Pulay補正
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Pulay補正(Pulay correction):バンド計算において、Pulay補正は、以下の3つの場合がある。
- 基底が、原子の位置に依存しかつ完全系でない場合、力の計算に関して、Pulay補正が生じる。この場合、平面波基底は原子の位置に依存しないので、Pulay補正は生じない。
- 基底が完全系でない場合、Pulay補正が生じる。APW、LMTOなどでは、基底がオーバーコンプリートになっているのでこの補正が必要。また、基底の数が十分でないことからも補正が必要。←この場合は、平面波基底でも基底の数が少ない(エネルギーカットオフが小さ過ぎる)と問題となり得る。
- バンド計算における、セルフコンシステントな計算が十分収束していない場合にも、Pulay補正の問題が出てくる。これは、収束していないことにより、入力の電荷密度と出力の電荷密度が一致しないことによる。
参考文献
- P. Pulay, Mol. Phys. 17, (1969) 197.
- P. Pulay, Mol. Phys. 18, (1970) 473.
- P. Pulay, Mol. Phys. 21, (1971) 329.
- C. Satoko, Phys. Rev. B30 (1984) 1754.
- 岩波講座応用数学”計算物理の方法”、第2章「物質設計の数理」寺倉清之、 2.4(a)Hellmann-Feynman力の節