気体

出典: Wikipedio


気体(きたい、Gas)は物質三態の一つ。気相である物質の状態を指す。 液体とともに、流体であるが、分子の熱運動が分子間力を上回って、液体の状態と比べ、より自由に原子または分子が自由に動ける状態。固体、液体より粒子間の距離がはるかに大きいのが普通で、そのため密度は最も小さくなる。また、圧力や温度による体積の変化が激しい。構成粒子間でのやりとりが少ないので、熱の伝導は低い。

気体状態では、原子、分子は自由かつランダムに動く熱運動をしている。また、それを構成する粒子間の引力(分子間力)は働かない。さらにその粒子の大きさ、質量共に気体の体積に比べてはるかに小さい。このために気体の状態では物質の種類を問わずに共通の性質が表れやすい。たとえば同一温度、同一気圧の下では、気体の種類を問わず同一体積中に含まれる分子数は一定である。これをアボガドロの法則という。気体分子の大きさと質量を存在しないものとした仮想の気体のモデル理想気体といい、気体の基本的性質を示すために扱われる。

臨界温度以下の気相のことを蒸気と呼ぶ。臨界温度以下で気体を圧縮していくと液体へ相転移(一次転移)する。また、ある臨界圧力以下の圧力が物質の飽和蒸気圧と等しくなる点が沸点である。

目次

気体の単離

我々は空気中で生活しているため、化学の分野など、気体を成分に分けて扱おうとすると、周囲の空気と混じってしまいやすいため、特別な工夫を必要とする。

アンモニア
二酸化硫黄 - 塩化水素 - 塩素 - 二酸化窒素
一酸化窒素 - 窒素 - 酸素 - 水素

利用

流体なので形を定めることが出来ない。しかし、固体の容器に閉じこめることで利用する例もある。柔らかな素材に閉じこめれば、体積が弾性的に変形するので、衝撃吸収の可能な素材となる。また熱伝導度が低いため、断熱の効果もある。発泡スチロールでは多数の細かい泡のような形で気体を含んでおり、これらの性質を強く示す。

気体の法則

気体についての法則は、それが理想気体であるか実在気体であるかによって分けられる。

  • 理想気体
  1. ボイルの法則

温度一定ではある量の気体の体積(V)が圧力(P)に反比例する。

<math>V \propto \frac{1}{P}</math>
PV = 一定

ある温度でVに対してPをプロットすると等温曲線として示された双曲線が現れる。ボイルの法則は体積が変化する際の気体の圧力の予測あるいは逆の場合に使用される。PもVも状態量であるから圧力と体積の初期値をp1およびv1、最終値をP2およびV2とすると <math>P_1V_1 = P_2V_2</math> これは気体の物質量と温度が一定の場合に成り立つ。

  1. シャルルの法則(ゲイリュサックの法則)

一定圧力下では、ある量の気体の体積は温度に比例する。1℃上昇するごとに、0℃のときの体積の<math>{1}/over{273.15}</math>ずつ体積が増加する。0℃、t【℃】のときの体積をそれぞれ<math>V_0, V</math>とすると

<math>V = V_0 + \frac{V_0}{273.15}t = V_0 \cdot \frac{273.15+t}{273.15}</math>

ある圧力では、温度-体積のプロットは直線を与える。上式を見てわかるように、この直線を体積0まで延長すると、-273.15度で温度軸と交わることがわかる。圧力を変えれば、体積ー温度プロットについて別の直線を得るが、どの直線も体積0の温度軸との交点はまったく同じ-273.15度になる<ref>現実的には、気体はすべて低温では凝縮して液体になるため、限定された温度範囲でしか気体の体積を測定することができない</ref>。 この現象の重要性ゆえに、-273.15度は絶対零度と名づけられ、絶対温度を開始点とする温度の目盛である絶対温度目盛が設定された<ref>1848年にスコットランドの数学者、物理学者William Thomson</ref>。現在ではケルビン温度目盛といわれ、単位をK(ケルビン)とされる。1Kは大きさとしては1℃に等しい。ケルビン温度目盛とセルシウス目盛の唯一の違いが0点位置が移動していることである。二つの目盛の関係は次式のとおりである。

<math>\frac{T}{K} = t+273.15</math>

二つの目盛を関係付ける項として、273.15の代わりに273を使うことが多い。慣習的に、絶対(ケルビン)温度を記述する場合にはTを、セルシウス温度を指す場合にはtを用いる。

絶対零度の理論的重要性は絶対零度のページで詳述するが、気体の法則の問題や熱力学の計算においては必ずセルシウス温度ではなく絶対温度を用いることが決められている。

一定圧力下では、ある量の気体の体積は絶対温度に正比例する。

<math>V \propto T</math>
<math>\tfrac{V}{T} = {}</math>一定 *1

シャルルの法則を別の形で表すと、一定体積下のある量の気体の圧力と温度との間を関係付けることができる。

<math>P \propto T</math>
<math>\tfrac{P}{T} = {}</math>一定 *2

*1および*2によって、次式のように、状態1および状態2の気体の体積ー温度と圧力ー温度の値を関係付けることができる。

n,P = 一定のとき、<math>\tfrac{V_1}{T_1} = \tfrac{V_2}{T_2}</math>
n,v = 一定のとき、<math>\tfrac{P_1}{T_1} = \tfrac{P_2}{T_2}</math>

注釈

<references/>

関連項目

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