菅野よう子
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プライバシー・ポリシー Wikipedioについて 免責事項 Template:観点 Template:Infobox Musician 菅野 よう子(かんの ようこ、yoko kanno、本名:菅野 洋子(読みは同じ)、1964年3月18日 - )は、日本の作曲家、編曲家、プロデューサー、ピアニスト、歌手。宮城県出身。主にCM、アニメ、ゲーム、ドラマ、映画の音楽を手がけている。即興ピアニスト、作曲家の菅野洋子とは、同姓同名であるうえ、宮城県出身、早稲田大学出身という経歴も似ているが、全くの別人である。
目次 |
来歴
宮城県出身。父は大学教授、母は看護婦という家で生まれ、厳格なしつけを受け育つ。幼少時は、音楽コンクールに出場するたびに、賞をとっていた<ref>『ミュージック・マガジン』2009年7月号</ref>。
早稲田大学第一文学部在学中に「てつ100%」のキーボード担当としてデビュー、1stアルバム『てつ100%』、2ndアルバム『あと3cm』、3rdアルバム『Jack in the box』、4thアルバム『素直』をリリースした。同バンド解散後、光栄(現コーエー)の『信長の野望シリーズ』『大航海時代シリーズ』などの歴史シミュレーションゲームの楽曲を担当。それにより作編曲家として認知され、アニメやCM音楽畑へ活動を広げていった。
2009年現在ではアニメとCMの音楽製作を主な活動の場としている。アニメにおいては、国内外のアニメファンから支持を得ている。テレビCM音楽も数多く手掛けており、TV-CMワーク集『CMようこ』を2007年に配信限定でリリースした(翌2008年にCD化)。それらと並行して、坂本真綾、小泉今日子などのアルバムのプロデュースも手がけている。また、過去に手がけたサウンドトラックの楽曲がテレビ番組のBGMとして頻繁に使用される。
職業作曲家としてのサウンドトラック制作を表現活動のメインに据えるスタンスのため、多作でありながら個人名義のオリジナルアルバムリリースに関して積極的ではない。唯一本人名義である『Song to fly』も、音楽を担当した簡易フライトシミュレーションゲーム『アースウインズ』のサウンドトラックを同コンセプトの元で肉付けした構成であり、本人も「あれはゲーム音楽」と述べている<ref>Template:Cite web</ref>。
楽曲
古今東西の多用な音楽ジャンルを作編曲できる器用さは業界内外において評価が高い。ただし、本人の嗜好としては「ジャズはあまり好きではない」とのこと<ref>Template:Cite web</ref>。加えてクラブミュージックに見られる繰り返しの多いミニマルな展開やキックの4つ打ちもあまり好きではなく、「Cowboy Bebop remixes music for freelance」のリミキサーの選定をしていた渡辺信一郎や佐藤大に対して「これは音楽じゃない」「マシンが鳴っているだけで気持ち悪い」等と言い、二人から大量のクラブミュージックのレコードを聞かされたという逸話がある。その後『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』では作品世界を意識した結果4つ打ちを取り入れた旨を脚本で作品に参加した佐藤が語っており、その他の作品の楽曲においても4つ打ちを取り入れたものが幾つか存在する。
アンサンブルを駆使する手腕と共に『WOLF'S RAIN』のサントラにおいて、東京で録音し完成していたバンド編成のオケを、アメリカのスタジオ作業中にふと聞いた印象で、ボーカルのアコースティック・ギター一本の弾き語りに差し替えるといった自由さも兼ね備えている。このエピソードはボーカルのスティーブ・コンテのウェブサイトの日記中<ref>Behind The Music: The Solo Version Of "Could You Bite The Hand?" From Wolf's Rain.</ref>に語られているが、コンテ自身、ジャズギターの学校を卒業しているとはいえ、既に完成したオケを破棄し弾き語りに差し替えた事に相当驚いたと語っている。
『∀ガンダム』の作曲を担当した際、総監督の富野由悠季から「男性と女性の裏に秘められた、その、レズとかホモとか、そういう危うさも含んだところでの、あの、遺伝子が暗躍する感じの曲」を作るよう注文され、どういう曲なのか非常に悩んだというエピソードがある。
このように多くのジャンルを扱うため、器用貧乏と言われ傷ついた事もあるというが、「器用貧乏も10年続けるとゴールデン器用(または金の小手先)に変わるのだ。何でもできて文句あっか?!」と語っている<ref>Template:Cite web</ref>。
作詞
作曲以外にも、『カウボーイビバップ』の『3.14』や『オーバン・スターレーサーズ』の主題歌『CHANCE TO SHINE』(岩里祐穂との共作)など、少数ではあるが作詞も手掛けている。
歌手活動
Gabriela Robin
菅野の作品には、作詞家・ボーカルとしてGabriela Robinという名がしばしばクレジットされている。曲によっては、この歌手の声が明らかに菅野のものであることから、ファンの間では「Gabriela Robinは菅野の変名なのではないか」という推測がなされてきた。作詞者としては比較的文法などから自由な日本語、英語などを駆使して詞を綴る。変わったところではあたかも仏語であるかのように書かれた日本語詞があり(多田葵『Wo qui non coin』)、菅野はこれをハナモゲラと呼んでいる。
通常、コンサートでは坂本真綾やOrigaが代役を務めていたが、2009年7月7日のコンサート『超時空七夕ソニック』において、初めてGabriela Robinが聴衆の前で歌うことが事前に告知された。コンサートパンフレット『超時空七夕ソニック』の「Interview with Gabriela Robin」の項では、Gabriela Robinの写真として菅野の扮装姿が掲載され、コンサート中にはボーカルがRobin名義の曲「Moon」(『∀ガンダム』の挿入歌)を、菅野自身が歌いあげた。
評価
古今東西の多用な音楽ジャンルを作編曲できる器用さは業界内外において評価が高い。
現代ジャズ/フュージョン界の第一人者で、グラミー受賞アーティストのパット・メセニーは自身のアルバムのプロモーションのインタビュー中、前後の脈絡無く唐突に菅野の楽曲に好意的なメッセージを残している<ref>『週刊ヤングジャンプ』2005年2月誌より</ref>。歌手のMIKAは、世界中で一番好きなアレンジャーやプロデューサーとして彼女の名前を挙げている<ref>ロッキング・オン2007年7月号</ref>。
青土社で『特集菅野よう子 ユリイカ詩と批評 2009年8月号』が刊行された。
作品
アニメ
音楽担当
- マクロスプラス(1994年)
- マクロスプラス MOVIE EDITION(1995年)
- MEMORIES - 『彼女の想いで』(1995年)
- 天空のエスカフローネ(1996年、溝口肇との共作)
- 音響生命体ノイズマン(1997年)
- カウボーイビバップ(1998年)
- ブレンパワード(1998年)
- ∀ガンダム(1999年)
- 劇場版エスカフローネ(2000年)
- 地球少女アルジュナ(2001年)
- カウボーイビバップ 天国の扉(2001年)
- 劇場版∀ガンダム(2002年)
- WOLF'S RAIN(2003年)
- 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(2003年)
- 攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG(2004年)
- 創聖のアクエリオン(2005年、保刈久明との共作)
- 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society(2006年)
- DARKER THAN BLACK -黒の契約者-(2007年)
- 創星のアクエリオン(2007年、保刈久明との共作)
- Genius Party - 『BABY BLUE』(2007年)
- 劇場版アクエリオン(2007年、保刈久明との共作)
- マクロスF(2008年)
- リング・オブ・ガンダム(2009年)
- 劇場版マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜(2009年)
主題歌・挿入歌
(音楽を担当した作品を除く)
- 紅の豚(1992年):『時には昔の話を』(加藤登紀子) - 編曲のみ
- ぼくの地球を守って(1993年):『時の記憶』(SEIKA) 他数曲
- はじまりの冒険者たち レジェンド・オブ・クリスタニア(1995年):『遥かな祈り』(三重野瞳)
- CLAMP学園探偵団(1997年):『Gift』(坂本真綾)
- ロードス島戦記-英雄騎士伝-(1998年):『奇跡の海』(坂本真綾)
- マクロス ダイナマイト7(1998年):『ANGEL VOICE』(熱気バサラ)
- カードキャプターさくら(1999年):『プラチナ』(坂本真綾)
- 地球防衛企業ダイ・ガード(1999年):『走れ走れ』(遠藤響子)- 編曲のみ
- ラーゼフォン(2002年):『ヘミソフィア』(坂本真綾)
- ラーゼフォン 多元変奏曲(2003年):『tune the rainbow』(坂本真綾)
- オーバン・スターレーサーズ(2006年):『Chance To Shine』(AKINO)・『笑ってた』(スコシ)
声優として参加
- Genius Party Beyond 『次元爆弾』(2008年) - クウ役
ゲーム
- 三國志(1985年)
- 「三國志X」では「三國志」からの四曲がオーケストラアレンジされて使用されている。
- 信長の野望シリーズ
- 蒼き狼と白き牝鹿・ジンギスカン(1987年)
- 維新の嵐(1988年)
- 大航海時代(1990年)
- 大航海時代II(1993年)
- アースウインズ(1997年)
- マクロスプラス -GAME EDITION-(2000年)
- ナップルテール(2000年)
- カウボーイビバップ 追憶の夜曲(2005年)
- ラグナロクオンラインII
実写映画
- ぼくは勉強ができない(1996年)
- 夏時間の大人たち(1997年)
- Beautiful Sunday(1998年)
- tokyo.sora(2002年)
- 水の女(2002年)
- 下妻物語(2004年)
- 阿修羅城の瞳(2005年)
- 好きだ、(2006年)
- ハチミツとクローバー(2006年)
- 優雅な世界(2007年)
- シュアリー・サムデイ(2010年夏公開予定)
テレビドラマ
- 世にも奇妙な物語 - 『ママ新発売』(2001年)
- 真夜中は別の顔(2002年)※23時の音楽/kanno yoko feat.sakamoto maaya
- X'smap~虎とライオンと五人の男~(2004年)
- 父に奏でるメロディー(2006年)
- 蒼井優×4つの嘘 カムフラージュ - 第1章「人生って嘘みたい」(2008年)
- 風に舞いあがるビニールシート(2009年)
CM
500本以上の楽曲を手がけており、現在でも多くの作品が放映されている。菅野本人は1000本以上とも語っている。ただし数えた事は無いという。採用企業の中で代表的なものを以下に挙げる。
コスモ石油、日本石油、東京電力、東京メトロ、シャープ、マイクロソフト、カシオ、パイオニア、日立製作所、富士通、富士ゼロックス、富士フイルム、キヤノン、インテル、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、富士重工、ヤマハ発動機、ダイムラー・クライスラー、日本IBM、アサヒビール、キリンビール、キリンビバレッジ、サッポロビール、サントリー、コカコーラ、資生堂、ポーラ化粧品、カネボウ、コーセー、みずほ銀行、UFJ銀行、森永製菓、明治製菓、グリコ、J-PHONE、ボーダフォン、NTT DoCoMo、KDDI、ほっともっと、ミヤギテレビ
その他
- 遊佐未森渋谷パルコ劇場で行われた『6Episodes』コンサートにおいて、ヴァイオリニスト中西俊博をコンマスとして編成された中西俊博室内管弦楽団にピアノで参加。(1990年)
- 中西俊博オリジナルソロアルバム1990年『In The Pocket』、1991年『Walkin' in Paris』、1992年『Sailling On Strings』(すべてFOR LIFEレコード)にピアノや編曲で参加。1990年の中西氏のコンサート(於:FM東京ホール)にもピアノ・キーボードで参加している。この数年間、中西氏のJAZZクラブでのライブにも出現し、生ピアノだけでなく、MacintoshをMIDI楽器として併用したパフォーマンスを披露していた。
- 米米CLUB『ICTL no.2/K2C Produce』(1992年、テレビドラマ「素顔のままで」サウンドトラック)
- 「愛してるのに (Piano Version)」の編曲を担当。
- NHKスペシャル『中国〜12億人の改革開放』(1994年)
- 今井美樹のアルバム『Love Of My Life』およびコンサートのサウンドプロデュース、キーボード奏者としてのツアー参加(1995年)、アルバム「THANK YOU」における過去曲リメイク(1996年)、シングル『月夜の恋人たち』のストリングス編曲(2000年)
- 井上陽水『エンジの雨』の編曲(アルバム『九段』、1998年)
- 坂本真綾の楽曲プロデュース(1996年~2003年)
- Crystal Kay 『Eternal Memories』, 『Good Morning Sue』の作編曲
- T.M.Revolutionのセルフカバーアルバム『UNDER:COVER』内のTHUNDERBIRDの編曲。(2006年)
- 同年に行われたT.M.Revolutionの日本武道館でのライブでは、ゲストピアニストとして出演した。
- Say Hello! あのこによろしく。(2006年、サウンドトラックは配信限定)
- 湯川潮音『木漏れび』(ミニアルバム『雪のワルツ』、2007年)
- キヤノンのデジタルビデオカメラのCM曲として使用された。
- 『CMようこ(オフィシャルTV-CMワーク集)』(2007年、配信限定。2008年、CDリリース)
- 元ちとせ『恵みの雨』(オムニバスアルバム『image7』、2008年)
- P&GのH&SシャンプーのCM曲として使用された。
- SMAP『Jazz』(『super.modern.artistic.performance』、2008年)
- 作曲提供。
- May'n『メイン☆ストリート』内のMay'n☆Space(2009年)
オリジナル作品
- 『Song to fly』(1998年)(10曲中5曲はゲーム『アースウインズ』用の楽曲)
- 『スペース バイオチャージ』(2009年)
受賞
- 広告音楽大賞競技会金賞受賞
- 三木鶏郎広告音楽賞(1998年サントリービタミンウォーター)
- 第13回日本ゴールドディスク大賞 アニメーション・オブ・ザ・イヤー - COWBOY BEBOP オリジナルサウンドトラック
- 東京アニメアワードアニメーション・オブ・ザ・イヤー音楽賞 - 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX (2003年)、劇場版アクエリオン(2008年)、マクロスF(2009年)
- 2008年度JASRAC賞銀賞(創聖のアクエリオン)
脚注
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参考文献
関連項目
外部リンク
- @Victor Entertainment/ARTIST-菅野よう子プロデュース - 楽曲プロデュースした作品リスト
- GRAND FUNK INC.(所属事務所トップページ)
- 菅野よう子×神山健治×渡辺信一郎トークショー『音楽がアニメーションをどう変えるか』(CINRA.NET 09年11月24日掲載)ar:يوكو كانو
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