満月をさがして
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『満月をさがして』(フルムーンをさがして)は、種村有菜による漫画作品、及びそれに連動する形で放送された同名のテレビアニメ作品。
目次 |
概要
月刊少女漫画雑誌『りぼん』2002年1月号から2004年6月号でコミック版を連載。全30話。また、それにほぼ並行する形で同名のテレビアニメシリーズも放送開始。2002年4月から翌2003年3月にかけてテレビ東京系列局6局で放送された。全52話。
同時期の漫画『電脳少女☆Mink』同様、『魔法の天使クリィミーマミ』の路線を踏襲した変身魔法少女アイドル作品である。
満月は堀江由衣の歌をイメージしたキャラだと作者がコメントしている。また、その髪型はミニモニ。時の加護亜依をイメージしたものである。<ref>『満月をさがして』1巻、p27、「月の気球」、「桜」、「小さじ一杯の勇気」が挙げられている。</ref>
種村有菜作品はヨーロッパ、特にドイツで人気があり、既に『神風怪盗ジャンヌ』が成功していたが、本作は2004年度のドイツにおける日本漫画の売上で1位になり[1]、翌2005年には2位になり、いずれも高順位を記録した。[2]。
あらすじ
主人公・神山満月は、最愛の人・桜井英知との約束で歌手を目指している12歳の少女。ところが喉の病気が原因で、彼女は声を捨てて命を永続させる方を取るか、このまま命日を待つかの選択を迫られることとなる。
そして彼女の前に「タクト」と「めろこ」という、彼女の死を阻止する者を満月に出会わせないようにする役目を仰せつかっている2人組の死神が現れる。
命よりも歌手への道を選んだ満月は、タクトの能力を借りて16歳の少女の姿に変身し、音楽事務所のオーディションを受ける。これに見事合格した満月は、「フルムーン」として芸能界に鮮烈デビューを果たす。
死神
本作品での「死神」は、主要人物のタクト、めろこ、いずみを含め全員が元は普通の人間であり、そして全員が自殺者である。
- 通常死神になると生前の記憶は一切消え、万が一半人前のうちに何かの拍子に思い出すとそのショックで幽霊となり、永遠に姿が見えないまま、この世を彷徨うこととなる。生前の記憶が戻ると、死亡時のまま時間が停止したような状態になる為、めろこが記憶を取り戻した際には、死んだ時のまま雨に濡れた。また、基本的に死んだその瞬間から時を遡るように思い出していく。
- 死神の外見年齢は死亡時の実年齢ではなく、死亡時の精神年齢による。6歳の時に死亡したいずみが死神になった現在はめろこ達と同じくらいの年齢の外見なのはそのためである(ちなみに、タクトは死亡時の年齢よりも少し若々しい外見となった様子)。
- 死神には全員羽が生えているが、半人前のうちはレプリカであるリュックを常に背負う。
- 冥府はいくつかの科に分かれ、上層部を除いた一般の死神たちはそれぞれ所属する科がある(作中に出た科は小児科のみ)。作中の説明によると「無口で無愛想な者が殆どの死神たちの中で、比較的明るい性格の者が小児科にまわされる」らしい。
- メインキャラクターのタクト、めろこ、いずみは全員小児科所属で、尚且つ身体に動物の耳と尾がついており(ただし、タクトの猫耳と猫しっぽは、半人前であるため羽と同様レプリカ。猫耳は帽子で、猫しっぽは取り外せる模様)、更に動物に変身することができるが、これは人間の魂を回収するときに子供に怖がられないようにするためである。
- 死神は通常、職務実行時は2人組となり、死神部長(または科の上司)にコンビ名をつけられる(余談だが、作中に出てくるコンビ名はすべて作者の好物からとっている)。
登場人物
主要人物
- 神山満月(こうやま みつき)
- 声 - myco
- 5月12日生まれ。(アニメ版では4月4日生まれ)
- 突然現れた死神に余命1年と宣告された、12歳の少女。普通の人間には通常死に際にしか見えないはずの死神の姿が見える。タクトの神力により、16歳に成長した姿である「フルムーン」に変身できる(その際の髪型は、金髪に染めたツーサイドアップ)。英知のことが今でも好き。おっとりとしたマイペースな性格だが、自分の本質に触れようとする人間には激しい拒絶を見せる事もある。
- なお、変身前の彼女のトレードマークである黒髪の縦ロールは、終盤では普通のストレートヘアになってしまっている。
- 最終的には人間に戻ったタクトと結ばれる。番外編で、名付け親が生前のタクト(托人)であると描かれている。
- 原作第19話で、出て行こうとしためろこに、祖母・文月が音楽嫌いな理由を田中さんに聞いたことがあると明かし、両親と清十郎・文月との関係を知っていたことを告げた。そしてそこから「めろこ = 自殺した祖母の親友・萌」という図式を導き出していた。
- 原作においては、英知の死を知りながらその事実から逃避していた為、それを知るそぶりを全く見せなかった。さらに原作の終盤では、死神部長やデスマスターたち死神をその重責から解放する役割を彼女が担う。
- アニメ版では、英知の死を一切知らない・普通に学校に通い同年代の友人もいる(原作では学校生活のことは一切描かれないが、ほとんど休みがちだったためと思われる)・めろこに敬語を使わないなどの原作との相違点がある。
- タクト・キラ
- 声 - 斎藤恭央(桜塚やっくん/植田浩望)
- 満月の運命(死の期限)が変わらないよう、死神部長の命令により満月の監視をしに来た死神コンビ「ねぎラーメン」の一人。ネコ耳の帽子をかぶっている。鈴つきの赤い首輪をしたネコに変身出来る。とある事情から、死神としては半人前である(そのため羽もネコ耳も未だレプリカ)。規則違反の神術を使い満月をフルムーンに変身させる。満月のことが好き。
- 人間だった頃は人気バンド「ROUTE:L」のメンバー・吉良托人(きら たくと)(ボーカリスト)。托人は満月と同じように喉の病気にかかってしまい、芸能界を引退し医者となった若王子が手術をするが、声帯を摘出したために声を失ってしまう。歌を歌えなくなり、絶望した托人は入院中の病院の屋上から投身自殺をはかる。アニメ版では声帯を摘出する手術をしたことに関しては触れられていない。喉の病気が悪化して歌えなくなり、音楽のない世界へ逃げ出したいと思い、雨の中をバイクで走行中、事故死する(若王子は托人が死んでいたことを知らなかった)。
- 満月の命を救い、本当の優しさに触れた托人はもう一度人間として生きるチャンスを与えられる。原作では、満月とともに受けた死神主人(デスマスター)の鎌の影響で、魂が昏睡状態だった肉体に戻り(死神時代の記憶は残っている)、3年のリハビリを経て満月のコンサートに登場、満月と結ばれる。アニメ版では記憶喪失で蘇るが、満月の姿を見て、記憶を取り戻す。サウンドトラックでは記憶を失ったままである。(人気投票1位)
- めろこ・ユイ
- 声 - 本多知恵子
- タクトとコンビを組む死神。うさぎ耳が特徴。死神としてはベテランのため、うさぎ耳も羽も本物。背中に羽を持った、ピンク色のうさぎ(目つきは悪い)に変身出来る。かつてコンビを組んでいた死神のいずみのことが忘れられない一方で、タクトのことも想っている。魂を狩るための武器は鞭(作中で使用されることは少なかった)。
- 人間だった頃の名は里匡萌(りきょう もえ)。この名をローマ字表記でアナグラム化したものが「めろこ・ユイ」である。人間時代は満月の祖母・文月とは親友同士であった。萌には生前好きな人がいたが、実は文月と萌の想い人はお互いに愛し合っている関係であり、萌は文月に裏切られる形となった。親友からの裏切り・親が決めた婚約者から逃げたかったことから衝動的に自殺という道に走った。
- 原作ではいずみとよりを戻してコンビを組んでいた。一方、アニメ版では満月を助けた事と、慈愛を知った事により死神を追放されるも、天使になった。
- アニメ終盤では、消えかけているタクトに満月を変身させる力を与えるため、巻いている耳の前の髪を残して、髪をばっさり切っている。
- いずみ・リオ
- 声 - 緒方恵美
- 12月24日生まれ。
- かつてのめろことコンビ「ミルメイク」を組んでいた、サディストな死神。現在はジョナサンとコンビ「ヤミナベ」を組んでいる。
- 死神部長・シェルダンの命を受け、なかなか公務を執行しないタクトとめろこを監視するため人間界にやってきた。イヌ耳。めろこ同様ベテランのため、イヌ耳も羽も本物(ただしイヌ耳の上からイヌ耳帽子もかぶっている)。
- イヌに変身出来るが、タクトやめろこと違い変身するとなかなか元に戻れず、喋れなくなるため、めったに変身したがらない(アニメ版ではアイキャッチにのみ登場)。何かとタクトに絡んでくる。魂を狩るための武器はキス(若い男女限定)と大鎌。
- 人間だった頃の名前は泉利緒(いずみ りお)。幼少から母親に虐待され続け、6歳で母親を自分から解放するために踏切に飛び出して自殺した。死神になったばかりの頃はかなり荒んでおり、他の死神をいじめたり、めろこを愛していたにも関わらず酷い振る舞いをしたりと、極めて歪んだ性格をしていた。
- 原作では生前の記憶をほぼ完全な形で持ったまま、死神となった。また、めろこと復縁しコンビを再結成した(めろこに合わせて、白服に着替えている)が、アニメ版では特に進展することなく終わった。
- 桜井英知(さくらい えいち)
- 声 - 木村良平
- 満月の想い人。2年前まで満月と同じ施設にいたが、14歳の時に桜井家に引き取られアメリカへ行く。夢は天文学者。アメリカへと向かう飛行機が太平洋沖で墜落し、帰らぬ人となる。しかし、魂はずっと満月のそばに留まっていた。
- 原作最終回では、幸せになった満月を見て成仏する。
- アニメ版では1984年生まれで満月より6歳年上となっており、原作(4歳年上)と設定年齢が異なる。
人間
- 若王子圭一(わかおうじ けいいち)
- 声 - 小川輝晃
- 満月の主治医。30歳。かつては人気バンド「ROUTE:L」のメンバー(キーボーディスト)で、当時のニックネームは王子。原作では、リーダーである葵の恋人であり、後に満月の母親となる葉月のことが好きだったことを告白。行方不明になった満月を探すため、医者を休職して芸能界に戻り、途中からフルムーンのプロデューサーを務めている。元アイドルであり、フルムーンのマネージャーである大重と再会し、最終的に恋仲に。彼の乗っている車はアニメでは「種村」ナンバーになっている。(33話より)
- 若松円(わかまつ まどか)
- 声 - 可名
- フルムーンとライバル関係にあるアイドル歌手。本名は暮林千暁(くればやし ちさと)。原作では、名のある家柄のお嬢様で婚約者もいたが、自らの顔を整形して自らの全てを捨てて歌手になった過去を持つ(命と引き換えに歌手になった満月と対になる存在であった)。現在は人気デュオ「OZ」のボーカル・那智と付き合っている。
- アニメ版では大映ドラマの悪役のように裏で暗躍して、かなり露骨にフルムーンが売れていくのを妨害していたが、途中より心を入れ替え、名実ともにフルムーンの良きライバルとなる。飼っているペットはミニブタの「ぐっちゃん」。整形前はデブだったらしい。
- 原作番外編では、小さな頃に、転んで膝をすりむいた那智(総一郎)に対し、「はいっ ばんそこえーど!」とバンドエイドを渡しているシーンがあった。(「ばんそこえーど」とは「バンドエイド」と「絆創膏」を組み合わせた造語。一時期はやっていた。)
- 大重正実(おおしげ まさみ)
- 声 - 瀬尾智美
- フルムーンのマネージャー。かつては自身も「花飾結菜(はなかざり ゆいな)」の名前でアイドルをやっていた(本名である「大重正実」は、りぼん編集部の新旧編集長から取ったらしい)。
- ROUTE:L時代からの若王子の追っかけであり、アイドル時代に音楽番組でROUTE:Lと一緒になったことがあり、マネージャーに頼んで若王子に会いに来たこともあるが、終盤にてアニメ原作両方で結ばれる。原作では社長と不倫関係になっていた。
- 実は原作の第2話1P目にも登場していた(4コマ目左隅の、髪の長い人)。
- 貴条充(きじょう みつる)
- 満月の所属するレコード会社の若社長。若松円のマネージャー今村鈴の兄(養子に入ったらしい)。大重と不倫関係にある。
- 以前は「ROUTE:L」のライバルバンド、「クラシック・オーシャン」のメンバーだった。普段はコンタクトレンズを使用。原作4巻の書き下ろしコミックで葵に「みつるん」と呼ばれていた。
- 今村鈴(いまむら すず)
- 声 - 深見梨加
- 若松円のマネージャー。かつては大重正実と同じく「新山美紅(にいやま みく)」の名前でアイドルをやっていた。
- 大重正実とは犬猿の仲のようだが彼女と兄(貴条充)の不倫について気にかけているようである(大重正実曰く、「仲の悪い設定」らしい)。アイドル時代、大重よりは売れていたらしい。
- アニメ版では若松円の後任のマネジャー。
- 林光理(はやし ひかり)
- 元パリコレモデルで、現在はスタイリスト。フルムーンのコンサート用の衣装を担当した。どこかの御曹司にプロポーズされたが迷っている。
- 生前のタクト(吉良托人)と恋仲であったが、タクトとは遊びで、また別の男性と付き合っていた。タクトが実体化した時にたまたま再会し、タクトを街で連れ回したため一時騒ぎになる。だが最終的にタクトに諭され、改めて遊びでも托人が好きだったことを確認する。
- 古雅葵(こが あおい)
- 声 - 高橋広樹
- 満月の父。実は、文月の想い人であった清十郎の息子。
- 人気バンド「ROUTE:L」のリーダー(ギタリスト)だったが、結婚後解散し、葉月が産気づいたとき、車で病院に向かう途中事故で亡くなる。
- タクト曰く、作務衣姿で能天気な人物だった。満月のアホ毛は彼譲り(原作7巻収録の大辞典より)。
- 古雅葉月(こが はづき)※旧姓:神山
- 声 - 笠原弘子
- 満月の母。とても身体が弱く、葵と駆け落ちし神山家を飛び出すも、満月を産んですぐに亡くなる。原作ではベタのシルエットでしか登場していない。(文月の回想シーンより)
- 神山文月(こうやま ふづき)
- 声 - 杉山佳寿子
- 満月の祖母で、葉月の母。かつて里匡萌(めろこの生前の名)とは親友同士で、萌も葉月も音楽をやっていた人間に関わって亡くなったことから音楽自体を嫌っていた為、孫娘の満月が歌手を志す事に良い顔をせず、原作では満月を家の離れに軟禁していた。満月が家出したのをきっかけに、彼女の心情にも少しずつ変化が起こるようになる。
- 田中さん
- 声 - 赤土眞弓
- 神山家のお手伝いさん。下の名前は「よね」(原作第18話より。当時はちびまる子ちゃんを連想させるようなおかっぱだった)。音楽を嫌う文月に知られないように、こっそりとラジオで音楽を聞いている。
- アニメ版では若王子に色目を使い、大重と対決した事も有る。幼い頃から神山家に仕えていた。離れに軟禁されている満月の見張りに近いこともやっている。
- 古雅清十郎(こが せいじゅうろう)
- 文月と萌が話をしている時に、「ギーゴーグー」とひどい音を響かせてヴァイオリンの練習をしていた、「古雅財閥」の御曹司。萌と文月の両方から慕われていた。原作終盤で神山家を訪れ、文月と再会。葵の父(満月にとっては父方の祖父にあたる)。奥さんはかなり前に亡くしたらしく、再会後、文月と再婚しているらしい。(原作7巻収録大辞典より)
- 高須広平(たかす こうへい)
- 声 - 郷田ほづみ
- アニメ版オリジナルキャラクター。天才プロデューサーで、フルムーンの初期プロデュースを務めた人物。また、円のプロデュースも手掛ける。
- 和美・フランクリン
- 声 - 冨永み〜な
- アニメ版オリジナルキャラクター。満月がかつていた児童施設の先生。現在は施設を辞め結婚し、アメリカに住んでいる。
- 七海
- 声 - 宍戸留美
- アニメ版オリジナルキャラクター。フルムーンのファン第一号となった幼い少女。両親はコンビニエンスストアで働く。登場話数の後もちょくちょく登場する。
- 那智(なち)
- 原作のみ登場。本名は紫堂総一郎(しどう そういちろう)。人気デュオ「OZ」のボーカルで、満月の芸能界での初めての友人。勘が鋭く、普通の人間には見えないはずのタクトの存在をインスピレーションで言い当てたことがある。
- 満月に優しく、満月に嫌がらせをする円に苦言を示す。だが実は京都の名家の跡取りで、円(千暁)の元婚約者であり、幼い頃から好きだった円を追いかけて顔を整形して芸能界に入り込んだ(その際、かなり垢抜けたらしく、総一郎として円と再会した時「どうしてそんなにあかぬけてんの?!」と言われた)。円と相思相愛の仲になり、後に正体を明かす。整形前はチビでブサイクだった。
- 最終回で円にプロポーズした。
死神
- ジョナサン/シェルダン
- 声 - 森訓久
- 現在いずみとコンビを組んでいる死神。その正体は死神部長・シェルダン。魂を狩るための武器は大鎌(いずみのものより凝ったデザインのもの)。アニメ版ではジョナサンの正体は明かされず、死神部長も台詞の上で登場しただけである。ちなみに、ジョナサンの容姿は、作者が「ハリー・ポッター」シリーズに登場するポルターガイスト、ピーブズをイメージして描いていたものがそのままキャラクターになったという逸話がある。
- ミスティア
- 原作のみ登場。死神主人(デスマスター)。遥か昔、冥界に最初に来て冥府を創立し、一番始めに死神になった魂。そのきっかけは地上の少女に「死神さん」と呼ばれた事であったが、めろこやいずみを救おうとする満月の言葉でその言霊から解放され、最終回では死神部長とともに托人の声帯を精製し(その時の力の使いすぎが原因で)部長ともども消滅。魂を狩るための武器は大鎌(鎌というよりは斧のような形に近く、シェルダンやいずみのものとはデザインが大幅に違う)。好きな言葉は「髑髏」。
サブタイトル
毎回作者・種村有菜がこだわりを持ってつけている。
テレビアニメ
テレビ東京・テレビ北海道・テレビ愛知・テレビ大阪・テレビせとうち・TVQ九州放送で、2002年4月6日から2003年3月29日にかけて放送。奈良テレビ・BSジャパンでも週遅れという形で放送された。また、CS放送チャンネルのAT-X、アニマックスでも放送された。
このアニメは放送枠が「東京ミュウミュウ」放映の際、他にも少女向けアニメを放送しようという局の意向でかなり急に決まったという経緯があったようだ<ref group="注">結果としてテレビ東京系同時ネットにおいて毎週土曜日7:30-8:00「満月をさがして」8:00-8:30「東京ミュウミュウ」8:30-9:00「わがまま☆フェアリー ミルモでポン!」と1時間半の枠となり、現在の毎週土日午前中のアニメ番組集中枠が形作られていった。</ref>。それがメディアミックス作品でもないこのコミックがアニメとほぼ同時に連載という事態を起こしたらしい。急に決まったアニメ化を象徴するように玩具などの関連商品の販売と画面への登場は3クール目までなかった(「ミュウミュウ」の場合は、メディアミックスが始めから徹底されていたので1話目から関連商品の画面への登場と販売を実現している)。
アニメ版ではストーリーの展開や、めろこの服の色など、様々な設定がコミック版のものとは異なっている。
また、テレビアニメ版のエンディング曲の歌詞が原作に使われたので、テレビアニメ版が原作に影響を与えたと言える。タクトの性格に関してはアニメ版の影響を受けている事を作者がコメントしている。
テレビ東京系列での本放送時はCBC制作でTBS系列のアニメが放送されて好調な中で突然新設された放送枠だったので、後発で開始した『満月』の視聴率は2%以下(裏番組が休止した時のみ、3%程度の視聴率を記録した)と苦戦を強いられた。(とはいえ、後番組のポトリスよりはずっと高かった) また、テレビ東京系列と一部UHF局のみの放送で視聴地域が限られるという欠点もあったが、ファンからの支持は高かった。
後のアニマックスでの再放送の好評で主題歌の通信カラオケのアクセス数増加などの社会現象を起こし、放送終了から2年後の2005年10月19日に最終回のライブ盤CD「満月をさがして フルムーン・ファイナル・ライヴ」がリリースされた。放送終了から数年を経ての関連商品の展開というのは、不振になった少女向けアニメでは異例の事である。
なお、タクト役でブレイク前の桜塚やっくん(当時の芸名は斎藤恭央)が声の出演をしていた。
スタッフ
主題歌
- オープニングテーマ
- 「I♥U」(第1話 - 第26話)
- 作詞 - YOPPY / 作曲 - THE★SCANTY / 編曲 - MASAHIDE SAKUMA / 歌 - THE★SCANTY
- 「ROCK'N ROLL PRINCESS」(第27話以降)
- 作詞 - YOPPY / 作曲・編曲 - MASAHIDE SAKUMA / 歌 - THE★SCANTY
- エンディングテーマ
- 「New Future」(第1話 - 第6話、最終回)
- 作詞 - myco / 作曲 - 辺見鑑孝・田辺晋太郎 / 編曲 - 辺見鑑孝 / 歌 - Changin' My Life
- ※最終回はフルサイズバージョンで流された。
- 「Myself」(第7話 - 第26話)
- 作詞 - myco / 作曲 - 田辺晋太郎 / 編曲 - 辺見鑑孝 / 歌 - Changin' My Life
- 「ETERNAL SNOW」(第27話 - 第42話)
- 作詞 - myco / 作曲 - 田辺晋太郎 / 編曲 - 本田優一郎・辺見鑑孝 / 歌 - Changin' My Life
- 「Love Chronicle」(第43話 - 第51話)
- 作詞 - myco / 作曲 - 田辺晋太郎 / 編曲 - 本田優一郎・辺見鑑孝 / 歌 - Changin' My Life
各話リスト
話数 | サブタイトル | 放映日 | 脚本 | コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | それでも歌いたい | 2002年4月6日 | まさきひろ | 加藤敏幸 | 清水明 | 工藤裕加 |
2 | 英知くんとの約束 | 2002年4月13日 | 難波日登志 | 平田豊 | 清水敏孝 | |
3 | マネージャーさんが来た | 2002年4月20日 | 田村竜 | 小寺勝之 | 古川政美 | 斎藤哲人 |
4 | 詞にこめた思い | 2002年4月27日 | 中瀬理香 | 山口美浩 | 清丸悟 | |
5 | はじめてのお仕事 | 2002年5月4日 | 吉村元希 | 小寺勝之 | 清水明 | 河南正昭 |
6 | スタジオの長い日 | 2002年5月11日 | 田村竜 | 吉本毅 | 石倉敬一 | |
7 | フルムーン、デビュー! | 2002年5月18日 | まさきひろ | 西村純二 | 古川政美 | 江森真理子 |
8 | ヒットって本当? | 2002年5月25日 | 中瀬理香 | 東海林真一 | おゆなむ | 清水博幸 |
9 | 聞いてほしいのに | 2002年6月1日 | 吉村元希 | 西村純二 | 清水明 | 河南正昭 |
10 | 芸能界の掟!? | 2002年6月8日 | 広平虫 | 伊藤尚往 | 清丸悟 | |
11 | 危険なレンズ | 2002年6月15日 | 田村竜 | 佐藤照雄 | 江森真理子 | |
12 | ねぎラーメンと聖者の石 | 2002年6月22日 | まさきひろ | 吉本毅 | 石倉敬一 | |
13 | ちっちゃなコンサート | 2002年6月29日 | 中瀬理香 | 清水明 | 河南正昭 | |
14 | がんばれ! 代理マネージャー | 2002年7月6日 | 広平虫 | 東海林真一 | 岩崎太郎 | 清水博幸 |
15 | ファースト・キス!? | 2002年7月13日 | 吉村元希 | こでらかつゆき | 吉田俊司 | 斎藤哲人 |
16 | ライバル登場! | 2002年7月20日 | まさきひろ | 岩崎太郎 | 上野史博 | 清丸悟 |
17 | すれ違う二人 | 2002年7月27日 | 中瀬理香 | 松下ユキヒロ | 清水明 | 河南正昭 |
18 | 走れ! オーディションへ! | 2002年8月3日 | 加藤洋人 | 吉本毅 | 石倉敬一 | |
19 | 届かない歌声 | 2002年8月10日 | 田村竜 | 小島多美子 | 鈴木芳成 | 江森真理子 |
20 | めろこ、ひとりぼっち | 2002年8月17日 | まさきひろ | 清水明 | 近藤優次 | |
21 | 新たな思い | 2002年8月24日 | 吉村元希 | 福本潔 | おゆなむ | 石倉敬一 |
22 | ワクワク! ソロライブ | 2002年8月31日 | 中瀬理香 | わたなべひろし | 清水明 | 河南正昭 |
23 | お引越しパニック | 2002年9月7日 | 田村竜 | 東海林真一 | 上野史博 | 清丸悟 |
24 | お父さんの歌 | 2002年9月14日 | 広平虫 | 小島たみこ | 鈴木芳成 | 江森真理子 |
25 | 若王子先生にお願い | 2002年9月21日 | まさきひろ | 加藤洋人 | 吉本毅 | 石倉敬一 |
26 | 伝えたいもの… | 2002年9月28日 | 奥田誠治 | 佐藤照雄 | 近藤優次 | |
27 | 絶対に負けない | 2002年10月5日 | 吉村元希 | わたなべひろし | 清水明 | 河南正昭 |
28 | 満月って恋の達人? | 2002年10月12日 | まさきひろ | 東海林真一 | 渡辺健一郎 | 清丸悟 |
29 | 新たな死神・いずみ&ジョナサン | 2002年10月19日 | 中瀬理香 | 小島たみこ | 鈴木芳成 | 江森真理子 |
30 | 英知くんを知る人 | 2002年10月26日 | 田村竜 | 佐藤照雄 | 近藤優次 | |
31 | 学園祭の秋なんです | 2002年11月2日 | 広平虫 | わたなべひろし | 清水明 | 河南正昭 |
32 | 素顔の円 | 2002年11月9日 | 吉村元希 | 東海林真一 | おゆなむ | 石倉敬一 |
33 | 忍び寄る病魔 | 2002年11月16日 | まさきひろ | 小島多美子 | 鈴木芳成 | 江森真理子 |
34 | ブランコのおじさん | 2002年11月23日 | 中瀬理香 | 加藤敏幸 | 清水明 | 近藤優次 |
35 | 英知くんからのメール!? | 2002年11月30日 | わたなべひろし | 佐藤照雄 | 河南正昭 | |
36 | 運命の新人賞 | 2002年12月7日 | 杉浦真夕 | 東海林真一 | 洪憲杓 | 清丸悟 |
37 | 満月からの贈り物 | 2002年12月14日 | 田村竜 | 小滝礼 | 鈴木芳成 | 江森真理子 |
38 | おばあちゃんの過去 | 2002年12月21日 | 吉村元希 | 小島多美子 | 清水明 | 近藤優次 |
39 | 太平洋を越えて | 2002年12月28日 | まさきひろ | わたなべひろし | 高橋順 | 前田明寿 |
40 | 盗まれたペンダント | 2003年1月4日 | 広平虫 | 東海林真一 | 清丸悟 | |
41 | 英知くんのいる街へ | 2003年1月11日 | 中瀬理香 | 小島多美子 | 佐藤照雄 | 河南正昭 |
42 | エターナルスノー | 2003年1月18日 | 吉村元希 | 加藤敏幸 | 清水明 | 南伸一郎 |
43 | もう二度と歌わない | 2003年1月25日 | 杉浦真夕 | 小島多美子 | 鈴木芳成 | 江森真理子 |
44 | 共鳴する心 | 2003年2月1日 | 吉村元希 | 東海林真一 | 洪憲杓 | 清丸悟 |
45 | いずみの誘惑 | 2003年2月8日 | 中瀬理香 | 小滝礼 | 佐藤照雄 | 河南正昭 |
46 | 新月の夜に | 2003年2月15日 | 田村竜 | 小島多美子 | 清水明 | 近藤優次 |
47 | 生きる希望 | 2003年2月22日 | 広平虫 | 西村純二 | 鈴木芳成 | 江森真理子 |
48 | フルムーンになれない!? | 2003年3月1日 | まさきひろ | 東海林真一 | 服部憲知 | |
49 | 満月の思い・めろこの思い | 2003年3月8日 | 杉浦真夕 | 佐藤照雄 | 河南正昭 | |
50 | どうしても言えない | 2003年3月15日 | 田村竜 | 西村純二 | 清水明 | 南伸一郎 |
51 | 運命の日 | 2003年3月22日 | 吉村元希 | 小島多美子 | 鈴木芳成 | 江森真理子 |
52 | 満月(フルムーン)をさがして | 2003年3月29日 | 中瀬理香 | 加藤敏幸 | 工藤裕加 |
余談
- 連載時に、第11話「天使のヴィジョン」が作者の体調不良のため下書きに近い状態で掲載されたことがある。これに関しては公式ホームページ、翌月の『りぼん』の本人のコメント欄にて謝罪のコメントがあった。
- タクトとめろこの名前の由来についてタクトは「托す人」めろこは「タクトにめろめろだから」という作者によるコメントがある反面、本当の由来は音楽用語のタクト及びメロディではという声も多い。
- 現在もりぼんHPのマスコットである猫タクトは元々本作より前に作者の落書きから誕生した<ref>『満月をさがして』1巻、p27</ref>。(原作1巻p19で「どこいつ」みたいと満月に言われている)描く度に太るといわれているが、アニメではかなりスリムとのこと。『紳士同盟†』単行本のコメントによると猫タクト肥大は現在も続いているとの事。
吟遊名華
「吟遊名華」(ぎんゆうめいか)は、『りぼん』2001年11月号に掲載され『満月をさがして』2巻に併録されている、種村にとって4年振りとなる読切作品。
題名は、吟遊詩人の「吟遊」と美しい花を意味する「名花」と同じ意味の「名華」からつくられた作者の造語である<ref name="ginyu">『満月をさがして』2巻、157ページ</ref>。
音大付属中学に推薦してもらうためコンクール優勝を目指す桐生秋吉(きりゅう あきよし)と、彼が隠れて練習していた場所で出合った「桜の精」を名乗る少女花音の交流を描いた作品。
問題があったため本作の収録を諦めていたが、周りの支えによって修正の上で単行本に収録した旨を種村が述べている<ref name="ginyu" />。単行本において種村は何が問題であったかは具体的に述べていないが、実際に変更された箇所としては雑誌掲載時の冒頭に「一人では弾けない "カノン" という曲をなぜか一人で弾かされることになった」という設定があったものが、「皆が自由曲の中一人だけ課題曲 "カノン" を弾かされることになった」という設定に置き換えられている。
書誌情報
- 種村有菜『満月をさがして』集英社〈りぼんマスコットコミックス〉
- 2002年6月14日、ISBN 978-4088563800
- 2002年10月20日初版発行、ISBN 978-4088564081
- 2003年3月14日、ISBN 978-4088564456
- 2003年8月8日、ISBN 978-4088564838
- 2004年1月15日、ISBN 978-4088565149
- 2004年6月15日、ISBN 978-4088565422
- 2004年7月15日、ISBN 978-4088565491
脚注
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出典
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