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伝説上の大陸
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'''伝説上の大陸'''(でんせつじょうのたいりく)とは、今日では一般的に[[伝説]]と見なされている過去の記録に登場する[[大陸]]、およびかつては仮説として提案されていたが今日の[[科学]]知見によって否定された架空の[[大陸]]のことである。 伝説上の大陸には、さまざまなタイプがあり、また、さまざまな[[物語]]が付与されている。伝説上の大陸の上に、古代[[四大文明]]の以前にあった高度な[[超古代文明]]が栄えていたとする物語が典型的なタイプである。 伝説上の大陸を信じる者には、伝説などを手がかりに実在の証拠を見つけようと試みている者や、[[考古学]]・[[地質学]]、[[地球科学]]的な成果により既知の[[文明]]や[[文化]]に比定しようとする者もいる。 == 伝説の大陸一覧 == === アトランティス大陸 === {{main|アトランティス}} *所在:[[大西洋]]説・[[地中海]]説・[[アメリカ大陸]]説 *出典:[[ティマイオス]]、[[クリティアス]](ともに[[ギリシャ]]の[[哲学者]][[プラトン]]の著作) *存在した時期:今から約1万2千年前、[[紀元前9000年]]以前 *世間の認識:プラトンが又聞きのために年代や大きさを一桁間違えていたとして、[[地中海]]の[[火山]]島、サントリーニ島の噴火のことだとする説がある。また、[[暦]]の違いにより年代算出方法が異なることや近年の地質学的知見を元に、[[マルタ島]]の[[古代]]の[[巨石文明]]に比定する説も現れた。 *備考:古代・[[中世]]・[[近代]]と、知識人の関心を最も集めた伝説の大陸。超文明が栄えていたとされる大陸。 === レムリア大陸 === {{main|レムリア}} *所在:[[インド洋]]中央一帯 *出典:もともとはレムール ([[キツネザル]]) など[[インド洋]]に面したかけ離れた地域の[[生物相]]に類似点が見られたことから推測された科学上の仮説だったが、後に[[ブラヴァツキー夫人]]などの[[オカルティスト]]たちによって様々な伝説が付加されたもの。 *存在時期:諸説あり *世間の認識:[[プレートテクトニクス]]理論により、インド洋を取り巻く陸地はかつて一つの[[超大陸]]([[ゴンドワナ大陸|ゴンドワナランド]])であったと考えられるようになり、現存する以外の大陸規模の陸地があったとする説には否定的である。むしろ、超大陸の存在は伝説の背景となる仮説の時代背景とは異なるため、レムリア大陸と関連付けられる物は何もない。一方、[[インドの歴史|古代インド]]にはインド洋南方海上にシンハラドゥイーパ([[セイロン島]])島とタプロバナと言われる大きな島があると言われてきた。この伝承は[[古代ギリシア]]人によって[[ヨーロッパ]]へも伝えられている。また[[羅刹国|羅刹の国]]があるとされたランカ島もインド洋南方海上にあると言われる。しかしいずれもレムリアと比較されうる十分な資料とは言えない。大陸と言うよりも巨大な[[島]]であると言う説もある。 === パシフィス大陸 === {{main|パシフィス大陸}} *所在:[[太平洋]]中央一帯 *出典:[[ポリネシア]]一帯の文化の共通性を説明するため、[[1920年代]]に[[イギリス|英国]]と[[ロシア]]の学者がそれぞれ別個に唱えた。 *存在時期:不明 *世間の認識:地質学の発達や当時の航海技術の解明により、存在には否定的。 === ムー大陸 === {{main|ムー大陸}} *所在:太平洋中央一帯 *出典:[[イギリス陸軍]]大佐を詐称したアメリカの作家、[[ジェームズ・チャーチワード]]が『失われたムー大陸』 ([[1926年]]、[[1931年]]) 以下一連の著書の中で、[[インド]]ないし[[チベット]]の寺院で発見したと主張していた古代の[[粘土板]]。 *存在時期:今から約1万2千年前 *世間の認識:現存する以外の大陸規模の陸地があったとする説には否定的である。近年の地質学的知見を元に、[[氷河期]]に陸地として存在した[[東南アジア]]の[[スンダランド]]、[[オーストラリア大陸]]と[[ニューギニア島]]などを合わせた[[サフル大陸|サフールランド]]、[[東シナ海]]や[[琉球古陸]]などの現在の[[大陸棚]]に存在したとする意見もある。 === メガラニカ === {{main|メガラニカ}} *所在:[[南極]]を中心とした[[南半球]]の大部分。 *出典:古代ギリシャ。世界が球体である([[地球]])とすると、当時の知見から考えて、大地が北半球に集中し南半球は海洋ばかりになってしまって、バランスが悪い。南半球にも巨大な大陸が存在すると仮定すれば、地球のバランスが取れるとして考え出された。別名、'''未知の南方大陸'''({{lang-la-short|Terra Australis Incognita}}, 後の[[オーストラリア]]の語源)。 *存在時期:現在。「滅びた大陸」ではなく、「発見されていない」とされた大陸。なお、南極には実際に[[南極大陸]]が存在するが、[[伝説]]とは関係なく、偶然。 *世間の認識:アフリカ以南・南米以南まで探検が行われるようになる[[大航海時代]]まで実在説は存続し、[[オーストラリア大陸]]の北側が発見された当初はメガラニカの一部であるとされたほどである。日本にも架空の「墨瓦臘泥加」が書き込まれた世界地図がいくつか残っている。その後、オーストラリア大陸が南極まで及んでいない事が分かると、メガラニカの存在は否定され、地図からも消された。さらに後に南極大陸が発見されることになる。 *南極大陸の存在を知っている現代人の知識からすると、「南極大陸が古代より知られていた」ように見えるため、メガラニカの実在否定から南極大陸発見まで一時的に世界地図から「南極大陸が消えている」ように見えることから、「南極大陸の知識が一時期封印された」といったような[[陰謀論]]を唱える者がいる。しかし、オーストラリア大陸がメガラニカの一部であると考えられていた事実から分かるように、メガラニカは南極大陸よりはるかに巨大な大陸を想定していたのであり(北半球との「バランス」をとるには[[アフロ・ユーラシア大陸]]に匹敵する規模でなければならない)、南極大陸の存在はむしろ偶然である。また[[1929年]]に[[トルコ]]で発見された[[羊皮紙]]による[[ピリ・レイスの地図|ピリー・レイスの地図]]には、南極大陸らしき大陸が載せられているが、出典時期としては疑問視されている。この大陸が、メガラニカであるという証拠はどこにもなく、関連性も否定されている。 == 参考文献 == * [[と学会]] ([[山本弘 (作家)|山本弘]]・[[志水一夫_(作家)|志水一夫]]・[[皆神龍太郎]]) 『トンデモ超常現象99の真相』 ISBN 4896912519 ISBN 4796618007 * [[L・スプレイグ・ディ=キャンプ|ライアン・スプレイグ・ディ・キャンプ]] 『プラトンのアトランティス』 [[小泉源太郎]]訳 ISBN 4894563657 ** 大陸書房刊 『幻想大陸』 の改題再刊 == 関連項目 == *[[神智学]] *[[ブラヴァツキー夫人]] {{world-stub}} {{Myth-stub}} {{DEFAULTSORT:てんせつしようのたいりく}} [[Category:伝説]] [[Category:神話・伝説の土地|*たいりく]] [[Category:偽史]] [[Category:大陸]] [[Category:大航海時代]] [[en:Lost lands]] [[es:Continentes perdidos]] [[pl:Zaginione lądy]]
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