東京臨海高速鉄道りんかい線
出典: Wikipedio
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|} りんかい線(りんかいせん)は、東京都江東区の新木場駅と東京都品川区の大崎駅を結ぶ東京臨海高速鉄道の鉄道路線である。
計画・開業時の路線名は臨海副都心線(りんかいふくとしんせん)だったが、2000年から一般公募によって決定された愛称を使用している。
大崎駅で接続する東日本旅客鉄道(JR東日本)埼京線と相互直通運転を行っている。
なお、株式会社ゆりかもめが運営する東京臨海新交通臨海線とは別の路線であり、運営会社も別である。
目次 |
路線データ
- 路線距離(営業キロ):12.2km
- 軌間:1067mm
- 駅数:8駅(起終点駅含む)・1信号場
- 複線区間:全線
- 電化区間:全線(直流1500V・架空電車線方式)
- 閉塞方式:(複線)自動閉塞式
- 保安装置:ATS-P
- 車両基地:東臨運輸区(八潮車両基地)- 場所は東京貨物ターミナル駅脇
- 地上区間:大崎駅 - 大井町駅間(東京総合車両センター付近まで)・国際展示場駅(トンネル出口は東側) - 新木場駅間
- 地下区間:大井町駅 - 国際展示場駅間
沿革
新木場 - 東京テレポート間は高度成長期に東京外環状線の一部として計画され、湾岸部の海底トンネル工事も完了していた旧国鉄京葉貨物線のうち、国鉄時代に旅客線に転用されず、国鉄分割民営化後は国鉄清算事業団が所有していた新木場 - 東京貨物ターミナル間の一部を東京臨海副都心地区の開発と同地区での開催が予定されていた世界都市博覧会(1995年開催中止決定)に伴う旅客輸送のために旅客線として開業したものである。また、東京テレポート駅構内(八潮車両基地への分岐点、品川埠頭直下) - 大崎間については新規に工事を行った上で延長開業した。
なお、同じく工事が終了していた東京テレポート駅 - 東京貨物ターミナル間は、東京貨物ターミナルの東側に車両基地を設置した上で回送線として利用されている。また新木場駅の蘇我方ではJR東日本の京葉線と線路が接続されている。
- 1996年(平成8年)3月30日 第1期区間・新木場 - 東京テレポート間開業。当時は70-000形電車4両編成での運転で、このときの路線名称は「臨海副都心線」。
- 2000年(平成12年)9月1日 「りんかい線」の愛称を使用開始。同時に路線名を臨海副都心線からりんかい線に改称。
- 2001年(平成13年)2月8日 八潮車両基地の供用開始。
- 2002年(平成14年)12月1日 第2期区間・天王洲アイル - 大崎間開業(全線開業)。同時にJR東日本埼京線と相互乗り入れを開始。これを機に埼京線直通用列車を10両編成化し、さらにりんかい線内の専用列車を6両編成化。また、この日から2003年2月28日まで開業時の運賃のままで利用できる「スピードアップキャンペーン」を実施。ただし、日中7分30秒毎の等間隔運転(1時間に8本運転)から毎時5 - 7本運転のランダムダイヤとなり減便された。
- 2004年(平成16年)10月16日 全列車10両編成化。これ以降、JR車両も一部はりんかい線内のみを運行するようになる。
- 2008年(平成20年)7月19日 東京テレポート駅において発車のベル音(公式ホームページでの呼称)を『踊る大捜査線』のテーマ曲に変更(詳細は後述)。りんかい線の駅でご当地メロディが導入されるのは初めて。
運行形態
390px|none|thumb|乗り入れ先の東日本旅客鉄道 埼京線・川越線を含めた路線図
[[http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a6/Linemap_of_East_Japan_Railway_Company_Saikyo_Line.PNG 拡大して見る]]
大崎からJR埼京線に直通し、川越線の川越駅まで相互乗り入れを実施している。これにより、りんかい線新木場駅から埼京線経由で川越線川越駅までは一つの運転系統として成立している。
りんかい線内は新木場 - 大崎間の全線を通して運転する列車のほか、八潮車両基地への出入りのために東京テレポート発着の列車も設定されている。日中は20分サイクルで川越発着の快速(りんかい線内各駅停車)が1本、新木場 - 大崎間の線内運転が1 - 2本のパターンダイヤとなっている。
りんかい線内では快速および通勤快速を含めて全列車が各駅に停車する。
10両編成化に伴い、自社車両だけではなくJR車である205系もりんかい線内での折り返し運転に使用されている。
東京ディズニーリゾート玄関口の京葉線舞浜駅への短絡ルートとして、時折JR東日本中央線や東海道線などからりんかい線を通り、京葉線へ直通する団体客向けの臨時列車が運転される。
大崎開業前は混雑が予想される日には特別ダイヤを組んで対応していたが、開業後はあまり実施されなくなった。ただし、大晦日にはJRからの直通臨時列車が設定される場合もあるほか、東京湾大華火祭、コミックマーケット期間等にも臨時列車が設定される。
使用車両
このほか、臨時列車や団体専用列車として183系やE257系、485系のお座敷列車「華」、検測車のE491系が乗り入れたことがある。
りんかい線の地下区間は、トンネル内径が広く非常時に列車側部に脱出することが可能<ref>りんかい線は、現行法令「新鉄道技術省令」の解釈基準における「建築限界と車両限界の基礎限界との間隔が側部において400mm未満の区間」には該当しない。</ref>なため、列車の先頭部と最後部に非常時脱出用貫通扉を装備していない系列であっても地下鉄等旅客車であれば走行は可能である。
女性専用車
女性専用車は、埼京線と同じく、7時46分 - 9時41分に大崎駅を発車する新木場方面行全列車と22時34分以降に新木場駅を発車する大崎方面行全列車で、ともに平日のみに設定。設定車両は新木場方先頭車両である10号車。
利用状況
※全線開業以降
- 2003年度 1日平均利用者数12.2万人 営業収益94億3,600万円 増加率--
- 2004年度 1日平均利用者数13.3万人 営業収益101億8,800万円 増加率8.0%
- 2005年度 1日平均利用者数15.0万人 営業収益115億6,300万円 増加率13.5%
- 2006年度 1日平均利用者数16.4万人 営業収益128億5,100万円 増加率11.1%
- 2007年度 1日平均利用者数18.5万人 営業収益142億3,900万円 増加率10.8%
- 2008年度 1日平均利用者数20.2万人 営業収益76億5,700万円 増加率8.3%(4 - 9月)
臨海副都心や品川、江東湾岸地区の開発により、利用者数は増加傾向にある。
駅一覧
- 全線東京都内に所在。線内は快速を含め全定期列車が全駅に停車する。
駅名 | 駅間キロ | 営業キロ | 接続路線 | 所在地 |
---|---|---|---|---|
新木場駅 | - | 0.0 | 東日本旅客鉄道:京葉線 東京地下鉄:18px|有楽町線有楽町線 (Y-24) | 江東区 |
東雲駅 | 2.2 | 2.2 | ||
国際展示場駅 | 1.3 | 3.5 | ゆりかもめ:東京臨海新交通臨海線(有明駅:U-12) | |
東京テレポート駅 | 1.4 | 4.9 | ゆりかもめ:東京臨海新交通臨海線(お台場海浜公園駅:U-06, 青海駅:U-10) | |
品川埠頭分岐部信号場 | - | (6.8) | 八潮車両基地への引込線が分岐 | |
天王洲アイル駅 | 2.9 | 7.8 | 東京モノレール:東京モノレール羽田線 | 品川区 |
品川シーサイド駅 | 1.1 | 8.9 | ||
大井町駅 | 1.6 | 10.5 | 東日本旅客鉄道:京浜東北線 東京急行電鉄:大井町線 | |
大崎駅 | 1.7 | 12.2 | 東日本旅客鉄道:埼京線(大宮駅経由川越線川越駅まで直通運転) ・山手線・湘南新宿ライン |
運賃
大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2004年12月1日現在。
キロ程 | 運賃(円) |
---|---|
初乗り - 3km | 200 |
4 - 6 | 260 |
7 - 9 | 320 |
10 - 13 | 380 |
- 2002年12月1日の全線開業時から2003年2月28日までの3か月間は、「スピードアップキャンペーン」として、2002年11月30日までの運賃が適用されていた。
- 2007年4月28日より「1日乗車券」を発売している。大人700円・子供350円。大崎駅以外のりんかい線各駅窓口で購入が可能。
- 2008年3月15日より通学定期運賃の割引率を50%から70%に拡大した(値下げ)。
- 1か月間の通勤定期券はいずれの区間も普通運賃の39倍(19.5往復分)であり、通勤日数によっては割高になるため、回数券で通勤する旅客も多い。
乗車券の取り扱い
- 乗車カードはSuicaが使用可能である(相互利用可能なカードはSuicaを参照のこと)。Suicaは東京臨海高速鉄道(水色面のりんかいSuica)、JR東日本(黄緑色面のSuica)、東京モノレール(オレンジ色面のモノレールSuica)で発行しているものすべてが使用可能。かつてはパスネットも自動改札機のみ使用できたが、2008年3月14日で取り扱いを終了しており、現在は有人改札での精算・自社線完結の普通乗車券の購入のみに使用できる。なお、りんかい線では当初から自動券売機や自動精算機でのパスネットの使用はできなかった。
- パスネットは2000年10月14日の導入開始時から、Suicaは2002年12月1日の全線開通および埼京線乗り入れ開始時から導入されており、東京臨海高速鉄道では両方を発行していた。この2種類のカードを発行していた鉄道事業者は東京臨海高速鉄道のみである。これは、東京臨海高速鉄道の大株主が、東京都(東京都交通局)=パスネット、JR東日本=Suicaと双方の陣営にもあることが影響している。
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)が発行しているICOCAは2004年8月1日、東海旅客鉄道(JR東海)が発行しているTOICAは2008年3月29日、北海道旅客鉄道(JR北海道)が発行しているKitacaは2009年3月14日、それぞれSuicaとの相互利用開始時から利用可能となっている。
- イオカード(磁気式)はりんかい線内では利用できなかったため、イオカードを使用してJR線から大崎経由でりんかい線に入った場合は窓口精算を行う必要があった。2006年2月10日をもってJRでのイオカードの自動改札機での利用が終了しているため、現在は行われていない。
- 東京臨海高速鉄道はパスネット加盟社だったが、2007年3月18日に開始されたPASMOを加盟社局の中では唯一導入せず、ICカードは既に導入しているりんかいSuicaのみとした(PASMOとSuicaは相互利用ができるため)。また、同線内でのSuicaの利用者増加に伴い、同日までにりんかい線内自動券売機でのパスネットの発売を終了した。
- Suica・PASMO・パスネットとも、自動改札機・自動券売機・自動精算機・窓口処理機での使用後に表示・印字される駅名には頭に「臨」が表示される(パスネットは乗車駅欄のみ。Suicaは大崎駅では表示されない)。なお、ICOCA・TOICAではSuicaエリア以外で表示・印字されると異なる表示がされる。
- JR東日本が発売する特別企画乗車券ホリデー・パスの利用が可能であるが、この路線の駅では発売されない。しかし同様に、この乗車券が利用可能な東京モノレールの羽田空港第1ビル駅と羽田空港第2ビル駅では発売されている。
直通運転について
Template:See also りんかい線は、大崎駅経由でJR埼京線と相互乗り入れを行い、新木場駅でJR京葉線に乗り換える乗客も少なくないにもかかわらず、りんかい線と京葉線との直通運転は実施されていない。これは、常時直通運転させるためには多額な設備投資が必要になることや、りんかい線が建設費の償還のためJRより相当に割高な運賃を設定しており、JRとの運賃配分で問題が生じやすいためである。また、京葉線との直通運転が行われた場合、東京地下鉄東西線の一部列車と同様に、事実上両側をJR線に挟まれた乗り入れになるため、不正乗車が多発するおそれがある。そのため、現状では、りんかい線とJR京葉線の直通運転は運賃の回収が確実な団体客向けの臨時列車のみとなっている。
その他
- 社団法人日本地下鉄協会に加盟しているため地下鉄として扱われることもある。しかし国土交通省監修の統計資料<ref>例えば、
等。</ref>では地下鉄としては扱われていない。
- 2000年の改称後は「りんかい線」の名称が定着し、旧名称である「臨海副都心線」<ref>国土交通省監修の資料『鉄道要覧』では、平成9年度版で「臨海副都心線」となっている路線名称が平成18年度版では「りんかい線」に変更されている。</ref>が使用される機会は減ったが、駅構内の乗換え案内や携帯電話向け乗換え経路検索「NAVITIME」などに「臨海副都心線」の旧名称が現存する。
- 発車メロディや操作用のスイッチなどは、JR東日本で使用されているものと全く同じで、JRと共用している大崎以外では「Water Crown」「Cielo Estrellado」「Gota del Vient」)を使用しており、操作方法も同じである。なお、東京テレポート駅では2008年7月19日より『踊る大捜査線』のテーマソングをアレンジしたものに変更されている(1番線〈大崎方面〉:C.X.、2番線〈新木場方面〉:Rhythm And Police)。一部の駅を除き、基本的に発車メロディは時間の関係などであまり長く流れることは少ない。
- 東京テレポート駅 - 東京貨物ターミナル駅(八潮車両基地)を結ぶ海底トンネル・東京港トンネルは旧国鉄の京葉貨物線の一部として建設されたもので、沈埋工法で建設されたためにトンネル断面形状はボックスケーソンの四角形となっている。一方、りんかい線開業に伴って新たに掘削された品川埠頭分岐点 - 天王洲アイル駅間についてはシールド工法で建設されたため、トンネル断面形状は円形である。東京テレポート駅 - 天王洲アイル駅間にある品川埠頭分岐点が接続部で、トンネル断面形状が変化する。
- 駅自動放送は上りを長谷川浩大、下りを豊田真由美が担当している。2001年の天王洲アイル開業前は上りを村山明、下りをよしいけいこが担当していた。
- 大崎駅以外の全駅にFREESPOTによる公衆無線LANアクセスポイントが設置されている。
脚注
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関連項目
外部リンク
Template:日本の地下鉄en:Rinkai Line ko:도쿄 임해 고속 철도 린카이 선 zh:臨海線 (東京臨海高速鐵道)