関東鉄道

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Template:基礎情報 会社 関東鉄道株式会社(かんとうてつどう、英語表記:Kanto Railway Co., Ltd.)は、茨城県に2つの鉄道路線と多くのバス路線を有する、鉄道・路線バスタクシー不動産事業等を行う日本会社である。略称は関鉄(かんてつ)。

目次

概要

茨城県に本社を置く交通事業者としては最大手であり、特に主な営業エリアである土浦市つくば市龍ケ崎市守谷市などでは、同社と同社の子会社によって路線バス事業をほぼ独占している。

京成電鉄のグループ企業であるが、京成電鉄の保有率は約30%で、他の鉄道会社の大株主としては東武鉄道(約4%)がある。この関係で、京成グループの統一マーク(K'SEIロゴ)は長らく使われていなかったが、京成グループ内の人的交流は盛んであり、観光バスについては京成グループの統一観光カラー(白地にオレンジと紺色の「Kanacカラー」と呼ばれる)を採用しており、鉄道車両も1994年以降の新製車は同系統の塗装を採用している。また、高速バス車両についてはKaNaCカラーに代わる京成グループ統一カラーが定められたため、このカラーを採用した車両も出現しこちらにはK'SEIロゴが大きく表示されている。このほか、茨城県に本社を置く交通企業としては関鉄に次いで第2位の茨城交通も約2%出資している。

またつくばエクスプレス (TX) を運営する首都圏新都市鉄道に、接続鉄道会社では唯一出資している。

鉄道事業は、かつて4路線を保有しており、4路線を合わせると保有路線すべてが非電化の鉄道会社としては日本最長のキロ数 (123.1km) を有していたが、1979年に筑波線と鉾田線を、それぞれ筑波鉄道(現・関鉄筑波商事)と鹿島鉄道に分社している(ともに廃線)。バス事業については、他社と同様に一部地域の分社化(関鉄観光バス関鉄パープルバス関鉄グリーンバス関鉄メロンバス(→関鉄グリーンバスに統合))が行われている。

歴史

関東鉄道は常総筑波鉄道鹿島参宮鉄道が1965年に対等合併して発足した。法的には鹿島参宮鉄道が存続会社で、公式の創立年月日も鹿島参宮が設立された1922年9月3日となっている。常総筑波鉄道は第二次世界大戦中に常総鉄道(常総線)と筑波鉄道(旧)(筑波線)が合併して成立したもので、国鉄常磐線以北にバス路線網を持っていた。一方、鹿島参宮鉄道(鉾田線)は竜崎鉄道(竜ヶ崎線)を戦時中に吸収合併し、逆に国鉄常磐線以南から鹿行地区に至るバス路線網を保有していた。

常総筑波鉄道は1959年に赤字体質の経営を改善するために京成電鉄と東武鉄道の資本と取締役を受け入れ、1961年には京成が筆頭株主になっている。鹿島参宮鉄道も、労使紛争が起きていた最中の1950年代、霞ヶ浦の観光開発を主目的に京成が資本参加し、1961年に筆頭株主になっている。両者とも京成系列になったことから、バス事業での競合関係を解消し、合理化の推進ならびに資本力を増強するために合併した。

常総筑波鉄道

鹿島参宮鉄道

関東鉄道

鉄道事業

路線

現在の路線

過去の路線

車両

全路線が非電化のため、保有車両はすべて気動車である。通勤路線でもあるため、全車両が片側3ドアロングシートの座席構造である。

常総線

thumb|right|200px|キハ2300 thumb|right|200px|DD502 車内に整理券発行機・運賃箱のない複線区間(取手 - 水海道間)用、車内に整理券発行機・運賃箱のある単線区間(水海道 - 下館間)用と分けられるが、2005年8月24日のダイヤ改正以降、複線区間用車両の下館までの運用が増加しており(その場合水海道以北では車内での乗車券発行と降車時の乗車券回収のための係員が乗務している)、また単線区間用車両も日中帯に一部列車が守谷駅に乗り入れるようになった。その後2005年12月10日のダイヤ改正では列車本数の増加と共に輸送需要に応じた列車編成の見直しが行われ、単線区間は単線区間用車両を主体とする運用に戻されたほか、運行する車両がすべてワンマン運転対応となり、非ワンマン車両は休車となった。2009年には新型車両のキハ5000形が増備された。 Template:Main

竜ヶ崎線

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鉾田線

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筑波線

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運賃

大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2007年4月23日改定。

43, 47, 51kmについては、国土交通省に提出する運賃の上限額においては設定があるが、該当区間は実際には存在しない。

キロ程運賃(円)
初乗り2km140
3150
4170
5210
6240
7290
8340
9370
10400
11430
12470
13520
14530
15-16600
17-18660
19-20720
21-22790
23-24850
25-26920
キロ程運賃(円)
27-28960
29-301000
31-321040
33-341080
35-361130
37-381170
39-401210
411220
421240
431270
441290
451310
461330
471350
481380
491400
501420
511440
521460


企画乗車券

通年で発売されているものでは、次のものがある。

この他、東日本旅客鉄道(JR東日本)の水戸支社が発行する「ときわ路パス」には、常総線全線がフリー区間(乗り降り自由)に含まれている。JR東日本の水戸支社管内の駅と取手駅で発売するが、関東鉄道側では発売されない。

バス事業

150px|thumb|right|一般路線バス停留所標識 200px|thumb|right|つくば号 200px|thumb|right|みと号(赤塚ルート) 関東鉄道のバス事業は、茨城県土浦市・つくば市・取手市・守谷市・水戸市などを中心に一般路線バスと、東京都心とを結ぶ高速バスを運行している。一般路線バスの一部は千葉県香取市(旧佐原市)・銚子市)にも路線を伸ばす。かつては茨城県水戸以南地域に広大なバス路線網を有していた。一部は子会社の関鉄観光バス関鉄パープルバス関鉄グリーンバスに分社化している。

主なターミナルとして、水戸駅つくばセンター筑波山口土浦駅がある。また、コミュニティバスの運行も担当しており、つくば市つくバス等を担当している。東京都内と茨城県内を結ぶ高速バスについては、JRバス関東との共同運行路線が多い。

高速バス等

  • よかっぺ関西号(水戸駅・土浦駅・つくば⇔京都・大阪、近鉄バスと共同。関鉄唯一の夜行高速バス)
  • つくば号(東京駅⇔つくばセンター・筑波大学、JRバス関東と共同)
  • ミッドナイトつくば号(東京駅→つくばセンター・筑波大学、JRバス関東と共同)
  • かしま号(東京駅⇔鹿島神宮駅・カシマサッカースタジアム、JRバス関東・京成バスと共同)
  • はさき号(東京駅⇔神栖・波崎、関鉄観光バスとJRバス関東が運行)
  • あそう号(東京駅⇔佐原駅・潮来駅・鉾田駅、関鉄グリーンバス単独運行)
  • 常総ルート(東京駅⇔水海道駅・岩井・猿島、関鉄パープルバスと共同)
  • みと号(東京駅⇔水戸駅、JRバス関東・茨城交通と共同)
  • 東京 - 江戸崎線(東京駅⇔阿見中央・関鉄江戸崎)
  • エアポートライナーNATT'S(土浦駅・つくばセンター⇔成田空港、千葉交通成田空港交通と共同)
  • つくばセンター - 羽田空港線(京浜急行バスと共同)
  • 鹿島神宮駅・鹿島セントラルホテル・水郷潮来⇔羽田空港(京浜急行バスと共同)
  • 鹿島神宮駅・鹿島セントラルホテル・水郷潮来⇔TDR・東京テレポート
  • 北関東ライナー(水戸駅⇔インターパーク宇都宮南・JR宇都宮駅、茨城交通関東自動車と共同)
  • つくばセンター⇔茨城空港
  • 水戸駅⇔茨城空港
  • 急行TMライナー(つくばセンター・土浦駅⇔水戸駅)
  • 急行わかば号(岩井・水海道駅・つくばセンター⇔運転免許センター、免許センター開所日に関鉄パープルバスが運行)
  • 急行わかば号(古河駅・下妻駅・⇔運転免許センター、指定運行日に関鉄パープルバスが運行)
  • 急行わかば号(竜ヶ崎駅・牛久駅・土浦駅⇔運転免許センター、免許センター開所日に関鉄観光バスが運行)
  • 急行わかば号(運転免許センター→土浦駅・つくばセンター、免許センター開所日に関鉄観光バスが運行)

沿革および概要

前身会社である鹿島参宮鉄道と常総筑波鉄道は、バス事業も行っていた。これは戦時統合でそれぞれ茨城県鹿行・常総地区の統合主体となったことによるもの。1949年に愛宕交通(帝産オートを経て茨城オート)と大利根交通自動車を分離。1968年に三ツ矢観光自動車(牛久市)を吸収合併。2001年に撤退した茨城観光自動車(茨観)の路線の大部分を継承した。

車両

関東鉄道バスは自社発注車はいすゞ車が多く、以下三菱日野日産ディーゼル(当時、現「UDトラックス」)車の順となる。 中古車両は神奈川中央交通に始まり、都営バス京阪バス西武バス千葉内陸バスなど導入してきたが、2002年春以降は京成バス(当時は京成電鉄直営)からの移籍車にほぼ統一された。近年は京成グループ会社からの移籍車も多くなってきている。カラーリングはグレー地に窓周りを白、窓の下に青帯が入るデザイン。貸切車や一部の高速バスでは京成バスと共通のデザインを採用する。

社番

関東鉄道バスの社番は自社発注車が0001 - 、中古車が9001 - の付番であり、関鉄観光バスは路線車が7001 - 、貸切車が8001 - である。

分離子会社になって導入された車は頭に子会社の記号(関鉄グリーンバス:G、関鉄パープルバス:P)が入って001 - となっている。

なお、廃車が出てもその社番は使用しないが、関鉄→他事業者→関鉄と渡ってきた車両は1台で2つの社番を持つこともある(例:9037IS:元川崎鶴見臨港バス日本観光バス→関鉄観光バス7001TCなど)。

営業所

バスの営業所は以下の通りである。水戸営業所、鹿島営業所、波崎車庫、関鉄グリーンバス鉾田営業所、関鉄観光バス潮来営業センターの車両は水戸ナンバー、つくば北営業所、つくば中央営業所、水海道営業所、関鉄パープルバスの車両はつくばナンバー(ただし2007年2月13日以降に当所に配置された車両に限る)、他は土浦ナンバーとなっている。過去には佐原営業所 (SW) があり、千葉ナンバーの路線車両も存在した。現在でも関鉄観光バス佐原営業センターの貸切車は千葉ナンバーである。また、営業所名後ろの括弧内の英字は営業所・車庫を略記する際の記号であり、車体には社番の後に表記されている。

不動産事業

常総線・JR常磐線沿線およびつくば市周辺において、宅地の開発、ビルの賃貸、土地・建物の仲介などを開発部が行っている。宅地開発については、1970年の関鉄霞ヶ浦阿見台(稲敷郡阿見町)の開発をはじめとして、1978年の「関鉄ニュータウン取手」(取手市・常総線西取手駅周辺)、1983年の「関鉄ニュータウン伊奈すみれ野」(つくばみらい市谷井田)、「関鉄ニュータウンつくば南」(土浦市、バス「荒川沖センター」線沿い)などの開発を行っている。貸ビルは土浦市・つくば市などにある。

つくばエクスプレスとの関係

[[ファイル:TX_Kantetsu_FareMap.jpg|thumb|240px|つくばエクスプレス秋葉原駅の関東鉄道常総線連絡運賃表(他の会社線連絡運賃表は掲出されていない)]] つくばエクスプレス(TX)各駅の旅客運賃表には自社線運賃表に常総線の乗換案内(守谷駅)が唯一表示<ref>TX 研究学園駅</ref>され、連絡運賃表には接続路線で唯一、常総線連絡運賃を表示している。

TX開業以前は関東鉄道とJRバス関東の共同運行で、つくばセンター(TXつくば駅)と東京都心を結ぶ高速バス「つくば号」がJR常磐線と並びつくば市と東京都心を結ぶ主な移動手段であった。また、守谷以北の常総線利用者が都心に出る場合、取手駅まで常総線を利用し、そこからJR常磐線に乗り換える経路が主な移動手段であった。

TX開業に当たり、高速バスは減便・再編をせず様子を見ていたが、乗客が70%減少し<ref name="ibaraki20060305">「新時代ヘの扉 つくば-秋葉原45分 第4部 動く 鹿島鉄道廃線ヘ決断」『茨城新聞』2006年3月5日</ref>、後々減便された。守谷駅と北柏駅(JR常磐線)を結ぶ一般バス路線なども乗客が減少した。収益性の高い高速バス乗客離れによりバス運賃収入は減少した。また、守谷以北の乗客の多くが守谷駅でTXに乗り換えるようになったため、常総線も減収となった。

これらを理由として全従業員に対して給与削減を実施し、2007年4月の運賃改定で常総線の鉄道運賃を上げた。また、減収を理由として連結子会社である鹿島鉄道に行っていた経済支援を2007年度以降継続しないこととしたため、鹿島鉄道線は2007年4月1日廃線となった。

その一方で、都心への通勤環境が向上したため、常総線沿線、特に守谷市を中心に宅地開発が盛んに行われており、開発部も宅地開発を行っている。対TX経路として守谷 - 下館間で通過運転をする取手発着の快速(一部守谷始発終着)が、沿線自治体の意向と線路改良に対する支援<ref>「沿線14市町村でつくる常総地域振興促進既成同盟会が快速運行など近代化事業運動を展開。国や県、自治体、関鉄が負担して総事業費10億8500万円で、快速運行の整備が進められた」(常陽新聞2005年8月6日)</ref>によりTX開業と同時に新設されたほか、守谷 - 水海道(一部は下館発着)間の列車が増便された。

また、TXと共同で「TX&常総ライン往復きっぷ」という往復割引乗車券も発売している。TX線・常総線(三妻 - 下館間)両方で購入が可能。

脚注

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関連項目

外部リンク

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