魚醤

出典: Wikipedio


Template:特殊文字 魚醤(ぎょしょう)は、魚類または他の魚介類を主な原料にした液体状の調味料魚醤油(うおしょうゆ)とも呼ばれる。

目次

概要

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しょっつるといしる

魚をと共に漬け込み、自己消化、好気性細菌の働きで発酵させたものから出た液体成分が魚醤で、黄褐色~赤褐色、暗褐色の液体である。熟成すると、特有の香りまたは臭気を持つが、魚の動物性タンパク質が分解されてできたアミノ酸と魚肉に含まれる核酸を豊富に含むため、濃厚なうま味を有しており、料理に塩味を加えるとともに、うま味を加える働きが強い。また、ミネラルビタミンも含んでいる。

アジア、特に東南アジアの沿岸部を中心に、日本中国なども含め、いくつかの文化圏で用いられており、特にタイを始めとする東南アジアでは、を除けば、ほぼ唯一の塩味の調味料で、非常に多くの料理に用いられる。また、これらの文化圏の中には、なれずしを作る伝統を残している地域もある。

日本では、近代的な食生活において、塩分濃度が高く風味が独特な魚醤は、醤油うま味調味料の普及により一般家庭での使用は減っているが、いくつかの地方には魚醤を用いる文化が残っており、郷土料理などに利用されている。主なものでは、秋田しょっつる(塩汁)、能登いしる(魚汁)、香川いかなご醤油が製造され、地元を中心に使用されている。この他1990年代後半ころから伝統的製法とは異なる製法が開発され、商品が製造販売されている(新製法の項目参照)。また、伊豆諸島くさやを製造する際に用いられるくさや液も魚醤の一種であると考えられる。また90年代以降のタイ料理ベトナム料理の普及に伴い、後述の東南アジアの魚醤が比較的容易に入手可能になっている。

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店頭に並ぶナンプラー

東南アジアでは、タイナンプラー (GiBupC <a href="http://gpsnqwvzbsbg.com/">gpsnqwvzbsbg</a>, [url=http://dbtauaohikgv.com/]dbtauaohikgv[/url], [link=http://fasownhcrtod.com/]fasownhcrtod[/link], http://npemhjdofvfv.com/、nam pla) 、ベトナムヌックマム (GiBupC <a href="http://gpsnqwvzbsbg.com/">gpsnqwvzbsbg</a>, [url=http://dbtauaohikgv.com/]dbtauaohikgv[/url], [link=http://fasownhcrtod.com/]fasownhcrtod[/link], http://npemhjdofvfv.com/ ニョクマムとも) が世界的に有名である。他にも、フィリピンパティス (patis)、カンボジアトゥック・トレイ (GiBupC <a href="http://gpsnqwvzbsbg.com/">gpsnqwvzbsbg</a>, [url=http://dbtauaohikgv.com/]dbtauaohikgv[/url], [link=http://fasownhcrtod.com/]fasownhcrtod[/link], http://npemhjdofvfv.com/、tuk trey)、ラオスナンパー (nam paa)、ミャンマーンガンピャーイェー (ngan-pya-ye) 、インドネシアケチャップ・イカン (kecap ikan) などがある。中国広東省マカオ魚露(ユーロウ)も地元で広く使われている。これらの言葉はおおむね「魚の水」という意味である。福建省福州ではGiBupC <a href="http://gpsnqwvzbsbg.com/">gpsnqwvzbsbg</a>, [url=http://dbtauaohikgv.com/]dbtauaohikgv[/url], [link=http://fasownhcrtod.com/]fasownhcrtod[/link], http://npemhjdofvfv.com/露(キエロウ、1文字目は魚編に奇)といい、厦門のケチャップ(鮭汁)の「鮭」と同じく塩辛を意味する語と、「露」を組み合わせている。

また、魚醤と同様の製法で作られ、液体を漉した後の物を固めたペースト状の調味料も用いられている。インドネシアトラシ (trassi) や、マレーシアブルネイブラチャン (belacan) 、フィリピンバゴオン (bagoon)、カンボジアプラホック (GiBupC <a href="http://gpsnqwvzbsbg.com/">gpsnqwvzbsbg</a>, [url=http://dbtauaohikgv.com/]dbtauaohikgv[/url], [link=http://fasownhcrtod.com/]fasownhcrtod[/link], http://npemhjdofvfv.com/、prohok)、ミャンマーンガピ (ngapi) などがある。トラシやブラチャンはオキアミのペースト。マカオ周辺でもオキアミを用いた蝦醤(ハーチョン)が製造されている。

歴史的には、古代ローマにおいてもガルムTemplate:Lang-la)と呼ばれる魚醤が使われていた。現在でもアンチョビーペーストやサーディンペーストがある地帯は、かつてはアンチョビサーディンの魚醤油が使われていた痕跡である。またイタリア南部アマルフィ周辺では、ガルムの流れを引くカタクチイワシの魚醤、コラトゥーラが今も作られている。

ケチャップは、トマトから作られるトマトケチャップが有名になっているが、ケチャップの語源は、福建省台湾の「鮭汁」 (kechiap) という魚醤をさす言葉であるとする説が有力である(ケチャップを参照)。

製法

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ベトナムの魚醤工場

もともとの製法は地域によりかなり異なっており、生の魚を塩漬けにしたり、干物にして用いるもの、特定の魚種だけを使う場合や網にかかった魚をみな使う場合、オキアミなどを原料とする場合がある。基本的に、用いる魚の種類によって、大きな魚の場合には内臓、頭、ヒレなどを、アンチョビなど利用価値の低い小形の魚の場合には、丸ごとを用いる場合が多い。

原則として、魚を大量の塩と共に漬け込み、そのまま数ヶ月以上発酵させる。熟成が進むと、魚の形が崩れ、全体が液化してくる。その液化が進んだものを、漉して用いる。熟成の度合いは地域によって異なり、熟成度が少なく、魚の香りの強いものから、熟成が進みチーズのような発酵した匂いが中心のものもある。魚と塩だけで熟成させるものの他に、これに野菜や香草類を加えて味を調えるものもある。

一般に食卓で用いるための製品は純度の高いものであるのに対し、料理用の製品では、これに塩水とグルタミン酸ナトリウムなどを添加している場合もある。

新製法

1990年代後半頃から、日本国内で上記と異なる製法で製造されているものもある。伝統的魚醤油は生化学的には魚の内臓自身の持つ消化酵素や混入してきた細菌やカビが分泌する酵素によって魚の組織を分解している。それら液化を行わせるための手段として内臓や混入細菌に頼らずに人為的に酵素やを用いて製造する方法が試行錯誤されてきた。1990年代後半には魚醤油開発について報じられたものの、2010年現在はその後の発展を見ない会社もある。

酵素を使用

麹を使用

酵素および麹を併用

  • ニチロ - 1998年頃釧路工場で鮭を原料に試作。市販しているかどうかは不明。

各地の魚醤

日本の魚醤

しょっつる

秋田名物、伝統的にはハタハタで作る魚醤。現在作られているしょっつるはハタハタに限らず色々な魚で作られている。ハタハタ料理にも付き物。一般的にはハタハタ若しくはタラと豆腐、長ネギと一緒に鍋で煮る「しょっつる鍋」が有名。きりたんぽ鍋など、他の料理の味付けにも用いられ、ラーメンのスープに(特に隠し味として)使われる場合もある。創作和食の店ではドレッシングや付けダレなどに混ぜる(いずれも隠し味として)などの工夫も見られる。

いしる(いしり)

能登半島北部で古くから作られているイワシやイカの内臓や頭、骨を塩漬けして発酵させた魚醤油。イワシの身の部分で「糠鰯(ヌカイワシ)」を漬け込むときに、他の桶に骨や内臓を塩漬けにし発酵させた汁を調味料として使う。骨や内臓を無駄にしない生活の知恵から生まれた「魚汁」。語源としては「うおじる」「いおじる」「よじる」「よしる」「いしる」と転じたと推測される。「う」が「い」に変化した語源の背景には、新潟県の「糸魚川」を「いといがわ」と発音する経緯と類似している、との意見もあるが明らかではない。能登半島の輪島、門前、穴水、珠洲地区の多くで「いしる」、小木、宇出津地区では「いしり」と呼ばれる場合が多いが、半島全域で呼称が混在している。料理への使い方としては調味素材としての使用が殆どであるが、独特の風味は旨みが凝縮されており、海産物系の炒め物や鍋物などへの隠し味として使用されることもある。古くから「いしる」の味を活かした家庭料理として「いしる鍋」があり、貝焼きと呼ばれる、イカエビホタテガイきのこだいこんなすなどをホタテガイの貝殻に入れ、煮汁に「いしる」を加えて網焼きにした郷土料理がある。

いかなご醤油

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いかなご醤油

香川県の特産品。かつては「しょっつる」および「いしる」とともに日本三大魚醤と呼ばれた。1950年代に途絶えたが、近年になって少量ではあるが復活生産されるようになった。

鮭醤

北海道各地で水産加工原料の有効利用を目的として鮭などを主原料にした製品が多数存在する。主に1999年ごろから開発販売され始めた。 近く(2009/10現在)北海道関連団体にて、非穀物系の醤油等の製品基準・規格・整理整合が行なわれる予定。特筆べきは、団体企業の中で食アレルギー対策の醤油を製造している点である。

ほっけ醤油

北海道・寿都町 北海道日本海、寿都(すっつ)名産のほっけを塩漬けにし、じっくり自然発酵させた天然発酵・本醸造の調味料(魚醤)。ほっけ醤油「寿都のだし風」は地元商工会・寿都水産加工業組合所属メーカーで組織する寿都魚醤醸造委員会が立ち上げ、製造販売している。ほっけ醤油を使った各種一夜干しなども販売。

海外の魚醤

エクチョッ

(GiBupC <a href="http://gpsnqwvzbsbg.com/">gpsnqwvzbsbg</a>, [url=http://dbtauaohikgv.com/]dbtauaohikgv[/url], [link=http://fasownhcrtod.com/]fasownhcrtod[/link], http://npemhjdofvfv.com/、韓国

カタクチイワシイカナゴなどを材料にして作られる。主にキムチを漬ける際にオキアミ塩辛とともに使用されるほか、キムチチゲなど、チゲの隠し味としても使用されている。

蝦醤(ハーチョン)

広東語 hajeung、香港マカオ

オキアミ類を原料にして作られる。マカオ及び香港長洲島の特産として知られるが、中国大陸の南部でも製造が盛んである。スープの味付け、野菜の炒め物などに使われることが多い。浙江省寧波では、ゆでたサトイモに付けて食べることが行われている。

ヌックマム

(GiBupC <a href="http://gpsnqwvzbsbg.com/">gpsnqwvzbsbg</a>, [url=http://dbtauaohikgv.com/]dbtauaohikgv[/url], [link=http://fasownhcrtod.com/]fasownhcrtod[/link], http://npemhjdofvfv.com/、ベトナム

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ヌックマム

アンチョビ類を用いる。ナンプラーに似るが、ナンプラーよりも発酵度合いが低く、魚の香りがより強いものが多い。また塩味がナンプラーよりも弱い。上等の品は親戚などへの贈答品として用いられることがある。「ニョクマム」「ヌクマム」とも呼ばれる。

木製の樽に魚とを「魚10:塩4」の割合で入れ、蓋をして4ヶ月~1年程度熟成させる。

フォーを始めとする、各種ベトナム料理の味付けに欠かせない。

ナムプラー

(GiBupC <a href="http://gpsnqwvzbsbg.com/">gpsnqwvzbsbg</a>, [url=http://dbtauaohikgv.com/]dbtauaohikgv[/url], [link=http://fasownhcrtod.com/]fasownhcrtod[/link], http://npemhjdofvfv.com/、nam pla、タイ

近海で水揚げされるアンチョビ類を、7ヶ月から1年程度熟成させて作る。水揚げの減少に伴い、他の魚種も混合して用いられているという。一部の高級品のために、より大型のサバ類、ニシン類も用いられるが、これは一般には流通しない。

洗って水を切った魚にはをまぶし、陶器の瓶に「魚2~3:塩1」の割合になるようにぎっしりと詰める。瓶の最下層と最上層には塩の層を作り、を編んだ蓋をして重石をおく。これは屋外に蓋をして置かれる。魚が液化するにつれ、蓋と重石が沈んで行く。熟成が終わると、液体成分を漉し、別の瓶に移して数週間置き、出荷される。

ナンパー

(nam paa、ラオス

魚を塩水に漬けてつくられる。伝統製法では、陶器の瓶に作られ、瓶の状態で流通する。様々な魚種が用いられるが、主に淡水魚が用いられる。現地で流通するもののうち、80%が淡水魚、20%が海水魚で作った製品。しかしダムの増加に伴い、淡水魚の供給量が減少しており、これが変わりつつあるという。ちなみにこのナンパーを濾過しないものをパデーク(padeak)といい、ラオスではこちらも多用されている。

ウスターソース

イギリスウスターシャー原産のアンチョビの魚醤とモルトビネガー麦芽酢)とスパイスを合わせた万能調味料。元祖といわれるリー・アンド・ペリン社のものが有名。味も製法も日本ウスターソースとは全く異なるものである。

ガルム

(garum)

古代ローマで用いられていたアンチョビの内臓などから作った魚醤。
現在では、イタリアチェターラという漁村でその流れを汲んだコラトゥーラ・ディ・アリーチ・ディ・チェターラ(Colatura di alici di Cetara)という魚醤が作られている。これは、頭と内臓を除いたアンチョビを塩漬けにしてできた液を集めたもの。


関連項目

外部リンク

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