冥王計画ゼオライマー

出典: Wikipedio

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(鉄神)
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;秋津 マサト(あきつ -)
;秋津 マサト(あきつ -)

2010年5月10日 (月) 07:18時点における版

Template:漫画冥王計画ゼオライマー』(プロジェクトゼオライマー)は、ちみもりをにより「レモンピープル」で1983年10月号から1984年11月号まで連載されたSFロボットアダルトコミック。及び、それを原作として平野俊弘が監督を務めたOVA

本稿ではこれらに加え、続編の『冥王計画ゼオライマーΩ(オメガ)』についても扱う。

目次

概要

内容としては、巨大ロボットと美少女が登場する典型的パターンの体裁を採っているが、作者としては壮大な設定とストーリー構想をもっていたらしく、作中に様々な伏線を張っていた。しかし諸般の事情で、連載は半ば打ち切りに近い状態で終了。久保書店版の単行本化に当たっては、連載時後期の伏線などは削除され、また最初期の連載部分の一部は完全に変更されている。

2004年9月22日発行の角川書店comic新現実」vol.1に『冥王計画ゼオライマー 最終章』の冒頭より18ページを掲載。2007年4月19日発売の徳間書店月刊COMICリュウ2007年6月号より3号にわたって前・中・完結篇の3部構成で短期集中連載され、およそ23年に渡る物語を完結させた後、完全版の単行本が発売された。なお、同誌では2008年11月号から、生誕25周年記念として新シリーズ『冥王計画ゼオライマーΩ』(原作:ちみもりを、作画:ワタリユウ)の連載が開始されている。

1988年から1990年にかけては、18禁要素をほぼ排除し、基本設定のみを流用してOVA化された(OVA版の節を参照)。 後年、OVA版の設定で2004年には『スーパーロボット大戦MX』に、2005年には『スーパーロボット大戦J』に登場。この際に、発表当初は未設定だった次元連結砲の名称など、一部の設定を作り起こしている。

Template:ネタバレ

漫画版

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ストーリー

世界支配を目論む巨大組織、鉄神帝国ネマトーダ。日本でロボット研究をしていた氷室遼三博士は彼らの誘いに応じ、妻の氷室美久や同僚の若槻魔沙樹らを伴って、海底秘密基地へと赴く。ネマトーダの世界支配に貢献するロボットの研究のためであったが、氷室博士と魔沙樹には別の目論みがあった。ネマトーダに協力すると見せかけ、自分達にしか扱えない最強のロボットを完成させ、冥王として世界に君臨しようと企んでいたのだ。

最強のロボット「ゼオライマー」の開発は順調に進み、残すはその中枢部分である「超次元システム」の完成を待つだけだった。そして、それを機能させる重要な役割に氷室達は美久を選んだ。だが、氷室博士はゼオライマーが魔沙樹と美久以外には操縦できないよう、仕掛けがしてあることに気づく。その上、美久は日本に居た頃から夫を裏切って魔沙樹の愛人となっており、魔沙樹も仲間である氷室博士まで出し抜いて、自分一人が世界を牛耳ろうと考えていた。氷室博士が幾ら悔しがっても、外部からその仕掛けに手を加えることは不可能だった。

自分を裏切った二人への復讐を果たすべく、氷室博士は偶然の事故を装って魔沙樹と美久を殺害。ネマトーダの蘇生技術で殺した二人を胎芽の状態に還元してから蘇生させた。そして、記憶の再構成が施されていない二人とゼオライマーを奪い、ネマトーダを脱出した。後は二人が成長すれば、無垢な存在と変わり果てた彼らを操り氷室博士自身が全世界を掌握できるはずだった。だが、ゼオライマーの覚醒を恐れた助手の一人・秋津は、新生児になった魔沙樹を奪って姿を隠す。ネマトーダが氷室博士を、氷室博士が秋津を探し出せないまま、14年が過ぎていった。

そして14年後のある日、秋津の息子・秋津マサキとして育てられていた若槻魔沙樹と、氷室博士の姪・美久として育てられていた氷室美久が再会したのと時を同じくして、ゼオライマーを奪還すべくネマトーダのロボットが出現。否応なくゼオライマーに搭乗させられて戸惑いつつも、迎撃に出たマサキの中でもう一人の人格が覚醒し、自在に機体を操っていく。

ゼオライマー奪還を図るネマトーダの将軍・ゴルシードが差し向けるロボットとの戦闘を重ねるうちに、マサキはもう一人の人格の存在に気付く。それはかつての"魔沙樹"としての記憶だった。もう一人の人格・"魔沙樹"との間で苦悩するマサキの戦いは続く。

登場人物

秋津 マサキ(あきつ -)
どこにでも居るような、目立たず大人しいタイプの中学生。14歳の時、父親を病気で亡くす。その後、学校に転校してきた少女・氷室美久に導かれるまま氷室邸を訪れ、“運命共同体”であるゼオライマーに搭乗させられる。
出撃する度、自分の中で狡猾・残忍なもう一人の自分の存在が大きくなってゆくことに悩むが、ゼオライマーの記憶・人格再生プログラムによって若槻魔沙樹の記憶を取り戻し、己の野望を再び実現すべく美久を陵辱して心身共に服従させる。流れ込んだ膨大な量の記憶により自分は若槻魔沙樹になったと思い込んでいたが、秋津マサキの自我が消えることはなかった。
氷室博士の死を看取り、「運命から逃れるには、ゼオライマーを自ら葬るしか道は無い」と悟ったマサキは美久と共に、ネマトーダ基地へ特攻を掛ける。
魔沙樹の野望が潰えた後は、「自分たちが生まれ育ったこの世界で生きたいから」と言い残してゴルシードに脱出を促すと、超次元システムを反転させ、重粒子爆弾のエネルギーを吸収、地球を滅亡から救った。その後は生死不明だが、続編「冥王計画ゼオライマーΩ」冒頭において、前述のシーンの続きとして美久と離れ離れになったシーンが描かれた。
氷室 美久(ひむろ みく)
ゼオライマーの心臓とも言える存在の少女。子宮内に次元ジョイントを装着することで超次元システムの接点として機能する。自分が秋津マサキやゼオライマーと運命共同体であることを、全て運命と諦観していた。次元ジョイントを用いてゼオライマーを自分の元へ空間跳躍させるなど、ネマトーダの技術でも不可能な処置が可能。
ゼオライマーの頭部光球内に全裸で浮かび、光球内に設置された触手群によって性感帯を責められることでエネルギーを供給する。ゼオライマー活動中の美久は単なるパーツに過ぎず、コクピット内のマサキとの会話も不可能。
ジョイントが機能している間は、ゼオライマーも美久もマサキも原子レベルにまで分解されようと、次の瞬間には寸分違わず再構成される。逆に超次元システムが機能していなければ、ゼオライマーは並以下のGクラスロボでしかない。
氷室博士が作成した次元ジョイントは代用品であり、魔沙樹のものに較べて性能が劣る上に耐久性が低く、定期的に交換が必要。サイズもオリジナルほど小型化できず、大きな飴玉ほどである。交換には、ジョイントを子宮内に導く誘導装置を肛門に、先端にジョイントを装着したアダプターを生殖器に挿入する。スムーズに挿入するためには十分なクンニリングスが必要であり、氷室博士が自らこなしていた。またジョイントが戦闘中に故障、胎内から破損脱落した時は、美久は相当なダメージを受けた。
かつて氷室博士の妻であり、夫の同僚・若槻魔沙樹の愛人でもあったのだが、ゼオライマーの記憶・人格再生プログラムは彼女には対応しておらず、再生前の記憶は失くしている。“魔沙樹”に真実を告げられ、父のように慕っていた氷室博士を妻であった自分が裏切っていたことにショックを受け、“魔沙樹”に籠絡されて道具の如く彼の言いなりになる。
当初、マサキの存在は“運命共同体”としか思っていなかったようだが、“魔沙樹”との関係の中で次第に“マサキ”本来の人格に惹かれていった。
若槻 魔沙樹(わかつき まさき)
氷室博士の同志であり、Gクラスロボの研究者。
野心家であり、愛人である美久さえも道具・部品扱いで、邪魔な利用価値のないモノは虫ケラの如く全て踏み潰す卑劣漢。ネマトーダのためでも氷室との共謀のためでもなく、己のためだけに地上最強のGクラスロボを作り上げ、冥王として世に君臨しようと目論んでいた。
ゼオライマーには自分しか操縦者と認識しないように設定。自分の“頭”が狙われ、洗脳などの処置をされてしまった場合に備え、記憶と人格を再生できる装置をゼオライマーのコクピットに隠した。後に自分自身は殺害されるが、記憶再構成もされず成長した再生体に人格再生プログラムが適用されようとは、思ってもみなかったはずである。
しかし、最終章ではマサキとは別に、魔沙樹本人が蘇生されていたことが明らかとなった。詳しくはネマトーダ総統の項目を参照。
氷室 遼三(ひむろ りょうぞう)
Gクラスロボ研究者の博士。魔沙樹と共にネマトーダに赴き、世界征服のためのGクラスロボの研究に携わる。
魔沙樹と共謀してネマトーダを出し抜き、自分達にしか扱えない最強のGクラスロボを作り上げようと目論むが、完成間近に彼と美久の裏切りを知り、偶然の事故を装って二人を殺害する。ネマトーダでの死者再生処置は、中断されれば記憶・人格の再構成が行われないことに着目し、再生途中の胎芽に戻された魔沙樹と美久とゼオライマーを奪うと、ネマトーダを脱出。記憶が白紙状態の二人を手なづけ、ゼオライマーを自分の命令通りに動かそうと考えていたが、助手の秋津に新生児となった魔沙樹(秋津マサキ)を奪い去られる。14年後にようやくマサキを発見するも、自身は既に病魔に侵されており、頻繁に喀血して死を待つだけの身体となっていた。
氷室邸に住む人間は遼三と美久のみ。ゼオライマーの整備作業などは全て全自動化され、ロボットが行っている。半永久的に作動するオリジナルの次元ジョイントはネマトーダに残されたため、ゼオライマー覚醒のために代用のジョイントを作成した。
かつての妻の生まれ変わりである美久に対して娘に対する愛情のようなものを抱いており、美久を自身の道具としかみなしていなかった魔沙樹とは違い、自らの性欲の捌け口に使うことはなかった。
一方、魔沙樹への復讐心は持ち続けており、コントロール装置で次元ジョイントを戦闘中に分解させることで、魔沙樹の生まれ変わりであるマサキを窮地に陥れようと考えていた。だが魔沙樹の記憶にマサキの自我が抵抗して苦しむ姿を見てジョイント分解を思い留まると共に大量喀血し、断末魔の中で妻への想いを巡らせながら、息を引き取った。
秋津助手
氷室遼三の助手。氷室博士と共にネマトーダ基地を脱出するが、ゼオライマーが何であるかを知っていたためにその覚醒を恐れ、新生児となった魔沙樹を奪うと密かに氷室の下を去る。
病の床でゼオライマーの覚醒に怯え、「氷室博士」と「ゼオライマー」という謎の言葉を息子のマサキに残したまま、息を引き取る。
魔沙樹からは「無能」「臆病者」などと揶揄されているが、マサキはゼオライマー復活阻止のために赤ん坊である自分を殺す選択肢があったのに、それをせずに育ててくれたことを感謝されている。
宿業を背負った息子を健全で優しい心根の少年に育て上げ、結果的には世界を救うまでに至らせた立役者であり、作者はあとがきにおいて作中でその描写がいささか不十分だったと記述している。
ゴルシード
ゼオライマー奪還を命じられたネマトーダの将軍。打倒ゼオライマーに執念を燃やす。
初戦で次元ジョイントを持たないはずのゼオライマーにデスパイザーを倒され、「覚醒してしまったとあっては奪還は不可能に近い」と総統の怒りを買う。奪還が無理なら破壊をと、前戦を参考にゼオライマーが戦い辛いであろう街中を戦場に選び、新鋭3機を投入するも、街一つ消し飛ばさせた挙句に敗戦。世界征服作戦の発動を前に、Gクラスロボを4体も失ったことで苦しい立場に追い込まれ、死を覚悟。やがて、強靭な心身でなければ操縦することも適わぬ最新鋭機ローズ・セラヴィーに自ら搭乗すべく、廃人になる可能性も覚悟の上で、生体改造システムに身を投じる。
善戦するも、切断された腕を丸ごと一本再生したり爆散したコクピットをパイロットごと再生してしまうゼオライマーの前に、ローズ・セラヴィーごと敗北。その際、急に動きを止めて止めも刺さず慌てて帰還するゼオライマーを見て、超次元システムがまだ完全ではないことを見抜いた。時間稼ぎをすれば勝てると計算するも、総統に将軍を解任される。
総統の命令で建設中のゼオライマーを目撃したり、蘇生セクション担当者からの接触を受けるなど、ネマトーダに対しては疑念めいたものを感じてもいた。
最終章では蘇生セクション担当者から全てを聞かされ、ネマトーダ総統の正体が若槻魔沙樹の復元体であることを知り、融合に失敗した魔沙樹を射殺する。全てが終わった後、基地の自爆装置が作動する中、マサキに促されて基地から脱出。全てが消失した基地跡を見つめながら、物語は幕を下ろす。
作中では記述されなかったものの、あとがきの記述によると若い頃に魔沙樹に陵辱されていたことから、彼とゼオライマーに憎悪を抱いていたとのこと。
リンガム
ゴルシードに代わり、ゼオライマーへの対応を任された新将軍。総統からの信用が厚い。
実は総統の正体が若槻魔沙樹の復元体だと知っており、それを承知しながら忠誠を尽くすことで、総統の信頼を得ていた。
ネマトーダ総統
謎の人物。ちらりと覗く顔の一部から、かなりの高齢であることがうかがわれる。
14年前に氷室博士と若槻魔沙樹が提出したデータは不完全であったにも関わらず、総統の命令で建造中の新型機は、まさしくゼオライマー。最終章にて明かされた総統自身の正体も、実は蘇生されていた魔沙樹であった。蘇生後、本物の総統を暗殺して成り代わっていたのだ。
しかし事故の影響で蘇生が不完全だったため、肉体の老化が止まらず激しく老化してしまっている。黒いゼオライマーを建造し、超次元システムを利用してマサキのゼオライマーと統合することで、自分もマサキと統合して若い肉体を取り戻そうと目論んだが、マサキが初めてゼオライマーに搭乗した際、識別プログラムが再フォーマットされ、マサキをパイロットとして登録していたために失敗。死なば諸共と次元ジョイントの自爆スイッチを入れようとするが、ゴルシードに射殺される。
ミク
ネマトーダ総統に成り代わっていた若槻魔沙樹のパートナーを務める、人造生体の少女。容姿こそ氷室美久に瓜二つだが、所詮はダミーに過ぎず、彼女のような人間らしい感情は一切備わっていない。胎内にオリジナルの次元ジョイントを装着することで黒いゼオライマーの超次元システムの稼動が可能となる他、身体そのものには人間の男性との性行為が可能な機能も備えており、日頃は魔沙樹の性の捌け口として用いられている。
身体は黒いゼオライマーがゼオライマーと融合する際に原子レベルに分解され、オリジナルの次元ジョイントは美久の胎内へ渡る。

鉄神

本作のロボットは「鉄神(てつじん)」と呼ばれ、サイズの大きい順にG~Aクラスの等級が付けられている。最大であるGクラスの鉄神は全長60m以上であり、Fクラス以下と区別して「重鉄神」と呼称される。Gクラスは作者曰く「現実世界における核兵器に相当」し、本編中ではかつて第二次世界大戦に当たる鉄神を主体とした戦争があり、敗戦国となった日本はGクラスロボを保有していない旨が語られている。なお、本編に登場した鉄神は全てGクラスであり、公式にFクラス以下の機体が登場したのは、続編の「冥王計画ゼオライマーΩ」が初である。

ゼオライマー
ネマトーダの誇る純白のGクラス鉄神で、最強の出力と装甲を誇る機体。パイロットはマサキ/魔沙樹。全高77m。美久の胎内に挿入された次元ジョイントを介して、異次元から無限のエネルギーを取り出す超次元システムにより、他のGクラスロボを圧倒する出力・能力(空間跳躍・全方位バリアー・パイロットを含む破損箇所の再生、システムを「反転」させることによるエネルギーの吸収など)を持つ。前述の通り空間跳躍が可能だが、戦闘機動時は各部に装備されているスラスターを使用。美久が未搭乗、もしくは次元ジョイントが機能していなくても稼動できるが、頭部の光球が格納され、並みのGクラスロボ以下の性能しか発揮できない。
武装としてはOVA版の「メイオウ攻撃」の基となった、掲げた両腕の手甲部分の光球を重ねて放つエネルギー波がある。このエネルギー波は、構えずに光球を光らせるだけでも相当な破壊力を持っており、作中では右腕に近付いたデスパイザーの右手を粉砕、正拳突き「Dブラスト」(名称は最終章にて判明)の1発だけでその全身を破壊する。バーストンとの対戦時には、エネルギー波を細く集束させて機体を縦真っ二つに切断するなど、その攻撃範囲や破壊力は臨機応変な調整が可能。胸部光球にも同様のエネルギー波を発射する機能がある。
デスパイザー
ゼオライマーを奪還すべく、最初に派遣されたGクラス鉄神。訳の分からないままゼオライマーに乗せられたマサキは本機に苦戦するが、魔沙樹の人格発現により形勢は逆転。その結果、本機は搭載していた爆撃用ミサイルも使うことなく、ゼオライマーのDブラストによってパイロットごと粉砕された。この敗北を受けて、将軍ゴルシードは新鋭3機(ランスター、ドノーグ、バーストン)をマサキと美久の通う学校付近に出撃させる。
ランスター
新鋭Gクラス鉄神の1機。全身の至る所に装備された加速バーニアを使っての、高速移動・高速攻撃に特化された機体。ドノーグやバーストンと共に出撃し、学校屋上に居たマサキと美久を拉致しようと胸部からトラクタービームを発射するが、美久の次元ジョイントに呼ばれて空間跳躍してきたゼオライマーに阻まれる。結局、覚醒したゼオライマーには敵わず、腕を握り潰されて動きを止められ、コクピットを踏み潰された。
ドノーグ
新鋭Gクラス鉄神の1機。優れた出力と装甲を活かした格闘戦に特化された機体。ランスターやバーストンと共にパイロットが戦い辛いであろう市街地での戦闘を仕掛けるが、ゼオライマーは民家を踏み潰すことを躊躇わなかった。ゼオライマーに両腕を引き千切られてコクピットを握り潰されかけたところへバーストンのミサイル全弾発射を受け、跡形もなく消滅した。
バーストン
新鋭Gクラス鉄神の1機。太い全身に多連装ミサイルを満載しており、爆撃戦に特化された重厚な機体で「花火屋」とも呼ばれる。ゴルシードの命令でゼオライマーを対戦中のドノーグごと全弾発射でやむなく攻撃するが、街1つが消滅するほどの爆撃にも無傷だったゼオライマーには敵わず、エネルギー波で後方のビルごと真っ二つに切断される。
ローズ・セラヴィー
ネマトーダの総力を結集して設計された最新鋭Gクラス鉄神。手甲部には据え付け型のビーム剣「エネルギーセイバー」、胸部には高出力のビーム砲「Jガイザー」を搭載している。どちらの武器もエネルギー消費が激しいため、上空の雲に隠れ待機している3機の衛星子機「エネルギーチャージャー」(所謂プロペラントタンクの役割をし、落雷によってエネルギーを供給する。完全版にてデザインが変更されている)との連携によりカバーする。操縦するには肉体的にも精神的にも強靭さが求められる。
度重なる作戦失敗の責を問われ追い詰められたゴルシードが、生体強化システムを廃人化の危険のあるレベル5で使用して搭乗した。ゼオライマーの腕や頭部を破壊するが、すぐ再生されてしまい効果がなく、最大出力の「Jガイザー・マキシマム」もバリアーに阻まれ、過負荷で機能停止してしまう。しかしゼオライマーも、次元ジョイントが機能停止して美久の身体から脱落したため、本機に止めを刺すことができなかった。大破した本機は機密保持の必要性から、エネルギーチャージャー2号機と3号機(1号機のみパイロットを要する有人型)を落とされ、爆破処分された。
黒いゼオライマー
ネマトーダ総統の命令で建造されていた、白い外装のゼオライマーに酷似した漆黒のGクラス鉄神。外見だけでなく、性能もゼオライマーと同等であり、オリジナルの次元ジョイントによる超次元システムを備える。ジョイントを装着しているのは人造生命のミク。

書誌情報

徳間書店刊については、一般向けで出版するため、性的なシーンは修正されている。

OVA版

Template:Infobox animanga/Header Template:Infobox animanga/OVA Template:Infobox animanga/Footer 東芝EMIより発売。各巻30分、全4巻。ナレーションは政宗一成が担当。18禁要素をほぼ排除した上で、原作の基本設定のみを流用した別作品となっている。

1988年から1990年にかけてVHSLDで各巻が発売された後、1997年には全4巻を収録したLD-BOX『冥王計画ゼオライマーコンプリートコレクション』が、2000年にはLD-BOXと同じ内容を収録したDVD-BOX『冥王計画ゼオライマーコンプリート』がそれぞれ発売された。2004年にはDVD-BOXの再発売が行われたほか、2008年には生誕20周年を記念してDVD-BOXと同じ内容を収録したBlu-ray Disc版がバンダイビジュアルより発売されている。

ストーリー

電子部品で世界の70%のシェアを持つ多国籍企業・国際電脳を隠れ蓑にしていた秘密結社「鉄甲龍」(ハウドラゴン)は、15年の時を経て、八卦ロボを駒に世界征服へと乗り出した。長である少女・幽羅帝はその手始めとして、配下であり恋人でもある耐爬を通じ、日本政府の秘密基地「ラスト・ガーディアン」を襲撃する。しかしそこに、かつて科学者・木原マサキにより鉄甲龍から奪われ、現在は秋津マサト氷室美久をパイロットとしていた最強の八卦ロボ「天のゼオライマー」が立ち塞がる。

スタッフ

主題歌

  • 『紅のロンリネス』(PROJECT I、II、IIIのエンディングで使用)
  • 『I LOVE YOU 愛してる』(PROJECT IVのエンディングで使用)

各巻リスト

サブタイトル脚本絵コンテ演出作画監督VHS/LD初回発売日
PROJECT I-決別-会川昇平野俊弘
菊池通隆
西森明良(演出助手)菊池通隆1988年11月26日
PROJECT II-疑惑-西森明良1989年6月28日
PROJECT III-覚醒-西森明良菊池通隆(総作画監督)
西井正典
1989年12月20日
PROJECT IV-終焉-平野俊弘
西森明良
菊池通隆(総作画監督)
岩龍智(メカニック作画監督)
西井正典(作画監督協力)
1990年2月21日

登場人物

ラスト・ガーディアン

秋津 マサト(あきつ -)
声 - 関俊彦
主人公。優しい両親の下、15年間ごく普通に生活していた少年だったが、ある日突然ラスト・ガーディアンに拉致・収監され、天のゼオライマーのパイロットにさせられてしまう。
普段は穏やかで若干臆病だが、ゼオライマーに乗ると残忍な性格に豹変し、誰に対しても高圧的な態度を取る。その正体は、マサキが自らの野望のために造った、彼自身の複製であった。そして漫画版同様、戦いの中で記憶の混乱に苛まれていく。なお、OVA版は声の演技のみでは区別が苦しいということもあり、名前を漫画版の「マサキ」から「マサト」へ変更した。
氷室 美久(ひむろ みく)
声 - 本多知恵子
容姿はマサトと同年代の美少女だが、人間では有り得ないほどの身体能力を持つ、ゼオライマーのサブパイロット。美久が居なければ、ゼオライマーは3分の1以下の出力しか発揮できない。その正体は、マサキが作り出したアンドロイドであり、次元連結システムそのものでもある。ゼオライマー搭乗時には通常の少女の姿から機械部品でできた骸骨のような姿に変貌し、機体と一体化する。
当初はマサトに冷たい態度を取っていたが、衣服の下には愛らしい下着を着けるなど、彼女自身は普通の少女と何ら変わらない心を持っており、内心ではマサトに惹かれていた。
沖 功(おき いさお)
声 - 田中秀幸
黒ずくめのスーツにサングラスを付けた怪しい男。その正体は日本政府秘密機関のエージェントであり、かつてマサキを抹殺した地下要塞ラスト・ガーディアンの責任者。当初はマサトのことをゼオライマーを動かすパーツとしか見ていなかったが、後半ではマサキの真意を知り、マサトを一人の人間として見るようになる。マサトと美久が最後の戦いに出撃する際には、二人とゼオライマーに対し、敬礼をもって見送った。
マサトの両親
声 - (父親のみ)政宗一成
日本政府の指示でマサトを保護監視下に置き、15年間育てていただけの赤の他人。とはいえ「息子」に情が移ったのか、ラスト・ガーディアン内では収監されたマサトに悲痛な表情も見せる。
木原 マサキ(きはら -)
声 - 関俊彦
マサトのもう一つの姿で、厳密には故人。かつて鉄甲龍に所属し、天のゼオライマーを初めとする八卦ロボを作り上げた天才科学者だったが、冥王計画を我が物にすべく完成したゼオライマーを奪い、鉄甲龍から脱走。ゼオライマーの搭乗者に自身のクローン受精卵を登録し、その受精卵と共にゼオライマーをラスト・ガーディアンへと秘密裏に引き渡すが、その存在を危険視した沖の手によって抹殺される。しかし、15年後…。
本作における全ての災厄の元凶であり、真の主役。
マサト同様、声の演技のみでの区別の困難さなどを理由に、原作の「若槻魔沙樹」から「木原マサキ」へと変更が行われた。

鉄甲龍(ハウドラゴン)

幽羅帝(ゆうらてい)
声 - 荘真由美
鉄甲龍の長を務める少女。耐爬とは夜な夜な肌を重ねるほどの相思相愛だが、立場上は彼を特別扱いするわけにも行かないためにあえて冷たく振る舞い、長としての立場を貫く。しかし耐爬に対する想いは非常に強く、彼が出撃する度に無事の帰還を祈り、涙を流すほど。かつては先代の長の下、八卦衆の一人として天のゼオライマーに搭乗する予定だった。その正体はマサトと同様、マサキが自らの野望のために造ったマサキ自身の複製。マサトやラスト・ガーディアンへの執着や憎悪も、全てマサキに仕組まれたものであった。そのため、最後に全てを終わらせるべくあえて冥王計画を実行することで、マサトや美久と共にメイオウ攻撃による大爆発の中に消える。
なお、当初は美久と瓜二つの容姿に設定されており、二重の意味での複製であったことが、設定資料集内で菊池通隆により明かされている。
スーパーロボット大戦J』では、ハウドラゴン(もしくはグレートゼオライマー)に搭乗し、マサトと決着を付けるために最後の決戦に赴く。
耐爬(たいは)
声 - 鈴置洋孝
八卦衆の一人で、風のランスターのパイロット。幽羅帝とは幼い頃忍従を勤めていたこともあり、本編の時点では恋人同士。ただし幽羅帝が鉄甲龍の長という立場であることから、他の八卦衆からは色眼鏡で見られることも多い。幽羅帝は恋仲を鉄甲龍全体に認めさせるべく、耐爬を八卦衆第一の刺客に指名するが、ランスターはマサキの人格が覚醒したゼオライマーに敵わず、メイオウ攻撃で耐爬ごと消滅。訃報に泣き崩れる幽羅帝は、マサトやラスト・ガーディアンへの復讐を誓うのだった。
シ・アエン、シ・タウ
声 - 佐久間レイ(アエン)、佐々木優子(タウ)
八卦衆に名を連ねる双子の姉妹。二人は瓜二つの美貌だが服の色とワンレングスの分け方が異なり、バストサイズはアエンのほうがタウより大きい。
アエンは火のブライストのパイロットで姉に当たる。タウとは戦闘の際には厳しい態度を崩さない優秀な戦士だが、タウ自身に対してはとても優しい姉である。
タウは水のガロウィンのパイロットで妹に当たる。アエンに対してのコンプレックスがとても強く、異常なまでの対抗心を燃やしていたが、それもまたマサキに仕組まれたもの。アエンの自身への想いを理解したのは、共にメイオウ攻撃で消滅する直前であった。
葎(りつ)
声 - 速水奨
八卦衆の一人で、月のローズセラヴィーのパイロット。「男の中の男」になりたいという強さへの願望と、それに相反する大人しく美しい女顔の両方をマサキに造られたために仮面で顔を隠し、八卦衆の中でも特に彼を憎悪している。耐爬やシ姉妹の人格などがマサキに作られたものであることを、個人的に調べ上げていた。ローズセラヴィーの高い性能もあって、ゼオライマーをあと一歩という所まで追い詰めるが、マサトの人格の変貌や次元連結システム(美久)のゼオライマーとの連結に動揺し、メイオウ攻撃の前に消滅する。
ロクフェル
声 - 勝生真沙子
八卦衆の一人で、地のディノディロスのパイロット。祗鎗の想いに気付くも、塞臥を戦士として敬愛している美女。マサキに真実を告げられディノディロスが両腕を失い中破しても、その思いを貫こうとゼオライマーに特攻を掛けるが、次元連結砲でコクピットを撃たれて死亡する。
祗鎗(ぎそう)
声 - 玄田哲章
八卦衆の一人で、山のバーストンのパイロット。貫禄があり口数の少ない巨漢で、塞臥とは犬猿の仲。叶わぬと知りつつもロクフェルに想いを寄せている。ロクフェルの死に逆上してゼオライマーに特攻を掛けるが、塞臥共々消滅させられる。
塞臥(さいが)
声 - 塩沢兼人/山崎たくみ(スーパーロボット大戦シリーズ)
八卦衆の一人で、雷のオムザックのパイロット。常に他のメンバーへ挑発的な態度を取る。野心や功名心が強く、そのためならマサキに仲間となるよう持ちかけたり、ロクフェルの愛を利用することも辞さない。だが、そのロクフェルが次元連結砲で無に帰ったとき、利用されていたことに怒りを爆発させた塞臥は叫びながらゼオライマーに特攻、自身も同じように果てた。
ルラーン
声 - 辻村真人
鉄甲龍の八卦メカ開発者。気弱だが、自分の思っていることは口にする性格。かつてマサキと共に八卦ロボを開発していたが、マサキが脱走する際にそれらを破壊していったため、現在の機体は彼の再設計によるものである。美久の身体の秘密やマサトと幽羅帝の出生の秘密を全て知っており、当初は幽羅帝を復讐の道具として使うつもりだったが、何時の間にか彼女のことを実の娘のように想っていた自分に気付き、苦悩していた。最終巻で全ての真相を幽羅帝に話すと、隠し持っていた拳銃で自殺。
『スーパーロボット大戦J』では、密かに全八卦ロボの能力を統合させた究極の八卦ロボ「ハウドラゴン」(もしくは「グレートゼオライマー」)を開発しており、それを幽羅帝に託した後に自殺する。
ドラマCD『大冥界』では、幽羅帝と耐爬の絡みを盗撮するというスケベな一面も見せる。

登場メカニック

OVA版登場ロボット

漫画版とは敵組織自体が変更されており、ロボットには全て八卦の称号が付けられている。また、わずかな流用分を除いて設定自体はOVA版オリジナルであるため、漫画版との関連・相関関係はない。ゼオライマー、ローズセラヴィー、バーストン、オムザックはマサキの設計であり、ランスター、ブライスト、ガロウィン、ディノディロスはルラーンの設計である。

なお、日本では八卦の画像:Kan.png卦に水が対応付けられることが多いので、月の称号を持つローズセラヴィーの存在が奇異に感じられるが、中国では太陽に対応付けられる画像:Ri .png卦と対をなすものとして画像:Kan.png卦に月が対応付けられることが多い。それゆえ、全ロボットと八卦の対応関係は、易の原理から外れているわけではない。メカニックデザインを担当した森木靖泰は、そういった部分に関して調べた上で設定したと設定資料集で明かしている。詳しくは、ガロウィンとローズセラヴィーの項を参照。

画像:Ken.png天のゼオライマー
』の称号を持つ最強の八卦ロボ。パイロットはマサト/マサキ。全高50m、重量480t。別次元から無限のエネルギーを取り出す「次元連結システム」(漫画版の「超次元システム」に相当)により、他の八卦ロボを圧倒する出力・能力(次元連結機能の応用と思しき空間跳躍・全方位対応のバリアー、前述2機能の同時使用)を持つ。コクピットは原作漫画版の腹部から首付け根下に変更されている。前述の通り空間跳躍可能だが、戦闘機動時はバックパックスラスターを使用。美久が未搭乗(=次元連結システムが未起動)の状態でもゼオライマーを動かすことは可能だが、胸部の光球が消え、出力は3分の1以下になってしまう。通常兵器「次元連結砲」の他、必殺技の「メイオウ攻撃」は、エネルギー波により全ての物質を原子レベルで破壊・消滅せしめる、作中最強の威力を持つ。なお、メイオウ攻撃の発動時は、ゼオライマー自身が「メイ・オウ!」と叫ぶかのようなサウンドエフェクトが掛けられている。
画像:Xun.png風のランスター
』の称号を持つ八卦ロボ。パイロットは耐爬。全高47m、重量300t。製造当初は、他の八卦ロボ輸送時の護衛用(本機、ゼオライマー、オムザック、ローズセラヴィーの4機以外は自力で飛行できないため、専用の輸送機『双鳳凰』で目的地まで運搬する必要がある)に作られた機体であった。他の機体に比べると攻撃力で劣るが、その運用の幅は他の機体より広い。肩部エアスラスターから暴風を塊のように発射する「ボーンフーン」、かまいたち現象により相手を斬り付ける「ブレイウェイン」、肩部エアスラスター全てから暴風を発射・合成し竜巻を起こし相手を巻き込む「デッド・ロン・フーン」など様々な技を持っている。作中では起動直後のゼオライマーの初戦相手となり、後一歩のところまで追い詰めたかに見えたが、真の力を発揮したゼオライマーの相手ではなかった。ちなみに頭部に備え付けられている角は、180度方向を変えることにより、武器として使える設定がある。
画像:Ri .png火のブライスト
』の称号を持つ八卦ロボ。パイロットはシ・アエン。全高57m、重量420t。単独ではナパームを発射する「フレア・ランチャー」と、高温のプラズマ光弾を発射する必殺武装「マグラッシュ」を装備。また、水のガロウィンとのコンビネーションにより機体同士を接続して放つ、「フレア・ランチャー」の上位技「トゥインフレア」と、ガロウィンのメガサーチャーで捕捉した(この際、2機は目標を挟んで相対する配置となる)敵に最大出力のマグラッシュとガロウィン側のビームを同時にぶつけ、相反するエネルギーの衝突により大爆発を起こす最大の技「トゥインロード」を使用できる。
画像:Da .png水のガロウィン
』の称号を持つ八卦ロボ。パイロットはシ・タウ。全高54.6m、重量450t。火のブライストとの合体攻撃を主に、あくまでもサポート用に設計・開発された機体である。そのために本機の武装は、冷気を放射し相手の動きを止める「ガロウィン・ブリザード」、ガイドレーザー照準機を有し目標を定めるべく高精度の命中率を誇る「メガサーチャービーム」など、他の機体に比べると直接的な高い攻撃能力は有していない。合体攻撃時でもブライストの銃脚役や、冷却を担当する。
なお、この八卦に当てられている紋章は日本において通常は「沢」だが、「火のブライストの対照型の姉妹機」との設定や、後述するローズセラヴィーとの兼ね合いのため、水の称号になっている。
画像:Kan.png月のローズセラヴィー
』の称号を持つ八卦ロボ。パイロットは葎。全高52.3m、重量550t。胸・脚・指など、様々な箇所にビーム砲が搭載されている。通常武装は指先の「ビームランチャー」(拡散連射や収束放射など、発射モードは切り替え可能)。手を手刀の形にしてビームを固め、のように振るう「ルナ・フラッシュ」を白兵武装として使用。雷雲内へ衛星を飛ばして雷のエネルギーを自機へ送る最大3機のエネルギーチャージシステム(通称「月の子」)があり、これにより全エネルギーを放出する必殺武装「Jカイザー」などの連続使用が可能となっている。なお、Jカイザーは他のビーム発生器を展開することで最大出力の放射も可能である。
マサキによる製造段階では、元々オムザックと同様に不完全なプロトタイプではあるものの、次元連結システムを搭載していたことからエネルギーチャージは不要だった(このマサキ版とも言うべき機体は、姿そのものも本編登場版とは異なっており、原作漫画版寄りのデザインである)が、マサキはゼオライマーを盗む際に次元連結システムのノウハウ流出を防ぐべく、オムザック共々ほぼ完全に破壊している。そのため、ルラーンによる復元の際には出力不足を補うべく、エネルギーチャージシステムが搭載された。
エネルギーチャージによって長時間の戦闘が可能、武装にビーム剣を持つなど、設定は原作漫画版のローズセラヴィーのコンセプトを忠実に踏襲しているが、必殺武器の名称はJイザーからJイザーに変更され、エネルギーチャージャーは本体から射出する独立した小型の使い捨て式(使用時に崩壊する為回数自体に制限が掛かる)に変更されている。
ちなみに、第1巻制作時にはデザインがまだ決定直前であったため、紹介シーンに登場する機体はその時点で最新の設定画を元に描かれたもの。それゆえ、第3巻に登場する機体とは細部が異なっている。
なお画像:Kan.png卦の象徴の中に月が在り、加えて原作漫画の踏襲部分として天のゼオライマーと対の位置付けにある機体のため、天の象徴物の太陽と対になる月が採用された。それゆえ、日本で画像:Kan.png卦と対応付けられる水の称号を、属性が似通っている画像:Da .pngに移している。
画像:Kon.png地のディノディロス
』の称号を持つ八卦ロボ。パイロットはロクフェル。全高53m、重量500t。両手を地面に設置して大地に波動を送り、マグマ層を活性化させて大地震を発生させることが可能。その他の武装としては、腕部ビーム砲やミサイルなどを搭載。バーストンとほぼ同時期に製造され後続機体の主要武装のテストをこの2体で行っていた。八卦ロボで唯一、メイオウ攻撃ではなく次元連結砲で撃破された。
画像:Gon.png山のバーストン
』の称号を持つ八卦ロボ。パイロットは祗鎗。全高55m、重量600t。背部に多連装ミサイルランチャー(肩部にミサイルが格納されている)、脚部に切り札として膨大な数の核弾頭ミサイルを装備している。手部には一応ビーム砲を装備しているが、こちらは牽制や護身用としての意味合いが強い。ホバー移動が可能なため、重量の割に地上でもそれなりの機動力を持つ。オムザックと共にゼオライマーに挑むが、一矢報いることなくメイオウ攻撃で消滅させられる。
なお、巨大ロボット製作技術の検証機体であり最初に建造され以後の機体の原型となったものであるため他の八卦ロボに比べると構造が簡素であるという設定だが、森木靖泰のデザイン作業では、風のランスターがゼオライマー以外の全八卦ロボの原型である。
画像:Shin.png雷のオムザック
』の称号を持つ八卦ロボ。パイロットは塞臥。全高70.3m、重量700t。八卦ロボの中では唯一の非人体型で、四肢らしいマニピュレーターも装備されておらず、反重力システムによって常時浮遊している。その設計の複雑さと巨大さゆえ、第3巻の時点まで復元が完了していなかった。必殺武装は、八卦ロボの中で唯一ゼオライマーに対抗できる威力を持ち、周囲数kmの物質を微粒子化する原子核破砕砲「プロトン・サンダー」。しかし、ゼオライマーといざ対峙した際には発射体勢に入ったものの、バーストンと共にメイオウ攻撃の前に散っていった。通常のビーム砲も装備しているが、ディノディロスの腕を破壊した攻撃は画面外から行われたため、機体の何処の部分から発射されたかは本編では不明である。しかし、『スーパーロボット大戦MX』では、頭部のジュエルからの発射が描写されている。

その他のメカ

双鳳凰
飛行移動出来ないタイプの八卦ロボを輸送するために造られた双胴体型の輸送機。二機存在するが一機は木原マサキが 鉄甲龍脱出の際に奪取しゼオライマーを載せ日本へ亡命した。その後については不明。 鉄甲龍側に残された機体は第二話にてブライストとガロウィンを輸送しているがその後は未登場。

OVA本編外の機体

グレートゼオライマーおよびハウドラゴンは本来、OVA本編外で製作されたモノクロの設定画のみが存在する幻の機体だった。両機の武装や攻撃方法などの細かな設定は『スーパーロボット大戦J』登場時に新規で追加設定されたものである。同ゲームソフトの販売に前後して、若干のデザイン修正とクリンナップ・彩色が行われたカラーの設定画がOVA版公式サイトでも閲覧可能となった。

グレートゼオライマー
ゼオライマーの能力に加え、全八卦ロボの全必殺技を持ち合わせた機体。称号は『』。本来は前述の通り幻の機体であったが、『スーパーロボット大戦J』において、隠し扱いではあるものの登場することとなった。ゲームのシナリオ上では鉄甲龍との決戦時に大破したゼオライマーを、下記のハウドラゴンのパーツを用いて修復・改造した機体という設定。入手条件は非常に難易度が高いが、基本性能の強化はもとより、次元連結システムや全八卦ロボの主要武装が搭載され、使用可能となっている。さらにメイオウ攻撃もより強力な「烈メイオウ」となっており、使用するとOVAラストシーンのように衛星軌道外から観測できるほどの巨大な爆発を起こす。
入手条件を満たしている場合、ルラーンが幽羅帝の搭乗機としてハウドラゴンの代わりに完成させる。この時は次元連結システムは搭載しておらず、烈メイオウは使用不可。武装はハウドラゴンに準じており、プロトン・サンダーがオメガ・プロトン・サンダーになっている。その後、破壊されたグレートゼオライマーの残骸を回収し、マサトが大破したゼオライマーへの移植を提案し、次元連結システムを搭載したグレートゼオライマーが完成した。
ハウドラゴン
ドラマCD『大冥界』に登場。「超常奇跡ロボ」との肩書きに加え、ゼオライマー以外の八卦ロボが合体したという設定や、「立体の暴力と言われるほどの凄まじい外見」という解説が付加されていた。
『スーパーロボット大戦J』においてはルラーンが最後に完成させ、幽羅帝の搭乗機としてその姿を現す。ゼオライマー以外の八卦ロボの全必殺技を持ち合わせている。破壊後にその残骸はゼオライマーの修復で使用された。
ガロイスト
公式ブック『天の巻』に設定画が掲載されているブライストとガロウィンを合体させたデザインの機体。種別が「八卦ロボモドキ」であったり「大型ジェットに変形」という文字設定の記述が示すように、お遊びで作られたネタ機体である。

ドラマCD

冥王計画ゼオライマー「大冥界」
OVA版の設定をベースに、新解釈のストーリーを展開する。だが、マサトが軽いキャラクターとなっていたり、美久がマサトに対し「変態二重人格男」というほか、マサキに対しては「あちゃー、また出た」と言っていたりする。また、ルラーンが幽羅帝と耐爬の絡みを盗撮するなど、OVA本編とは完全に赴きの異なったコメディ作品となっている。

幻のサンライズ版

冥王計画ゼオライマー完全版の単行本巻末において明かされた、アニメ会社サンライズが1999年に企画したアニメ版。ロボットデザインは原作者ちみもりを本人によるもので、主役ロボットはゼオライマーそのものだった。結局企画は通らず、デザインの権利は現在作者に帰属している。『冥王計画ゼオライマーΩ(オメガ)』はこのサンライズ版をベースに製作されている。

FクラスやGクラスといった原作におけるロボットのクラス分けが存在し、主役機(ゼオライマー)は通常時は『勇者ライディーン』などのような人の顔を持ったFクラスの機体で、覚醒して本性を現すと原作風の頭部に変形後、機体の各部が展開・伸長してGクラスの大きさに変化し、内部が剥き出しになった部分は更に異次元から増加装甲を取り出して装着する、というものだった。

冥王計画ゼオライマーΩ

月刊コミックリュウ2008年11月号より連載開始された「ゼオライマー」の直接の続編。前作と異なり18禁ではない。

ストーリー

渡瀬美久は14歳になってからある少年との別れの夢を毎夜見るようになっていた。夢に出る少年そっくりの男秋津マサキが新しく担任となったある日、謎の鉄神が学校に襲い掛かる。美久を助けると称してマサキが連れ去ろうとしたその時、鉄神Xダイバーで現れたクラスメイト築嶋真沙希、彼こそが美久の夢の少年の生まれ変わりであり、秋津マサキは美久の記憶を呼び覚まそうと変装した鉄神帝国ノイエ・ネマトーダの将軍ルギウスだった。25年の時を経て宿命の戦いが再び始まる。

登場人物

渡瀬美久(わたせ みく)
私立如月学園に通う少女。14歳。
氷室美久の転生体だが、かつての記憶はわずかにマサキとの別れを夢に見るだけで殆ど無い。
築嶋真沙希(つきしま まさき)
美久の同級生であり、秋津マサキの転生体。14歳。
かつての記憶も持ちXダイバーを駆る。学園内で美久を見守る際には、伊達眼鏡を掛けて存在感薄くなるように振る舞っている。
築嶋晃造(つきしま こうぞう)
ツキシマ重工CEOであり、真沙希の父。
新・鉄神帝国「ノイエ・ネマトーダ」の動きをいち早く察知しているほか、今回の件を運命と感じる点で、前作登場したネマトーダの人物との関連が深い。
ルギウス
ノイエ・ネマトーダの将軍。
転生体の動向を探るべく、返送して「秋津マサキ」として私立如月学園に潜入。真沙希に破れたことにより、執念深く彼を狙うようになる。また、前作に登場した将軍リンガムの子でもある。

鉄神

Xダイバー
真沙希の駆るFクラス鉄神。美久の力を借りることにより更なる力が発揮される(これはX発動のサインで示される)。普段はツキシマ重工第七工場地下の機甲ドックに控えている。全長53m、重量378t。
主武装は、両肩に接続されている「Dブレード」。その用途は多彩で、斬撃・投擲ができる他、先端から光波を発射する「カノン・ボルテックス」を展開。また、X発動により「Dブラスト」に相当する攻撃も可能。
その一方で出自や性能は一切不明で、何らかの秘密があるようだが……。
デスパイザーII
旧ネマトーダの重鉄神デスパイザーの改良型、将軍ルギウスと女性型アンドロイド ドロイド・トーアにより如月学園を襲う。武装は胸部のマイクロミサイルと、両腕から展開される「ワイヤードナックル」。
ドローン

外部リンク

pt:Hades Project Zeorymer zh:冥王計劃傑歐萊馬

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