UNIX

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UNIXおよびUNIX系システムの系統図

UNIX (ユニックス、Unix)は、コンピュータ用のオペレーティングシステムの一種である。

公式な商標は「UNIX」だが、商標以外の意味として「Unix」、またはスモールキャピタルを使用して「Unix」などとも書かれる。

Unixは1969年AT&Tで最初に開発されたが、現在では「Unix」という語は、Unix標準に準拠するあらゆるオペレーティングシステムの総称でもある。現在ではUnixシステムは多数の系統に分かれており、AT&T開発時代の後も、多数の商用ベンダーや非営利組織などによって開発が続けられている。

1970年代から1980年代の初期にかけて、Unixは大学や研究所などの教育機関で大規模な採用がなされ、特にカリフォルニア大学バークレー校をオリジナルとするBSD系統が誕生した。またUNIX System Vの特徴を持つオペレーティングシステムは「伝統的なUNIX」(traditional Unix)とも呼ばれる。

2007年に、「UNIX」の商標の所有者である標準化団体The Open Groupは、Single UNIX Specification を完全に満たすと認証を受けたシステムのみが「UNIX」の商標を得られるとした。このためそれ以外のシステムは「Unixシステムライク」または「Unixライク(Unix系)」と呼ばれるようになった。

現在では商用Unixとして有名なものにはSolarisHP-UXAIXMac OS X10.5以降)などがある。またUnix系としてはLinuxBSDの派生OSが広く普及している。

目次

概説

画像:Unix-history.svg
Unix系統のタイムライン

Unix オペレーティングシステムは、サーバワークステーションの両方で広く使われている。またUnix環境とクライアントサーバモデルは、個々のコンピュータによるコンピュータ処理を、コンピュータネットワークで連係されたコンピュータ処理に変革し、インターネット構築の重要な要素ともなった。

UnixとC言語はAT&Tにより開発され、政府教育機関に配布され、他のオペレーティングシステムよりも幅広く各種のコンピュータファミリーに移植された。このためUnixは「オープンシステム」の同義語となった。

Template:See also

Unixは移植性マルチタスクタイムシェアリング方式によるマルチユーザなどを重視して設計された。Unixシステムの特徴は、多数のコンセプトがある事である。データの格納にプレーンテキストを使用する事、階層型のファイルシステム、各種の周辺装置やプロセス間通信(IPC)をファイルとして扱う事、多数のソフトウェアツールを組み合わせて使用する事、簡単なプログラムはパイプを使用したコマンドラインインタプリタ言語(シェル)によって書ける事、重複するものを含めた多数の機能やツールによってプログラムを作れる事、などである。これらのコンセプトはUNIX哲学として知られている。

Unixでは、「オペレーティングシステム」は主となる制御プログラムであるカーネルと、その多数のユーティリティより構成される。カーネルは、プログラムの開始や停止、ファイルシステムの取り扱い、他の多くのプログラムが共用する共通的な「低レベル」のタスク、そして重要なスケジューリングなどのサービスを提供する。これらのアクセスを調停するために、カーネルはシステムへの特権を持ち、システムは「ユーザー領域」と「カーネル領域」に分けられる。

カーネルの肥大化の潮流を逆転させ、より少ないユーティリティで最大のタスクを実行できるシステムに戻る目的で、マイクロカーネルのコンセプトが登場した。またコンピュータが1つのハードディスクと入出力用の端末から構成されていた時代には、Unixのファイルモデル(ストリーミングデータ)は最適な入出力として働いた。しかし現代のシステムではネットワークや新しい装置が求められ、グラフィカルユーザインタフェースが開発され、ファイルモデルはマウスなどが発生させる非同期イベントの取り扱いのタスクには不適当と判明し、1980年代には非同期入出力やIPCのセットのメカニズムに加えて、ソケット共有メモリメッセージキューセマフォなどが追加された。また通信プロトコルなどの機能はカーネルの外に移動した。

Unixは現在では、サーバーパーソナルコンピュータの一部に加え、携帯電話などの組み込みシステムから、メインフレームスーパーコンピュータなどの一部にも使われている。

歴史

UNIX黎明期

Multicsプロジェクトからの撤退

1960年代に、マサチューセッツ工科大学ゼネラル・エレクトリック(GE) 及び、当時AT&Tグループに属していたベル研究所により、GE-645上で動作することを目的としたOSである Multics (Multiplexed Information and Computing System) の開発がなされた。しかしMulticsは製品版として完成したが、巨大で複雑になりすぎたためにパフォーマンスが大変悪かった。その結果、ベル研究所はMultics開発プロジェクトから撤退することになった。

UNIXの開発始まる

一方ベル研究所の研究員であり、Multics開発プロジェクトの一員であったケン・トンプソンは、Multics開発に携わりながら、その上で動くSpace Travelというゲームを開発していた。しかしこのゲームはGE-645上で動作させるにはコストが高く、実際にパフォーマンスもあまり良くなかった。

そのためトンプソンは、同じベル研究所に所属していたデニス・リッチーの力を借りて、ベル研究所ですでに使用されなくなっていたDEC社製のシステムであるPDP-7上に、アセンブリ言語を用いてこのゲームを移植した<ref>D.Ritchie. Space Travel: Exploring the solar system and the PDP-7</ref>。

このゲームの移植の経験とMulticsの開発経験が結びつき、トンプソンは新しいOSの開発プロジェクトを開始する。このプロジェクトの名前はUNICS (Uniplexed Information and Computing System) であり、後に、UNIXプロジェクトと改称された。Multicsでの失敗に基づき、UNIXの開発はシンプルで独立したモジュール群で構成することを目標としていた。この事は、Multicsのmulti(複)に対してuni(単)という意味がUNIXの名称に込められていることからもわかる。

この時点ではまだベル研究所からの資金的な援助はなかったが、ベル研究所のComputer Science Research Groupが、PDP-7より大きいシステムでのUNIXの動作を望んだため、トンプソンとリッチーはテキスト出力能力を持つUNIXをPDP-11/20上で実現することを約束し、ベル研究所から資金的な援助を得ることとなった。

UNIX完成

そして1970年代最初に、UNIXはPDP-11/20上で動作するようになり、また、テキストエディタであるedと、テキスト出力用ソフトウェアroffがアセンブリ言語で実装された。roffはその後troffとして発展し、またこれらプログラムを用い、the UNIX Programmer's Manualが1971年3月に出版された。

1969年に開発された当初のUNIXは、アセンブリ言語で記述されていた。アセンブリ言語とは、人間にわかりやすい形に直された機械語のことである。アセンブリ言語で記述されたソフトウェアは、ハードウェアの能力を最大限に生かすことができる。しかし可読性が低く、移植性に欠ける。この当時はOS、特にOSの中核をなすカーネルは、アセンブリ言語だけで記述されることが一般的であった。ハードウェアメーカーがそれぞれ独自のOSを提供していたため、移植性の問題は重要ではなかった。そもそも当時の高級言語には、システム・プログラミングに向いているものがなかったため、アセンブリ言語を使うより他に選択の余地はなかったといえる。

しかし、デニス・リッチーは、UNIXの移植性を高めるために「C言語」を開発した。この革新的なプログラミング言語は、高級言語でありながら従来よりも機械語に近い処理も可能であったため、システム・プログラミングのための言語として理想的であった。UNIXは1973年にC言語に移植された。現在では、OSの多くが最初からC言語で記述される。

UNIXの普及と展開

ベル研究所の当時の親会社AT&Tは、独占禁止法によりコンピュータ産業への進出を禁止されていた。このため、UNIXはソースコードと共にメディアのコピー代だけで配付された。このような要因から、UNIXはアメリカ合衆国の企業、大学、政府機関で急速に普及し、またさまざまな改変がUNIXに加えられることとなった。その結果、UNIXにはオープンな文化が育まれ、また、これら創生期に生まれた設計思想、開発手法等はUNIX哲学として発展し、現在のUNIX系OSの開発に多大な影響を与えている。

その後、ベル研究所のUNIXは順調に発展を遂げ、1975年に至るまでにV4、V5、V6がリリースされた。その過程においてパイプ機能が実装され、いっそうのモジュール化がなされている。1978年には、UNIXは600台以上のシステムで稼動していたとされる。

1980年代の始め、AT&Tにアメリカ合衆国の独占禁止法が適用され、地域系部門が分離、独立されることとなるが、一方で、AT&Tは通信業務以外の分野への参入が認められた。これに伴い、AT&TはUNIXを用いたライセンスビジネスを開始し、UNIXのライセンスを受けた会社は、UNIXに様々な機能追加を施し、自社の商品として独自UNIXを搭載した機器を売り出した。これらの機器に搭載されたUNIXにはソースコードが付属していなかったことや、ライセンスが大変厳しかったことから、UNIXを自由に改変したり、またその改変した機能を公開できなくなった。その結果、UNIXは一時期、閉じた世界のものとなったとされる。

BSD系UNIX

カリフォルニア大学バークレー校は同校で開発されたUNIX用のPascalコンパイラエディタなどの配布活動を行っていた。これが、BSD (Berkeley Software Distribution) の始まりである。

1980年ごろ、DECのスーパーミニコンVAX-11のリリースにより、ミニコンは32ビットの時代に突入した。LISPリレーショナルデータベースなど大規模アプリケーションのため32ビット仮想記憶対応のUNIXが求められていたが、AT&Tから提供された UNIX 32VはV7を32ビット対応にしただけのもので仮想記憶機能を持っていなかった。そこで、カリフォルニア大学バークレー校ではV7と32Vをベースに仮想記憶機能の追加を行い、バークレー版のUNIXを開発した。これによりBSDはUNIXオペレーティングシステムそのものを含む大規模なものとなった。 さらに同校はDARPAよりUNIXにTCP/IPネットワーキング機能を追加する研究プロジェクトを受託し、BSD UNIXは、TCP/IPネットワーク機能を持つことになった。特にTCP/IPがBSD UNIXに標準採用されたことは、インターネットの創生期の発展に大きく寄与した。

BSD UNIXはAT&Tから公式に配布許可を得たUNIXのバリエーションであり、入手のためにはまずAT&T UNIXのソースライセンスを得た上でバークレー校とのあいだでライセンス契約を結ぶ必要があった。当時はUNIXのライセンス費が教育機関向けには非常に安く、また同校のライセンス費も実費程度であったのでBSD UNIXは広く普及した。BSDベースの商用UNIXも登場したが、これはAT&Tからバイナリ再配布ライセンスを得て販売されていたのであり、ソースコードは付属しておらず、カーネル再構成用にリロケータブルオブジェクトファイル(.oファイル)が添付されていた。

なお、BSD開発の中心となったのが、後にサン・マイクロシステムズの設立メンバーとなるビル・ジョイである。その後、1995年まで同校のCSRG (Computer Systems Research Group) でBSD版UNIXの開発が続けられた。4.3BSDの出荷後、CSRGではAT&T由来のソースコードの分別と除去を推し進め、AT&T UNIX由来ではないソースコードを無償公開した。これがNetwork Release 1 (NET/1) やNET/2である。特にNET/2ではカーネルのソースのほぼ全てが含まれており、欠落した数個のファイルを開発することにより動作するカーネルを作ることができた。 しかしUNIXのソースコード、特許等のライセンスを管理してきたAT&Tは、BSDに対して快く思わなかった。特に、BSDiがNET/2を商用化してソースコードを販売したことがきっかけとなり、USL(当時UNIXを保有していたAT&Tの子会社)はBSDi及び、BSDを開発したカルフォルニアバークレイ校に対し、BSDによるAT&Tが保有する特許及び、著作権の侵害に対して訴訟を起こす。この訴訟の和解の結果、1994年には、NET/2の公開を取りやめることとなったが、4.4BSDからAT&TUNIXに依存した部分を取り除いた4.4BSD-Liteを同校が公開できることになった。しかし、裁判の間BSD系のオペレーティングシステムは急激に開発のスピードが落ちたとされる。

最後に出荷されたBSDは4.4BSD encumberd(フリーではない)と、そのフリーなソースコードだけを抜き出して作られた4.4BSD-Lite2である。こうしてAT&Tとのライセンス問題を回避したBSDは後に述べるオープンソースUNIXへとつながっていく。

V7系UNIX

商用UNIXには、V7→32V→4.xBSD→SunOS(サン・マイクロシステムズ)という流れと、V7(→32V)→System-IIISystem-V (AT&T) という流れがある。なお、System-IVは開発に失敗して出荷されなかった。その後、AT&Tとサン・マイクロシステムズによって、BSD系の機能を追加した統合UNIXが System-V Release4 (SVR4) として開発された。

その後、AT&TはSVR4をノベルに売却した。なお、ノベルはこれを基礎にUNIXwareを開発し、マイクロソフトWindows NTに対抗しようとした。

1994年にノベルはUNIXの標準規格を確立するために設立されたX/OpenコンソーシアムへUNIXの商標を売却した。その後、X/OpenコンソーシアムとOSF/1(SVR4との競合規格)は統一化され、この規格の管理を目的としてThe Open Groupが設立された。

V7系UNIXの系譜はUNIX V8につながる。UNIX V8は一般に公開されることはなく、ベル研究所内で研究用途にのみ使われた。

ベル研究所ではUNIXを開発した同じチームによって、UNIXの思想を受け継ぎ、分散環境上におけるUNIXの問題点を解消したPlan 9が作られ、2004年現在も開発が続けられている。なお、Plan9組込み向けに再構成されInferno(インフェルノ)として通信機器に使われている。

オープンソース系UNIX

UNIXが商用の「閉じた」OSとなっていく中で、現在につながるフリーソフトウェア/オープンソースのムーブメントが勃興し、UNIX同様の操作性と機能を提供するフリーなOSが生み出された。System V系の流れを組むSun Microsystems社の「Solaris」は、現在では「OpenSolaris」プロジェクトでオープンソース化され、「OpenSolaris」として公式ディストリビューションがリリースされているほか、2009年現在では多くのディストリビューションが存在している。

その他にも多くのUNIX系OSがオープンソースで開発されているが、以下に挙げるOSは、ライセンスなどの問題からUNIXとは公称しない。

GNU/Linux

1983年リチャード・ストールマンFSF(Free Software Foundation/フリーソフトウェア財団)を設立し、GNU(Gnu's Not Unix) プロジェクトを開始した。このプロジェクトの目的は、再配布自由・改変自由なUNIXクローンのOSを作成することであった。このプロジェクトにより、多くのUNIXシステム上で動作するソフトウェア、例えばEmacsGCC等が作成され、これらソフトウェアは多くのUNIXシステムで使用されるようになった。しかしながら、OSの中核をなす“Hurd”の完成に手間取った(Hurdは現在も開発中)。

1991年リーナス・トーバルズLinuxカーネルを開発した。Linuxカーネルの特徴として、POSIXに準拠するように設計されたこと、GNUプロジェクトによって開発された様々なツールが動作するように作成されたこと、またライセンスにGPLが採用されたこと等が挙げられる。その結果、GNUプロジェクトの開発したソフトウェア等と共に、完全フリーのUNIXクローンとして利用されるようになった。有名な商用ディストリビューションとして、かつて Red Hat Linux が存在し、現在では Red Hat Enterprise LinuxSUSE Linux等がある。

なおLinuxという名称は本来カーネルのみの名称にすぎず、OSとして完成させるための他のシステムの多くはGNUプロジェクトの産物である。そのためFSF側ではOSとしての名称は「GNU/Linux」とすべきだと主張しており、この名称を採用した最も有名かつ完全にフリーなディストリビューションのひとつとして「Debian GNU/Linux」、およびそこから派生した「Ubuntu」などがある。

オープンソース系BSD

4.3BSD Network Release 2 (Net/2) に起源を持つのがFreeBSDNetBSDOpenBSDDragonFly BSDPC-BSDのいわゆるBSD系UNIXである。FreeBSDは安定性重視、NetBSDは新機能対応と移植性に優れ、OpenBSDはセキュリティを重視し、DragonFly BSDはマルチCPU構成での高性能という特徴を有し、PC-BSDはカジュアルユーザにおいて簡単に導入して使えることを目指しており、特にFreeBSDはウェブ・ホスティングなどで標準的に使用されている。

USLとの和解以降これらBSD系UNIXはライセンス問題を排除した4.4BSD-Lite2をベースに移行し、いずれもフリーなOSとなっている。

オープンソース系BSDをベースとした商用OSとしてはApple社の「Mac OS X」が知られており、中核を為す部分を「Darwin OS」としてソース公開している。

UNIXの商標

UNIXの商標とソースコードの権利はAT&Tから子会社のUSL(Unix Systems Laboratory)、Novellなどの間で転売が繰り返された。現在ではUNIXのソースコードはSCOが持っている。UNIXの著作権は、2007年の米地裁判決ではNovellが保有しているとされたが、2009年8月の米控訴裁による判決ではSCOが保有しているとする判決が出ており、現在もその所在が争われている。登録商標としてのUNIXはThe Open Groupが保有しているが、これは前述の地裁判決を根拠とするものである。日本における電子計算機関連の「unix」という商標は複数の区分で登録されており、アメリカン テレフォン アンド テレグラム カムパニ―やエックス/オープン・カンパニー・リミテッドが保有している。

日本では、日本マランツ(現在は合併してディーアンドエムホールディングス)が、電気機器分野でUNIXという名前で先行して商標登録を行なっていた。そのため、日本ではOSの商標として使えない時があった。現在は音響機器用に「unix」を日本マランツが利用している。

UNIXの定義

現実には、UNIXは以下に示す4種類の条件をひとつでも満たすOSを指す言葉として使われている。

  1. UNIXの商標を管理する団体The Open Groupより、同団体が定義したSingle UNIX Specificationを満たすことの認証を受けたOS。
  2. ベル研究所で開発されたオリジナルのUNIX及び、オリジナルのUNIXの派生OSとしてベルの認可を得た過去のOS。
  3. オリジナルのUNIXを起源にもつOS。
  4. POSIXなどのUNIXに関連する規格をみたす、UNIX互換なOS。

しかしながら現在、UNIXの公式な定義は、1のみである。アメリカや日本を含む多くの国においては、UNIXはThe Open Groupの登録商標であり、1を満たすOSのみがUNIXを名乗ることができる。そのため、その他の条件に当てはまるものはUnix系やUnixライクと呼ばれることもある。

また、かつてAT&TがUNIXという言葉の使用に細かい制限をかけたために、Un*xなどといった呼び換えがされることもある。

主なUNIX系OS

フリーなもの

BSDおよびBSDの子孫
現在主要なものに、FreeBSDNetBSDがある。いずれも386BSDから生まれた。
FreeBSD
BSDの子孫FreeBSD多くの派生版がある(中には有償のものも含まれる)。
NetBSD
BSDの子孫。58以上のアーキテクチャに対応している。
OpenBSD
NetBSDから派生したBSDの子孫
DragonFly BSD
FreeBSDから派生したBSDの子孫ハイブリッドカーネルを採用している。
Darwin
アップルがDarwinプロジェクトによってオープンソース化したMac OS Xの中核。FreeBSDのソースコードをベースとし、中核にはMachが使われている。
GNU/Linux
Linuxカーネルから派生した、Linuxディストリビューション全般やELIKSTemplate:Enlinkを言う。中には有償のものも含まれる。Linux Standard Base仕様を元に設計されるため、ほぼPOSIX準拠となる。
GNU/Hurd
GNUプロジェクトの公式OSとして現在開発中である。中核にはMachが使われている。
Solaris/OpenSolaris
サン・マイクロシステムズのOS。現在、最新版のSolaris 10が提供されているが、以前の版も最終リリースのものがダウンロード可能である(Solaris 8, Solaris 9)。もともとは有償版しかなかったが、SPARC版が無償化され、ついでx86も(一度有償に戻ったが)無償化された。また、カーネル等の主要コンポーネントをオープンソース化したOpenSolarisもリリースされ、そこから多くの派生ディストリビューションも生まれている。
Uzi公式サイト
Doug Braunにより書かれたZ80Z280で動作するUNIX風のOS。現在はメンテナンスされていない。
Uzix公式サイト
UziをMSXMS-DOSに移植したもの。
Minix
IBM PCでも動作すること目的に開発された教育用UNIX風OS。80386の仮想記憶には対応していなかったため、Linuxが開発されるきっかけとなった事でも有名。なお、当初はフリーではないライセンスでリリースされていたが、2000年にバージョン 2.0.2 が BSDライセンスのもとでリリースされ、フリーな OS となった。
Haiku OS
BeOS互換のオープンソースOS。POSIXに準拠するよう開発されている。

フリーではないもの

Domain/OS
アポロコンピュータが開発したワークステーションに搭載されたUNIXの機能も持つ独自OS。マイクロカーネル上のOS Middlewareとして BSD4.3 と SVR3 を搭載し同時独立動作を可能とした。ヒューレット・パッカード (HP) に買収されたその後は市場から姿を消した。
Ultrix
DECが同社のVAXやDECstation向けに出していた4.2BSD/4.3BSDベースのOS。初の64ビット実装を行ったUNIXとしても知られている
Tru64 UNIX
DECが開発した、Alphaアーキテクチャのサーバ/ワークステーション用のOS。当初は「OSF/1」と呼ばれ「Digital UNIX」を経て Tru64 UNIX となった。DECの買収とともに、コンパックヒューレット・パッカード (HP) へと引き継がれ、現在も販売されている。
DG/UXTemplate:Enlink
DataGeneralのサーバ/ワークステーション用のOS製品の商標。System-V系をベースにしているが、一部BSD系の機能を付加
HP-UX
ヒューレット・パッカード (HP) のPA-RISCアーキテクチャによるサーバ/ワークステーション用のOS製品の商標。OSF/1への移行を前提にSVR3系をベースに実装されたが、そのまま発展したOS。HP-UX V10以降はSVR4ベースとなる。2002年リリースのHP-UX 11i v1.6では業界で初めてインテルItaniumプロセッサに対応する商用OSを提供した
SCO UnixTemplate:Enlink
SCOがマイクロソフトから引き継いだXENIXを発展させたIBM PC用のUNIX。一時期はPC用UNIXのトップシェアを誇っていた。
Windows NT系
Windows NT系はPOSIX準拠のサブシステムをもつ。あまりこの事実は知られておらず、通常UNIXと呼ばれない。Windows 2000ではInterixサブシステムを導入することで、UNIX環境を構築することができる。Windows XPおよびWindows Server 2003ではPOSIXサブシステムがServices for UNIXとして別配布である。Windows Server 2003 R2、Windows Vista (Ultimate、Enterprise) およびWindows Server 2008では、Subsystem for Unix-based Applications として、標準搭載されている。
OS/390, z/OS
メインフレーム専用OSであるOS/390およびz/OSはPOSIX準拠OSである。通常UNIXと呼ばれないが、標準のUNIX環境(Unix System Services - USS)により、OS/390やz/OSのネイティブアプリケーションとPOSIX準拠アプリケーションを同時稼働できる。
Mac OS X
独自改良のMachマイクロカーネルとFreeBSDのユーザランドによって実現されたOS (Darwin) 上にCarbonなどを実装したMacintosh用OS。上記の定義のうち3と4が当てはまる。なお、2007年10月に出荷されたMac OS X v10.5はThe Open Groupの認証を受けたUNIX(定義1)である。<ref>The Open GroupのMac OS XへのUNIX 03製品認証</ref>
A/UX
アップルコンピュータが開発した、SVR2ベースのMacintosh用OS。X11やコンソールのほかに、Mac OSによく似たインターフェイスのウィンドウシステムを備えていた。当時のMacintoshはMac OS以外をブートできないため、いったんSystem7が起動する。
MachTen
MachマイクロカーネルとFreeBSDをベースとした、Mac OS内で起動するOS。
BeOS
BeのワークステーションであるBeBox、またはPowerMac、PC/AT互換機で動作するUNIX互換OS。メディアOSとしてマルチメディアを扱うのに長けた。マイクロカーネルにはMachを使用しているが、ユーザカーネルなどのソースコードはオリジナルUNIXは使用せず、POSIX仕様をベースに新しくフルスクラッチされた。
BSD/OS
初期BSDから分岐し商業プロダクトとなったUNIX。BSDiが開発、後に組込み系でリアルタイム制御に対応したUNIX互換OS「LINX」を開発・販売していたWind Riverがソフトウェア部門ごと買収。当初の名前はBSD/386
XENIX
マイクロソフトがSVR2をベースに開発・販売していたIBM PC向けUNIX。仮想メモリをもたない8086とFDで動作するシンプルなシステム。教育用および安価なUNIX環境として高いインストールベースを誇った。1983年SCOから販売されていたが、マイクロソフトがサーバOS戦略を独自路線(OS/2 → Windows NT)へ切り替えたため、後にSCOへ売却された。
PANIX
エー・アイ・ソフトが、SVR4をPC/AT互換機・PC-9800シリーズに移植して発売していたもの
UnixWare
USLの純正SVR4がノベルに売却され、ノベルの技術(Netwareのサポートなど)を取り入れられたUNIX。その後SCOへ売却される。
AIX
IBMの、SVR4とBSD4.4をベースとしたUNIX。大型汎用機からWSまでのスケーラビリティを持つ
ACISTemplate:Enlink
IBMが6100RT/PCシリーズ用に提供していた4.2BSDベースのOS。アカデミック分野の顧客にのみ提供された。AT&T UNIXとBSDのライセンスを持つ顧客にはソースコードも提供された。
AOS
IBMが6100RT/PCシリーズ用に4.3BSDを移植したもの。アカデミック分野の顧客にのみ提供された。AT&T UNIXとBSDのライセンスを持つ顧客にはソースコードも提供された。
IRIX
シリコン・グラフィックス (SGI) のUNIX。GUIに優れる。映像製作分野でのシェアが高い。SVR4.2系
NeXTSTEP/OPENSTEP
NeXT ComputerのOS。当初は同社のワークステーション専用のOSで、Machに4.3BSD相当の機能を搭載したものであった。後にPC/AT互換機などで動作するOSとして単体販売もされた。
COHERENT
Marc Williams製。UNIXライクなOS。
UNICOS
Crayのスーパーコンピュータ用のUNIX。
RISC/os
ミップス・コンピュータシステムズのUNIXワークステーション/サーバ専用のUNIX。日本ではクボタコンピュータ(株)が代理店をしていた。
Σ
通産省主導の国策プロジェクトとして開発されたOS。開発当初はBSD系だったが後にSystem V (Release2) 系に路線変更。プロジェクト的には失敗に終わったとされ、また、その後も少なからず他の国策プロジェクトに悪影響を与えたとされる。
HI-UX
日立製作所のワークステーション、サーバで動作する。当初は68000系ワークステーションで稼働したSystem V系独自OSであったが、後にハードウェアアーキテクチャの変更(PA-RISC)に伴い、HP-UXをベースとした製品へ変更となった。
NEWS-OS
ソニー製のNEWSワークステーション専用のUNIX。当初は4.2BSDベースであったが、後に4.3BSDベースとなる。終末期にはSVR4.2ベースとなった(NEWS-OS6.x)。
OA/UX
シャープ製のOAシリーズ、IXシリーズのオフコン/ワークステーション専用のUNIX。当初はSystemIIIベースであったが、後にSystemVベースとなる。コンソール画面での漢字表示、オンボードの辞書ROMを用いたかな漢変換など独自の日本語化が行われていた。
UniOS-U/UniOS-B/UniOS-Σ
オムロンが開発・販売していたLUNAワークステーションのうちMC68030を用いたモデル専用のUNIX。SystemV系、BSD系、Σ準拠の3種類が供給された。MC88000を搭載したLUNA88k-WSのOSはMachマイクロカーネル(ユーザカーネルは4.xBSD)であった。
EWS-UX(UX/4800)
日本電気 (NEC) 製のEWS4800ワークステーション専用のUNIX。SVR3系のCISC版とSVR4(当初は、SVR4.0,後にSVR4.2、4.2MP)系のRISC版が存在する。その後、UP-UXをOSとするUP4800サーバ・シリーズが発売になり、これらが統合されてUX/4800に名前が変更となった。CPUをR10000シリーズ(64ビット)としたモデルの発売に伴い、32ビット版と64ビット版が提供されている。
PC/UX
NECPC-9800シリーズ80286ベースのもの)専用のUNIX。SVR2ベース。
SUPER-UX
NEC製SXスーパーコンピュータ向けのUNIX。なお、地球シミュレータ向けには、このOSを地球シミュレータ向けに拡張したものが利用されている。
SX/A
富士通製ワークステーションのAシリーズ(A30など)・Σ-Station(Σプロジェクトとは無関係)シリーズ専用のUNIX。純正SVR3をベースに4.2BSDのTCP/IP機能を盛り込まれていた。
UXP/DS
富士通DS/90GP7000Dシリーズ専用のUNIX、USL純正のSVR4をベースに開発された。
UXP/M
富士通製汎用機(FACOM後継機であるMシリーズ、GS (Gloval Server) シリーズ)で動作するSVR4互換のUNIX。他の富士通汎用機のOS (MSP/VSP) と同様に、VM上で稼動する。
RTU
MASSCOMP製リアルタイムUNIX、世界で初めてUNIXをリアルタイム化したUNIX。SVR3系カーネルをベースに4.2BSDのTCP/IPを利用していた。コンカレントに買収後名前は消えるが、機能性は現在も継承されている。
CX/UX
ハリスコンピュータ製NHxxxxシリーズで動作する、SVR3系リアルタイムUNIX。SVR3系カーネルをベースに4.2BSDのTCP/IPを利用していた。コンカレントに買収後名前は消えるが、機能性は現在も継承されている。
PowerMAX/OS
コンカレントコンピュータ製PowerHawk、NightHawk、TurboHawkシリーズで動作する。SVR4ES/MP純正カーネル(USLのカーネルベース)にPOSIX1003.1b(リアルタイム)、POSIX1003.1c(スレッド)の拡張を行い、XPG4の認定も受けている。事実上、最後の商用UNIXにおけるリアルタイムUNIXである。(2005年現在、販売中)
NCR UNIX
NCRの発売するUNIX。


UNIX環境を提供するソフトウェア

OSではないが、UNIXに相当する環境を提供するソフトウェア。

脚注

Template:脚注ヘルプ <references/>

関連項目

Template:Wikibooks

外部リンク

  • Template:Cite web - Unix系オペレーティングシステムの詳細な系図、関係する人物の公式サイトや関連資料へのリンクなど

Template:オペレーティングシステムaf:Unix als:UNIX an:Unix ar:يونكس ast:Unix az:UNİKS bat-smg:UNIX be:Unix bg:Unix bn:ইউনিক্স br:Unix bs:UNIX ca:Unix cdo:Unix cs:Unix cv:UNIX da:UNIX de:Unix el:Unix en:Unix eo:Unikso es:Unix et:UNIX eu:Unix fa:یونیکس fi:Unix fiu-vro:Unix fr:UNIX ga:UNIX gl:UNIX he:Unix hif:UNIX hr:UNIX hu:Unix ia:UNIX id:Unix ilo:UNIX is:Unix it:Unix ka:UNIX kaa:Unix kk:UNIX kn:ಯುನಿಕ್ಸ್ ko:유닉스 la:Unix lt:UNIX lv:UNIX mg:UNIX mk:Unix (оперативен систем) ml:യുണിക്സ് mr:युनिक्स ms:UNIX nds:Unix ne:युनिक्स nl:Unix nn:Unix no:Unix pl:Unix pt:Unix ro:UNIX ru:UNIX sah:Unix sc:UNIX sh:Unix simple:UNIX sk:Unix sl:Unix sq:UNIX sr:Јуникс sv:Unix ta:யுனிக்சு th:ยูนิกซ์ tr:UNIX tt:Unix uk:UNIX ur:یونکس uz:UNIX vi:Unix yi:יוניקס zh:UNIX zh-min-nan:Unix zh-yue:UNIX

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