法然

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Template:特殊文字 Template:Infobox Buddhist [[File:せいし丸5251.JPG|thumb|150px|せいし丸さま
知恩院)]] 法然(ほうねん)は、平安時代末期から鎌倉時代初期の日本である。浄土宗の開祖とされる。「法然」は房号で、は「源空」(げんくう)。幼名を「勢至丸」<ref name="kosyo"/>。通称「黒谷上人」、「吉水上人」とも。

謚号は、「彗光菩薩」・「華頂尊者」・「通明国師」・「天下上人無極道心者」・「光照大士」である<ref>「彗光菩薩」…1188年後鳥羽天皇
「華頂尊者」…1237年四条天皇
「通明国師」…1244年後嵯峨天皇加謚
「天下上人無極道心者」…1440年頃(?)後花園天皇加謚
「光照大士」…1539年後奈良天皇加謚</ref><ref name="kosyo"/>。

大師号は、500年遠忌の行なわれた1711年以降、50年ごとに天皇より加謚され、{{#time:Y年}}現在「円光大師」・「東漸大師」・「慧成大師」・「弘覚大師」・「慈教大師」・「明照大師」・「和順大師」である<ref>「円光大師」…1697年東山天皇加謚
「東漸大師」…1711年中御門天皇加謚
「慧成大師」…1761年桃園天皇加謚
「弘覚大師」…1811年光格天皇加謚
「慈教大師」…1861年孝明天皇加謚
「明照大師」…1911年明治天皇加謚
「和順大師」…1961年昭和天皇加謚</ref><ref name="kosyo"/>。

『選択本願念仏集』(『選択集』)を著すなど、念仏を体系化したことにより、日本における称名念仏の「元祖」と称される。

浄土宗では、善導を「高祖」とし、法然を「元祖」と崇めている。

浄土真宗では、法然を七高僧の第七祖とし、「法然上人」・「源空上人」と称し、「元祖」と位置付ける<ref>浄土真宗では、法然を「元祖」と称し、宗祖とされる親鸞を「宗祖」(「開祖」・開山)と称す。</ref>。親鸞は、『正信念仏偈』や『高僧和讃』などにおいて、法然を「本師源空」や「源空聖人」と称し、師事できたことを生涯の喜びとした。

目次

生涯

長承2年(1133年4月7日美作国久米(現在の岡山県久米郡久米南町)の押領使漆間時国(うるま ときくに)と、母・秦氏君との子として生まれる。

四十八巻伝』(勅伝)などによれば、9歳のとき、源内武者貞明の夜討によって父を失うが、その際の父の遺言によってあだ討ちを断念する。

その後比叡山に登り、初め源光上人に師事。15歳(異説には13歳)の時に同じく比叡山の皇円の下で得度。比叡山黒谷の叡空に師事して「法然房源空」と名のる。

承安5年(1175年)43歳の時、善導の『観無量寿経疏』(『観経疏』)によって専修念仏に進み、比叡山を下りて東山吉水に住み、念仏の教えを広めた。この1175年が浄土宗の立教開宗の年とされる。

文治2年(1186年)、大原勝林院で聖浄二門を論じる。(大原問答)

建久9年(1198年)、『選択本願念仏集』を著す。

元久元年(1204年)、比叡山の僧徒は専修念仏の停止を迫って蜂起したので、法然は「七箇条制誡」を草して門弟190名の署名を添え延暦寺に送った。しかし興福寺の奏状により念仏停止の断が下される。

建永2年(承元元年・1207年)、法然は還俗され藤井元彦を名前として、土佐国(実際には讃岐国)に流罪となった。(承元の法難を参照のこと)

讃岐国滞在は10ヶ月と短いものであったが、九条家領地の塩飽諸島本島や香川県満濃町(現在の西念寺)を拠点に、75歳の高齢にもかかわらず讃岐中に布教足跡を残し、空海の建てた由緒ある善通寺にも参詣している。法然を偲ぶ法然寺(京都の法然寺とは別。讃岐に後の時代に建てられた)も高松市にある。

承元元年(1207年)12月に赦免されて讃岐を離れ、4年後の建暦元年(1211年)に京に入る。

建暦2年(1212年1月25日に死去する。享年80(満78歳没)。

なお、建暦2年1月23日に源智の願いに応じて、遺言書「一枚起請文」を記している。 thumb|150px|法然上人廟所
(知恩院)
法然の門下には弁長源智信空隆寛親鸞長西幸西道弁証空蓮生湛空らがいる。また俗人の帰依者・庇護者としては、九条(藤原)兼実宇都宮頼綱らが著名である。

思想と教え

Template:未検証 一般に、法然は善導の『観経疏』によって称名念仏による専修念仏を説いたとされている。法然の著書『選択集』では、各章ごとに善導や善導の師である道綽のことばを引用してから自らの見解を述べている。

法然においては、道綽と善導の考えを受けて、浄土に往生するための行を称名念仏を指す「正」とそれ以外の行の「雑」に分けて正行を行うように説いている。著書内で、時(時間)機(能力)に応じて釈尊の説かれた聖教のなかから自らの機根に合うものを選びとり、行じていく事が本義である事を説いた。加えて、仏教を専修念仏を行う浄土門とそれ以外の行を行う聖道門に分け、浄土門を娑婆世界を厭い極楽往生を願って専修念仏を行う門、聖道門を現世で修行を行い悟りを目指す門と規定している。また、称名念仏は末法の世でも有効な行であることを説いている。末法の世に生まれた凡夫にとって、聖道門の修行は堪え難く、浄土門に帰し、念仏行を専らにしてゆく事でしか救われる道は望めない。その根拠としては『仏説無量寿経』にある法蔵菩薩の誓願を引用して、称名すると往生がかなうということを示し、またその誓願を果たして仏となった阿弥陀仏を十方の諸仏も讃歎しているとある『仏説阿弥陀経』を示し、他の雑行は不要であるとしている。

法然の称名念仏の考えにおいて、よくみられるのが「三心」である。これは『仏説観無量寿経』に説かれていて、『選択集』・『黒谷上人語灯録』にも見られる語である。「三心」とは「至誠心」(誠実な心)・「深心」(深く信ずる心)・「廻向発願心」(願往生心)のことである。

至誠心
疑う事なくこころから阿弥陀仏を想い浄土往生を願うこと。
信心
疑いなく深く信じること。次の二つがあげられ、一つに自身が罪悪不善の身でいつから輪廻を繰り返してる救われ難い身であること、二つには、そのような罪深き身である自分を阿弥陀如来は「南無阿弥陀仏」と深く信じてとなえれば、必ず救ってくれること。この二つを「二種深心」といって信心の要とした。
廻向発願心
一切の善行の功徳を浄土往生にふりむけ、極楽浄土に生まれたいと願う心。

三心は念仏者の心得るべき根幹を為すもので、大切なものとされている。三心を身につけることについては、『一枚起請文』にて、「ただし三心四修と申すことの候うは、皆決定して南無阿弥陀仏にて往生するぞと思ううちにこもり候うなり」と述べ、専修念仏を行うことで身に備わるものであるとしている。

他力と自力については、他力の念仏を勧めている。自力は聖人にしか行えないもので千人に一人、万人に一人二人救われかどうかだとし、対して他力の念仏は、名を称えた者を救うという阿弥陀仏の四十八願を根拠として必ず阿弥陀仏が救いとってくださるとし、三心を持って念仏を行うべきとしている。

このように法然の教えは、三心の信心にもあるとおり、民衆に凡夫であるということをまず認識させ、その上で浄土に往生するためには、専修念仏が一番の道であるから勧めるから選択するべきだというものとなっている。

法脈と弟子

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著作

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脚注

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参考文献

関連項目

関連文献

  • 『法然上人絵伝』(大橋俊雄校注、全集別巻1.2、新版が岩波文庫全2巻)
  • 法然賛歌 -生きるための念仏-(寺内大吉中公新書
    • 法然のことば(寺内大吉、鈴木出版)
  • 法然 -世紀末の革命者-(町田宗鳳、法蔵館)
    • 法然対明恵-鎌倉仏教の宗教対決- (町田宗鳳、講談社選書メチエ)
  • 法然を読む -「選択本念仏集」講義-(阿満利麿、角川叢書)
  • 『梅原猛著作集.第10巻 法然の哀しみ』 (梅原猛小学館
  • 『浄土仏教の思想.第8巻 法然』 (梅原猛、講談社
    • 法然 十五歳の闇 (角川ソフィア文庫全2巻)
  • 法然と親鸞の信仰(倉田百三講談社学術文庫全2巻)
  • 『傍訳 選択本願念仏集』上下巻 (高橋弘次監修、本庄良文、善裕昭訳著 四季社
  • 浄土宗聖典 「第三・四巻」に著作原文、書き下し文、解題 (浄土宗出版部)
  • 『昭和新纂国訳大蔵経 宗典部 第3巻 浄土宗聖典』 復刻大法輪閣

外部リンク

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