LAPW

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LAPW法(Linearized Augmented Plane Wave Method)はAPW法で生じる次の問題点を解決するために考案されたバンド計算法。

  • シュレーディンガー方程式を解いて得られる行列の、各要素が固有値の関数となっているために一般化固有値問題に適用することができないため、行列式を計算しなければならず、そのために膨大な計算時間を必要とする[1]。
  • 各要素は動径波動関数の対数微分を含んでいる。この対数微分がエネルギーに関して特異性をもつため、固有値を拾い落す可能性が生じてしまう[2]。

Linearizedは「線形化された」という意味で、LAPW法では動径波動関数がエネルギーに関して線形化されている。これにより、対数微分の特異性は除かれ、APW法の行列は一般化固有値問題に適用できる形になる。

線形化された計算では、ゴーストバンドの問題が生じることがある。

1975年、O. K. Andersenによって考案された[1]。

参考文献

  • [1] O. K. Andersen, Phys. Rev. B12 (1975) 3060.
  • [2] T. Takeda and J. Kuebler, J. Phys. F: Metal Phys. 9 (1979) 661.

関連項目

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