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指揮者
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{{独自研究|2009年5月18日}} '''指揮者'''(しきしゃ)は、[[演奏]]の中で[[音楽]]の表現の[[コントロール]]を専門に行う人のことである。指揮の技法や歴史については、[[指揮 (音楽)|指揮]]の項目を参照のこと。 == 指揮者の役割 == [[Image:Maazel 08.jpg|thumb|right|300px|楽団を率いる指揮者[[ロリン・マゼール]]]] 指揮者は、主に[[オーケストラ]]や[[吹奏楽]]・[[合唱]]・[[ビッグバンド]]等で、各パートの[[演奏]]をまとめる役割を担う。小編成の[[アンサンブル]]では、演奏者たちが同じ拍子で演奏し、音楽的表現についても話し合いや、リーダーを兼ねる奏者の率先で改善していくことが可能で、[[現代音楽]]以外では指揮者をたてないことがある。 また、[[ポピュラー音楽]]でも大編成のオーケストラを伴う場合は指揮者を必要とする。 指揮者の作業のうち、もっとも時間と労力を要するのは、練習前の予習と言われる{{要出典|2010.3.24}}。指揮をする楽曲の[[総譜|スコア]]、関連する音楽史上の文献などを読んで構造などを把握し、表情づけの方法などを検討し、練習の手順を計画する。例えば[[小澤征爾]]は一度勉強した曲を自ら白紙の五線譜に書き写し、さらに作者の意思を追求し楽曲の理解を深めるなどの練習方法を取っており、「勉強してきてない指揮者ほど使えないものはありませんから」と語っている<ref>NHK「小澤征爾 魂の響きを伝える」2002年</ref>。練習に際しては、音楽的表現全体を考えて音程・音量・音色・奏法や歌唱法・パートの音量バランス・テンポ等を指導し、ミスやずれを修正して、演奏の完成度を上げていく。そして演奏会本番でそれをまとめ上げる。その他にも選曲や人間関係の問題解決等を行う。また、個性の強い指揮者の場合、リハーサルの細かい指導とは別に本番で直に別に楽団の演奏能力が大きく引き出されるケースもある<ref>フルート奏者の吉田雅夫は、NHK交響楽団在籍中[[ヘルベルト・フォン・カラヤン|カラヤン]]の指揮を受けた際、リハーサルで要求される音が出ないために降板を申し入れたが、私の目を見て演奏しろの一言で却下され、本番中は眼光一睨みで音が出た例を語っている(『世界のオーケストラ』音楽之友社、1977年)。</ref>。 [[クラシック音楽]]では、指揮者は尊敬を込めて[[マエストロ]](元々の語源は経験を積んだ専門家の[[敬称]])と呼ばれることもある。また、専任の場合は常任指揮者、演奏会やツアーのために呼ばれた場合は客演指揮者と呼ばれる。[[オーケストラ]]や[[オペラ]]団の方針に影響を与える常任指揮者は、[[音楽監督]]を兼任することもある。 === 現代音楽の中での指揮者 === クラシック音楽において、指揮者は不可欠な存在というわけではない。指揮者の急病や負傷で、あるいは指揮者が亡くなった際の追悼のために、指揮者なしで管弦楽曲が演奏されることもある。 しかしながら、指揮者の存在を楽譜に明示し、彼に音楽をまとめること以外の役割を与える作品も登場している。例えば、指揮者の身振りに何らかの指示を与えたり、指揮者自身が発声、ないしは楽器を鳴らすといったことである。具体例は以下の通り。 *[[マウリシオ・カーゲル]]「フィナーレ」 - 指揮者が演奏途中で倒れるように指示されている。 *[[ディーター・シュネーベル]]「ノスタルジー」 - 一人の指揮者(楽器奏者がいない)のための作品。彼の身振りによる視覚的要素を強調したもの。 *[[湯浅譲二]]「問い」 - 指揮者が聴衆に向かって語る。 *[[権代敦彦]]「Agnus Dei/Anus Mundi I」 - 指揮者がホイッスルを鳴らす。 *[[北方寛丈]]と[[菅原拓馬]] - 「[[コラーゲンII]]」 - 当該記事を参照。 *[[井上道義]] - 「[[メモリー・コンクリート]](2004年)」 - 指揮者[[井上道義]]の自伝的作品。曲中に「指揮者のためのカデンツァ」があり、小太鼓のリズムに乗って指揮者がパフォーマンスを繰り広げる。井上自身の演奏の一例では、礼服を脱ぎ捨ててトレーナー姿になり、王冠風の帽子をかぶってタップダンスを踊った。 == 指揮者の養成 == [[Image:Full score.jpg|thumb|left|300px|膨大な量の[[楽譜|スコア]]と[[指揮棒]]]] [[19世紀]]半ば以降、指揮者の専門職化が進んだ。現在では、[[音楽大学]]の指揮科で養成されることが多い。歴史的にみると、指揮者は専門職ではなく、楽団のリーダーである楽器奏者や声楽家、作曲家などが、まとめ役として担っていたポジションである。そのため、現在でも、[[クア・オーケストラ]]のように指揮を専門としない音楽家が指揮をすることもしばしば行われている。また、後述のように、専ら指揮者として活躍する音楽家の中に、器楽奏者、声楽家、作曲家などから転身した者も少なくない。特殊な例では、政治家([[イギリス|英国]]の[[エドワード・ヒース]]元首相など)や会社社長([[ソニー]]の[[大賀典雄]]など。ただし大賀はもともと声楽家であり、正規の音楽教育を受けている)、著名な音楽評論家が指揮台に立つ例もある。 <!-- 指揮者が必要とする能力として、基本的な指揮の技術だけではなく、{{要出典範囲|複雑な[[総譜|スコア]]を読解する読譜力(それを実際に[[ピアノ]]で弾ける事)、[[対位法]]、[[和声|和声学]]、[[楽式|楽式論]]、[[編曲]]などの音楽学の豊かな知識、様々な楽器やその奏法(特に特殊奏法の奏者への伝達)、また[[声楽]]特に発声法の知識、その歌詩への語学の知識、合理的な[[合奏]]法(プローベ・テクニック)、演奏の状況を瞬時に判断できる良い耳(これには[[絶対音感]]でも高さの調節・バランス・音色・リズム感など)、世界中のオーケストラに直接に対応できる為の数ヵ国語の語学力、[[音楽史]]、音楽[[美学]]の知識などが必要である|2009.5.18}}。 出典なし--> 一般的には、指揮の練習や楽曲の予習にはピアノなどの鍵盤楽器を使う。[[ブルーノ・ワルター]]や[[ダニエル・バレンボイム]]、[[クリストフ・エッシェンバッハ]]等のように[[ピアニスト]]としてデビューし、後に指揮者に転じた者もいる。また、他の楽器についても演奏経験があれば役に立つ。[[アルトゥーロ・トスカニーニ]]([[スカラ座]]のチェロ奏者)や[[シャルル・ミュンシュ]]([[ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団]]のヴァイオリン奏者、[[コンサート・マスター]])、[[ルドルフ・ケンペ]]([[チューリヒ・トーンハレ管弦楽団]]のオーボエ奏者)、[[ネヴィル・マリナー]]([[フィルハーモニア管弦楽団]]のヴァイオリン奏者)など、指揮者の中にはキャリアを楽器奏者から始めた者も少なくない。 また、特に現在では、さまざまな地域で作曲された楽曲を演奏し、さまざまな国の楽団を指揮する機会が大幅に増えており、スコアの原語での読み込みを初め、リハーサルで細かなニュアンスを伝えるためには、[[英語]]、[[フランス語]]、[[ドイツ語]]、[[イタリア語]]、[[ロシア語]]など、複数の外国語の能力も欠かせなくなってきている。特に、世界最多の歌劇場とオーケストラを持ち各国から無料の音楽留学を受け入れているドイツ語と、話者人口の多い英語は重要である。また、欧米で指揮者の仕事の半分を占めるオペラにおいて歌詞のニュアンスを十全に理解する必要性もある。 このように幅広い知識、能力が必要な上に、最終的には大勢の人間に自らの意思を伝え、音楽的表現を作り上げていく能力が重要であることから、指揮者となるためには実践的訓練が重要となる。例えばウィーンの音楽大学ではほぼ毎日、午前中はピアノを用いた指揮法のレッスンと[[楽曲分析]](アナリーゼ)の授業、午後は実際に学生オーケストラを振らせるといった教育システムが取られている。 [[Image:Anthony inglis conducting melbourne symphony orchestra.jpg|thumb|right|300px|大楽団を率いる指揮者。[[メルボルン交響楽団]]]] 数多くの知識、能力、そしてそのための絶え間ない訓練を要求されるという点、そして、限られたポストをめぐって他者と争わなければならない点から、指揮者になるのはとても難しいといわれる{{要出典}}。身体を使う仕事であるにもかかわらず、大器晩成的な性格もある。たとえば、日本で初の指揮者名鑑であるレコード芸術付録『指揮者WHO'S WHO』(1976)では、当時40台後半の[[カルロス・クライバー]]や[[ハインツ・レーグナー]]が「若手」「未来株」と記述されている。また、同書で「これといったセールス・ポイントがない」が「安定株ではある」と記された当時63歳の[[ギュンター・ヴァント]]は、晩年にカリスマ化して世界中で熱狂的人気を集めた。70歳を過ぎて新ポストに就任することも珍しくなく、[[ロリン・マゼール]]が80歳でミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の新音楽監督として3年契約を交わす等の例がある。 <!-- ===指導者=== 有力な指揮者との師弟関係により、その指揮者の流儀が継承されることがしばしばある。[[グスタフ・マーラー]]の教えを受けた[[ブルーノ・ワルター]]や[[オットー・クレンペラー]]の例、[[リヒャルト・シュトラウス]]に学んだ[[カール・ベーム]]や[[ジョージ・セル]]、および[[レナード・バーンスタイン]]に師事した[[小澤征爾]]などが好例といえる{{要出典}}。 ※復帰には要出典--> <!-- === 社会整備 === 指揮者の育成には、国家的な法整備・助成制度も不可欠とされる{{要出典|2009.8.7}}。例えば[[フィンランド]]や[[スイス]]、[[オーストリア]]では、[[年金]]や[[税金]]、[[奨学金]]、[[プロモーション]]などによる、自国の[[芸術家]]の保護政策が取られており、[[ドイツ]]の文化局でも、採算を重視せずに事業を行えるような補助金配分、経営よりも才能育成を重視した無料の音楽大学の設置などがみられる。<!--この段落に書かれている内容は具体的な根拠が必要です--> --> == 指揮者一覧 == ;クラシック音楽以外 *[[飯田三郎]] *[[仁木多喜雄]] *[[奥山貞吉]] *[[加藤優]] *[[フランク・プールセル]] *[[前田憲男]] *[[フランク・ストローベル]] *[[西村友]] *[[ジョン・ウィリアムズ (作曲家)|ジョン・ウィリアムズ]] *[[マントヴァーニー]] *[[ポール・モーリア]] *[[レイモン・ルフェーブル]] *[[羽田健太郎]] *[[須摩洋朔]] *[[野中図洋和]] *[[船山紘良]] *[[菅原茂]] *[[武田晃]] *[[小川修一]] ''クラシック音楽の指揮者は[[クラシック音楽の指揮者一覧]]を参照。'' == 脚注 == <references /> == 関連項目 == *[[名誉指揮者]] *[[合唱指揮者]] *[[クラシック音楽]] *[[鼓笛隊]] *[[マーチングバンド]] *[[ドラムメジャー]] *[[オーケストラ]] *[[指揮棒]] *[[コンサートマスター]] [[Category:指揮者|*しきしや]] {{Link FA|he}} [[cs:Dirigent]] [[de:Dirigent]] [[eo:Dirigento]] [[es:Director de orquesta]] [[et:Dirigent]] [[fi:Kapellimestari]] [[fr:Chef d'orchestre]] [[fy:Dirigint]] [[he:ניצוח]] [[hr:Dirigiranje]] [[hu:Karmester]] [[id:Dirigen]] [[it:Direttore d'orchestra]] [[ko:지휘]] [[ms:Konduktor muzik]] [[nds-nl:Dirigeant]] [[nl:Dirigent]] [[pl:Dyrygent]] [[pt:Maestro]] [[ro:Dirijor]] [[ru:Дирижёр]] [[sh:Dirigenti]] [[simple:Conducting]] [[sk:Dirigent]] [[sl:Dirigent]] [[sr:Диригент]] [[sv:Dirigent]] [[th:วาทยกร]] [[uk:Диригент]] [[yi:קאנדאקטער (מוזיק)]] [[zh:指挥家]]
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