ナイトライダー

出典: Wikipedio


Template:出典の明記 Template:ドラマナイトライダー』(原題:Knight Rider)は、1982年9月26日から1986年8月8日米国で放映された特撮テレビドラマ。全84話。日本ではその中から全74話が放映され、また第4シーズンのほとんどは『新ナイトライダー』のタイトルで放映された。日本での放映のキー局はテレビ朝日系列。

本項目では、特に断りが無い限り、日本において『ナイトライダー』及び『新ナイトライダー』として放映された作品を中心に記述する。

目次

内容

民間の犯罪捜査員マイケル・ナイトが人間の言葉を話し特殊装備を搭載したドリーム・カー『ナイト2000』と共にさまざまな事件を解決するカーアクションドラマ。

Template:ネタバレ

物語のあらまし

ナイトライダー。陰謀と破壊と犯罪の渦巻く現代に蘇る正義の騎士…(登場人物紹介が入る)…巨大な悪に立ち向かう現代の騎士、ナイトライダー。今日、彼を待ち受けるものは、果たして、誰か”というナレーションで始まる。ある産業スパイ一味を追跡していた敏腕刑事マイケル・ロングは、内通者に同僚を殺され自らもまた凶弾に倒れた。だがマイケルは、ナイト財団の総帥ウィルトン・ナイトにより辛くも命を救われ、その身分も新たにマイケル・ナイトとなる一方、病魔に冒され他界した養父ウィルトンの遺志を継ぎ、密かに財団が開発していたドリーム・カー「ナイト2000」と共に、世の中の不正や巨悪と戦うことになった。

ナイト財団

ナイト財団は、マイクロエレクトロニクス事業で巨万の富を築いた実業家、ウィルトン・ナイトがその収益を投じて設立した組織で、正式名称は「法と政府のためのウィルトン・ナイト記念財団Wilton Knight Memorial Foundation for Law And Government)」。「法と政府のための……財団」だけを抜き出して「F.L.A.G.」と称される事もある。様々な団体・個人が表沙汰にしたくない事件の調査を請け負っている、いわば私立探偵・興信所。しかしその能力は定評があり、軍隊や官庁、各種大企業からも依頼を受けるほど。財団の総帥となったウィルトン・ナイトは、かねてより犯罪を撲滅するためには自らも直接行動を取る必要性を痛感しており、そのためにドリーム・カー・ナイト2000が製作されることとなった。

ドラマの中で、マイケルがしばしば「民間の調査機関でナイト財団」と名乗っているように、ナイト財団の調査部門そのものに強制権・捜査権は一切ない。そのため、捜査の際には警察や軍との連携を図る場合もある。 とはいうものの、劇中では、明らかに違法とおもわれる不法進入・ハッキング等をマイケルが行うシーンがしばしば見られ、キットがマイケルを諌めながらも結局はそれに渋々協力する、というやり取りは半ば恒例となっている。

日本語版では単にナイト財団と呼ばれているが、オリジナルでは「F.L.A.G.」と呼ばれ、ナイト財団の一部門となっている。

ナイト2000(K.I.T.T.

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ナイト2000のレプリカ

ナイト2000(KNIGHT 2000)はK.I.T.T.という高性能人工知能を搭載したドリーム・カー。ナイト2000を指すのは車の部分であり、K.I.T.T.ではない。

外観は黒で統一された、第3世代型ポンティアック・ファイヤーバードトランザム(1982年型)のカスタマイズ車。日本語吹替版ではかつてのマイケル・ロング刑事の愛車を改造したかのようなやり取りがある(「俺の車に何か細工したのか?」というマイケルの問いに、デボンは「元の車と似ているのは外見だけだ、中身は全く別物さ」と答えている)が、 原語版ではマイケル・ロングのトランザムとナイト2000は別の車両であることがデボンの台詞で示されている。

第1シーズン第8話「激闘!善と悪2台のナイト2000」ではナイト2000のプロトタイプK.A.R.R.(カール)が登場している。K.A.R.R.はK.I.T.T.のプロトタイプという意味合いではなく、あくまでも「ドリーム・カー・ナイト2000」のプロトタイプである。

ナイト2000のボディは一般的な車両と違い、新開発の特殊セラミックに分子結合殻を組み込んだもので、その構造上黒い車体色となっている(ただし、第3シーズン第13話「ナイト2000魔の毒液に溶ける!決死の再生・立ち直れキット!!」では白い車体に黒の塗料を塗装しているシーンがある)。この分子結合殻は、デボンによれば金属でもなく、ファイバーグラスともまた違う新物質であり、普通の鉄板を装甲車以上の強靱な装甲に変えてしまうため、銃はもちろんロケットやレーザーを用いても破壊は困難。基本がファイヤーバードなので後輪駆動。エンジンはターボジェットエンジンを搭載。最高速度はノーマルモード時で322mph(約520km/h)、最高速度を40%向上させるスーパー追跡モード時は450mph(約720km/h)となる。トランスミッションは8段フルオートマチックトランスミッション。また第4シーズンでは、スーパー追跡モードおよび緊急ブレーキシステムに加え、天井部分を後部トランクルームへと電動格納し「コンバーチブルモード」になれる様になった。

燃料についてはエンジンが“完全無公害”とされる必要から「水素」とされており、特別なエンジンを使用するレース大会で水素燃料を使用すると紹介された。が、第1シーズンで一度だけ、ガソリンスタンドで給油するカットがある。「決して安いガソリンを入れないで下さい。あなただっていい物食べてるでしょ?」とK.I.T.T.が要求していたり、第3シーズンの第9話「恐怖の高電圧・消えたナイト2000」では、爆弾を盗み出した2人組がニトロ噴射でマイケルの追跡から逃れようとした際に、マイケル自身が「ハイオクの加速を見せてやる(字幕表記)」と言った台詞がある(日本語吹き替えでは「奴らにこっちの加速を見せてやろう」になっていた)。燃料についてはただ一度、エンジンを液体水素用に載せ替えたというエピソードがあるのみ。ナイト2000の燃料が水素であるとは明記されていない。

K.I.T.T.とは、正式名称“ナイト・インダストリー2000”英文字表記でKnight Industries Two Thousand。それぞれの頭文字でキットと呼ぶ。日本では一部のゲームブックでK.I.T.T.の正式呼称を「Knight Industry Total Think System」と表記していたが、これは誤りであり公式ではない。

既販の映像メディア「ザ・ベスト・オブ・ナイトライダー」およびコンプリートDVDボックス・シーズン1に収録のパイロット版「電子頭脳スーパーカー誕生」では、K.I.T.T.を演じたウィリアム・ダニエルズが、劇中において「喋る車に慄くマイケル」に対し、自身をI am the voice of Knight Industry Two Thousand's microprocessor. K-I-T-T for easy reference "K.I.T.T." if you prefer(私はナイト2000に搭載されているコンピュータの声です。K.I.T.T.と呼んでください。キットでも結構。:日本語吹き替え版のセリフ). と自己紹介した。

K.I.T.T.についての詳細は別項を参照の事。

放映開始当初は、ナイト2000とK.I.T.T.はあまり明確に区分されていなかったが、放映が進むにつれて両者はそれぞれ独立したものであるという描写となった。第2シーズン第8話「盗まれたナイト2000 知能戦! 天才マイコン少年VSキット」では、ナイト2000の車部分のみが盗まれK.I.T.T.は外されて放置されるという事態となり、K.I.T.T.はポータブルテレビに組み込まれた形の「仮の姿」で登場している。また、盗まれたナイト2000は遠隔操作で操縦されていた。第4シーズン第1話(ビデオ版のタイトルは「激突! 装甲戦車」、日本で『ナイトライダー』の最終回として前後編に分けて放映された際のタイトルは、「無敵装甲車ジャガーノート大激突! 破壊編/大勝負! 再生編」)では、劇中ジャガーノートの奇襲によって大破したK.I.T.T.とナイト2000の修理を引き受けることとなったボニーの台詞から、「車体が“ナイト2000”で、人工知能が“K.I.T.T.”である」と言うことが明確になったが、後編の最初にある前回のあらすじでは「俺のキットは完全に破壊されてしまった」となっているなど、一部では混乱が続いていた。またこのエピソードでも、再生過程においてポータブルテレビに組み込まれたK.I.T.T.が登場している。さらに第4シーズン第6話「復活ナイト2000! 大改造パワー全開!!」では潜入捜査の為に外装を特殊樹脂で覆い、クラシックカーに擬装した事もある。なおその際、待機電力の確保の為に車体からプラグを伸ばし電気泥棒まがいの事も行っている。

ナイトライダー放映開始と同時に黒のファイヤーバードが爆発的に売れ出した。第3世代ファイヤーバードの宣伝のために作られたとされるナイトライダーだったが、あまりの売れ行きの過熱ぶりに「ポンティアックのロゴをエンドロールから消してくれ」と車両を提供していたGMサイドからナイトライダー製作陣へ直接要請があったほどである。日本国内においても、ファイヤーバードやナイト2000のデザインが、その後のスポーツカーに強いインパクトを与え、現在でも多くのナイト2000レプリカオーナーが存在するほどの人気を博した。また、日本での本放映時には、ナイト2000のベースである第3世代ファイヤーバード・トランザムのCMが流れていた(当時日本国内の正規販売ディーラーヤナセで、番組スポンサーのうちの1社だった)。

ちなみに、第2シーズンまでのナイト2000を指す台詞回しが「原語:New black Trans-Am(吹替:黒のトランザム)」だったのに対し、第3シーズン後半から第4シーズンにかけては「原語:Black T-top(吹替:黒のスポーツカー)」と改められている。これは当時、ナイト2000と同じ外観のトランザムを求めてポンティアックのディーラーに来店する客がかなりおり、ポンティアックが製作側に劇中での呼称を変えるようにと要請したためである。

ナイト2000プロトタイプ(K.A.R.R.)

K.A.R.R.(カール)とは、K.I.T.T.同様に高度な人工知能を搭載したナイト2000のプロトタイプ。正式名称はKnight Automated Roving Robot。「自分で走り回れる車の原型モデル」として、K.I.T.T.より半年早く開発された。K.I.T.T.の基本プログラムにおける最優先事項が「人間(特にマイケル)への奉仕および命の遵守」であるのに対し、K.A.R.R.のそれは「自己の保存」であり、ほとんど野生の動物の本能に近い(デボンによれば、「実弾の入った拳銃をおもちゃにしている子供のようなもので、いつ引き金を引くかは時間の問題」とのこと)。ウィルトン・ナイトはK.A.R.R.のプログラミングに欠陥がある事に気付いてはいたものの、後にマイケルを一度死の淵に追いやる事となるタニヤとザッカリー一味によって、自身が所有する会社が倒産させられた矢先の事であり、更に自身の身体が既に病魔に冒されていた事、新たなドリーム・カーを製作する事および自らの後継者を探す事にかかりっきりとなり、結果としてK.A.R.R.は放置される事となった。デボンは、ウィルトン・ナイトがK.A.R.R.を既に解体したものと誤認していた。その後K.A.R.R.は、ナイト工業博物館の3番研究室に完全に機能を停止した状態で放置されていたが、お宝を目当てにナイト工業博物館に忍び込んだ2人組の泥棒・トニーとレブによって誤って再起動させられ、2人を乗せて逃亡する。基本的なデータはインプットされているものの、全くの初期状態であったK.A.R.R.は初めて直面した社会に順応できず、更に「自己保存」の基本プログラムに従い行動するため行く先々でトラブルを起こす。自分を生き返らせてくれたトニーとレブに協力して銀行や美術館を襲撃し、またスキャナーの調整のためにボニーを誘拐する等の悪事を働くが、その中で自分と同等の外見と性能を持つK.I.T.T.の存在を知る。K.I.T.T.を「自分に似せて作られた亜流のコピー」と考えるK.A.R.R.は、オリジナルである自分の優位性を証明するためK.I.T.T.に対決を挑むが、両者の基本プログラムの違いを利用して正面から突っ込んで来るマイケルの機転に負け、自己保存を優先させて急ハンドルを切ったものの、海岸へと続く断崖から落下し爆発してしまう(第1シーズン第8話「激闘!善と悪2台のナイト2000」)。なお、このエピソードは日曜洋画劇場『ナイトライダー6』の後半1時間部分として放送され、以後、このエピソードのみの再放送はされていない。

二度目の登場はそれから2年後の夏、宝探しに夢中のカップル・ジョンとマンディがある海岸で砂に埋もれたK.A.R.R.を掘り起こしたことから始まった。最初の登場では全くの初期状態であり社会に順応できずにいたK.A.R.R.も、この時は「駆け引き」を身につけており、勤務先であるボート修理工場を手に入れたいという夢を叶えてやる事を餌にして、オーナーとなったジョンの心理を巧みに操った。その際、K.A.R.R.はジョンの雇い主である工場経営者・エディがペースメーカーを使用している事をスキャナーで知り、ペースメーカーを誤作動させてエディに心臓発作を起こさせ、工場がジョンのものになるよう仕組んだと思われる描写があったり(後にジョンからエディを紹介された際、「ペースメーカーの調子は?」と尋ねてエディを驚かせている)、ジョンの声色を使ってマンディを人質に取り、車内の温度を上げてジョンを脅す(当初は車内の空気を抜いて真空にし、マンディの体を破裂させようと考えていた)といった、目的の為なら手段を選ばない冷酷な一面も見せた。この再登場時の中盤では、K.I.T.T.との対決に備えて財団のトレーラーを襲撃し、ボニーにアルファ回路の調整や、自分に対抗するために用意されていたレーザーの取付けをさせている。またこれ以降は、(K.I.T.T.と区別するため)ボディカラーをブラックとシルバーの2トーンカラーに変更している。自分を追うマイケルとK.I.T.T.には、自分の足取りをわざと残して誘い出そうとする狡猾さも見せており、エディがもちかけた金塊輸送トラック襲撃を利用してマイケルとK.I.T.T.に再び対決を挑む。K.A.R.R.はレーザーで攻撃するが、マイケルが切り札としてK.I.T.T.に取り付けた強力反射板によってレーザーをはね返され、唯一の弱点であるスキャナーに被弾する。最後は、K.I.T.T.とのターボジャンプによる空中戦に敗れ、バラバラに破壊されてしまうが、K.A.R.R.そのものはまだ機能を停止していなかった(第3シーズン第5話「悪魔のナイト2000カールまたまた出現!復讐の空中大勝負!!」)。

自分が製作されたその直後に新たなナイト2000を製作したナイト財団、とりわけウィルトン・ナイト、K.I.T.T.、マイケルへの復讐の機会をうかがっていた。K.A.R.R.にとって、ウィルトン・ナイトは「自分をこの世に生み出しながら、すぐに消し去ろうとした憎い人物」であり、新たなナイト2000となったK.I.T.T.は「自分の存在を全否定した亜流のコピー、および自分をモデルにした大量生産モデルの一台」であると思っていることから、K.A.R.R.とK.I.T.T.双方にとって相手がこの世にあってはならない存在として映った(一方K.I.T.T.は、K.A.R.R.を「欠陥のあるプロトタイプ」と表現し、自身については「より進んだニューモデルであると知って満足している」と発言している)。更にマイケルは、K.I.T.T.と共に自分を倒そうとする敵として認識しており、二度目にして最後の対決時には、「これで最後だマイケル・ナイト!」と名指しで敵愾心を露わにしていた。

K.A.R.R.の外観・基本的機能は、K.I.T.T.とほぼ同等の性能を有するが、両者の基本プログラムの違いにより互いのAIの思考は大きく異なる。同じボディーでありながら、過去に2度登場するそのいずれも、K.I.T.T.との対決に敗れている。

K.A.R.R.との初対決に勝利したK.I.T.T.は、マイケルから「兄弟に出会えた気分はどうだ?」と尋ねられ、表向きには「私には人間のような感情はありませんが、同類がいたと知って一面勇気付けられました」と答えているが、その直後に一人になった際には、「本当を言えばマイケル、すごく寂しい気分です・・・」と本心をつぶやいている。

K.I.T.T.とK.A.R.R.を見分ける事は、第3シーズンの再登場ではずいぶん容易になったものの、初登場時には容易に外観の見分けが付かなかった。インテリアは第1シーズンの「前期型」となっており、口の動きを表現する部分のLED配列と発光色(黄色)がK.I.T.T.と異なるのみ。再登場時にはスキャナーの発光色も赤から黄色に変更され、ライセンスプレートも追加されていた。

K.A.R.R.の声は初登場時はピーター・カレンPeter Cullen)。再登場時はポール・フリーズPaul Frees)が担当。日本語吹替えはどちらも麦人が担当した。

レギュラー・キャスト

マイケル・ナイト:デビッド・ハッセルホフ(日本語吹替えの声:佐々木功
本作の主人公。シーズン全編を通して活躍する。ナイト財団の最重要顧問としてウィルトン・ナイトの遺志を継ぐ。K.I.T.T.とコンビを組み、数々の難事件に立ち向かった。元々はマイケル・アーサー・ロングという名の敏腕刑事(階級は警部)であったが、産業スパイ事件の捜査中に顔を撃たれて瀕死の重傷を負い、ウィルトンによって救出される。従軍経験があり、戦傷を負った際に軍病院で治療の一環として額に金属板を埋め込む手術を受けていたため、受けた銃弾がこの板に跳ね返され、脳に達することなく顔の外に抜け出たことにより致命傷を免れていた。一命を取り留めた後は、負わされた怪我の治療と合わせてウィルトンの息子ガースをモデルに顔の整形手術も行われ(整形後のマイケルの顔を見たデボンは、若き日のウィルトンにそっくりそのままだと述べている)、更にウィルトンの養子として名前もマイケル・ナイトに改められる。ナイトとしてのプロフィールは創作されたものであるため、コネを使って経歴を調べた悪党達に「3年前には存在さえしていなかった男だ」と驚かれる事もしばしばである。
K.I.T.T.(ナイト2000):ウィリアム・ダニエルズ(声:野島昭生
マイケルの性格を良くも悪くもいちばん理解している相棒。丁寧な性格でユーモアにも長けている。一度路肩の石が車体の底に当たったショックでK.I.T.T.の回線が切れた(言葉のプログラムが、粗暴なブルックリン訛りに切り替わった)時に、マイケルを「マイキー」と呼んだ事もある。また、ジャガーノートの攻撃で破壊され再プログラミングの際にも、ガレージで作業しているRC3達の会話を拾ったため、同様にマイケルの事を「兄弟」と呼んでいる。
デボン・マイルズ(日本語版ではデボン・シャイアー):エドワード・マルヘアー(声:中村正
財団の責任者。在りし日のウィルトンとは戦友であり、普段は紳士的且つ温厚な性格(自身曰く、「一度堪忍袋の緒が切れると何をするか自分でも分からなくなる」とのこと)。イギリス人。強い愛国心の持ち主でもある。軍を始めとして非常に広い人脈を持ち、大統領とも面識がある。一見事務方に見えるが実は博士号を持つ科学者であり、ナイト2000のボディを覆う分子結合殻の構造式を知る3人の人物の1人。本編ではあまり語られていないが、過激な過去を持つという逸話もある(第二次世界大戦中は従軍し、ゲシュタポの捕虜収容所から3度も脱走に成功した、ドイツ軍占領下のフランスにナイフ投げの芸人として潜入した、夜バイクに乗って司令部に行く途中敵機の夜間爆撃に遭い、バイクは破壊されたものの助かった、若い頃バイクレースのチャンピオンだった、等。SASにいた事もあるとか)。マイケルと意見が対立する事もしばしばあるものの、マイケル自身が持つ正義の心と忠誠心から、マイケルに対して全幅の信頼を置く。マイケルの行動を全面的にサポートする良き理解者。
なおシャイアーという名字は原語版パイロット用脚本に見られる(パイロット版の劇中、名字で呼ばれるシーンはない)。シリーズ中の名字は原語版ではマイルズ、吹替版ではシャイアーで統一されているが、第4シーズンの吹替版ではデボンの訪問先で彼を探す際に「デボン・シャイアー・マイルズ」といって所在を尋ねるシーンがあった。
ボニー・バースト(第1、3、4シーズン):パトリシア・マクファーソン(声:小山茉美
ナイト2000製作チームのうちの一人。K.I.T.T.に対しては母親のように接する一方、メカニック関連の知識に疎くK.I.T.T.に度々無茶をさせたりどこかしらを故障させるマイケルに対しては、冷たく当たる場面もある。一時的に財団から離れサンフランシスコの大学に在籍していたが、自らも巻き込まれたある事件をきっかけにナイト2000担当メカニックとして復帰。一度K.I.T.T.に身長、体重、スリーサイズをこっそり計測された事がある。飛行機嫌いであり、その性格はK.I.T.T.にも反映されている。
エイプリル・カーティス(第2シーズン):レベッカ・ホールデン(声:潘恵子
ボニーが財団を離れていた間のK.I.T.T.担当メカニック。K.I.T.T.に「技術者と言うよりはまるで母親のようです」と言わせるほど。メカニックの他にも、デボンの秘書的な役割や看護婦の仕事もこなせる才女。財団に参加する以前、旅行代理店で働いていた事もある。デボンと共にガースに捕らわれた際には、その可憐な外見からは一見想像もつかないほどの毅然とした態度でガースに接している。第2シーズン15話「死線48時間リミット寸前! 決死のレール・ウェイ大走破!!」ではエイプリルに焦点が当てられ、彼女の義理の姉ローラと姪のベッキーも登場している。なお、米国のあるノベライズにおいてデボンの実子であるという描写がされているが、正式な設定の中でその扱いをしているものはない。
レジナルド・コーネリアス(日本語版では“コルネリウス”)3世(通称:RC3):ピーター・パロス(声:水島裕
ナイト財団のメカニックとして第4シーズンから登場。シカゴのスラム街で「ストリート・アベンジャー(ビデオ版の字幕は「復讐者」と表記)」と名乗って自警団的な活動をしていたが、ある偶然からマイケルと出会い、その後デボンのスカウトで財団に参加する。普段は移動本部トレーラーのドライバーとしての仕事がメインであり、それ以外のときはトレーラー内で自分のバイクをいじっている(因みに、移動本部トレーラーにはK.I.T.T.と同等の自動走行装置が搭載されており、緊急時に限り使用が許可されている)。だが、装甲車ジャガーノートによって大破したナイト2000を復活させる際には、スラム街に住む失業中のメカニック達と共にボニーに協力して活躍し、「コンバーチブルモード」、「スーパー追跡モード(S.P.M.、車体形状が大きく変形し、それまでの追跡モード以上の超高速走行が可能となる)」、「緊急ブレーキシステム(空力ブレーキ装置)」等の新機能まで追加した。また第4シーズン後半ではマイケルのサポート役に回る事もあった。
ナレーション - 小林清志
全シーズンでナレーションを担当し、番組本編ではゲストキャラの吹き替えとして出演した事もある。

スタッフ

  • 製作総指揮 - グレン・A・ラーソン
  • 音楽 - ステュー・フィリップス → ドン・ピーク
  • テーマ音楽 - グレン・A・ラーソン、ステュー・フィリップス
  • 製作 - グレン・A・ラーソン・プロダクションズ、ユニバーサルTV
  • 放映 - 米国NBC

日本語版スタッフ

  • 演出 - 壺井正
  • 翻訳 - 平田勝茂
  • 効果 - PAG
  • 調整 - 高橋久義
  • テレビ朝日担当 - 猪谷敬二

日本での放送

  • 日本では第1シーズンから第3シーズンまでの2時間の作品(5本)を『日曜洋画劇場』などの映画枠で放映。シリーズ放映開始に合わせ、1987年1月上旬に第1シーズンの2作品を2時間に編集し、『ナイトライダー6』として『日曜洋画劇場』で放映。
  • 1987年1月TVシリーズが始まるが、ボニーとエイプリルの2人の女性メカニックの登場順に関する混乱(第1、3、4シーズンがボニー、第2シーズンのみエイプリル)を防ぐという理由から、第2シーズンが第1シーズンより先に放映され、第1シーズン初回にあたる「激突!キット対マイケル 悪魔の洗脳!奪われたナイト2000」の次回予告で、ボニーは新メンバーとして紹介された(ストーリーラストは、マイケル、デボン、K.I.T.T.によって、敵組織の洗脳から無事解放されたボニーの「歓迎会」が開かれるという展開であった)。その結果、先に放映された第2シーズンに比べて出演者が若干若返った印象となった他、ナイト2000の機能追加の順序等に関する矛盾(先に放送された第2シーズンで頻繁に使用されていたマイクロジャムを、ボニーが新機能として追加する場面がある)といった別の混乱が生じた。
  • 本来K.I.T.T.のボイスインジケーターは、第1シーズン中盤まではパイロット版(第1話)と同様に「発声に合わせて四角部分が赤く点滅する」仕様で、途中から第2シーズン以降でもみられる「発声に合わせてバー型のLEDが発光する」仕様に改造されている。しかし日本では、前述の理由で第2シーズンが先に放送されたため、ボイスインジケーターの仕様が異なる第1シーズン前半に相当するエピソードでは、混乱を防ぐためにK.I.T.T.の発言シーンは全て中盤以降の仕様に差し替えて放送された。
  • 日本でのシリーズ初放送時の1987年夏に放送された日本独自の特別編成番組『ナイトライダー・スペシャル』内で放映されたエピソード2本は再放送時には順番が変更されている。また、同番組内のナイト2000の機能紹介、及び当時まだ放映されていなかった新しいエピソードの見所を紹介する『ナイトライダー最新情報』のコーナーはこれ以降、放送されていない。
  • 1988年2月、第4シーズン第1話(2時間)を2週に分けて放送し、『ナイトライダー』シリーズは終了。
  • 時間帯を変えて(関東地区では、1988年11月~1989年3月毎週土曜日15:00~15:55)、第4シーズンを『新ナイトライダー』として放映。
  • 『新ナイトライダー』は関東地区での初放映の際、「ハイジャック!人質ボニーを救え」をもって打ち切られ、約1年後の『ナイトライダー』シリーズの再放送後に残りの未放映分を含めたエピソードが初放映された。
  • 『新ナイトライダー』最終回(日本題『復讐の鎮魂歌・さらばナイト2000(THE SCENT OF ROSES)』)の最後の場面は、オリジナルのラストシーンに続いてナイト2000の走行シーン(過去の放送分からの使いまわし)とBGMが追加され、スタッフロールが表示されるという日本独自のものとなっている。最後のアイキャッチにおいて、「巨大な悪に立ち向かう、現代の騎士、ナイトライダー、明日、彼を待ち受けるものは、果たして、誰か」と言う、オリジナルに無いナレーションが追加され、オープニング映像の部分箇所が収録されている。(これはシーズン4DVD版には収録されていない)
  • 2008年現在スカパー!などで展開されているSuper! drama TVで第1シーズンから順次放映されている。
  • 2009年1月15日から、サンテレビで『ナイトライダー』第1・第2シリーズが再放送された。

続編

新ナイトライダー2000

『新ナイトライダー2000(原題:Knight Rider 2000)』が1991年に製作された。

製作当時から見て近未来である2000年銃規制が進んだことで警官の実弾銃使用が撤廃され、代わりに超音波銃の携行が義務付けられたアメリカのある都市を舞台にした物語。頭部に銃撃を受けた影響による記憶の欠落を補うため、かつてK.I.T.T.に使用されていたメモリーチップを組み込まれた元警官の女性ショーン・マコーミックが主人公である。 ナイト財団では、10年前にマイケル・ナイトが退職しており、残ったデボンと元弁護士のマドック主任の下、ナイト2000の発展型であるナイト4000が完成する。デボンは、ナイト4000のテスト走行において、性能はナイト2000を遥かに凌ぐと評価しながらも、道路に飛び出してきた鹿を「はねても実害はない」と言い放つナイト4000に、K.I.T.T.のような人間性が感じられないと不満を抱く。 折りしも銃使用撤廃派市会議員の暗殺事件が発生しており、助けが必要だと感じたデボンは、引退して「第三の人生」を送っているマイケルの元を訪ね、協力を要請する。デボンの熱意に打たれたマイケルは、K.I.T.T.を相棒にする事を条件に財団に復帰するが、肝心のK.I.T.T.とナイト2000はマドックによって解体されてしまっていた。マイケルは売却されたK.I.T.T.のパーツを買い戻させて再生し、自らの愛車である1957年型シェビーに搭載してショーンと共に捜査を開始する。 紆余曲折を経て、K.I.T.T.はマイケルの手によってナイト4000に搭載される。マイケルとショーンは、新たなボディを得たK.I.T.T.(=ナイト4000)と共に事件の真相に迫ろうとするが…。

この作品はパイロット版のみの製作にとどまったが、CICビクター株式会社からビデオソフトがリリースされた他、『ナイトライダー』シーズン1 DVD-BOXに特典として収録されている。また、テレビ朝日系を中心とした各地方局で深夜映画として放映された。日本語吹替え版は製作されていない。

以後も、下記の作品をはじめとして、『ナイトライダー』の続編・新作とされる日本未公開の作品がいくつか製作されている。詳細は参考リンクのリンク先を参照のこと。

ナイトライダー(2008年)

詳細については以下の英語版の各項目を参照のこと。

2008年2月17日夜(本節にて述べる放送日時はいずれも米現地時間)にNBC系列で『Knight Rider』新作のパイロット版が特番として放映され、同年9月24日より、翌年3月4日まで毎週水曜日20:00~21:00の時間帯で全17話の連続テレビシリーズ版が放映された(どちらも日本での放映については同年6月現在不明である)。

同作では、ナイト2000に代わってスポンサーであるフォード製のシェルビー マスタングGT500KRをベースとしたナイト3000が登場し、K.I.T.T.の正式名称もKnight Industries Three Thousandとなっている。新型K.I.T.T.は変形能力を備え、ノーマルのマスタングに形状を変更することができる(さらに連続テレビシリーズ版ではフォード F-150 FX4にも変形できる)。この新型K.I.T.T.は、初代K.I.T.T.(ナイト2000)と同時期に、ウィルトン・ナイトの下にいたチャールズ・グレイマン(演:ブルース・デイヴィソン)によって製作されていたという設定である。

主人公は、イラク従軍の経験もあるレーサーでマイケル・ナイトの息子であるマイク(正式にはマイケル)・トレーサー(演:ジャスティン・ブリューニング)。連続テレビシリーズ版の第1話において、イラク従軍経験による記憶障害が任務の妨げになるという理由から、FBI捜査官でナイト財団メンバーでもあるキャリー・リヴァイ(演:シドニー・ターミア・ポワチエ)の銃撃を受けて表向きは死亡したことになる。その後、新たな名前として父と同様に「マイケル・ナイト」を名乗る。

ゲスト出演

日本でも放映された人気ホームコメディ『アーノルド坊やは人気者』の第6シーズン第8~9話『ハリウッド大事件(前・後篇)』にナイト役のハッセルホフとK.I.T.T.がゲスト出演した。このエピソードの中でのK.I.T.T.は、ひがみっぽくて性格が悪く、ナイト2000によりかかったアーノルド坊やを「触るな!私はスターだ」と怒鳴りつけた。

また、日本の音楽番組『ミュージックステーション』にも1987年2月9日放送分でナイト2000(K.I.T.T.)がゲスト出演し、マイケルに代わり藤井フミヤが乗って野外から中継された。

オムニバスドラマ『世にも不思議なアメージング・ストーリー』においてシドニー・ラシック主演の『リモコン親父の逆襲』でテレビから飛び出すキャラクターの中でナイト2000(K.I.T.T.)がゲスト登場。主人公の自宅のキッチンに突っ込んでくる。

2008年11月1日の『SmaSTATION』の海外テレビドラマランキングで、本作がランクインしており、上記の『ミュージックステーション』での模様も再び放映された。

DVD

DVD がユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンから発売されている。第1シーズンから第4シーズンまで(2008年1月現在)。

放映当時に日本語吹き替えがあった話は全て吹き替えが収録されているが、日本での放送時にカットされていたシーンは吹き替えが行われていない。また、日本未放映話は英語のみである。

第1シーズンの前発売の「パイロット版」、及びシーズン4の「オープニング」の日本語吹き替えは収録されていない。

  • シーズン1,2パック コンプリートDVD-BOX 2006年6月23日発売(14枚組、税込28,000円)
  • シーズン3 コンプリートDVD-BOX 2006年6月23日発売(8枚組、税込17,800円)
  • シーズン4 コンプリートDVD-BOX 2006年9月21日発売(8枚組、税込17,800円)

サウンドトラック

日本国内で同時期にシリーズ放映され人気を二分していた『エアーウルフ』とのカップリング盤で、日本独自の企画によるもの。メインテーマと劇中BGMが数曲収録されているが両作品共にオリジナル音源は一切使用されておらず、川井憲次らの編曲により新規制作されている。厳密にはサウンドトラックではなくカバーアルバムである。
  • Original Television Soundtrack Recordings:'KNIGHT RIDER' Volume 1(HI-TECH RECORDS/2000年発売)
ドン・ピークが手掛けた6エピソードの劇中BGMを収録。ドン・ピークが直接携わっていないメインテーマは未収録だが、劇中で使用されたテーマアレンジ曲は多数収録されている。2009年4月にタイトルを変更し再発売された(後述)。
  • 'KNIGHT RIDER' The Best of DON PEAKE Volume 1(Hitchcock Media/2004年発売)
ドン・ピークが手掛けた4エピソードの劇中BGMを収録。2004年のファンイベント向けに制作された限定盤。2009年4月のVol.2のリリース時にパッケージを変更し再発売された。
  • Original Television Soundtrack 'KNIGHT RIDER'(Film Score Monthly/2005年発売)
公式なものとしては初となるサウンドトラック。パイロット版を含めたステュー・フィリップス担当の劇中BGMをエピソード毎に抜粋し収録。プロデューサーのグレン・A・ラーソンとの共作によるメインテーマも収録されている。マスター音源からステュー・フィリップス本人の手によりリミックスが行われ、3,000枚限定でリリースされた。
  • 'KNIGHT RIDER': Best of Don Peake Vol.2(Hitchcock Media/2009年4月発売)
2エピソードの劇中BGMの他、ドン・ピークが新たにリミックスしたメインテーマ"Knight Rider Theme (Rockin' new treatment)"が収録されている。
  • 'KNIGHT RIDER': Best of Don Peake Vol.3(Hitchcock Media/2009年4月発売)
"Original Television Soundtrack Recordings:'KNIGHT RIDER' Volume 1"のリイシュー盤で同内容。Vol.2のリリースに合わせ、一連の作品としてタイトルを変更し再発売された。

ゲームソフト

発売日:1988年9月30日/価格:5500円/ジャンル:レース/媒体:ロムカセット
  • ナイトライダースペシャル(パック・イン・ビデオ/PCエンジン版)
発売日:1989年12月22日/価格:5800円/ジャンル:レース/媒体:HuCARD

その他、日本以外ではプレイステーション2Xboxニンテンドーゲームキューブ、PC用ゲームとして、オランダのDavilex社から『KNIGHT RIDER THE GAME』および続編の『KNIGHT RIDER 2 THE GAME』が発売されている。前者は日本でも輸入販売されたが、後者は日本未発売のようである。

関連商品

  • セルオート ユニバーサル・スタジオ正規プレミアムレーザー探知機「KNIGHT2000」(ナイトライダーの世界観を彷彿させるデザイン、オープニングムービーと警告画面、吹替版KITT=野島昭生の声による完全オリジナル音声案内、2007年発売)
  • スカイネット ラジコンカー「ナイト2000」(1/15スケール、送信機からの操作で、吹替版KITT=野島昭生の声で喋る機構つき、2007年10月発売)
  • 銀座「パチスロ ナイトライダー」(2008年4月稼動)
  • ゲームブック「ナイトライダー・無人兵器ゴリアテの挑戦」(作:千葉暁、発行:1987年10月5日、刊:勁文社
  • 「ナイトライダー・コンプリートブック」(ジョー・フート4世/リッチー・F・レバイン著、白倉三紀子/杉本しのぶ訳、2010年5月30日発行、株式会社イースト・プレス刊)

関連項目

外部リンク

参考リンク

日本国内地上波放送時の前後番組

Template:前後番組

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