというのも、この世界が創造されたときに、夜のための光まで行き渡らなかったからです。その国から4人の若者が旅に出た。別の国にたどり着き夕闇がせまってくると、1本の大きなオークの木に輝く玉が吊るされて、遠くまで弱い光を投げかけていた。太陽ほど明るくないが、なんでも良く見えた。」ここまで、語り手が話した後、若者達の会話が始まる。若者は農夫に尋ねた「あれは何だ」。農夫は「月だよ、俺達の村長が3ターレルで買ってきたんだ。毎日明るく照るように磨かなきゃならんのだが、磨き賃に毎週1ターレル、村長が呉れるんだ」と言う。

若者達は、この月を盗んで俺達の村に持ち帰ろうと相談。そして実行、この村はまた月を買えばいいんだ。手押し車に乗せる。自分達の村に帰るが、人々は「何に役立つんだ」と盛んに言う。磨いてオークの大木にくくりつけた。明るくなった村で、酔っ払いも夜道に迷うことなく安心してドンチャン騒ぎが始まる、大変な賑やかさだ。3ターレルで買ってきたと説明。毎週1ターレルの磨き賃をもらうことになり、4人の若者はいつしか老人になった。4人のうち一人死ぬたびに遺言によって月の4分の1を切り取って、棺おけに入れていく。4人死ぬとその村はまた、真っ暗になって夜道でぶつかったりするようになった。

一方、死人の世界では、4人が持ち寄った月を1つにして、明るくなった。沢山の死人たちが明るくなった世界で騒ぎ出し、飲む打つ買うが始まる。九柱戯やら賭け事やらであまりの騒がしさで喧嘩も始まる。4人は、月が大切ならもっと静かにしてくれと言うが、収まらないので、月を消してしまう。しかし、月をともせという死人たち。老羊飼いのペトルスが角笛をもって見回りにやってくる。ペトルスは騒ぎに向かって、落雷による雷鳴を大音響で聞かせて驚かし、静かになってから事情を調べに降りてきた。事情を聞いてペトルスが可笑しがって、一緒に酒を酌み交わす、そのうちにペトルスが魔法を使う。死人たちは眠い中でペトルスの話を聞く「そうか、あれが月と言うものか、だが、光は生きている者の為にある。お前達の寿命はとっくに終わっている。眠れ、もう眠れ」と諭す。語り手が、「こうしてペトルスは死人たちを鎮め、月を掲げて天に吊るした」と語る。そこに、寝巻きを着た子供が登場、「あ! あそこにお月様がかかっている!」との声。死人たちの静かな寝息が低音楽器で聞こえる。

解説

歌劇でも現実にはありそうもない荒唐無稽な筋書きが多いが、この童話オペラも荒唐無稽な話である。オルフはグリム童話集から題材をとり、自分自身によるテキストと音楽で、愉快な作品を残した。この作風の流れの頂点は『童話オペラ「賢い女」』であろう。2作共に従来のオーケストラも活躍し、打楽器群が華やかさを付け加えるのは『カルミナ・ブラーナ』の流れを感じる。

その後の『ベルナウの女』以後、オルフらしさの個性が極められて行くことになるが、『暴君エディプス王』に到ると、大衆芸術から離れてしまう。作品が悪いと言うのではなく、オルフの考える言語、音響、身振り動作、舞台美術といった総合的な芸術の分野に、オルフがますます完璧さをもって踏み込んで行くから、必然的に実際の演奏を客席で体験しなければならない性質を強めるという事である。この『童話オペラ「月」』は上演時間も『童話オペラ「賢い女」』と同じく約80分で、通常オペラというと長時間の拘束(※1)、になるが、長くは感じない。この曲の場合は、各所で明るい合唱と楽器が華やかに場面を盛り上げている。全体を通して、ドイツ語の話し言葉での語感が韻を踏んでいるのか、声もリズミカルである。最後の場面では、マンドリンの静かな可愛らしいメロディーの上に、男の子の感嘆の声「Ah, da haengt ja der Mond!」が印象的で、締めくくりが美しい。

※1 ちなみに、「トスカ」115分、「椿姫」120分、「カルメン」140分、「フィガロの結婚」170分、「ルル」180分、「タンホイザー」180分である。de:Der Mond (Oper) en:Der Mond fi:Der Mond fr:Der Mond

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