猪瀬直樹

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Template:出典の明記 Template:Infobox 人物 猪瀬 直樹(いのせ なおき、1946年11月20日 - )は、日本作家

東京工業大学特任教授東京大学客員教授。地方分権改革推進委員(2007年4月 -)。東京都副知事(2007年6月 -)。

目次

人物

長野県長野市出身。1950年5月、3歳半のとき父親が狭心症で急死した。

信州大学教育学部附属長野中学校長野県長野高等学校信州大学人文学部卒業。1969年、信州大学全共闘議長をつとめた。その後出版社勤務などを経て、1972年明治大学大学院政治経済学研究科政治学専攻博士前期課程にて政治学者の橋川文三に師事し、日本政治思想史を研究。政治学修士

1987年西武グループについて描いた『ミカドの肖像』で、第18回大宅壮一ノンフィクション賞ジャポニスム学会特別賞受賞。1996年、『日本国の研究』で、文藝春秋読者賞を受賞。

2001年、小泉内閣の行革断行評議会(行政改革担当大臣の諮問機関)に名を連ねる。2002年道路関係四公団民営化推進委員会委員に就任。2007年地方分権改革推進委員会委員と東京都副知事に就任。

井尻千男入江隆則小室直樹らとともに憂国忌の代表発起人として活躍している。道路公団以外にも特殊法人政府関係法人民営化等を主張する姿勢を、国家公務員天下りには批判的な姿勢を取っている。

2005年5月27日に行われた政府税制調査会第37回基礎問題小委委員会において、子供を産まない専業主婦についてパラサイトワイフという表現を用いて批判し、政策誘導的なものを作るべきとの意見を展開したことについて、日本共産党都議団から女性蔑視発言と看做され公開質問を受けている。なお、この質問に対し、猪瀬側は女性蔑視発言はしていないと反論している。また「第二名神の一部区間は不必要」という発言をして工事を差し止めしている。

近刊は『ジミーの誕生日—アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」』(文藝春秋)。本書は、近代天皇制の研究から作家生活をスタートした猪瀬直樹が、戦後のアメリカと皇室の関係に新たな光をあてた作品。昭和23年12月23日に東條英機らA級戦犯7名が死刑に処された事実に着目し、GHQが皇太子明仁(当時)の誕生日に死刑執行をしたのはなぜかという謎を解いていく。この作品に関し猪瀬直樹は「これは単なる偶然ではない。皇太子明仁の誕生日に東條英機が処刑されたという歴史的事実をひとつの暗号とみて戦後史を読み解くべきではないか」というメッセージを寄せている。

漫画関係者を中心に「表現の自由を侵害する暴挙」と批判の声が強い東京都青少年健全育成条例改正案に対しては、自身のブログで「エロ規制はあったが、ロリ規制がなかった。不健全図書(成人向け図書の棚に置く)に指定されてきたのはエロ規制で、ロリ規制ではなない。新たにロリ規制をもうけただけの話。その場合、近親相姦や強姦などを肯定的に繰り返すものに限定して不健全図書に指定され、書店の棚を18歳未満でないところにする。それだけのこと」として表現の規制ではない、との立場を取っている。

2010年2月3日より公式ブログ、同年3月にはtwitterをスタートした。

最新刊は『東京の副知事になってみたら』(小学館101新書)。2007年6月の東京都副知事就任から3年、永田町・霞が関との戦いから都職員との触れ合い、東京発の政策提言に到るまで縦横無尽に綴る。刊行によせて猪瀬直樹は「副知事になって初めて都庁の内幕を描きました。結局、東京が成長戦略を描けばよいということがわかりました。東京水道の海外進出、メトロと都営地下鉄の一元化、羽田空港のハブ化、東京湾の民営化、高齢者のケア付きすまい。東京はこれからもドーンと成長する」としている。


都政

参議院議員宿舎建設差し止め

副知事に就任してすぐに、清水谷公園(東京都千代田区紀尾井町)に隣接した緑地(東京都の風致地区)に建設が予定されていた参議院宿舎の建設中止を提案し、石原慎太郎知事を現地に案内した。石原知事はその場で「私は(森をつぶして宿舎を建設することには)反対」と語った。猪瀬は「新議員宿舎の建設予定地は、紀州徳川藩邸跡であり、1500坪の美しい自然林が残る。そのなかには、樹齢100年以上の樹木も含まれている。衆議院は豪華な赤坂議員宿舎で国民の厳しい批判を浴びたばかり。地上16階建て(高さ56m)。総戸数80戸はすべて3LDK(79平方メートル)の豪華な新議員宿舎をつくることよりも、環境を保全すべき」として、世論を喚起し、計画差し止めを実現した。

周産期医療体制整備プロジェクトチーム(PT)」

2008年11月、都内で重症妊婦の受け入れ拒否が相次いだことを受けて、「医師や行政ではなく患者側の視点で問題を検証する必要がある」として、「周産期医療体制整備プロジェクトチーム(PT)」を発足。 墨東病院など4回の現場視察を行うとともに、NICU(新生児集中治療室)1床あたりの収支分析を行い、運営コスト(約4000万)が診療報酬と補助金の合計(約3300万)を上回っている現状では、病院がNICUを増やすことが難しいと分析した。そのため、2009年3月、猪瀬は舛添要一厚生労働大臣のもとを訪れ、NICU(新生児集中治療室)の整備促進についての緊急要望書を提出。さらに4月には、セミオープンシステムのさらなる普及など10項目の提言を含めた周産期医療体制整備PT報告書をとりまとめた。

北海道夕張市への都職員派遣

「東京都の職員が夕張に行き、財政破綻がどういうものなのか体で感じることが必要。また、東京の持っているノウハウ、高い水準を首都政府として他の自治体に役立てたい」として、夕張市に2008年1月より都職員2名を2年間の予定で派遣した。また、タイムリー研修と銘打ち、短期の職員派遣も行なっている。10月に廃校の備品清掃、整理などの手伝いとして6名を派遣、さらに2009年1月には「雪かき隊」としてさらに都職員10名を派遣し、福祉施設の除雪を行なった。なお、「雪かき隊」には猪瀬の呼びかけに応じ、大阪府広島市からも2名ずつ職員が派遣された。他にも、2009年6月にメロン農家での収穫手伝いのため6名を派遣した。

「少子高齢化時代にふさわしい新たな『すまい』PT」

東京都の高齢者人口は230万人と最も多く、2025年には1.5倍の340万人になると見込まれている一方、高齢者施設やバリアフリー住宅の実態の数は圧倒的に不足している。そのため、2009年6月、「少子高齢化時代にふさわしい新たな『すまい』PT」を立ち上げ、座長として高齢者住宅やバリアフリー住宅の不足問題に取り組んでいる。発足にあたり、猪瀬は「首都政府・首都公務員として霞が関縦割りを東京から直していく、東京都が内閣府の役割を担うくらいの気概をもってほしい」とPTスタートの意気込みを述べている。 国の住宅行政は、福祉を担当する厚生労働省と住宅を担当する国土交通省の連携が不充分で縦割りの弊害がでていることから、都の『すまい』PTは住宅施策を所管する都市整備局と高齢者福祉を担当する福祉保健局などからメンバーが部局横断的に集められている。

猪瀬は「9割のお年寄りは元気なのだから、施設に送ってしまうのではなく、コミュニティのなかで支え合う力になってもらった方がいい。施設に送ってしまえば、コミュニティとの関係は切れて、まだ元気なお年寄りも人生の終わりを待つだけになりかねない。また、公営住宅や廃校になった小学校など、東京都にはいろいろなストックがある。」として、現在のストックを有効利用して、高齢者が安心して居住できるケア付き住宅や、高齢者同士が支え合うコミュニティ機能を強化した新しい高齢者住宅の整備を目指している。

トイレ問題

2007年に自身が使用する副知事室にトイレを設置させた。この設置費用に450万円を費やしたことについて、都議会に於いて日本共産党の清水秀子都議から質問を受けるも答弁を拒否し、議会終了後「こういう問題を取り上げて時間を浪費することの方が税金の無駄遣いではないか」と述べた産経新聞猪瀬副知事3カ月 “猪瀬節”で都議会デビュー トイレ論争にも反撃

批判

  • 佐高信などから「わずかな知識をひけらかし、権力に立ち向かうポーズで、国民の人気を得ているだけだ」「権力に擦り寄るのがうまい」などと批判されている。また猪瀬原作の「ラストニュース」(漫画は弘兼憲史)の中で佐高をモチーフにした人物を描いて佐高から抗議を受けた(猪瀬は誤解であると主張している)。また佐高は自身が連載している「噂の真相」のコラムで何度も猪瀬批判を繰り広げた為、猪瀬が「噂の真相」で佐高に反論するも更に対立がエスカレートする事態に発展。このため、1995年にメディア批評誌「」で佐高信VS猪瀬直樹の激突対談が行われ一時期話題となった。
  • 田中康夫により猪瀬は度々批判されるが、猪瀬自身も田中康夫を批判しており、いわば犬猿の仲であるといえる。また田中康夫が「朝日ジャーナル」(現在は休刊)誌上で猪瀬批判を行った際、猪瀬が朝日新聞社上層部に圧力をかけた疑惑が報じられた。
  • 道路公団民営化推進委員会内で対立が起こった際、森喜朗から「猪瀬直樹委員は元左翼の人だ。言っていることだけ通ればいいと思っているのではないか。」と批判された。
  • 道路公団民営化に対する批判に対して猪瀬は「あれもだめだ、これもだめだ、と批判するだけじゃ何も変わらない。何かしないと、何も前に進まない。」と批判派に対し逆批判した。これは道路公団改革が骨抜きに終わったとして田中一昭前民営化推進委員会委員や櫻井よし子らから猪瀬の背信・裏切りを批判する声が相次いだことが背景にある。
  • 2005年衆議院議員総選挙の際には、小泉純一郎の政策を支持する旨を投票日直前に公明党を全面支援する創価学会系誌「」(潮出版社)に掲載した。

著書

  • 『天皇の影法師』朝日新聞社(1983年3月)・新潮文庫(1987年8月)
  • 『昭和16年夏の敗戦』世界文化社(1983年8月)・文春文庫(1986年8月)
  • 『日本凡人伝』弓立社(1983年11月)・新潮文庫(1985年2月)
  • 『死者たちのロッキード事件』文藝春秋(1983年12月)・文春文庫(1987年5月)
  • 『日本凡人伝-二度目の仕事』新潮社(1985年5月)・新潮文庫(1988年4月)
  • ミカドの肖像小学館(1986年12月)・小学館文庫(2005年4月)
  • 『日本凡人伝-死を見つめる仕事』新潮社(1987年8月)・新潮文庫(1991年6月)
  • 『ミカドと世紀末』(山口昌男との対論)平凡社(1987年11月)・新潮文庫(1990年10月)
  • 『土地の神話』小学館(1988年11月)・新潮文庫(1993年6月)
  • 『ノンフィクション宣言』文藝春秋(1988年11月)・文春文庫(1992年5月)
  • 『ニュースの冒険』文藝春秋(1989年8月)・文春文庫(1993年3月)
  • 『東京レクイエム』河出書房新社(1989年7月)・河出文庫(1995年7月)
  • 『日本凡人伝-今をつかむ仕事」新潮社(1989年12月)・新潮文庫(1993年12月)
  • 『唱歌誕生』日本放送出版協会(1990年6月)・文春文庫(1994年5月)
  • 『欲望のメディア』小学館(1990年10月)・新潮文庫(1994年7月)
  • 『ミカドの国の記号論』小学館(1991年6月)・河出文庫(1996年3月)
  • 『僕の青春放浪』(『迷路の達人』改題)文藝春秋(1993年4月)・文春文庫(1998年4月)
  • 『黒船の世紀』小学館(1993年5月)・文春文庫(1998年9月)
  • 『ペルソナ-三島由紀夫伝』文藝春秋(1995年11月)・文春文庫(1999年11月)
  • 劇画原作『ラストニュース』全10巻(弘兼憲史・画)小学館(1992年-1995年)・小学館文庫(2001年8月-2002年2月)
  • 『日本国の研究』文藝春秋(1997年3月)・文春文庫(1999年3月)
  • 『マガジン青春譜』小学館(1998年5月)・文春文庫(1994年9月)
  • 『続・日本国の研究』文藝春秋(1999年3月)・文春文庫(2002年5月)
  • 『明日も夕焼け』朝日新聞社(2000年5月)
  • 『二十世紀-日本の戦争』文春新書(2000年7月)
  • 『ピカレスク-太宰治伝』小学館(2000年11月)・文春文庫(2007年3月)(2002年映画化(河村隆一主演))
  • 『小論文の書き方』文春新書(2001年4月)
  • 『道路の権力』文藝春秋(2003年11月)・文春文庫(2006年3月)
  • 『二宮金次郎はなぜ薪を背負っているのか』(『ゼロ成長の富国論』改題)文藝春秋(2005年4月)・文春文庫(2007年8月)
  • こころの王国 菊池寛と文藝春秋の誕生』文藝春秋(2004年4月)・文春文庫(2008年1月)(2008年5月映画化(タイトルは『丘を越えて』西田敏行主演))
  • 『この国のゆくえ』ダイヤモンド社(2006年3月)
  • 『持続可能なニッポンへ』ダイヤモンド社(2006年6月)
  • 『作家の誕生』朝日新書(2007年6月)
  • 『空気と戦争』文春新書(2007年7月)
  • 『東京からはじめよう』ダイヤモンド社(2007年10月)
  • 『道路の決着』文藝春秋(2006年4月)・文春文庫(2008年7月)
  • 『日本の信義』小学館(2008年6月)
  • 『国を変える力』ダイヤモンド社(2008年10月)
  • 『霞ヶ関「解体」戦争』草思社(2008年11月)
  • 『ジミーの誕生日-アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」』文藝春秋(2009年11月)
  • 『東京の副知事になってみたら」』小学館101新書(2010年6月)
  • 日本の近代 猪瀬直樹著作集全12巻(小学館)
    • 第1巻『構造改革とはなにか-新篇日本国の研究』
    • 第2巻『ペルソナ-三島由紀夫伝』
    • 第3巻『マガジン青春譜-川端康成と大宅壮一』
    • 第4巻『ピカレスク-太宰治伝』
    • 第5巻『ミカドの肖像』
    • 第6巻『土地の神話』
    • 第7巻『欲望のメディア』
    • 第8巻『日本人はなぜ戦争をしたか-昭和16年夏の敗戦』
    • 第9巻『唱歌誕生-ふるさとを創った男』
    • 第10巻『天皇の影法師』
    • 第11巻『日本凡人伝』
    • 第12巻『黒船の世紀』

出演

  • 東京からはじめよう(MXテレビ 毎月第1土曜日 21:00-22:00)

過去の出演

外部リンク

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