福本伸行
出典: Wikipedio
|
Template:Infobox 漫画家 Template:漫画 福本 伸行(ふくもと のぶゆき、1958年12月10日 - )は、日本の漫画家・漫画原作者。神奈川県横須賀市出身。右利き。既婚。
かざま鋭二のアシスタントを経て、1980年『月刊少年チャンピオン』(秋田書店)連載の『よろしく純情大将』でデビュー。主な作品に『賭博黙示録カイジ』、『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』、『銀と金』、『天 天和通りの快男児』などがある。1998年に『賭博黙示録カイジ』で第22回講談社漫画賞受賞。
目次 |
経歴
幼少時は『パーマン』等の漫画を読んで育つ。工業高校の建築科を卒業後、建設会社に就職して現場監督の仕事を経験。それと並行して描いた剣道漫画を講談社に持ち込んだところ、「まずアシスタントをして経験を積んではどうか」と勧められ、アシスタント募集していたかざま鋭二に頼み込んでアシスタントの内定を取り付け、入社後わずか3ヶ月で会社を辞める<ref>『ヤングマガジン増刊赤BUTA』12号より</ref>(長く勤めて資格などを取ると辞められなくなる、という考えからだった)。
アシスタント入りしたものの、器用な絵が描けなかった福本はもっぱら炊事などの雑用を任される。1年半ほどした後にかざまから「福本君はトラック運転手なんかが向いてるんじゃないかなあ」と諭され、アシスタントを辞めることになる。1980年『月刊少年チャンピオン』掲載の『よろしく純情大将』でデビュー。その後、なかなかヒットが出ず、ちゃんぽん店などでアルバイトをし生計を立てつつ、ちばてつや賞などへの応募を続けながら、長く下積みの生活を送る。1987年、『ワニの初恋』で、第4回ちばてつや大賞を受賞。また、バイトも順調でそれなりに稼げていたが、「漫画一本で行くべき」と24歳の時に辞め、退路を断った。
1980年代は日本経済の景気も良く、ギャンブル漫画が隆盛を極めていたため、仕事が取りやすいという理由でギャンブル漫画を描き始める。1980年代末より『近代麻雀ゴールド』に『天 天和通りの快男児』を連載。この作品は増刷されて福本の初めての人気作品となり、漫画家として名が知られるようになる。
この頃から作品にギャンブルものが多くなり、『近代麻雀』連載の『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』や、更にアウトローの世界の駆け引きを描いた『アクションピザッツ』連載の『銀と金』で、一躍人気作家となる。
1996年から『週刊ヤングマガジン』に『賭博黙示録カイジ』の連載を開始する。『カイジ』シリーズは2010年現在で通算39巻、1000万部以上を売るヒット作となり、福本の人気を不動のものとした。2005年には『アカギ』が、2007年には『カイジ』がそれぞれTVアニメ化されている。2007年10月からは『週刊少年マガジン』に『賭博覇王伝 零』を連載開始。
現在、『近代麻雀』誌上で『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』、『週刊ヤングマガジン』誌上で『賭博堕天録カイジ』を2作品同時に連載中。
作風
ギャンブル漫画の巨匠とされ、緻密な心理描写・強烈な性格の人物描写を特徴とする、極限の勝負に賭ける男達を描いた作品が多い。麻雀などギャンブルに関する作品で知られるが、作中では既存の博打にこだわらず、数多くの独自のギャンブルを生み出している。
また、女性キャラクターの登場が極端に少ない。その理由は「描いていなかったら描けなくなってしまった」とのこと<ref>週刊少年「」より</ref>で、初期作品にはごく普通に登場している。「ギャンブルの世界に女性はいらない」とも語っている。
自身では作画を行わずかわぐちかいじに原作のみを提供したコラボレーション作『告白-コンフェッション』、『生存〜LifE〜』もある。
作画の際には「原稿用紙を回しながら執筆する」という特徴的な執筆方法を取る。2009年7月に東京・新宿のロフトプラスワンで開かれた「ビッグコミックスペリオールPresents 第6回『西原理恵子の人生画力対決』」に出演した際には、多数の観客が見守る中でその独特の方法でカイジのイラストを描き、西原理恵子や江口寿史など他の出演者を絶句させた<ref>カイジ作画に驚愕の事実!西原画力対決に新宿が揺れた夜 - コミックナタリー・2009年7月10日</ref>。
表現等の特徴
- 極端に角張った顔・尖った顎・鋭い鼻。
- 「ざわ…」という擬態語がよく使われる。これは心理的なざわめきを表現していると考えられ、主に主要登場人物の背後で脇役たちが一様に動揺したり、場の空気が高揚する場面で使用される。
- セリフなどの語尾に「っ…!」「…!」「…」がよく使われる。小学館発行誌のような句読点が使われる雑誌に掲載する作品でも句点がつくことはまれである。
- その他に「ダメ」という台詞も作品、登場人物に限らず多用されている(「その考えがダメ」、「ダメダメッ」など)。
- 暴力団の構成員や、富豪のボディーガードなどの没個性的なモブキャラとして、よく「黒服」が使われる。特徴は角刈り・黒の紳士服・黒のサングラス。ただしこのような役柄でも、ヒゲや髪型などに特徴をつけて、通常のキャラクターとして扱うこともある。
- 登場人物が精神的な衝撃や動揺を受けた時の表現の一つとして、絵全体を歪ませる。
- 一部作品(カイジ等)では、ギャグ要素のある表現もよく描く。中には作中の時代背景を無視した時事ネタなどを盛り込む事もある。
エピソード
- 好きなギャンブルは麻雀、大小など。競馬は嫌い。そのうち麻雀は中学時代から続けており、本人によれば、学生時代はほとんど負けたことがないが、現在の実力は並。
- 最近の趣味はゴルフ、休日は公園で子供と遊ぶこと。
- 映画監督の黒澤明に影響を受けており、中でも好きな映画は『生きる』。映画の影響が作品に出ているかと問われ「漫画は映画というより小説に近い」と答えている。
- ミュージシャンではTHE BLUE HEARTSなどが好き。その所以か、『賭博黙示録カイジ』1巻の最初では見出しに「未来は僕らの手の中」という言葉が使われており、カイジがTHE HIGH-LOWSのTシャツを着ている。ゆずや松任谷由実などを聴く。
- 海外旅行好きであり、北朝鮮にも行ったことがあるという。好きなのはアメリカ合衆国、タイ。
- 『最強伝説 黒沢』の11話を描いていて泣いてしまった。
- 前項に挙げたような特徴的な演出が複数の作品に共通しており、ギャグ漫画などでパロディとしてよく使われる。
- 作品のタイトルに主人公の名前が多いのは、早く主人公を覚えてもらうため。
- 座右の銘は「負けてもともと」「継続は力なり」など。
- 作品を通じて読者に伝えたいメッセージは「自立すること」。
- オススメする漫画は『寄生獣』(岩明均)、『宮本から君へ』(新井英樹)。
- パソコン、携帯電話は使わないという(2003年当時)。
- 「週刊少年「」」の中のインタビューで「福本作品の中でもっともギャンブルが強いキャラは誰か?」という質問を受けた際、「天か赤木のどちらかである」と答えた。
- 上記のように「ギャンブルの世界に女性はいらない」と語っていたが、『オトナファミ』2009年10月号では「タカピーな女の娘が体を賭けてギャンブルをして悪いオヤジから金を搾りやっつけるような漫画を描いてみたい」と語っている。
作品リスト
- 男の風(1977年)※処女作
- よろしく純情大将(1980年、月刊少年チャンピオン)※デビュー作
- 当たってくだけろ!(1980年、月刊少年チャンピオン)
- あまりちゃん(1980年、週刊少年チャンピオン)※初連載
- ワニの初恋(1983年、モーニング)
- 単行本は1987年に講談社(ISBN 978-4061026117)、のちに竹書房から再刊(ISBN 978-4812452233)
- 単行本は1988年にぶんか社(ISBN 978-4821192403)、1998年に竹書房(ISBN 978-4812452400)、2008年に双葉社から出版(ISBN 978-4575994315)
- 単行本は全18巻。
- 熱いぜ天馬(1990年、週刊少年マガジン)ISBN 978-4063115680
- のちに竹書房から再刊(ISBN 978-4812452110)
- 単行本化されていなかったが、後に竹書房から出版(ISBN 978-4812452417)
- アカギ 〜闇に降り立った天才〜(1992年 - 、近代麻雀)
- 単行本は現在22巻、月一ペースで連載中<ref>「近代麻雀」は月2回発行</ref>。
- 銀ヤンマ(1992年、近代麻雀)ISBN 978-4884755584
- 単行本は「銀ヤンマ」「ガン辰」「遠藤」の3作収録。
- 単行本は全11巻。
- 単行本は全2巻。
- 単行本は竹書房から(ISBN 978-4812450772)
- 全13巻
- RUDE(あくたれ)39(1999年、パチンコ時代)
- 単行本は竹書房から(ISBN 978-4812450772)
- 単行本・全5巻。
- 賭博破戒録カイジ(2000年 - 2004年、週刊ヤングマガジン)
- 単行本・全13巻。
- 単行本・全11巻。
- 賭博堕天録カイジ(2004年 - 2008年週刊ヤングマガジン)
- 単行本・全13巻。
- 単行本は現在8巻、2009年3月から休載中。
- 賭博堕天録カイジ 和也編(2009年 - 、週刊ヤングマガジン)
作品集
- あの人のトランペット 福本伸行自撰短編集 1(竹書房、1998年11月)ISBN 978-4812452622
- 星降る夜に 福本伸行自撰短編集 2(竹書房、1999年1月)ISBN 978-4812452714
- 前へ…!! 福本伸行自撰短編集 3(竹書房、1999年1月)ISBN 978-4812452721
- 福本伸行作品集(竹書房、2008年)
- コンビニ版とも言われる。同じような内容で2004年にも出版しているが、2008年版の方が作品を多く収録している。
- 鉄と天馬(2008年6月 ISBN 978-4812466797)
- 「無頼な風 鉄」「熱いぜ天馬」収録。
- 熱いぜ辺ちゃん(2008年7月 ISBN 978-4812466841)
- 単行本2巻まとめて収録。
- 最強伝説 真実の男(2008年9月 ISBN 978-4812469040)
- 「ワニの初恋」も併録。
- 銀ヤンマ(2008年10月 ISBN 978-4812469101)
- 「銀ヤンマ」「ガン辰」「遠藤」「赤鼻」「オヤジのオヤジ」「かすみとゲンコツ」「まさみ」「先生お元気ですか?」「千葉ケンの空」「エンマ先生」「あの人のトランペット」「ガメラ」収録。
漫画原作
- 生存 〜LifE〜 (1999年、ヤングマガジンアッパーズ)作画はかわぐちかいじ。2002年にテレビドラマ化。
- 告白 CONFESSION(2001年、ヤングマガジンアッパーズ)作画はかわぐちかいじ。
漫画監修
- ワシズ -閻魔の闘牌-(2008年-、近代麻雀オリジナル<ref>2009年5月から2010年3月までの間、近代麻雀オリジナルのリニューアルにより近代麻雀に移籍していた。</ref>)
- 「アカギ 〜闇に降り立った天才〜」のスピンオフ作品。『近代麻雀オリジナル』で移籍。作者は原恵一郎。
特集など
- 『ヤングマガジン増刊 赤BUTA』 1997年6月18日(No.12)講談社(インタビュー)<ref>「カイジ」の連載が始まった頃の福本伸行インタビュー記事('97)</ref>
- 週刊少年「」 2003年5月6日放送 フジテレビCS放送・フジテレビ721(インタビュー)<ref>週刊少年『福本伸行』テキスト起こし</ref>
- のち単行本化(太田出版 2003年12月 ISBN 978-4872338195)
- ウォーカープラス 2006年6月24日 角川クロスメディア(インタビュー)<ref>.Walkerplus.com book interview</ref>
- 『オトナファミ』 2008年5月3日 エンターブレイン(インタビュー)<ref>「オトナファミ」福本伸行インタビュー:『銀と金』について</ref>
- 『ユリイカ』 2009年10月号
脚注
Template:脚注ヘルプ Template:Reflistca:Nobuyuki Fukumoto en:Nobuyuki Fukumoto ko:후쿠모토 노부유키 zh:福本伸行