黄色

出典: Wikipedio


Template:Redirect Template:色 Template:Infobox color [[ファイル:Helianthus whorl.jpg|thumb|240px|黄色い花。自然界におけるフィボナッチ数の例として使われる、ヒマワリ。]]

黄色黃色、きいろ)は、基本色名の一つであり、色の三原色の一つである。ヒマワリ花弁のような色。英語では yellow であり、外来語イエローはこれに由来する。暖色のひとつ。波長 570〜580nm の単色光は黄色であり、長波長側は橙色に、短波長側は黄緑色に近付く。の中間の色。

現代日本語では一般に「黄色」(名詞)、「黄色い」(形容詞)と呼ぶ。これは小学校学習指導要領で使われ<ref>Template:Citation</ref>、また母語として最初に学ぶ色名の一つである<ref>絵本では一貫して「黄色」が使われている。五味太郎「きいろのほん」、わらべきみか「ミーミとクークのあか・あお・きいろ」、ロラン・ド・ブリュノフ「ババールのあか・あお・きいろ」、タナ・ホーバン「あか あお きいろ」、レオ・レオーニ「あおくんときいろちゃん」など多数。</ref>。しかし JIS 基本色名やマンセル色体系における公式名称は黄色ではなく、き)である。複合語内の形態素としては、黄緑黄身など、「黄」が少なくない。

目次

物体色としての黄色

Template:- Template:Infobox color thumb|240px|カラー印刷用のインク。右側がイエロー

色料の三原色のひとつが yellow と取決められているため、イエローと呼ぶ場合、単に黄色の英語名というよりも色料の三原色の一つとしての黄色であることを指示することが多い。カラー印刷でのインクトナーに使われる。通常、シアン (cyan)・マゼンタ (magenta)・ブラック (black) と共に使われ、CMYK と呼ばれる<ref>K は Key Plate の K</ref>。印刷技術専門用語ではと呼ぶこともある。ちなみに CMYK 値で表すと

C=0 M=0 Y=100 K=0

となる。

ただし、現在の技術では理想の分光反射率曲線を示すイエローのインク・トナーを作ることは少なくとも不可能であり、黄色のインクは理想的なイエローとは違う色をしている。具体的な物質としての黄色の顕色成分については、黄色の無機顔料黄色の有機顔料黄色の染料を参照。

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JIS規格における黄色・イエロー

Template:Infobox jiscolor Template:Infobox jiscolor

JIS では黄色およびイエローがそれぞれ定義されている。この黄色とイエローはわずかに異なる色として示されている。

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光源色としての黄色

Template:Infobox webcolor Template:Infobox webcolor 光の三原色である (#FF0000) と (#00FF00) を一対一の割合で混合した色に該当し、RGB 値では

( R, G, B ) = ( 255, 255, 0 )

で表される。ウェブカラーYellow を指定すると、#FFFF00 と同等に扱われる。 これは、固有色名でいう檸檬色に近い。

また、LightYellow というコードも指定可能である。物体色の黄色には Gold が近い。

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黄色の無機顔料

色合いや耐光性、被覆力などの性能から有機顔料では代替できないものがある。毒性が強いものもある。

黄土

世界中で極めて古くから使用されてきた黄色顔料で、フランス連合王国で良質のものが産出する。いわゆるシエナ土の組成は黄土とほとんど同じで、類似している。水和酸化鉄 Fe2O3・H2O を主たる発色成分とし、珪酸アルミを含有する。様々な成分による自然な色合いに特徴がある。色合いも多様であるが、いわゆる黄土色を呈すると言って障りない。毒性のない黄色無機顔料として知られ、有機顔料が使用できない用途での使用がある。

石黄 Orpiment

Template:Main 黄色を呈する硫化ヒ素で、各地に産するが毒性があり、その供給に限りがあり今日では顧みられない。純度の高いものは、輝きのある冴えたレモン色を呈する。古画にあっては、荒粒で用いられ、現在でも豊かな黄色を保っている。しばしば、近い関係にあるリアルガーを含んでいる。プリニウスやヴィトルヴィウスが言及している、古典時代に使用された顔料である。ド・ヴィルトの調査によれば、オランダ及びフランドルの絵画には一例も使用が無い。これは錫 - 鉛 - 黄の登場によって、不要になったからだと考えられている。

錫 - 鉛 - 黄

14世紀においても僅かに使用されたが、15-17世紀に使用された顔料である。17世紀のナポリ黄の出現により忘却され、かつては、ナポリ黄と混同されていた。1940年デルナー研究所のヤコビ博士のスペクトル分析によって再発見されるまで、様々な文献にも現れない。隠蔽力に優れ、油性媒材、水性媒材ともなじむ。

密陀僧 Massicot

密陀僧・マシコット、金密陀・リサージ(litharge)は共に黄色を呈する一酸化鉛の呼称である。塩基性炭酸鉛を長時間高温で加熱すると黄色の一酸化鉛が得られる。かつてはヨーロッパ絵画に使用されたと言われているが、分光反射率を調べると 錫 - 鉛 - 黄である。日本においては法隆寺壁画に使用された。密陀僧は唐から密陀僧が伝わり乾燥促進剤として使用された。

ナポリ黄

主成分はアンチモン酸鉛。イタリアのベスビオス火山で得られたとされる。絵具のネープルスイエローは、名前として残る。但しセラミック顔料のネープルスイエローは本物のアンチモン酸鉛が使用されている。

クロム酸系黄

黄鉛バリウムクロメートストロンチウムクロメートジンククロメート等のクロム酸塩からなる黄色顔料。六価クロムを含むため毒性が強く、また耐光性に弱い上硫化水素により黒変するといった欠点がある。クロム酸系黄のうち黄鉛とジンククロメートは 2000年頃までは錆止め塗料や黄色塗料に大量に使われていたが、毒性や環境問題から使用が制限されてきている。例えば自動車用塗料では既にや六価クロムを含む顔料はほとんど使用されていない(日本自動車工業会 JAMAGAZINE より)。また日本塗料工業会でも自主規格 JPMS 26 を設け、塗料中の鉛を減らすように動いている。

バリウム黄

バリウム黄はクロム酸バリウムで、淡緑黄の顔料でクロム酸カリウムと塩化バリウムの溶液から作る。塩化バリウムが塩化ストロンチウムに置き換わる以外は、ストロンチウム黄と同じ製法である。1809年ヴォークランはクロム酸バリウムの製法を発表したが、これはこの顔料の最初の記録である。バライタイエロー、レモンイエローとも言われる。

ストロンチウム黄

Template:Main 淡緑黄の顔料でクロム酸カリウムと塩化ストロンチウムの溶液から作る。塩化ストロンチウムが塩化バリウムに置き換わる以外は、バリウム黄と同じ製法である。ウルトラマリンイエローの名称ももつがウルトラマリンとは無関係。クロム酸ストロンチウム。ストロンシャンイエロー、レモンイエローとも言われる。

黄鉛 Chrome Yellow

Template:Main 黄鉛・クロム黄<ref>『絵画技術入門―テンペラ絵具と油絵具による混合技法(新技法シリーズ)』 佐藤 一郎 著 美術出版社 1988/11 ISBN 4568321468 ISBN 978-4568321463</ref>はクロム酸鉛を主成分とする。L.N.ヴォークランは、回想録の 1909 年の欄においてクロム酸鉛の製法および性質を記している。そして1818年に大量生産が開始された。かつて塗料に大量に使用されていたが最近は毒性を考慮して使用が減少している。黒変する。ジャック=ルイ・ダヴィッドは、この顔料のパレットへの採用に関して保守的だった。フィンセント・ファン・ゴッホがよく使用したことも知られている。ゴッホの黄色が独特の色合いをしているのは、黄鉛が黒変する為であり、必ずしも彼の色彩感覚が独創的だったことを意味しない。

亜鉛黄

Template:Main クロム酸亜鉛、クロム酸カリ亜鉛、塩基性クロム酸亜鉛による顔料などを亜鉛黄と呼称する。ジンクイエロー。レモンイエローとも言われる。

カドミウム黄

Template:Main 組成は硫化カドミウム(Colour Index Generic Name Pigment Yellow 37)もしくは硫化カドミウム-硫化亜鉛(Colour Index Generic Name Pigment Yellow 35)である。Colour Index Generic Nameからはカドモポン黄であるか否かは判別できない。ただし欧米では、カドミウム黄でも毒性の高いPigment Yellow 37ではなく、Pigment Yellow 37よりは毒性が弱いPigment Yellow 35に代替されている。淡色は淡色のビスマスバナジウム黄にも似た色合いであるが、濃色のカドミウム黄は濃色のビスマスバナジウム黄では到底及ばない、高彩度で不透明性の高い無機顔料である。堅牢性は複合酸化物による黄色顔料のほうが高いが、色合いではカドミウム黄が優れる。有毒で高価なため今日では油絵具水彩絵具を除いてほとんど使われない。他方、絵具においては、先述の性質から人気が高く、カドミウム黄の優れた特性を全面的に具えた代替物は存在しない<ref>「WINSOR&NEWTON Artist's Water Colour Perfecting the Fine Art of Water Colours ― パーフェクトな水彩絵具を目指して ―」Winsor & Newton</ref>。したがって、代替顔料はカドミウム顔料が持つ優れた特性を必要としない場合にこそ勧められる。また、世間ではカドミウム化合物が環境に及ぼす影響を懸念する声が一部存在するが、絵具メーカーが使用するカドミウム顔料は、実用において他の物質に溶け出すことは無い。

コバルト黄

含水亜硝酸第二コバルトカリである。彩度が高く堅牢で、黄色の無機顔料の中で唯一、透明である。耐光性はあまり高くない。オーレオリンの名前で絵具として使用されている。ただし、コバルト黄によらない「オーレオリン」も存在する。このように、絵具名から顔料の組成は即断できない。

チタン系黄

黄色のチタン系顔料は、下掲のものが知られている。

チタン-ニッケル-アンチモン 酸化物

Template:Main レモン調の極めて堅牢な顔料。チタン、ニッケル、アンチモンの酸化物固溶体。安全な無機顔料として知られている。1950年代にUSAで製造されるようになった。

チタン-ニッケル-バリウム 酸化物

Template:Main 彩度の高い緑味がかったレモン調の顔料。チタン-ニッケル-アンチモン酸化物同様安全な無機顔料として知られている。

チタン-クロム-アンチモン 酸化物

Template:Main 鮮明な黄土色といった色合いの顔料。クロムを含む黄色顔料では唯一クロムが六価ではなく三価の状態になっており、クロム化合物であるが、現在使用されている安全性の高いクロム系顔料同様、安全な顔料として知られている。

プラセオジム黄

Template:Main ジルコンに4価のプラセオジムイオンを固溶させて製造される黄色顔料で、セラミック顔料として使用される。黄色の無機顔料の中では安全性が高く、近年は絵具にも使用されている。

バナジウムジルコニウム黄

Template:Main ジルコニアバナジウムイオンを固溶させて製造される黄色顔料で、セラミック顔料として使用される。

バナジウムスズ黄

Template:Main 酸化スズにバナジウムイオンを固溶させて製造される黄色顔料で、セラミック顔料として使用される。バナジウムジルコニウム黄よりも色調が鮮やかである。

黄色の有機顔料

一般工業製品や学校で使われる絵具などには、しばしば毒性の少ない有機顔料が使用される。但し一般印刷に使用されている安価な製品は安価な赤色色素と同様紫外線に弱く、数箇月程屋外に掲示されたポスターなどはマゼンタやイエローが退色し、青くに見える。なお、レーキ型の有機顔料は、黄色の有機染料を体質顔料に定着させたものである。

アゾ系黄

アゾ基を有する化合物で、顔料としては顔料色素型とレーキ顔料型がある ただし高分子化するにつれ耐溶剤性は高まる。レーキ顔料型は鮮明な色相を有し耐溶剤性も有する。一般印刷用インキや塗料、安価な絵具等に使われている。

モノアゾ

黄色のモノアゾ(monoazo)顔料の種類は多いが概して耐溶剤性に劣る。Color Index には Colour Index Generic Name、Pigment Yellow 1、Pigment Yellow 3、Pigment Yellow 74、Pigment Yellow 65、Pigment Yellow 111等が記載されている。Pigment Yellow 3は有機顔料としてはかなり以前に開発された顔料であるが、緑味黄を呈する比較的不透明な黄色顔料で、その色相やコストパフォーマンスから重要な顔料である。Pigment Yellow 65は日本では、Pigment Yellow 83によって駆逐された傾向を見出せる顔料であるが、世界的には依然として重要な顔料である。アリライドイエロー(arylide yellow)とも言う。

ジアゾ

ジアゾ(diazo)顔料も種類が多い。モノアゾ顔料と比較して着色力が強く、耐溶剤性も高い。Color Index には Colour Index Generic Name、Pigment Yellow 81、Pigment Yellow 83、Pigment Yellow 155等が記載されている。ジアリライドイエロー(diarylide yellow)とも言う。

縮合ジアゾ

縮合ジアゾ(condensed diazo)顔料は従来の不溶性アゾ顔料に比べ、耐光性、耐溶剤性などが高まっているが、コストも高まる。Pigment Yellow 128は現行最も緑味の縮合ジアゾ顔料で、インクジェットインキ等にも使用される実績のある、透明で鮮明な顔料である。これ以外には、Pigment Yellow 93、Pigment Yellow 94、Pigment Yellow 95がある。Pigment Yellow 94は生産終了。ジアゾ縮合とも呼ぶ。

ベンツイミダゾロン

ベンツイミダゾロン(benzimidazolon)顔料は近年重要性が高まっているアゾ顔料で、その中でも特に重要なのはベンツイミダゾロン系モノアゾ(benzimidazole monoazo)である。具体的にはPigment Yellow 151、Pigment Yellow 154、Pigment Yellow 175 等がある。ベンツイミダゾロン顔料の内で赤味のものは橙色を示すが、それ程優れた顔料ではない。具体的にはPigment Orange 36、Pigment Orange 72がある。

アゾメチン

アゾメチン(azomethine)顔料は高い透明性と濃色と淡色の色差が特徴の顔料であるが、彩度の低さなどから市場性が限定的であり、比較的短期間で生産が終了したものも多い。 具体的にはPigment Yellow 117、Pigment Yellow 129、Pigment Yellow 150、Pigment Yellow 153がある。Pigment Yellow 117とPigment Yellow 129は濃色ではいわゆるオリーブ色で、淡色は緑味黄、Pigment Yellow 150は濃色では低彩度で低明度の赤味黄であり、淡色は中黄である。チタン白(-ハク)との併用で「レモンイエロー」になると表現されるが、実際にはレモンイエローと呼ぶには随分赤味であり、幾分宣伝的な表現である。Pigment Yellow 153は濃色ではやや暗い黄橙色を呈し、淡色は赤味黄である。 Pigment Yellow 117、Pigment Yellow 153はBASFの製品であったが生産終了。

ピラゾロン系黄

ピラゾロン系黄は赤味の強い黄色系統の顔料である。Colour Index Generic Name、Pigment Orange 13、Colour Index Generic Name、Pigment Orange 34 がよく使用される。レーキ型ピラゾロン系黄色顔料として、タートラジンイエローがある。色合いは美しいが耐光性に難がある。そのため、あまり普及していない。

キノフタロン系黄

キノフタロン系黄は 1968 年に開発された。フタロシアニン顔料に匹敵する高い堅牢性を具える。高価であるため、あまり普及していない。Colour Index には Colour Index Generic Name Pigment Yellow 138 が記載されている。

フラバトロン系黄

フラバトロン系黄は、1901 年に開発された。260℃まで安定である耐熱性、希釈時の耐光性が際立っている。色数が乏しく高価であり、用途は限定的である。現在は製造中止。Colour Index には Colour Index Generic Name、Pigment Yellow 24 が記載されている。

黄色の染料

植物由来の天然染料と化学的に合成された合成染料が存在する。

藤黄 gamboge

黄色のガム樹脂で、東アジアでは数百年以上昔から絵具として使用された。主としてインド中国タイ等に自生するマンゴスチン科の各種樹木から採取される。ヨーロッパでは古くから商品として伝えられており、初期フランドル絵画に使用されたとも言われる。主として水性絵具、揮発性ニス (varnish)、金属ラッカーの用途がある。草雌黄とも言う。

キハダ

キハダ(黄檗)は「黄肌」という意味で、ミカン科の植物である。5から6月頃黄緑の花をつける。樹皮の内側は黄色であり苦味がある。樹皮は染色に使用される。樹皮の薬用名は黄檗(オウバク)であり、健胃剤や火傷の薬である。なおキハダで染色する場合は媒染剤を用いず直接染料として用いる。

カリヤス

カリヤス(刈安)はイネ科の植物である。灰汁を媒染剤に用いる。

ウコン

ウコンショウガ科の植物である。地下茎を黄色の染料として用いる。媒染剤不要の直接染料。香辛料・食品用の天然着色料としても用いられる。

オウレン

オウレンキンポウゲ科の植物である。根を黄色の染料として用いる。媒染剤不要の直接染料。

クチナシ

クチナシアカネ科の植物である。果実を黄色の染料として用いる。媒染剤不要の直接染料。食品用の天然着色料としても用いられるが、天然着色料として用いる場合は黄色から緑、にかけての幅広い色調をカヴァーする。

ズミ

ズミバラ科の植物である。樹皮を黄色の染料として用いる。ミョウバンを媒染剤に用いる。煎餅の着色にも用いられる。

ハイノキ

ハイノキハイノキ科の植物である。葉を黄色の染料として用いる。灰汁を媒染剤に用いる。

メギ

メギメギ科の植物である。樹皮を黄色の染料として用いる。媒染剤不要の直接染料。

黄色合成染料

石油から合成される黄色の染料で、代表的なものとしてアゾ系の黄色染料やピラゾロン系の黄色染料が挙げられる。なおこれらの黄色合成染料はレーキ化することによって黄色の有機顔料としても用いられる。レーキ型アゾ系黄色顔料やレーキ型ピラゾロン系黄色顔料はアゾ系黄色染料やピラゾロン系黄色染料をレーキ化して顔料としたものである。

黄色に関する事項

黄色に関する概念の歴史

中国
  • 宋代から清代までの中国では、黄色は皇帝・皇位を表す色として尊ばれ、皇帝以外の使用が制限された。黄色が皇帝を表す理由に、「黄」と「皇」の発音が同じ(北京官話ではともにhuáng)だからという説が在る。また、中国の五行思想で黄色が中央を表すことから、国の中心である象徴として黄色の服を着たともいわれる。また、黄色は黄帝の象徴である。
  • 現代では黄色と書くと「えっちな」・「卑猥な」の意味となり、日本でいうピンクと同様の意味合いで使われる。
  • 1980年代以降の反精神汚染運動において、低俗・西側かぶれとする文化を「黄色文化」と称する。
日本
西欧
  • イエス・キリストを裏切ったイスカリオテのユダの衣の色が黄色だったことから、中世の西欧では、黄色は嫌悪色であった。道化も着ていたり、当時差別されていたユダヤの人々は、黄色の服を着させられる制度があったりした。近代においても、ナチはユダヤの人に差別的な色である黄色のバッジを着用させた。このため黄色には「裏切り」、「汚辱」といったネガティブなイメージもある。現在でも西欧では黄色を第一のナショナルカラーとする国はほぼない。なお、国旗において用いる黄色は、金色の代替色であることが多い。
    ネガティブイメージの例
    yellow-dog;下等な、卑屈な(→「黄犬契約」)

警戒色としての黄色

thumb|240px|踏切に使用される警戒色

黄色は視認性の高い色で、特にとの組み合わせは非常に目立つコントラストとなる。この「黄色と黒」の組み合わせを一般に「警戒色」と呼び、交通標識(警戒標識)や軽自動車のナンバープレート(下記参照)、鉄道の踏切、工事現場、各種工場などで多用される。警戒色としての黄色と黒の組み合わせは、太陽の色である黄色と、闇夜の色である黒を組み合わせる事で、視認性を高めている。

日本海海戦のロシア艦隊は、煙突を黄色と黒に塗り分けており、日本艦隊にとって視認しやすかったと言われている。また、の体色も、黄色と黒の組み合わせ(縦縞)であることが多い。これは、蜂は毒針で刺す能力を持つ自分を、視覚的に他の動物に印象づけることで、外の動物が避けてくれるようになる効果を持つと言われており、これを生物学の分野でも「警戒色」といい、俗に「虎マーク」とも呼ばれている。ちなみに、カミキリムシの一部など、擬態のためにこの体色となる生物も少なくない。

このように、黄色は暗い所でかなり目立つ色なので、交通安全には必需の色であると言える。特に小学生が登下校時に被る通学帽(黄色い帽子)や、幼稚園児の通園バッグや、児童用の雨傘には、黄色一色が用いられることが多い(かつては珠算塾の通塾バッグなどにも黄色が多く使われていた)。また、合羽やヘルメットにも、黄色一色が用いられることも多い。関連してアメリカ合衆国のスクールバスの多くは黄色に黒帯のカラーリングを採用する。(en:School bus yellowも参照)

スポーツ界でも、「黄色と黒」の組み合わせを用いるチームもあり、(1) 黄色と黒の縦縞とするパターンや、(2) 上半身が黄色で下半身が黒のパターン、の2通りがある。

黄色をイメージカラーとする企業・団体

企業
政治団体
スポーツチーム

乗り物における黄色

thumb|240px|115系電車の黄色カラー

人物・キャラクターに関する黄色

それ以外の黄色

  • 一般に、黄色は注意を意味する色として使われることが多い。例:黄色点滅信号、イエローカード
    • 日本では、黄色の背景と黒い文字の組み合わせで注意を喚起するために、黄色のマーカーが多用されている。
    •  災害時の医療トリアージでは、生命の危機は迫っていないが早期の処置を要する患者に黄色のタグを装着する。⇔(危篤)、(軽症)、(救命不能)
  • 炎色反応で黄色を呈する元素としてナトリウムがあげられる。ナトリウムランプはこの性質を利用した照明器具である。
  • 現在では、黄色は穀物の穂や夕日のイメージから、「」や「西」を意味することが多い。 ⇔
  • 穀物が実ると黄色くなる事から、「豊穣」「金運」を表すことがある。
  • 太陽ひまわり、色づいたイチョウの葉の色。また、太陽のような鮮やかな黄色をサンイエローともいう。日本では古くより山吹色(やまぶきいろ)とも言う。
  • など、ネコ科の猛獣には、毛色の黄色い種が少なくない。
  • アヒルの雛の羽毛の色から、未熟を表す色でもある。
  • 紙が古くなると黄ばむ事から、黄色は「低俗」「大衆受け」「臆病」の象徴として用いられる。例:イエロージャーナリズム(センセーショナルな報道)、黄色組合(御用組合) ⇔(高尚)、(勇敢)
  • 西欧では国によっては、恐怖などで血の気がひいた状態を黄色で表現することがある。また、嫉妬深さを表わすこともある。
  • 労働運動では、黄色は労資協調主義(容共×親政府)を象徴する。 ⇔
  • 特に女性の、甲高い声を「黄色い声」と呼ぶことがある。
  • 気候では「乾燥」を表し、砂漠乾燥帯は黄色で示される。
  • 心理学的に黄色は光に象徴されるように、開放感、気分の明快さを与える色である。
  • カナリアの色としても知られており、それ故黄色のユニフォームのワールドカップブラジル代表はカナリア軍団と呼ばれる。
  • 五行思想では、黄色は「」を表し、中央の色とされる。例:黄竜
  • 仏教を象徴する色である。また、仏教において黄色は「畜生」の世界の色として考えられている。
  • タイ王国では、プミポン国王の生まれた曜日である月曜日の色であり、月曜日には多くの国民が黄色の服を着用する。
  • キイロタカラガイは、古代中国でそれから貨幣が作られた(お金に関する単語は貝偏が多い)こともあり、金、幸運、幸福という連想から、幸福の意味のアクセサリーとして販売されている。南洋に産する。
  • 「頭のおかしい人を病院へ連れて行く」という内容の都市伝説には“黄色い救急車”が登場する。
  • 以外の無彩色を混ぜ合わせると鮮やかさを失い、くすんだ色調になってしまう。
  • AV機器における映像信号の端子の識別色。(赤は右音声、白は左音声、黒はモノラル音声)
  • 企業・官公庁などの住所録電話帳は表紙を黄色にしたことからイエローページと称する。なおNTT東日本・西日本発行のものはタウンページと称するが、同じく表紙は黄色である。

黄色およびイエローを含む言葉

近似色

関連項目

Template:色名

脚注

Template:Reflist

Template:CommonsN

参考文献

Template:参照方法

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