浦沢直樹

出典: Wikipedio


Template:Infobox 漫画家 Template:漫画 浦沢 直樹(うらさわ なおき、1960年1月2日 - )は、日本漫画家東京都府中市出身。明星中学高等学校明星大学人文学部経済学科卒業。代表作に『YAWARA!』『MONSTER』『20世紀少年』など。B型。

1983年デビュー。漫画賞の受賞が多く、2009年現在まで手塚治虫文化賞大賞を2度受賞しているのは浦沢だけである。コミックスの売り上げは累計1億部を突破している<ref>2007年の「プロフェッショナル 仕事の流儀」出演時には「一億冊を売った男」として紹介された。</ref>。

定評のある画は、大友克洋(及び大友に影響を与えたフランスの漫画家メビウス)の影響を強く受けている事を公言しており、実際に初期の絵柄は大友克洋にそっくりである。コマ割りは『母を訪ねて三千里』などに影響されたという<ref>ラジオ『ジブリ汗まみれ』出演時の発言</ref>。

1960 - 1970年代のロックのファンで、『20世紀少年』にはその影響が色濃く反映している。特にボブ・ディランの大ファンである。

目次

来歴

幼少期(1960年 - 1973年)

1960年東京都府中市に次男として出生。幼稚園には通わず、昼間は祖父母と3人きりの幽閉状態であった。この頃、手塚治虫の『鉄腕アトム』と『ジャングル大帝』を買い与えられ、自分でも漫画を描くようになる。

地元の小学校に入学、3年生から学級委員を務め、学級新聞に4コマ漫画を連載した。一時期いじめられかけたこともあったが、クラスのガキ大将に漫画を描いたことがきっかけでいじめはピタリと止まったという。この頃、初めて長編漫画『太古の山脈』を描き上げる。当時テレビでも放映していたフィルム・ノワールの影響を受けた暗い内容のもので、当時は4つ上の兄が専らの読者であった。

青年期(1973年 - 1984年)

中学では当初陸上部に入るも、先輩の偉そうな態度が嫌になり軽音部へ転入。吉田拓郎にのめり込み、その後ボブ・ディランの研究を始める。中学生時代の経験は後に『20世紀少年』に活かされ、浦沢は「ケンヂが校内放送で曲をかけたが変化無しと言うのは自分自身の実体験だが、こういうことをした人は結構多かった」「10分の1くらいは自叙伝」と語っている。また、中学の1年先輩に小室哲哉がいる。校内放送の時に聞いていて、最近(2007年頃)「あれ、浦沢くんがかけたんだね」と確認されたことを、浦沢本人が府中市の講演にて語っている。

高校、大学も軽音楽部に所属していた。一方で漫画の制作も続けており、高校では国語の教科書に載っていた芥川龍之介の『羅生門』を漫画化している。もっとも当時の梶原一騎ブームに乗れず、一時期漫画に興味を失いかけていたこともあった。しかし大学の時に登場した大友克洋をはじめとするニューウェーブの作品群に感化され、漫画に対する情熱を取り戻した。

「マンガ君」と思われるのが嫌で大学では漫研には近寄らなかったが、漫研の人よりもたくさん漫画を描いていたという。なお大学の軽音部では1年上にTHE STREET SLIDERSのHARRYが所属しており、下手にバンドで食べていこうと思わなかったのは彼のパフォーマンスを見たからかもしれないと語っている。

デビュー以後(1984年 - 現在)

もともと漫画家になるつもりはなかったが、就職活動時に小学館に編集者としての面接を受けた際、ついでに持って行った原稿「Return」が新人賞に入選、これを機に1年で芽が出なければやめるつもりで漫画家を志す。アシスタント等を経て、1983年に「BETA!」(『ゴルゴ13 別冊』掲載)でデビューし、1984年開始の「踊る警官」で初連載する。

長崎尚志担当のもと、『ビッグコミックオリジナル』で外国を舞台にした『パイナップルARMY』『MASTERキートン』を連載する一方、『ビッグコミックスピリッツ』で『YAWARA!』『Happy!』と女子スポーツを題材にした作品を発表し人気を得る。1986年開始の『YAWARA!』以降は2誌掛け持ちで、毎月100枚を越える連載を10年以上続けた。

スリラー作品『MONSTER』、手塚治虫の『鉄腕アトム』をリメイクした『PLUTO』により2度の手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。2004年には『20世紀少年』によりフランス・アングレーム国際漫画祭で最優秀長編賞を受賞している。

2009年現在は『週刊モーニング』にて「BILLY BAT」を隔週で連載している。2008年より長崎尚志とともに名古屋造形大学(2007年まで名古屋造形芸術大学)の客員教授も務めている[1]

受賞歴

作品リスト

連載作品

短編集

踊る警官
バンド活動を行う傍ら、警官として働く男山下の物語。表題の浦沢初連載作と他に短編4本を収録。
JIGORO!
『YAWARA!』に登場する猪熊柔の祖父、猪熊滋悟郎を主人公にした短編集。猪熊滋悟郎のホラとも真実ともつかぬ若き日の逸話が中心。
N・A・S・A
表題作を含めた初期作品を集めた短編集。
キートン動物記
『MASTERキートン』番外編。ハードカバー、全ページカラーで出版されている。
初期のURASAWA
デビュー作『BETA!!』をはじめ、初期の作品を集めた短編集である。他の短編集との重複も多い。

活字本

ANOTHER MONSTER
記者のヴェルナー・ヴェーバーがヨハン事件の関係者を追い真相に迫っていく実録風小説。
ディランを語ろう
ボブ・ディランについて語り下ろした対談集で、浦沢によるイラストストーリー「ボブ・ディランの大冒険」も収録。著者名義は浦沢直樹×和久井光司

読み切り

Swimmers
プロデビュー前の未発表作品。先輩猫が金槌な弟子の犬に泳ぎを教える話。『イブニング』月2回刊化特別付録収録(2003年5月13号)
まんがノート
『PLUTO』豪華版3巻・4巻付録。浦沢が少年時代に描いた自作の漫画をまとめたもの。3巻は芥川龍之介、4巻は星新一の作品を漫画化している。
月に向かって投げろ!
手塚治虫文化賞10周年記念で出版された「AERA COMIC ニッポンのマンガ」に掲載された描き下ろし短編作品。プロット共同制作は長崎尚志。『PLUTO』豪華版6巻付録。

その他

ビーパル小僧のアウトドア教本 3、4
小学館発行BE-PALのBE-PAL MANUAL COMICをまとめた教本。3巻、4巻を担当。
源氏物語
NHKで放送された教育番組『まんがで読む古典』の1作品、源氏物語のキャラクターデザインを担当(1990年)
シロは死なない
北方謙三による創作童話、挿絵を担当(1990年)。
ヘンリーとチャールズ
棚の上のケーキを目指す師弟ネズミのドタバタ劇。小学生向け月刊誌『おおきなポケット』に掲載(1995年4月号)
僕らの「ヤング・ミュージック・ショー」
NHK番組を綴った本。表紙を担当(2005年)。
映画『アイム・ノット・ゼア』劇場用パンフレット
トッド・ヘインズ監督によるボブ・ディランの半生を映画化した作品のパンフレットにイラストを描き下ろした。
漫勉
画集。
追跡者 〜幻の漫画家・韮沢早を追え!第9集「万博とメビウス」長編アニメ映画「メランコリック戦争」のコンテ
竹健太郎著の韮沢早という架空のマンガ家を追ったフェイク・ ドキュメンタリーの幻のコンテを担当(『月刊IKKI』2002年第9号掲載)。

CDジャケット等

  • DOMINO88 アルバム『Pleasure!』
  • 和久井光司 アルバム『ディランを唄う』

映画脚本

  • 20世紀少年(2008年)福田靖・長崎尚志・渡辺雄介と共同
    • 20世紀少年 第2章 最後の希望(2009年)※脚本監修
    • 20世紀少年 最終章 ぼくらの旗(2009年)長崎尚志と共同

過去の出演番組

音楽活動

  • 2003年に発売された単行本「20世紀少年」11巻の初版に付けられたCDに収録されている<ケンヂの歌>こと「Bob Lennon」は、浦沢自身が作詞・作曲・歌・ギター・ブルースハープ・録音を行ったオリジナル曲であり、実写化の際にケンヂ役の唐沢寿明がリメイク、エンディングテーマに用いられた。
  • 2006年10月9日に行われたボブ・ディラン・サミット(ボブ・ディランのトリビュート・コンサート)に出演し、アコースティック・セットで「Bob Lennon」を演奏。その模様は一部プロフェッショナル 仕事の流儀(2007年1月18日、NHK総合テレビジョン)で放送された(同タイトルDVDにも収録されている)。
  • 2007年高見沢俊彦のソロアルバム"kaleidoscope"に、自身のオリジナル曲「洪水の前」の歌詞のみを提供した。
  • 2008年6月4日デビュー・シングル「月がとっても…」発売。
  • 2008年6月27日、28日に【和久井光司×浦沢直樹 2 days Live at 東京キネマ倶楽部】が行われた。
  • 2008年映画「20世紀少年」オリジナル・サウンドトラックに「Brothers」を提供
  • 2008年11月29日にファースト・アルバム「半世紀の男」発売。
  • 2009年映画「20世紀少年 第2章 最後の希望」オリジナル・サウンドトラックに「Suspense」を提供

アシスタント

参考文献

  • 「解体全書 第7回 浦沢直樹」『ダ・ヴィンチ』1999年11月号、メディアファクトリー、194頁-197頁
  • 「浦沢直樹の世界」『コミックファン』1999年5号、雑草社
  • 「浦沢直樹の売れる理由 浦沢直樹VS長崎尚志」『KINO』Vol.1、河出書房新社、2006年

注釈

<references />

外部リンク

de:Naoki Urasawa en:Naoki Urasawa es:Naoki Urasawa fa:نائوکی اوراساوا fi:Naoki Urasawa fr:Naoki Urasawa id:Naoki Urasawa it:Naoki Urasawa ko:우라사와 나오키 pt:Naoki Urasawa ru:Урасава, Наоки th:นาโอกิ อุราซาว่า vi:Urasawa Naoki zh:浦澤直樹

個人用ツール