電子ブロック
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電子ブロック(でんし - )とは、電子ブロック機器製造と、のちに業務提携した学習研究社(現・学研ホールディングス)がかつて発売していた、電子実験をする玩具のこと。初期には象牙色のブロックを並べてゆくDRシリーズ(1965年発売)と、半透明なブロックとピンを刺して配線して行く廉価版電子ボードのSRシリーズ(1968年発売)を発売しブームを呼んだ。
その後、商品はブロックの抜き差しが小さな子供でも容易なSTシリーズ(1971年発売)へ進化。学研との業務提携後にSTシリーズをさらに進化させ、よりファッショナブルになったEXシリーズ(1976年発売)でブームは最盛期を迎え、上位機種EX150では、150の電子実験を行うことができた。なお、EXシリーズの最上位機種はEX150にシンセサイザーユニットを同梱し、31の回路図を追加したEX181であり、さらに、FMユニットが追加で販売されているので、回路図の数は計191回路となる。
1981年に発売されたFXシリーズを最後に、一旦生産が打ち切られた。FXシリーズには、基礎回路65+マイコン回路100のFX-マイコン R-165と、基礎回路65+サウンド・クロック回路80のFX-メロディ&ウォッチが存在する。マイコンユニット、クロックユニット+サウンドブロックがそれぞれ別途販売されていたので、FX-マイコン R-165にクロックユニット+サウンドブロックを追加、もしくはFX-メロディ&ウォッチにマイコンユニットを追加することにより、基礎回路65+マイコン回路100+サウンド・クロック回路80の合計245回路の実験が出来た。
2002年にEX150の復刻版が発売され、さらにその復刻版オリジナル拡張キットとして「拡張キット光実験60」が発売された。 EXシリーズは、A4程度の大きさの本体に48の差み口がある。46のブロック(トランスとキースイッチはブロック2つ分の大きさ)には、14種類の抵抗器、2種類のダイオード、8種類のコンデンサ、2種類のトランジスタ、5種類の配線専用ブロック、および、コイル、ランプ、トランス、キースイッチが含まれる。これらのブロックを、48の差込口に差込み、回路を形成する。作成できる回路には、水位報知器、うそ発見器、明るくなると鳴るフォトラジオなどがある。
2009年6月には大人の科学マガジン vol.24 の付録として4ビットマイコンGMC-4が発売された。 このGMC-4は FX-マイコン R-165 のマイコンユニットを再現したものである。(外部入力は省略されているが、その他の命令はマイコンユニットと同じ動作をするように作られている)
類似品として、ドイツBRAUN社がドイツ国内で発売していたLectronという電子ブロックがある。
各シリーズと沿革
- 1965年 電子ブロックDRシリーズを発売(電子ブロック機器製造)
- DR7 50回路
- DR1A 24回路
- DR2A 50回路
- 1968年電子ブロックSRシリーズを発売(電子ブロック機器製造)
- SR1A 16回路
- SR2A 30回路
- SR3A 100回路
- SR3ADX 105回路
- SR4ADX 150回路
- 1971年 電子ブロックSTシリーズを発売(電子ブロック機器製造)
- ST25 25回路
- ST45 45回路
- ST100 100回路
- ST125 125回路
- ST155 155回路
- 1972年 学研が電子ブロックSRシリーズ、STシリーズを発売(学研と電子ブロック機器製造株式会社が提携)
- 1976年 学研電子ブロックEXシリーズを発売(学研)
- EX-15 15回路
- EX-30 30回路
- EX-60 60回路
- EX-100 100回路
- EX-150 150回路
- 1979年 EX-181 181回路
- 1981年 FXシリーズを発売(学研)
- FX-メロディ&ウオッチ 145回路
- FX-マイコンR-165 165回路
関連項目
- マイキット
- 電子工作の歴史
- 理科離れ#子供の趣味、遊び、手伝いの変化
- ブレッドボード
- Dostál, J. Electronic kits in education. Olomouc, EU: Votobia, 2008. 74 s. ISBN 978-80-7220-308-6.