鶴見線

出典: Wikipedio


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鶴見線(つるみせん)は、以下の路線から構成される東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線幹線)である。

目次

概要

東京地区の電車特定区間E電)の路線の一つであり、鶴見から横浜・川崎市内の京浜工業地帯へ向かう短い路線である。後述の路線データに示す3つの路線から構成されている。沿線は工場が多く、旅客列車はそれらの工場への通勤客が主に利用する。また旅客列車のほか、貨物列車が日本貨物鉄道(JR貨物)によって運転されている。

ラインカラー黄色Template:Color)で、車体色や旅客案内に使用されている。全線が旅客営業規則における大都市近郊区間の「東京近郊区間」、およびIC乗車カードSuica」の首都圏エリアに含まれている。

路線データ

thumb|120px|鶴見行方向幕は地色が白 thumb|120px|扇町行は赤 thumb|120px|海芝浦行は青 thumb|120px|大川行は黄色

  • 路線距離(営業キロ):9.7km(支線含む)
    • 東日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者
      • 鶴見駅 - Template:Color(赤)扇町駅 7.0km
      • 浅野駅 - Template:Color(青)海芝浦駅(海芝浦支線) 1.7km
      • 武蔵白石駅 - Template:Color(黄)大川駅(大川支線) 1.0km
        • 終点側の■で示した色は以前運行されていた103系電車方向幕の色である(写真を併せて参照)。
        • 大川支線の正式な起点は武蔵白石駅だが、武蔵白石駅には大川支線のホームはなく、乗換えは安善駅
    • 日本貨物鉄道第二種鉄道事業者):
      • 浅野駅 - 扇町駅 (4.0km)
      • 浅野駅 - 新芝浦駅 (0.9km)
      • 武蔵白石駅 - 大川駅 (1.0km)
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:13(起終点駅を含む)
  • 複線区間:鶴見駅 - 浜川崎駅、浅野駅 - 新芝浦駅
    • このほか、浜川崎駅 - 扇町駅間は鶴見線の電車線と貨物線が並行する双単線(単線並列)区間である。
  • 電化区間:全線(直流1500V)
  • 運転指令所:東京総合指令室

全線がJR東日本横浜支社の管轄である。

沿線概況

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本線

鶴見駅は鶴見線がかつて私鉄の鶴見臨港鉄道であった名残が色濃く残る。鶴見線は京浜東北線が発着する地平ホームではなく、西口側高架ホームに発着する。頭端式ホームで、乗換改札側から3・4番線と付番されている。また、鶴見線に乗車するには乗換改札を通過する必要があり、乗越精算はここで行う必要がある。もともとは私鉄であったゆえの乗換改札であったが、国鉄時代の昭和46年(1971年)に経営合理化の一環として鶴見駅を除く鶴見線全駅が無人化されたことから、ここで検札を行う必要が生じたためそのまま残っているものである。電車は朝ラッシュ時の一部電車を除き、乗換改札側の3番線に発着する。

鶴見駅を発車すると、しばらくの間は高架上を走行する。間もなく右手に曹洞宗大本山総持寺が現れると、線路中央に旧本山駅のホーム遺構が現れる。左にカーブし横須賀線・京浜東北線・東海道本線東海道貨物線京浜急行線をトラス橋でオーバークロスし、国道15号第一京浜)を跨いだところで国道駅に到着する。

国道駅は高架上の2面2線の相対式ホームの駅である。高架下は戦前の駅開業当時の雰囲気がそのまま残っている貴重な場所であるため、映画・テレビドラマのロケに数多く使用されている。また、当駅では電車の到着時にホーム下のスピーカーから踏切警報音が流され、乗客に注意喚起を行っている。昭和50年代にはすでにこのようになっていた。国道駅を発車するとすぐに鶴見川を渡り、右カーブで高架から地上に降りたところで鶴見小野駅に到着する。

鶴見小野駅も2面2線の相対式ホームである。鶴見小野駅までは住宅街であるため、時間帯にかかわらず利用者は相応にある。また、近隣に市立鶴見工業高校及び市立横浜サイエンスフロンティア高校があるため、朝・夕のラッシュ時には学生の利用も多く見られる。なお、朝ラッシュの下り・夕ラッシュの上り以外は、当駅を境に大きな輸送段差が生じている。鶴見小野駅を発車し、首都高速横羽線産業道路の高架下をくぐり、左にカーブすると弁天橋駅に到着する。

弁天橋駅は1面2線の島式ホームで構成されている。構内北側の鶴見小野駅方には、鶴見線乗務員が所属し、運用車両が常駐する鶴見線営業所(旧弁天橋電車区)が所在する。そのため運転士・車掌の交代も原則として当駅で行われる。また、朝ラッシュ後・夕ラッシュ前や始発・終電時には上り・下りともに当駅着発の電車が運転されている。そして、ここから先は工場地帯の中を走っていくこととなる。駅南側は旭硝子京浜工場・ユニバーサル造船京浜事業所などがあり、朝夕は、これらの工場への通勤客で賑うが、それ以外の時間帯は閑散としている。弁天橋駅を発車すると、右側にかつての鶴見川口への支線・旭硝子への入換線の広大な跡地を眺めながら浅野駅に到着する。

浅野駅は本線と海芝浦支線との分岐駅である。扇町・大川方面の電車は1・2番線の島式ホームに発着するが、海芝浦方面の電車は浅野駅の手前の弁天橋駅寄りの渡り線を渡って、3・4番線の相対式ホームに発着する。JFEエンジニアリング鶴見事業所の最寄駅であり、朝・夕のラッシュ時は多数の乗客が乗降するが、それ以外の時間帯は閑散としている。浅野駅を発車し旭運河を渡ると、間もなく安善駅に到着する。浅野 - 安善間がJRで最も駅間の短い区間 (0.5Km) の一つ。あっという間に到着する。 thumb|left|200px|旭運河(鶴見線) 浅野 - 安善間 安善駅は現在本線と大川支線の事実上の分岐駅となっている。ホームは1面2線の島式ホーム。線路自体は隣の武蔵白石駅で分岐しているが、大川支線への20m級電車の入線に伴い、武蔵白石駅構内の大川支線用ホームが撤去されたことから武蔵白石駅を通過することとなったためである(詳細は後述)。後続に大川行の電車がある場合には、大川行はこの駅で乗り換えるよう車内アナウンスがある。また、2004年(平成16年)3月までは安善駅近くに県立寛政高校があったため、朝ラッシュ時や夕ラッシュには学生の姿も見られたが、現在は県立平安高校と統合されたため、鶴見小野駅を過ぎた所の住宅地からの姿を若干見かけるのみである。2008年4月以降神奈川県立東部総合職業技術校開校に伴い、職業訓練生の姿が見られるようになった。駅構内は貨物の取扱があるため入換線が広がっており、米軍燃料輸送用のタンク車がよく停まっている。安善駅を発車すると横浜市鶴見区と川崎市川崎区の境になっている運河の鉄橋を越え、すぐに武蔵白石駅に到着する。安善 - 武蔵白石間も浅野 - 安善間に次ぎ短い区間 (0.6km) である。

武蔵白石駅は2面2線の相対式ホームとなる。大川支線との分岐駅であるが、1996年(平成8年)年に1面2線の大川支線用ホームが廃止され、大川駅方面は安善駅と武蔵白石駅の間にある渡り線を渡って直接大川支線に入線するため、大川方面の電車は停車しなくなった(後述)。なお、1日に朝1本・夕1本のみ当駅発着の電車がある。駅北側に富士電機システムズの川崎工場、駅南側に日本鋳造の本社工場があるため、当駅も鶴見線他駅同様、朝夕は大変混雑するが、それ以外は閑散としている。駅前には民家が数軒あり、かつて1軒だけ立喰そばやパン・雑貨を販売する店があったが、現在は閉店している。武蔵白石駅を発車し、右にJFEスチール渡田地区の工場を眺めながら、右に緩やかにカーブしていくと、上を川崎貨物駅へ向かう貨物線が越してゆき、間もなく浜川崎駅に到着する。 thumb|left|200px|南渡田運河(鶴見線) 浜川崎 - 昭和間 浜川崎駅は、1面2線の島式ホーム。南武線浜川崎支線との乗換駅であるが、乗換には一度改札を出て、道路を挟んだ反対側にある南武線の浜川崎駅に行く必要がある。当駅はJFEスチール渡田地区の正門側にあるため、跨線橋の出口と反対側にはJFEスチールの社員専用改札があり、朝ラッシュ時のみJFEの社員によって開けられる。当然であるが、JFEスチールの入構証がないと改札は通れない。浜川崎駅を発車すると旅客線は単線となり左から貨物線が寄ってくる。そのため、見かけ上は複線のように見えるが、実際は貨物線と旅客線が単線で並行している形である。JFEスチールの工場を右に眺め、緩やかに右カーブを取り、南渡田運河を渡ると昭和駅に到着する。

昭和駅は1面1線のみの駅である。昭和電工川崎事業所の正門脇にあり、ここから駅名が取られた。利用者は、昭和電工をはじめとする周辺工場の勤務者であるが、川崎駅からの川崎鶴見臨港バス川崎市バスの方が本数も多く(朝夕6分間隔/昼間10分間隔)便もよいことから利用者はあまり多くない。昭和駅を発車すると緩やかに右カーブを進み、目の前に貨物ヤードが広がってくると、終点の扇町駅に到着する。

扇町駅は1面1線の行き止まり駅である。その先には貨物ヤードが広がり、三井埠頭や昭和電工の工場からの車扱の貨物列車が仕立てられている。昭和駅同様、川崎駅からの川崎鶴見臨港バスの方が便がよいため、利用者はあまり多くない。

海芝浦支線

海芝浦支線発着の電車は浅野駅手前の弁天橋駅寄りの渡り線を渡って、3・4番線の相対式ホームに発着する。この駅も大川支線の旧武蔵白石駅ホーム同様、右カーブの途中にホームがあり、車両とホームの間に大きな隙間ができる箇所がある。ただし、東芝京浜事業所本工場への特大貨物輸送があるため、古くから20m車でも十分通過できるように作られている。なお、海芝浦駅行の電車であっても、鶴見から乗ってきた乗客の多くがここで下車する。浅野駅を発車し、東芝京浜事業所への道路を横断した後、旭運河沿いをしばらくまっすぐ走ると新芝浦駅に到着する。

新芝浦駅は2面2線の相対式ホームを持つ。複線区間はここまでとなる。駅正面が東芝京浜事業所の正門であり、外訪者は基本的にここで下車することとなる。川崎鶴見臨港バスが路線バスを川崎駅から朝1本・夕1本のみ運行しているのみであるため、従業員の多くは鶴見線を利用する。新芝浦駅を発車すると、東芝京浜事業所の敷地内に入った後、単線となる。旭運河沿いを南下、京浜運河にぶつかったところで大きく右にカーブし、間もなく終点の海芝浦駅に到着する。

海芝浦駅は東芝京浜事業所の中にある1面1線の行き止まり駅。東芝の敷地内であるため、東芝関係者以外は改札を出ることはできない。また、ホームの向こう側は京浜運河に面しており、天気のよい休日にはホームから釣糸をたらす姿も見受けられるが、風の強い日などは車両にまで波飛沫がかかることもある。1995年5月、東芝の計らいにより線路の延長上に「海芝公園」が作られ一般に開放されている(開園時間9:00 - 20:30)。正面に昭和シェル石油の油槽所、東京ガス扇島工場、首都高速湾岸線鶴見つばさ橋などが見えるため非常に眺めがよく、特に夜間の眺めは格別である。なお、最終電車(海芝浦駅発平日22:29/土休日20:55)を逃すと、帰る手段がなくなるため要注意である(海芝公園の詳細は海芝浦駅#海芝公園参照)。

大川支線

大川支線の線路は正式には、安善駅の隣の武蔵白石駅で分岐しているが、1996年(平成8年)に武蔵白石駅構内の大川支線用ホームが撤去され、大川支線の電車は武蔵白石駅に停車せず、安善駅が事実上の分岐駅となっている(後述)。

安善駅を発車すると、安善駅と武蔵白石駅の間にある渡り線を経て、本線上り線を逆走して武蔵白石駅直前の大川支線に入線する。

左手に武蔵白石駅を見ながら大きく右にカーブしながら通過し、右に日本鋳造本社工場を眺めながら(通過時には、構内踏切を保安員が手動で動作させる)直進、白石運河を越えると、間もなく終点大川駅に到着する。

大川駅は、1面1線の行き止まり式のホームのみの駅である。駅正面は三菱化工機の本社、周辺は日清製粉鶴見工場、昭和電工川崎事業所、大川工業団地などの工場が取り囲み、民家や商店は存在しない。大川支線自体は、平日朝5往復・夕6往復/土休日朝2往復・夕1往復しか運行されないため、平日朝夕はそれなりに乗客がいるものの、駅構内は、人気のない閑散とした状態となる。周辺工場へも川崎駅からの川崎鶴見臨港バスの路線バスが昼間でも毎時2本の運行が確保され、大川支線より始発は早く、終発が遅いため、鶴見線利用者よりもバス利用者の方が多い。

大川支線の分岐点について

大川支線は、かつて武蔵白石 - 大川間の区間運転であった。武蔵白石駅の大川支線用のホームは急カーブの線形に沿って設置されていて、20m車が入線しようとすると車体がホームに干渉してしまい入線できないので、17m戦前車両のクモハ12形が本線系統からの廃止後も大川支線用に2両残った。1日交代で1両編成で使用され、首都圏最後の旧形電車としてファンに注目されていた。その後車両老朽化の面でも限界が近づいてきていたことから、新しい17m級車両を製作しクモハ12形を置き換える案も検討されたが、結局は武蔵白石駅の大川支線ホームそのものを撤去して通過扱いとすることで20m車が入線できるようにすることになり、1996年3月に103系に置き換えられた。このことから、以後大川支線の電車は安善駅から、武蔵白石駅に停まらずに直接大川支線に入線している。

しかし、大川支線の正式な分岐点は武蔵白石で変更されていない。安善以遠(鶴見方面)から大川までの定期券で武蔵白石で出場できたり、運賃計算の際、武蔵白石または浜川崎方面から大川までの相互間の運賃を計算する場合、武蔵白石 - 安善間の営業キロを含めずに計算する点などにその名残が見られる。

運行形態

旅客輸送

全電車が各駅停車で、ほぼ全電車が鶴見駅を発着する。

弁天橋駅以東の沿線は、安善駅の北側の一部を除くと純然たる工業地帯であり、利用者はほとんどが工場の従業員である。そのため工場通勤客輸送に特化したダイヤが組まれており、朝夕に比べて昼間は利用者も少ない。朝夕は鶴見 - 浅野間で5-10分間隔、浅野 - 扇町・海芝浦間で10-20分間隔での運転となる。日中は鶴見発着が平日は20分間隔、土休日が30分間隔で運行される。かつては日中は鶴見 - 扇町・海芝浦の電車がそれぞれ毎時1本 - 2本運行されていたが、2009年3月14日改正で日中の鶴見 - 扇町・海芝浦の電車はそれぞれ2時間間隔での運行に減便され、日中は多くの電車が鶴見 - 弁天橋・浜川崎での運行となった。また、大川支線の大川駅には日中(9-16時台)に1本も運行されず、土休日は朝の2往復と夕方の1往復の3往復のみの運行となる。

2009年3月14日改正ダイヤの平日ダイヤにおける弁天橋16:38発武蔵白石行きは運転距離が1.7km(所要時間5分)で、これは2009年10月1日現在、JR旅客6社で最も運転区間が短い営業列車でもある(このほか、阪和線羽衣支線 - 東羽衣間の列車も土休日も含めすべて同区間内1.7kmのみの運転で、同じく最も運転区間が短い営業列車となっている)。

1994年12月のダイヤ改正でJR東日本の東京圏のほとんどの路線が「土曜ダイヤ」を「休日ダイヤ」と共通化した中、鶴見線では利用者の大半は工場への通勤客の輸送であるがために、2004年3月のダイヤ改正まで長らく「土曜ダイヤ」が残されていた。その後「休日ダイヤ」と共通化し、現在は後述の臨時列車で対応している。

海芝浦駅にある東芝京浜事業所が土曜・休日が出勤日となる際や平日昼間に終業する際に、通常の電車本数では不足するため鶴見 - 海芝浦間に臨時に電車を増発することがある。これはファンの間では「東芝京浜事業所の通勤客のための臨時列車」という意味合いから「東芝臨」と呼ばれている。この臨時列車は時刻表には掲載されておらず、運行日近くになると各駅の時刻表付近に掲出される。ダイヤ上も臨時列車扱いになっており、103系までは列車番号に「臨」を掲げて運行されていた。

貨物輸送

沿線が工場の並ぶ京浜工業地帯であるため、化学薬品や石油輸送が盛んである。現在は、扇町駅からの化学薬品輸送、工場燃料用石炭輸送(三ヶ尻行)、安善駅からの在日米軍横田基地向け石油(ジェット燃料)輸送が行われている。

また、海芝浦支線は定期列車が運行されることはないが、新芝浦の東芝向けの特大貨物輸送がまれに行われる。

改札業務

thumb|right|200px|浜川崎駅に設置された出場用簡易Suica改札機 1971年に大幅な合理化が行われ、鶴見駅以外の各駅の出改札業務がすべて無人化された。そのため、鶴見駅にはJR東日本と他社私鉄の連絡改札口と同様の中間改札口が設けられており、同駅で乗り換えて鶴見線の各駅へ向かう場合の運賃精算は同駅で行う形となる。浜川崎駅南武支線に乗り換える場合は、降車駅で精算する。しかし、Suicaシステムの導入により各駅には簡易Suica改札機が設置されたため、当初Suicaイオカードで乗車した場合には鶴見駅の自動改札機のSuicaセンサーに触れないようにとの注意書きがあった。その自動改札機は後に修正が加えられ、Suicaセンサーにタッチしないと改札口が閉まるようになったが、タッチした場合でも自動改札機の画面にはその地点での残額が表示されるだけで入出場などの情報は書き込まれないため、横浜 - 尻手間を鶴見線経由で乗車しても正しく計算・入出場できるようになっている。

一方、浜川崎駅で南武支線と鶴見線をストアードフェア部分を使用して乗り継ぐ場合には簡易Suica改札機のセンサーに触れないようにとの注意書きが掲出してあり、万一触れてしまった場合は降車駅で駅員に申し出ることになる。

また、鶴見線全駅には近距離の自動券売機が設置されている。これらの券売機はオレンジカードに対応しているほか、Suicaおよびこれと相互利用可能なカード(当該項目を参照)へのチャージ機能も備わっている。ただし、使える紙幣は1,000円紙幣のみである。

車両

以下に挙げる車両はすべて電車

旅客列車

thumb|200px|205系1100番台(国道駅) 弁天橋駅構内に車庫の鶴見線営業所がある。かつては弁天橋電車区と称していたが、1988年に車両配置は中原電車区に統合された。

  • 205系0・1100番台:3両編成9本(27両)
    • 黄色とスカイブルー(Template:Color Template:Color)の帯が巻かれている。
    • 鶴見駅発電車の行先LED表示は103系時代の色分けを踏襲しているが、使用できる色の制限から一部が変更されている。
      • 赤色 : 弁天橋行き・武蔵白石行き・浜川崎行き・扇町行き
      • 緑色 : 海芝浦行き
      • 橙色 : 大川行き(本来は黄色の表示であるが、3色LEDでは、黄色表示ができないため)
    • 2007年から、鶴見駅および国道駅では、時刻表の行き先表示の文字の色もこれらに準じている。
      • 橙色 : 各方向からの鶴見行き
    • 2006年末から、ドアの下部に「ひらくドアにちゅうい」のステッカーを順次貼付している。

かつて使用された車両

※ここでは国有化以後の車両を挙げる。鶴見臨港鉄道時代からの車両については鶴見臨港鉄道の電車を参照。なおこのうちの1両が1951年銚子電気鉄道へ移籍し、「デハ301」として在籍している(現在は架線点検車として使用)。

  • 11・50系 - 17m車体を持つ戦前形国電と呼ばれた車両で、本線では1972年12月まで、クモハ12形は1996年3月まで使用された。
    • クモハ12形 - 前記17m戦前形車両に運転室を増設して単行(1両編成)で運転できるように改造された車両。
      • 末期には2両が残り、大川支線で武蔵白石 - 大川間の往復運用についた。これは、武蔵白石の大川支線のホームが急カーブ上にあり、20m車だとホームに干渉してしまうためであった(大川支線の分岐点についても参照)。1996年3月に武蔵白石の大川支線のホームが撤去され、運用から外れた。クモハ12形は国鉄末期からの一時期(1985年 - 1994年頃)に昼間や休日の閑散時間帯に単行で鶴見 - 海芝浦間と鶴見 - 大川間で使用されたこともあった。大川支線での運用終了後、この2両は東京総合車両センター(旧・大井工場)で保存され、毎年夏の工場一般公開時に公開されることがある。
  • 72系(1972年 - 1980年1月まで)
  • 101系(1980年 - 1992年5月まで)
    • この車両から方向幕の色分けがされるようになった。
  • 103系(1990年8月2日 - 2006年3月17日)
    • 最後に残っていたT1編成は、実際には2005年12月16日の鶴見小野駅での故障のため翌17日以降は運用から外れ、それ以降は営業に入ることはなく、さよなら運転もないまま2006年4月26日に廃車回送されたTemplate:要出典

1980年には、72系の引退・101系の投入を記念して、鶴見線全線と南武線浜川崎支線が乗降自由となる「鶴見線フリー乗車券」が発売された。価格は大人200円・小人100円で、乗車券は発売日当日のみ有効。鶴見駅・浜川崎駅・川崎新町駅・尻手駅で発売された。

貨物列車

全線が電化されているが、非電化の側線で入換作業を行うために一部区間はディーゼル機関車が牽引する。

  • EF65形電気機関車(浜川崎 - 扇町間)
  • DE10形ディーゼル機関車(安善 - 浜川崎 - 扇町間・大川支線)

歴史

  • 1926年大正15年)3月10日 鶴見臨港鉄道 浜川崎 - 弁天橋間(2.2M≒3.54km)・大川支線分岐点 - 大川間(0.7M≒1.13km)が貨物線として開業、弁天橋駅・浅野駅・安善町駅・武蔵白石駅(初代)・大川駅開業、省線浜川崎駅に乗り入れ
    • 4月10日 石油支線分岐点 - 石油間(0.6M≒0.97km)が開業、石油駅(後の浜安善駅)開業
  • 1928年昭和3年)8月18日 浜川崎 - 扇町間(0.7M≒1.13km)が延伸開業、扇町駅開業
  • 1929年(昭和4年)3月14日 浅野 - 浜川崎間に渡田駅開業
  • 1930年(昭和5年)4月1日 マイル表示からメートル表示に変更(弁天橋 - 扇町 2.9M→4.8km、石油支線分岐点 - 石油間 0.7M→1.0km、大川支線分岐点 - 大川間 0.7M→1.4km)
    • 10月28日 全線電化、鶴見(仮) - 弁天橋間 (2.0km) が延伸開業、鶴見(仮)- 扇町間・安善通 - 石油間・安善通 - 大川間での旅客営業を開始、弁天橋駅・浅野駅・渡田駅・扇町駅・石油駅・大川駅で旅客営業開始、鶴見仮停車場、本山停留場、国道駅開業、石油支線・大川支線分岐点を駅に変更し安善通駅(現在の安善駅)開業
    • 11月15日 武蔵白石駅(初代)廃止届出
  • 1931年(昭和6年)2月1日 浜川崎 - 扇町間に海川崎停留場開業
    • 3月20日 海川崎 - 扇町間に昭和停留場開業
    • 5月30日 海川崎停留場を若尾停留場に改称届出
    • 6月14日 鶴見仮停車場が移転 (+0.1km)
    • 7月25日 武蔵白石停留場開業、大川駅への支線の起点を安善通駅から武蔵白石停留場に変更 (-0.6km)
    • 8月15日 武蔵白石 - 渡田間に(臨)海水浴前停留場開業
    • 12月8日 安善通 - 石油間に安善橋停留場開業
  • 1932年(昭和7年)6月10日 芝浦製作所(現東芝)の専用線を買収し、浅野 - 新芝浦間 (0.9km) が開業、末広停留場、新芝浦駅開業
    • 6月15日 (臨)海水浴前停留場通年化届出
  • 1934年(昭和9年)12月23日 鶴見 - 鶴見仮間 (0.1km) が開業、省線鶴見駅に乗り入れ、鶴見仮停車場廃止
  • 1935年(昭和10年)3月4日 末広停留場廃止認可
    • 10月21日 海水浴前停留場臨時営業化
    • 12月1日 貨物支線 弁天橋 - 鶴見川口間 (1.2km) が開業、鶴見川口駅開業
  • 1936年(昭和11年)3月17日 武蔵白石停留場を駅に変更し武蔵白石駅(2代目)開業認可
    • 7月16日 (臨)海水浴前停留場を駅に変更認可
    • 12月8日 工業学校前停留場(現在の鶴見小野駅)開業認可
  • 1938年(昭和13年)12月25日 安善通 - 石油間の旅客営業廃止。安善橋停留場廃止
  • 1940年(昭和15年)11月1日 支線 新芝浦 - 海芝浦間 (0.8km) が旅客線として延伸開業、海芝浦駅開業
  • 1941年(昭和16年)6月25日 (臨)海水浴前駅廃止認可
  • 1942年(昭和17年)12月11日 本山停留場廃止認可
  • 1943年(昭和18年)7月1日 戦時買収私鉄に指定され国有化、鶴見線となる
    • 停留場を駅に変更、工業学校前停留場を鶴見小野駅に、安善通駅を安善駅に、石油駅を浜安善駅に改称、安善町駅・渡田駅・若尾停留場廃止、鶴見川口駅への支線の起点を浅野駅に変更 (+1.2km)、安善 - 浜安善間改キロ (+0.1km)、武蔵白石 - 大川間改キロ (+0.2km)
  • 1948年(昭和23年)5月1日 架線電圧を600Vから1500Vに昇圧
  • 1971年(昭和46年)3月1日 鶴見駅を除く全駅を無人化
  • 1972年(昭和47年) 72系が運行開始
  • 1979年(昭和54年)12月4日 101系が運行開始
  • 1980年(昭和55年) 72系運行終了
  • 1982年(昭和57年)11月15日 貨物支線 浅野 - 鶴見川口間 (2.4km) が廃止(線路は側線扱いとして1986年10月31日まで存続)、鶴見川口駅廃止、浅野 - 新芝浦間の貨物営業廃止
  • 1986年(昭和61年)11月1日 貨物支線 安善 - 浜安善間 (1.1km) が廃止(線路は現存)、浜安善駅廃止。浅野 - 安善間の貨物営業廃止
  • 1987年(昭和62年)4月1日 国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道が継承、日本貨物鉄道が浅野 - 扇町間、浅野 - 新芝浦間、武蔵白石 - 大川間の第二種鉄道事業者となる
  • 1990年平成2年)8月2日 103系が運行開始
  • 1992年(平成4年) 101系運行終了
  • 1996年(平成8年)3月15日 首都圏最後の旧形電車(クモハ12形)が運行終了、翌16日から大川支線の電車が武蔵白石駅通過
  • 2004年(平成16年)8月25日 205系が運行開始
  • 2005年(平成17年)12月17日 前日の鶴見小野駅での車両故障のため103系が運用から外れる(事実上の運行終了)
  • 2006年(平成18年)3月17日 103系が(名目上)この日限りで運行終了
  • 2008年(平成20年)10月25日 - 12月7日 駅構内で現代アート展を実施 [1]

駅一覧

  • 全駅神奈川県内に所在。また、全駅が特定都区市内制度における「横浜市内」(14px|浜)に属している。
  • ◆・◇:貨物取扱駅(◇は定期貨物列車の発着なし)
  • 全電車各駅停車(全駅に停車する)。ただし大川駅発着の電車は武蔵白石駅を通過する。支線発着の電車はすべて本線(鶴見・弁天橋方面)と直通運転。
  • 線路 … ∥:複線区間、|:単線区間(列車交換不可)、∨:ここより下は単線
駅名 駅間営業キロ 鶴見からの営業キロ 接続路線・備考 線路 所在地
本線
鶴見駅 - 0.0 東日本旅客鉄道京浜東北線<ref group="*">鶴見駅は正式路線名称上は東海道本線の駅であり、同線からは貨物線(東海道貨物線・品鶴線南武線支線・武蔵野線)も分岐しているが、鶴見線とは線路が繋がっていないため表中では記していない。</ref>
京浜急行電鉄本線京急鶴見駅
横浜市鶴見区
国道駅 0.9 0.9  
鶴見小野駅 0.6 1.5  
弁天橋駅 0.9 2.4  
浅野駅 0.6 3.0 東日本旅客鉄道:鶴見線海芝浦支線
安善駅0.5 3.5 東日本旅客鉄道:鶴見線大川支線(乗換駅)
武蔵白石駅 0.6 4.1 (大川支線との実際の分岐駅だが、乗り換えはできない) 川崎市川崎区
浜川崎駅1.6 5.7 東日本旅客鉄道:南武線支線・東海道本線貨物支線(東海道貨物線
昭和駅 0.7 6.4  
扇町駅0.6 7.0  
海芝浦支線
浅野駅 - 3.0 東日本旅客鉄道:鶴見線本線 横浜市鶴見区
新芝浦駅0.9 3.9  
海芝浦駅 0.8 4.7  
大川支線
安善駅 - 3.5 東日本旅客鉄道:鶴見線本線 横浜市鶴見区
武蔵白石駅 - 4.1 (大川駅発着の列車は通過) 川崎市川崎区
大川駅1.6 5.1  

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浅野 - 安善間は、東北本線(系統上は山手線京浜東北線西日暮里 - 日暮里間や仙石線あおば通 - 仙台間、境線博労町 - 富士見町間とともに、JRの旅客駅間で最も営業キロの短い駅間 (0.5km) の一つである。

駅名について

鶴見臨港鉄道の開業当時この路線は埋立地上にあり、沿線には地名が存在しなかった。このため、鶴見線の駅のほとんどは実業家などの名前や周辺地区から取られた名前が付けられている。

鶴見小野は地元大地主の小野信行、浅野は浅野財閥の創設者で、鶴見臨港鉄道の設立者でもある浅野総一郎、安善は安田財閥次郎、武蔵白石は日本鋼管(現・JFEスチール)の白石元治郎、大川は製紙王の大川平三郎から取ったものである。扇町も浅野家の家紋の扇に因む。

また、国道15号が近くを走るから「国道」、昭和電工扇町工場が近くにあるから「昭和」、石油精製所の近くにあったことから「石油(後の浜安善)」、曹洞宗の大本山である総持寺の近くにあったことから「本山(廃駅)」など、あまりにそのままな命名がされた例もある。

廃止区間

() 内は起点からの営業キロ

鶴見川口駅への支線は、浅野駅を出ると鶴見小野駅まで本線と並走し、同駅隣でスイッチバックを行い南方へ至る線形となっていた。

廃駅

廃止区間にある駅を除く。(貨)は貨物専用駅、(臨)は臨時駅を表す。

  • 本線(括弧内は鶴見駅起点の営業キロ)
    • 本山停留場1942年廃止、鶴見 - 国道間 (0.5km)
    • (貨)安善町駅 : 1943年廃止、安善 - 武蔵白石間 (3.8km)
    • (貨)武蔵白石駅 : 1930年廃止、安善 - 現・武蔵白石間 (4.4km)
    • (臨)海水浴前駅 : 1941年廃止、武蔵白石 - 浜川崎間 (4.7km)
    • 渡田駅 : 1943年廃止、武蔵白石 - 浜川崎間(5.2km、現・浜川崎駅鶴見線ホーム)
    • 若尾停留場 : 1943年廃止、浜川崎 - 昭和間 (6.0km)
  • 海芝浦支線
    • 末広停留場 : 1935年廃止、浅野 - 新芝浦間(浅野駅起点 0.2km)
  • 石油支線
    • 安善橋停留場 : 1938年廃止、安善 - 浜安善間(安善駅起点 0.4km)

鶴見駅と国道駅の間にある東海道本線を跨ぐ橋梁より鶴見駅寄りにホーム跡があり、これが廃止となった本山駅の跡である。ホーム跡の高架下は旧鶴見臨港鉄道のバス事業を源流の一つとする川崎鶴見臨港バスの車庫として利用されており、横断距離が長い総持寺踏切もある。

過去の接続路線

文化に見る鶴見線

文学

  • 土屋文明の歌集『山谷集』に「鶴見臨港鉄道」と題する連作が収められている。1933年の作品。
    貨物船入り来る運河の先になほ電車の走る埋立地見ゆ
    などの一連の作品が、これまでの日本にはなかった巨大工場地帯の実相を捉えようとしている。
  • 宮脇俊三が著書において取り上げ(『時刻表2万キロ』第2章など)、都会でありながらローカル線に似た特異な路線として描写している。Template:要出典範囲
  • 笙野頼子芥川賞受賞作「タイムスリップ・コンビナート」は、主人公が夢の導きで海芝浦駅まで行く話であり、主人公はその途中に浅野駅で下車してアンダカシーを買い、ソーキそばを食べる。

テレビ番組

ゲーム

  • lightが2007年に発売したPCゲームソフト『潮風の消える海に』で、主人公達が活動するのが鶴見線だった。そのため、ゲーム内での背景CGに海芝浦駅や国道駅、浅野駅など鶴見線の駅が登場する。また、OPで海芝浦を発車する205系電車、会話の中で浜川崎駅や安善駅なども登場している。
  • 電車でGO!プロフェッショナル2』において本線が収録され103系で運転できる。また、隠しダイヤとしてクモハ12も登場、運転ができる。ただし、ゲーム中では武蔵白石駅の大川支線のホームは撤去された後のグラフィックであり、鶴見→大川のダイヤでは武蔵白石にて、まず扇町方面のホームに停車した後、スイッチバックを繰り返して大川支線に入線するとなっている。また、車両図鑑では南武支線用の101系が見られる。103系実車の加速度は2.2km/h/sで、マスコンは4ノッチ最大だが、電車でGO!では3.5km/h/sくらいに設定され、5ノッチ仕様になっている。

関連項目

Template:Commons

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