石原藤夫
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Template:文学 石原 藤夫(いしはら ふじお、1933年4月1日 - )は東京都原宿生まれの日本の小説家、SF作家、サイエンス・ライター、SF書誌研究家、通信工学者(工学博士)。2000年ごろ、インターネット上で保守的な発言を始めた頃から、過去の自作に因んで“オロモルフ”と名乗り始めた。
ハードSF研究所主宰。日本文芸家協会、日本推理作家協会、日本SF作家クラブなどの会員。靖國神社崇敬奉賛会終身会員。論文特許多数あり。
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経歴・人物
早稲田大学理工学部電気通信学科卒。日本電信電話公社 (NTT) に入社。NTT研究所を経て玉川大学教授。定年後は執筆活動とマイクロ波研究に専念。専門はマイクロ波導波管回路素子。
1965年に、ユーモラスなキャラクターに、科学的に緻密な異世界を設定した作品『高速道路』(のちに『ハイウェイ惑星』と改題)を発表してSF作家としてデビュー。以降、厳密な科学的設定に基づいたSF作品を発表しており、日本SF界有数のハードSFの書き手のひとりと評価されている。科学に強いSF作家を求めていた、当時の『SFマガジン』編集長の福島正実は、石原の出現を大変に喜んだという。なお、この作品は同一登場人物で、様々な惑星を訪問する続編が書かれてシリーズ化されて「惑星シリーズ」と呼ばれ、石原の代表作となった。
非シリーズ作品としては、情報化社会を予見した長編『コンピュータが死んだ日』(1976年)や、応用数学的世界を旅する宇宙船を描いた異色の連作短編集『宇宙船オロモルフ号の冒険』(1982年)などがある。
また、「宇宙を舞台にしたSF」が、実際の恒星間の位置関係と無関係に描かれていることに気づき、「太陽を中心とする半径30光年(のち50光年)以内の宇宙空間」を「光世紀世界」と名づけて、その空間の情報を「SF作家のパブリック・ドメイン」として提供。自身もその世界を舞台とした作品を発表した。
一方、科学解説書も多数発表。SFの書誌研究についても第一人者で、自宅には約10万冊のSF関連書籍を保有し、『SF図書解説総目録』等を発表している。また、1979年に「ハードSF研究所」を創設し、ハードSFの研究・普及活動を行った。
なお、2000年頃から、著書及び自身のホームページ(最初は「掲示板」からスタート)で、保守主義的な発言を続けるようになった。SF作家としての活動期には、そのような言動がなかったため、古くからのファンの中には、唐突なその活動に、違和感を覚える者も多い(たとえば皇族男児誕生直前には、皇位継承問題に関して「生殖医療での皇統の存続を検討すべきでは」と主張していた)。
趣味は、都々逸の作成。
受賞
作品リスト
SF小説
- 「惑星」シリーズ
- ハイウェイ惑星(早川書房、1967年。のち文庫、徳間文庫)
- アンテナ惑星(のちハヤカワ文庫)
- ストラルドブルグ惑星(早川文庫、1975年)
- ブラックホール惑星(ハヤカワ文庫、1979年)
- タイムマシン惑星(ハヤカワ文庫、1981年)
- ヒノシオ号の冒険(「惑星シリーズベストセレクション」、徳間文庫、1982年)
- 銀河を呼ぶ声(のち徳間文庫)
- 画像文明(早川書房、1968年。のち文庫)
- 生きている海(早川書房、1970年。のち文庫)
- 新電気未来物語(栄光出版社、1971年)
- コンピュータが死んだ日(光文社カッパ・ノベルス、1972年。のちハヤカワ文庫、徳間文庫)
- 光世紀パトロール ランダウの幻視星(徳間書店、1981年。のち「光世紀パトロール」として文庫)
- 宇宙船オロモルフ号の冒険(早川書房、1982年。のち文庫)
- 横須賀カタパルト(徳間書店、1982年)
- 海洋未来物語1/2
- 地球の子ら(徳間文庫、1984年)
SF科学研究書
- SF相対論入門(講談社ブルーバックス、1971年)
- SFロボット学入門(早川書房、1971年。のち文庫)
- ニュートンとアインシュタイン(ハヤカワ文庫、1983年)
- 銀河旅行 恒星間飛行は可能か(講談社ブルーバックス、1979年、全2巻)
- SF作家の近未来科学読本 人間と科学はどこに行きつくか(PHP研究所、1982年)
- 銀河旅行と特殊相対論 スターボウの世界を探る(講談社ブルーバックス、1984年)
- 銀河旅行と一般相対論 ブラックホールで何が見えるか(講談社ブルーバックス、1986年)
- 《光世紀世界》への招待 - 近距離の恒星をさぐる(裳華房、1994年6月)
- 《光世紀世界》の歩き方 - 近距離恒星の3Dガイドマップ(裳華房、2002年)
星図・星表
- 光世紀の世界(私家版)
SF書誌
- SF図書解説総目録1946-68(シャンブロウ・プレス、1969年)
- SF図書解説総目録1968-71(SF資料研究会、1971年)
- SF図書解説総目録1971-80(SF資料研究会、1989-91年)
- 「SFマガジン」インデックス1-100
- 「SFマガジン」インデックス101-200
- 「SFマガジン」インデックス201-300
- 奇想天外・SF宝石インデックス
ノンフィクション
- はじめてのパソコン(講談社現代新書、1987年)
- 国際通信の日本史 - 植民地化解消へ苦闘の九十九年(東海大学出版会、1999年12月)
- 卑彌呼と日本書紀(栄光出版社、2001年)
- 靖國神社一問一答(展転社、2002年)
- 卑弥呼・一問一答(栄光出版社、2004年)
- 女性天皇の歴史(栄光出版社、2004年)
- 皇統の危機に思う
- 靖國神社に参拝しよう(栄光出版社、2006年)
- 発明特許の日本史 礎石を置いた高橋是清と高峰讓吉の人生(栄光出版社、2008年4月)
共著
- ドラえもん式サイエンステクノロジー(クライン・ユーベルシュタイン共著、創拓社、1985年)
- 相対性理論なるほどゼミナール 科学オンチ版(金子隆一共著、日本実業出版社、1984年)
- 超人工知能 人類の後継者は「ヒト」か「機械」か(金子隆一共著、PHP研究所、1985年)
- SFキイパーソン&キイブック(金子隆一共著、講談社現代新書、1986年)
- ハードSFに重点を置いて書かれたSF論、英米SF史。
- SFを科学する どこまで真実?どこまで虚構?(福江純共著、講談社ブルーバックス、1987年)
- 軌道エレベータ -宇宙へ架ける橋-(金子隆一共著、裳華房、1997年。ハヤカワ文庫、2009年)
- 科学者たちのまじめな宇宙人探し(立風書房、1990年、ISBN 4-651-74508-3)
翻訳
- 未来宇宙技術講義 火星地球化計画から恒星間移動システムまで(スタンリー・シュミット、ロバート・ズブリン編、山本菊男共訳、三田出版会、1997年11月)
文庫解説
- 堀晃『梅田地下オデッセイ』
- 石原に続く「第二のハードSF作家」として出現した堀晃には強い同志観をもっており、SF出版史上空前絶後といわれる長大で、また本格的な堀晃論となっている解説(図面入り60頁)を寄せた。
関連リンク
- オロモルフのホームページ(石原藤夫の個人サイト)
- 《オロモルフ号の航宙日誌》(石原藤夫のさるさる日記)
- ハードSF研究所へのご案内
- SF資料研究会
- 日本SF作家クラブ 石原藤夫
- 「ハードSF研」テクテク訪問記(2001年9月23日)(石原藤夫のSF書庫紹介)
- 著者インタビュー<石原藤夫先生>en:Fujio Ishihara