ロードランナー

出典: Wikipedio


プライバシー・ポリシー Wikipedioについて 免責事項

ロードランナー』(Lode Runner)は、ダグラス・E・スミスにより考案され、ブローダーバンドから1983年に発売されたアクションパズルゲーム。『バンゲリングベイ』『チョップリフター』とともに、バンゲリング帝国三部作の一つである。後に上級編として『チャンピオンシップロードランナー』も発売された。

目次

概要

ゲームの目的はステージ内にある金塊を敵に捕まらずに回収し脱出すること。主人公(プレイヤーキャラクター)は穴を掘るためのレーザーガンを装備しており、床に穴をあけて下の階層に移動したり、掘った穴に敵を落としたりして障害をクリアしていく。アクションゲームにして、パズル性も兼ね備えている。

オリジナルはUNIX用に源を発する。Apple IIシリーズ用が有名だが、国産PCアーケードゲームをはじめ様々な機種に移植されている。

地形

ステージを構成するパーツで、各作品共通で登場するものは以下のとおり。

空白
何もない場所。落下中に左右に移動することはできない。ただし、ロボットに乗って落下している場合は左右に移動が出来る。
レンガ
足場となる地形。主人公はレーザーガンで隣の足元のレンガを掘ることができる。ロボットはこれに落ちるとしばらく動けなくなるが、主人公は下に何も無ければこれを通過できる。一定時間が経つと再生し(作品によって時間は異なる)、これに巻き込まれるとアウト。テクニックを応用すれば、タイミングをずらして掘ったりできる(通称、時間差掘り)。
ブロック
足場となる地形。レンガと違い掘る事は不可能。初期のハドソン版では「コンクリート」、パトラサクセス版『~レジェンドリターンズ』『~エクストラ』では「岩盤」と、呼称の異なる作品もある。
ハシゴ
ランナーが上下方向に移動するために使う。左右移動も可能である。本作にはジャンプというアクションが存在しないため、上方へ移動するには基本的にこれを使うしかない。なお、ハシゴのすぐ下にあるレンガは掘れない。
隠れハシゴ
金塊を全て集めると出現する、画面の最上段に届くハシゴ。「脱出ハシゴ」「出口ハシゴ」などとも呼ばれる。
バー
空中に設置されている棒。これを伝って左右に移動することができる。方向キー下で、手を離して飛び降りることも可能。すぐ下にあるレンガは掘れない。<ref>ただし、アイレムが開発したアーケード版の1作目のみ、バーの真下にあるレンガを掘る事が可能で、実際にそれを知らないとクリア出来ないステージも存在する。</ref>
トラップ
見た目はレンガと同じだが、踏み込むと落ちる落とし穴。この中からレンガを掘ることもできる。横から入ることはできないが、作品によっては下から入ることができる。トラップ自体は掘れない。

一部作品に登場する地形

隠しブロック
アイレム版シリーズなどに登場。アーケード版では掘れないブロックとなっており、上に乗ることで出現する。ディスクシステム版『スーパーロードランナー』では「見えないレンガ」と呼ばれ、掘ることが可能。一度掘ると姿を現す。どちらも見えないというだけで、足場としての判定は出現前から存在する。
動くブロック
アイレム版『帝国からの脱出』に登場。主人公が押すことで左右に動かせるブロックで、掘ることはできない。空中に持っていっても落ちることなくそのまま浮く。ハシゴやバーを通過させることはできるが、金塊や掘ったレンガの場所を通過させることはできない。また、敵はこのブロック越しに押すことが可能。
タールの地面
パトラ/サクセス版『~レジェンドリターンズ』『~エクストラ』に登場。主人公・敵ともに撒かれたタールに足を取られ、移動速度が低下する。掘ることはできない。

ロボット

主人公の邪魔をして来る唯一の敵。若干速度が遅いほかは主人公とほぼ同じ移動能力を持ち、常に主人公を追いかけてくる。1ステージにつき最大3体(チャンピオンシップロードランナーでは最大5体)出現し、1度でも触れてしまうとアウト。ただし、ロボットの上に乗った場合はミスにならず、足場代わりに使うことが可能。レンガに埋めて倒す事が出来るが、倒してもステージ上部から復活する。またステージ上の金塊を持ち去ることもあり(一度に1個だけ)、この場合はしばらく歩かせるか掘った穴に落とせば金塊を放す。レーザーガンで直接撃って倒すようなことはできない。

ハドソン版

日本では、ハドソンファミリーコンピュータ用に移植したものが特に知名度が高い。ファミコン初のサードパーティー製ソフトとして知られているが、実は同時開発されたナッツ&ミルクの方が3日早く発売されている。

またファミコン初のスクロール画面(横)を備えたゲームでもある。アップル版では1キャラクターが半角1カーソル分だったため全画面にマップを表示できスクロールの必要はなかったが、ハドソン版ではキャラクターの大きさの都合により全マップを表示するためにスクロールが採用されている。

1画面分のステージが作れるエディットモードが搭載されており、ファミリーベーシック用のテープレコーダーを使用することでデータを保存することも出来た。『チャンピオンシップロードランナー』の登場以降は、時間差や敵の頭上渡りなどの技を多用する者も多くなり、様々な遊び方ができるため、ゲーム発売後何年も長く親しまれた。また、ハドソンが発売していたカセットテープ付き雑誌『カセットメディア』では、オリジナルステージの投稿を募集し、優秀作品を付録のカセットテープに収録するという試みも行われた。

レンガを掘った穴が埋まる直前にもう一度掘ると透明になる、掘った穴の下のはしごからランナーが背中を向けて静止している状態で埋まるのを待つとそのレンガはすり抜けられるようになるなど様々なバグがあり、これらがファミコン特集番組などで紹介されていく過程で「バグ」や「裏技」という言葉が一般的になった。

このゲームの主人公ランナー君が、かつては悪の手先として働かされていたロボット(グラフィックはこのゲームの敵キャラのもの)だったというスピンオフストーリーが、後の人気シリーズとなる『ボンバーマン』である。PCエンジン用に発売された『バトルロードランナー』では、ブラックボンバーマン(黒ボン)が敵役として登場する。

主なコンシューマー移植作

Template:See also

システムソフト

ロードランナー
1983年発売。
チャンピオンシップロードランナー
保存版ロードランナー
いずれもPC-9801ソフト
ロードランナー
チャンピオンシップロードランナー
ともにPC-8801用ソフト。
ロードランナー
PC-8801mk2SR/TR/FR/MR専用ソフト。1986年1月発売。
ロードランナー
PC-6001用ソフト。
ロードランナー
PC-6601用ソフト。
ロードランナー
PC-8001mkII用ソフト。

ソフトプロ

ロードランナー
チャンピオンシップロードランナー
ともにFM-7用ソフト。
ロードランナー
チャンピオンシップロードランナー
ともにX1用ソフト。

ハドソン

ロードランナー
チャンピオンシップロードランナー
ともにファミリーコンピュータ用ソフト。『ロードランナー』は1984年7月31日、『チャンピオンシップ~』は1985年4月17日発売。詳細は前項にて。
バトルロードランナー
PCエンジン用ソフト。1993年2月10日発売。タイトルの通り、相手プレイヤーを倒すことが目的の「サバイバル」「タッグマッチ」とアイテムを手に入れ脱出することが目的の「エスケープ」という3つの対戦モードが用意されており、『ボンバーマン』と同様にマルチタップを使うことで最大5人までの対戦が可能。
通常の一人用ゲームモードは「パズルモード」と名づけられている。タイムマシン研究所の資金である金塊が、黒ボンバーマンの一味に強奪され様々な時代へ隠されてしまい、主人公「ランナー93」が研究所のタイムマシンで取り戻しに向かうというストーリーになっており、10ステージごとにタイムスリップしたという設定で背景や敵の姿が変化する(ランダムに、前述の黒ボンバーマンに変化することもある)。本作に限り、ハシゴの頂上で待っていれば下から来た敵に押し上げてもらえるという独自の仕様があり(他の作品ではやられてしまう)、これを利用しないと解けないステージもある。また他作品ではプレイヤー・敵ともそれぞれ落下と移動の速度が同じであることが多いが、本作では落下の速度がとても速くなっている。
ファミコン版と同様、本作にもステージのエディット機能が搭載されており、ステージの広さは3種類の中から選ぶことができる。作成したステージはPCエンジン用バックアップユニットを使うことで保存が可能で、保存できるステージ数は選んだステージの広さにより異なる。
キュービックロードランナー
ニンテンドーゲームキューブプレイステーション2用ソフト。2003年発売。過去作のリメイクである「ハドソンセレクション」のラインナップとして発売され、3D見下ろし型のステージになっている。全60+20面。エディット機能もある。
ロードランナーコレクション
ゲームボーイアドバンス用ソフト。2005年12月22日発売。ハドソンベストコレクションのラインナップのひとつ。ファミコン版のロードランナーとチャンピオンシップロードランナーを収録。
ロードランナー
ニンテンドーDS用ソフト。2006年10月26日発売。DSの下画面に従来のスクロール画面、上画面にステージ全体を表示。ファミコン版2作のステージや敵の登場しない「詰めロードランナー」を収録。エディット機能はタッチペン対応。
ロードランナー
携帯アプリ版。全80面。エディット機能もある。

アイレム

ロードランナー
ロードランナー バンゲリング帝国の逆襲
ロードランナー 魔神の復活
ロードランナー 帝国からの脱出
いずれもアーケードゲーム。『ロードランナー』は1984年、『~バンゲリング帝国の逆襲』と『~魔神の復活』は1985年、『~帝国からの脱出』は1986年稼動。それぞれ『ロードランナーI』『同II』『同III』『同IV』とも呼ばれる。
アーケードゲームゆえに時間制限があり、タイマーが0になることでもミスになる。その代わりステージクリア時に残りタイムが得点に換算される、金塊を持ち去った敵が点滅して容易に判別できるといったフィーチャーもある。またタイムボーナス以外にも光る金塊(最初に取ると高得点)やハイドキャラ(特定のレンガを掘ると現れる敵。再び穴に落とすと高得点のアイテムを出す)、敵の頭上に乗る、敵を倒さないでステージクリアなど多彩なボーナス得点が用意されている。
3ステージクリアするごとに主人公がその境界を通るデモ画面が挿入され、敵の種類が変化する(本シリーズではこの1区切りを「ブロック」と呼ぶ)。敵キャラにはハシゴやバーの切れ目での挙動など、若干の性能差がある。
シリーズを追うごとに新要素が付加されてゆき、2作目ではトラップ<ref>1作目では登場しない。なお、本シリーズでは一度通過したトラップは色が変化して視認できるようになっている。</ref>、4作目では隠しブロック・動くブロックが登場。それと同時にステージ構成もアクション主体から難解なパズル面主体へと変化していき、難易度も上昇していった。4作目では2人同時の協力プレイ(専用のステージが用意されている)も可能で、バーにつかまった相棒の足にぶら下がるといった特殊なアクションが可能。2人で息を合わせなければ解けないステージが多く、こちらも難易度は高い。
スーパーロードランナー
スーパーロードランナーII
ともにファミリーコンピュータ ディスクシステム用ソフト。『スーパー~』(以下、『I』)は1987年3月5日発売、『~II』(以下、『II』)は1987年8月25日発売。上記のアーケード版4作がベースとなっており、「スペシャル金塊(最初に取ると高得点)」や「敵を倒さないでクリアのボーナス」など、特徴的なシステムを一部受け継いでいる。
アーケード版4作目と同様の2人協力プレイモードも搭載しており、『I』は敵キャラやステージもアーケード版4作から選りすぐられたものとなっている(ステージは若干のアレンジが加えられたものや本作オリジナルのものもある)。ただし敵の行動パターンはアーケード版と異なり、地形に関係なくひたすら主人公に向かってくるような単純なものになっている。敵の種類は5ステージごとに変化するが、アーケード版のような中間デモは無く、敵による性能差も存在しない。
『II』は得点システムや敵の動きなど、『I』と共通の仕様になっているが、敵とステージは完全オリジナルとなっており、特に2人プレイモードのステージは『I』の発売直後にユーザーから募集したもので構成されている。
どちらもステージのエディット機能が搭載されており、通常のステージと同様の広さのものを1人プレイ用・2人プレイ用それぞれ5面ずつ作成できる。作成したステージはディスクカードに保存が可能。
スーパーロードランナー
MSX2用ソフト。こちらも上記のアーケード版がベースとなっている。

セガ

ロードランナー
チャンピオンシップロードランナー
ともにSG-1000用ソフト。実開発はコンパイルが担当。
ロードランナーではキーボードのある機種(SC-3000系や外付けキーボードSK-1100を接続したSG-1000系)のみマップコンストラクション機能が使えたが、チャンピオンシップではキーボードがなくとも可能になっている。

バンダイ

ハイパーロードランナー
ゲームボーイ用ソフト。1989年9月21日発売。殆どのステージに「」と「」があり、扉を開けて入ると裏ステージに行くことが出来るが、この裏ステージの金塊も全部集めないとステージクリアとはならない。裏ステージには時間制限があり、一定時間が経過すると扉が閉まって戻れなくなり、クリア不可能となってしまう。ただし扉をくぐって再度入りなおせば時間はリセットされる。
ステージのエディット機能は本作にも搭載されており、通常のステージと同様の広さのものを4面分作成することができる。扉と鍵を配置して裏ステージを作ることも可能だが、自作ステージの保存はできない。

T&Eソフト

ロードランナーツイン ジャスティとリバティの大冒険
スーパーファミコン用ソフト。1994年7月29日発売。「パラルランド」のシンボルとなるが何者かに破壊されてバラバラになり、「ジャスティ」と「リバティ」の兄妹がそれの修復に向かうというストーリー(金塊にあたるアイテムは、シンボルの破片が変化したものという設定になっている)。主人公は魔法使いで、ステージの背景もお菓子おもちゃの世界など、他作品とは一風変わったメルヘンチックなものになっている。
ストーリーに沿って順番に進めていくためのステージと、ストーリーに関係なく自由に選んでプレイできるステージとがあり、前者の方では10ステージごとに会話シーンが挿入され背景や敵の姿が変化する。プレイヤー二人による協力プレイや対戦プレイも可能で、それゆえかアクション主体のステージ構成となっており、難解なパズル面はほとんど無い。

任天堂

POWERロードランナー
スーパーファミコン用ソフト(ニンテンドウパワー書き換え専用)。1999年1月1日書き換え開始。

ソニー

ロードランナー
SMC-777用ソフト。
ロードランナー
ロードランナー2
チャンピオンシップロードランナー
いずれもMSX用ソフト。

パック・イン・ビデオ

ロードランナー ~失われた迷宮~
PCエンジン用ソフト。1990年7月27日発売。背景は変化しないが、敵の姿が4面ごとに変化する。またステージのエディット機能も搭載している。この時期のゲームには珍しく、ステージ中でBGMが流れない。

バンプレスト

ロードランナー for WonderSwan
ワンダースワン用ソフト。2000年4月20日発売。

彩京

ロードランナー ザ・ディグファイト
ロードランナー ザ・ディグファイト VER.B
ともにアーケードゲームで、2000年稼動。漫画家の吉崎観音が操作性や敵のアルゴリズムなどのゲームバランス部分の監修を行った。
残機制ではなくなっており、ギブアップやミスで持ち時間が大幅に減らされ(VER.Bに限り、ギブアップの持ち時間減少が極端に少なくなっている)、持ち時間がなくなることでゲームオーバーとなる。特殊な要素として、押して動かせるブロックが存在したり、掘った穴を手動で埋めることができるようになっている。また、敵に捕まった場合はミスにはなるものの、その場で復活してプレイが続行される。

パトラ

ロードランナー レジェンドリターンズ
ロードランナー エクストラ
プレイステーション(以下PS)用とセガサターン(以下SS)用がある。『~レジェンドリターンズ』はPS用が1996年2月16日、SS用が1996年3月8日にそれぞれ発売。『~エクストラ』はPS用・SS用ともに1997年1月10日に発売された。

サクセス

SuperLiteシリーズ ロードランナー レジェンドリターンズ
SuperLiteシリーズ ロードランナー2
ともにプレイステーション用ソフト。『~2』は2000年3月30日発売。
ロードランナー
ゲームボーイアドバンス用ソフト。2003年2月21日発売。

NEC

ロードランナー
同社製のPC-100に付属した国産機初の移植版。開発はシステムソフト。

エクシングエンタテイメント

ロードランナードムドム団のやぼう
ゲームボーイ用ソフト(ゲームボーイカラー対応)。2000年4月28日発売。

マイクロソフト

ロードランナー
Xbox360Xbox Live Arcade)用。2009年4月22日配信開始。要1200マイクロソフトポイント。開発はTozai GamesおよびSouthEnd Interactive
ステージを順にクリアしていく「冒険モード」、次第に増えていく敵をかわしながら金塊を集め、耐えた時間を競う「耐久モード」、定められた手順でのみクリアできるステージで構成された「パズルモード」の3つのゲームモードを搭載。特殊な地形として、1つを壊すと隣接したものが次々と壊れていく「ブロック」とぶら下がっているブロックを崩すと落下して下のブロックを破壊する「鍾乳石」が登場する。

国際パソコンセンター

ロードランナー オリジナル追加面
PC-8801用。1985年。オリジナル150面。

亜流

ファンキーモンキー
PC-9801用ソフト。基本ルールは同じだが画面が六分割され、一ヶ所だけ赤い四角になっていて、ゲーム中でも15パズルの様に入れ換える事が出来る。プレイヤーが赤い四角に入ってしまうと、画面全体が徐々に赤くなって一回ミスとなる。

備考

road(道路)ではなく lode(坑道)がタイトルの由来である。パソコンといえば組み込みBASICであった当時、パソコンでプログラミングを行わずゲームマシンとしてしか使わない人を、カセットテープからプログラムをLOADしてRUNするだけの人という意味でロードランナー (Load Runner) と呼ぶことがあった。

1985年つくば万博で、ソニーは2000インチの巨大テレビジャンボトロン)を展示し、これを用いたゲーム大会を開催した。その際のゲームとして採用されたのはMSX版のロードランナーだった。なお大会が開催されたのは1985年8月11日、参加資格は小学校4年生から中学校3年生までの男女。参加者は事前に申し込みをした中から抽選で選ばれた。

脚注

<references />

外部リンク

Template:Video-game-stubde:Lode Runner en:Lode Runner es:Lode Runner fr:Lode Runner it:Lode Runner ko:로드런너 pl:Lode Runner pt:Lode Runner ru:Lode Runner

個人用ツール