日食

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プライバシー・ポリシー Wikipedioについて 免責事項 thumb|right|200px|2006年3月のトルコでの皆既日食 日食(にっしょく、元の用字は日蝕。solar eclipse)とは太陽によって覆われる現象である。

目次

種類

月の地球周回軌道および地球公転軌道は楕円であるため、地上から見た太陽と月の視直径は常に変化する。月の視直径が太陽より大きく、太陽の全体が隠される場合を皆既日食(total eclipse)という。逆の場合は月の外側に太陽がはみ出して細い光輪状に見え、これを金環日食(または金環食。annular eclipse)と言う。

皆既日食と金環日食、および後述の金環皆既日食を中心食と称する。

中心食では本影と金環食影が地球上に落ちて西から東に移動しその範囲内で中心食が見られ、そこから外れた地域では半影に入り太陽が部分的に隠される部分日食が見られる。半影だけが地球にかかって、地上のどこからも部分食しか見られないこともある。

場合によっては月と太陽の視直径が食の経路の途中でまったく同じになるため正午に中心食となる付近で皆既日食、経路の両端では金環日食になることがありこれを金環皆既日食(hybrid eclipse)と呼ぶが、頻度は少ない。

また日の出の際に太陽が欠けた状態で上る場合を特に日出帯食、逆に欠けた状態で日の入りを迎える場合を日没帯食と呼ぶ。この場合、いずれも食の最大を迎える前と食の最大を過ぎた後に分類される。

観測

thumb|right|200px|ダイヤモンドリング 皆既日食の際、普段は光球の輝きに妨げられて見ることができないコロナ紅炎の観測が可能になり太陽の構造・物理的性質を調べる絶好の機会となり、太陽のみならず恒星一般の研究にも大きな役割を果たす。

月の表面にある起伏の谷間から太陽の光が点々と見える状態になることがある。これを発見者の名を取ってベイリーの数珠といい、古くから月に起伏がある証拠とされてきた。

また太陽がすべて隠れる直前と直後(より正確には直後のみ:直前はリングにあたるコロナが見えないので)には太陽の光が一ヵ所だけ漏れ出て輝く瞬間があり、これをダイヤモンドリングと言う。

皆既日食が起こると空がかなり暗くなり星の観測も可能な状態になる。そのわずかな時間を利用して1919年一般相対性理論の検証がアーサー・エディントンによって行なわれた。

皆既日食中に太陽周辺の星を観測すると、星からの光は太陽の重力場を通ってきて屈曲することになる。一般相対性理論で予想される方向と実際に観測された方向とを比較することで、一般相対性理論の確かさが確認された。

観測の時の注意点

日光には、有害な紫外線などが含まれるため日光を直接観測すると網膜の軽いやけど後遺症、まれに失明を引き起こすことがある。すすのついたガラスや黒い下敷きによる遮光では不十分であり、専用の道具(日食グラスなど)で観測するのが鉄則だとされている。

原因

太陽は黄道を1年で1周し、月は白道を約1か月で1周する。もし黄道と白道とが一致していればには必ず日食が、には必ず月食が起こることになる。しかし実際には黄道と白道とは約5度の傾きでずれているため、日食や月食が起こるのは太陽・月が黄道・白道の交わる点(月の昇交点・降交点)付近にいる時に限られる。

太陽が交点付近にいる期間を食の季節と言い、食はこの期間以外には起こらない。

食の季節は通常は年2回だが、3回ある年もある。これは交点が太陽の動く方向と逆向きに動いているためであり、その周期は約19年である。食の季節には日食が少なくとも1回、多い時には2回起こる。よって日食は年に2 - 4回は起きることになり、まれには5回起こる(1935年)。逆に、食の季節であっても月食は起きないこともある。

しかし日食は月の影に入った地域でしか観測できないため、地球全体で見れば日食は頻繁に起きていてもある地域に限定すると日食が観測されるのは少ないことになる。月食は月食が発生している時に月が見えていれば必ず観測できるので、一般には月食の方が頻繁に起きていると認識されていることが多い。

ある日食から18年と10日(閏年の配置によっては11日)と8時間たつと、経度にして120度西の地点でよく似たタイプの日食が起こることが知られている。この周期は「サロス周期」と呼ばれ、紀元前から日食の予想に使われていたといわれている。

日食の経過

影の移動に基づく日食の経過

thumb|400px|right|1999年8月11日の皆既日食の経過

  • 月の半影錐が地球を横切り始めると部分食が始まる。
  • 月の本影錐が地球を横切り始めると皆既食または金環食が始まる。本影によって起こるこの2つの食を合わせて中心食と呼ぶ。
  • 月の本影錐の軸が地球表面上を移動した軌跡を中心食線と呼び、この線上では太陽と月が同心円となる。
  • 地球表面上での本影の面積が最大になる時点を食の最大または食甚と呼ぶ。
  • 月の本影錐の軸が地球表面を横切り終わった所で中心食線は終わる。
  • 月の本影錐が地球を横切り終わると皆既食または金環食が終わる。
  • 月の半影錐が地球を横切り終わると部分食が終わる。

月と太陽の位置関係に基づく日食の経過

  • 月が太陽を隠し始めた瞬間を第1接触と呼ぶ。
  • 月縁が太陽の輪郭の内部に完全に含まれた瞬間(金環食の場合)、または月によって太陽が完全に隠された瞬間(皆既食の場合)を第2接触と呼ぶ。
  • 月が太陽の輪郭の外に出始めた瞬間(金環食の場合)、または太陽が月の背後から再び現れた瞬間(皆既食の場合)を第3接触と呼ぶ。
  • 月縁が太陽から完全に離れた瞬間を第4接触と呼ぶ。
  • それぞれ第1接触を初虧(しょき)、第2接触を食既(しょっき)、食の最大(中心食)を食甚(しょくじん)、第3接触を生光(せいこう)、第4接触を復円(ふくえん)ともいう。

神話に登場する日食

近代天文学が確立する以前、多くの文明で日食や月食を説明する神話が長い間語り継がれてきた。これらの神話の多くでは、日月食は複数の神秘的な力の間の対立や争いによって起こるとされた。例えばヒンドゥー教の神話では食が起こる月の昇交点がラーフ(Rahu)、降交点がケートゥ(Ketu)という2人の魔神として擬人化されこの二神の働きによって食が起こると考えられた。この二神が象徴する二交点は後に古代中国で羅睺星・計斗星の名で七曜に付け加えられ、九曜の一員を成している。<ref>ラーフは仏教釈迦の息子の名・ラーフラ(Rāhula。漢訳、羅睺羅、らごら)にも用いられたことで知られる。ただし、ラーフラについては別の説もある。古代のインド語では「ラーフ」はナーガ(竜)の頭、「ケートゥ」は尻尾をも意味した。そしてシャカの一族のトーテムは、他ならぬナーガであった。このことからラーフラとは古代インドの言い回しで「竜の頭」を意味したと考えられ、「ナーガの頭になる者」が生まれたことを歓喜した釈迦が名づけたという説である。根拠は古来インドでは一族の跡継ぎがなければ出家することはできず出家を願っていた釈迦には息子の誕生はまたとない吉報であること、また釈迦の父・浄飯王もこの命名を喜んでいることである。</ref>

また北京天文台には日食神話を描いた石の彫刻があり、以下のような説明が添えられている。

「この彫刻の絵は日食の原因を説明している。金烏(太陽の象徴)の中心がヒキガエル(月の象徴)によって隠されている。時代の人々はこの現象を太陽と月の良い組み合わせと呼んでいた。」

ここで金烏とは金色(太陽)の中にいるという三本足の八咫烏を参照のこと)であり、ヒキガエルは月のクレーターの形に由来するものである。この解説文からは、当時の文化において天文現象としての事実の認識と現象に対する愉快な見立てとが両立していたことが窺える。

ヴァイキングたちの伝承を記した『スノッリのエッダ』ではスコルと呼ばれる狼が太陽を常に追いかけており、狼が太陽に追いつくと日食になるという記述がある。そして、世界の終わりの日に狼はついに太陽を完全に飲み込んでしまうという。

他の文化圏では日月食は驚くべき、かつ恐ろしい現象とする場合も多かった。クリストファー・コロンブスが西インド諸島に航海した際、服従の意思を示さない原住民を罰するために日食を起こしてみせて(実際は日食の起こる日を知っていただけ)、パニックになった原住民が彼に服従したというエピソードは有名であるが、文献上の証拠は怪しい。

現在のところ過去の特定の日食現象には同定されていない。計算上は、邪馬台国の時期に日本列島で日食が2回起きた可能性がある。卑弥呼が死んだとされる247年248年である。国立天文台の谷川清隆・相馬充らは、「特定された日食は『日本書紀推古天皇36年3月2日628年4月10日)が最古であり、それより以前は途中の文献がないため地球自転速度低下により特定できない」としている<ref>中国・日本の古代日食から推測される地球慣性能率の変動。</ref>。

今後見られる日食

2100年までのものについて挙げる。データはNASAのものに基づく。日時は原データではUTCだが日本時間を用いた。

Template:予定

日付種類説明
2010年7月11日皆既イースター島を含むポリネシアチリ南部およびアルゼンチン南部。
2011年1月4日部分ヨーロッパ大陸では日の出直後に食が最大となる。北アフリカから中東まで広い範囲で部分食を観測できる。食分は最大0.858
2011年6月2日部分アイスランドグリーンランドアラスカ州、カナダ北部、ロシア沿海州などで部分食を観測可能。日本では北日本を中心に見える。最大の食分は0.601
2011年11月25日部分南極大陸、南アフリカ共和国タスマニア州(オーストラリア)、ニュージーランド南部で部分食。最大の食分は0.905
2012年5月21日金環日本ではトカラ列島屋久島種子島九州地方の一部(中部から南部)、四国地方の一部、近畿地方南部、中部地方南部、東海地方の大部分、関東地方の大部分、東北地方南部で観察可能。その他の地域でも部分的に欠ける。
2012年11月14日皆既オーストラリア北部(ケアンズなど)で観測できる。
2013年5月10日金環
2013年11月3日金環
皆既
中部アフリカガボンコンゴ共和国など)、東アフリカウガンダケニヤエチオピアなど)で観測できる。
2014年4月29日金環
2014年10月23日部分
2015年3月20日皆既北極アイスランドなどで観測できる。
2015年9月13日部分
2016年3月9日皆既インドネシアで観測できる。日本では部分的に欠ける。
2016年9月1日金環アフリカ大陸,マダガスカルで観測できる。
2017年2月26日金環南アメリカ,アフリカで観測できる。
2017年8月21日皆既皆既日食帯がアメリカ合衆国を横断。アメリカ西部(西海岸オレゴン州)から東部(サウスカロライナ州)まで幅広い範囲で観測できる。
2018年2月15日部分
2018年7月13日部分
2018年8月11日部分
2019年1月6日部分日本でも見える。
2019年7月3日皆既太平洋南米チリアルゼンチンで観測できる。
2019年12月26日金環関東より北で日没帯部分日食。
2020年6月21日金環日本全国で部分日食が観測可能。
2020年12月14日皆既2019年に観測できる皆既日食より南部の南米チリ、アルゼンチン(パタゴニア)で観測できる。
2021年6月10日金環アラスカ,北極,ロシアで観測できる。
2021年12月4日皆既南極大陸で観測できる。
2022年4月30日部分
2022年10月25日部分
2023年4月20日金環
皆既
インドネシアで観測可能。九州~東海の南岸でも僅かに欠ける。
2023年10月14日金環北アメリカ中央アメリカ南アメリカで観測できる。
2024年4月8日皆既メキシコアメリカ合衆国カナダなどで観測可能。アメリカ国内では、皆既日食帯が南部のテキサス州や北東部のニューヨーク州も通る。
2024年10月2日金環南アメリカで観測できる。
2025年5月29日部分
2025年9月21日部分
2026年2月17日金環南極で観測できる。
2026年8月12日皆既ヨーロッパ,グリーンランド北極で観測できる。
2027年2月6日金環南アメリカ,アフリカで観測できる。
2027年8月2日皆既地中海,中近東で観測できる。
2028年1月26日金環南アメリカ,ヨーロッパで観測できる。
2028年7月22日皆既オーストラリア,ニュージーランドで観測できる。
2029年1月14日部分
2029年6月12日部分
2029年7月11日部分
2029年12月5日部分
2030年6月1日金環地中海,ロシアと北部と南部を除いた北海道の大部分で金環食。2012年5月21日の金環食とは同じサロス周期。
2030年11月25日皆既アフリカ,オーストラリアで観測できる。
2031年5月21日金環九州の南部以南でも部分的に欠ける。
2031年11月14日金環
皆既
中央アメリカで観測できる。
2032年5月9日金環
2032年11月3日部分関東から北で日没帯食。
2033年3月30日皆既南極海の海上を通るため観測は船上となる。
2033年9月23日部分
2034年3月20日皆既アフリカ,中近東,中国の一部で観測できる。
2034年9月12日金環南アメリカで観測できる。
2035年3月9日金環ニュージーランドで観測できる。
2035年9月2日皆既日本でも能登半島石川県穴水町)と北関東茨城県を結ぶ一帯で観測可能。
2036年2月27日部分
2036年7月23日部分
2036年8月21日部分
2037年1月16日部分
2037年7月13日皆既-オーストラリアニュージーランドで観測できる。
2038年1月5日金環-中央アメリカアフリカで観測できる。
2038年7月2日金環-中央アメリカアフリカで観測できる。
2038年12月26日皆既オーストラリアで観測できる。
2039年6月21日金環-アラスカグリーンランドで観測できる。
2039年12月15日皆既南極で観測できる。
2040年5月11日部分
2040年11月4日部分
2041年4月30日皆既アフリカで観測できる。
2041年10月25日金環北陸から中部地方東海地方伊豆諸島などで観測可能。
2042年4月20日皆既日本の南海上。日本の陸地では伊豆鳥島のみ観測可能。
2045年8月12日皆既北アメリカ,中央アフリカ,南アメリカで観測できる。
2046年2月6日金環東南アジア,ハワイ,アメリカで観測できる。日本では部分日食となる。
2047年1月26日部分-日本で部分日食が見られる。
2047年6月23日部分
2047年7月22日部分
2047年12月16日部分
2048年6月11日金環北アメリカで観測できる。
2048年12月5日皆既南アメリカで観測できる。
2049年5月31日皆既南アメリカで観測できる。
2049年11月25日金環中近東,東南アジアで観測できる。
2050年5月20日金環
2050年11月14日部分
2051年4月11日部分
2051年10月4日部分
2052年3月30日皆既北アメリカで観測できる。
2052年9月22日金環東南アジア,メラネシアで観測できる。
2053年3月20日金環東南アジアで観測できる。
2053年9月12日皆既地中海,中近東,東南アジアで観測できる。
2054年3月9日部分
2054年8月3日部分
2054年9月1日部分
2055年1月27日部分
2055年7月24日皆既アフリカで観測できる。
2056年1月16日金環太平洋,ライン諸島,中央アメリカで観測できる。
2056年7月12日金環エクアドル,南アメリカで観測できる。
2057年1月5日皆既大西洋,太平洋を通るが、ケープタウンでは、よく観測できる。
2057年7月2日金環ロシア,アラスカ,カナダで観測できる。
2058年12月16日皆既南極で観測できる。
2059年5月11日皆既エクアドル,ブラジルで観測できる。
2059年11月5日金環スペイン,フランスの一部,アンドラ,アフリカ,東南アジアで観測できる。
2060年4月30日皆既リオデジャネイロ市,アフリカ,トルコ,アジアの中央部で観測できる。
2060年10月24日金環アフリカで観測できる。
2061年4月20日皆既北極,ヨーロッパで観測できる。
2061年10月13日金環南アメリカで観測できる。
2062年3月11日部分
2062年9月3日部分
2063年2月28日金環東南アジアで観測できる。日本だと福岡では欠ける。
2063年8月24日皆既ロシアを通り津軽海峡を挟み青森県北部や道南で観測できる。
2064年2月17日金環アフリカ,インドで観測できる。
2065年2月5日部分
2065年7月3日部分
2065年8月2日部分
2065年12月27日部分
2066年6月23日金環ロシア,アラスカで観測できる。日本だと札幌市では部分食となる。
2066年12月16日皆既オーストラリア,ニュージーランドで観測できる。
2067年6月11日金環南アメリカで観測できる。
2068年5月31日皆既オーストラリア,ニュージーランドで観測できる。
2068年11月24日部分
2069年4月21日部分
2069年5月21日部分
2069年10月15日部分
2070年4月11日皆既南西諸島、日本の南海上。皆既日食帯が宮古島および沖縄本島のすぐ南海上を通る。ベヨネース列岩須美寿島で観測可能。他にインド洋,東南アジアで観測可能。
2070年10月4日金環アフリカで観測可能。
2071年3月31日金環南アメリカ,アフリカで観測可能。
2071年9月23日皆既北アメリカ,南アメリカで観測可能。
2072年3月19日部分
2072年9月12日皆既ロシアで観測可能。
2073年2月7日部分
2074年1月27日金環アフリカ,インド洋,東南アジア,日本の観測可能。
2074年1月27日金環鹿児島県南部の薩摩半島種子島屋久島などで観測可能。
2074年7月13日金環ヨーロッパ,ロシア
2075年1月16日皆既南アメリカで観測可能。
2075年7月14日金環ヨーロッパ,ロシアで観測可能。
2076年1月6日皆既南極で観測可能。
2076年6月1日部分
2076年7月1日部分
2077年5月22日皆既オーストラリア,ソロモン諸島で観測可能。
2077年11月15日金環北アメリカ,中央アメリカ,南アメリカで観測可能。
2078年5月11日皆既北アメリカで観測可能。
2078年11月4日金環南アメリカで観測可能。
2079年5月1日皆既北アメリカ,グリーンランドで観測可能。
2079年10月24日金環ニュージーランドで観測可能。
2080年3月21日部分
2080年9月13日部分
2081年3月10日金環南アメリカ,アフリカで観測可能。
2081年9月3日皆既ヨーロッパ,中近東,東南アジアで観測可能。
2082年2月27日金環南アメリカ,ヨーロッパで観測可能。
2082年8月24日皆既東南アジアで観測可能。日本では、大阪などが部分食となる。
2083年2月16日金環
2083年7月15日部分
2083年8月13日部分
2084年1月7日部分
2084年7月3日金環ロシア,アラスカで観測可能。
2084年12月27日皆既
2085年6月22日金環沖縄本島北部、大東諸島の一部で観測可能。インド,中国も観測できる。
2085年12月17日金環日本では部分食。
2086年6月11日皆既北アメリカで観測可能。
2086年12月6日金環日本では部分食。
2087年5月2日部分
2087年6月1日部分
2087年10月27日部分
2088年4月21日皆既アフリカ,ヨーロッパ,ロシアで観測できる。
2088年10月14日金環南アメリカで観測可能。
2089年4月10日金環オーストラリアで観測可能。
2089年10月4日皆既先島諸島付近。尖閣諸島宮古島北部で観測可能。
2090年3月31日部分
2090年9月23日皆既グリーンランド,ヨーロッパで観測可能。
2091年2月18日部分
2091年8月14日皆既
2092年2月7日金環南アメリカ,アフリカで観測可能。
2092年8月3日金環アフリカで観測可能。
2093年1月27日皆既オーストラリア,ニュージーランドで観測可能。
2093年7月23日金環北アメリカ,ヨーロッパで観測可能。
2094年1月16日皆既南極で観測可能
2094年6月12日部分
2094年7月12日部分
2095年6月2日皆既アフリカで観測可能。
2095年11月27日金環中国地方四国地方近畿地方の一部、小笠原諸島などで観測可能。
2096年5月22日皆既東南アジア,日本では部分食が見られる。
2096年11月15日金環東南アジア,オーストラリア,ニュージーランドで観測可能。日本では,福岡などが部分的に欠ける。
2097年5月11日皆既アラスカ,スバールバル諸島で観測可能。
2097年11月4日金環南極で観測可能。
2098年4月1日部分
2098年9月24日部分
2098年10月24日部分
2099年3月21日金環マルキーズ諸島で観測可能。
2099年9月14日皆既北アメリカで観測可能。
2100年3月10日金環東南アジア,ハワイ諸島,北アメリカで観測可能。
2100年9月4日皆既中部アフリカ東アフリカインド洋マダガスカルで観測可能。

thumb|200px|木洩れ日の影、日食で太陽が欠けていることがわかる、2009年7月22日、沖縄県八重山郡

日本での記録

皆既日食

628年4月10日推古天皇36年3月2日
日本で記録に残っている最古の日食。『日本書紀』の推古36年3月の条に、「三月丁未朔、戊申日有蝕尽之」(三月、丁未の朔にして戊申に、日、蝕え尽きたること有り)と日食が推古天皇36年3月2日(628年4月10日)にあったことが記録されている。部分日食だったとされているが、皆既日食だったとする説もある。
975年8月10日天延3年7月1日
日本紀略』に「天延三年七月一日辛未、(中略)、卯辰刻皆虧、如墨色無光、群鳥飛亂、衆星盡見、詔書大赦天下、(以下略)」(天延三年七月一日辛未(975年8月10日)、卯辰の刻に皆虧(午前七時に皆既)、墨色のごとくにて光なし、鳥が群がって乱れ飛び、多くの星が見え、天下に大赦を発布す)<ref>古事類苑>天部一>日>日蝕【入】 第1巻41頁</ref>と書かれており、皆既日食があったことが記録されている。中国地方から関東地方にかけて見られ、時の政府は天下に大赦を発布している。この時の天文博士安倍晴明だった。
1963年7月21日
早朝、北海道の富良野から知床半島にかけて観測された。網走では、35秒間の皆既日食が見られた。
1988年3月18日
日本で観測できた20世紀最後の皆既日食。小笠原諸島の硫黄島東方沖海上で、数台の大型船の甲板上によって観測された。この年以降、海外への日食ツアーが認知され参加者も増えるようになった。
2009年7月22日
インド中華人民共和国南部、琉球列島、西太平洋にかけての地域で皆既日食が観測された。詳細は2009年7月22日の日食を参照

金環日食

1183年11月24日寿永2年閏10月1日
平家物語源平盛衰記に記されている水島の合戦のさなかに起こった日食。食分は95%程度とされる。天文博士を擁する朝廷側の平家はこの日、日食が起こることを知っていて太陽が欠けていくことに恐れ混乱する木曽源氏に対して戦いを有利に進め平家が勝利した。以下は、源平盛衰記の記述。
「寿永二年閏十月一日(1183年11月24日)、水島にて源氏と平家と合戦を企つ。城の中より 勝ち鼓をうってののしりかかるほどに、天俄(にわか)に曇て、日の光もみえず、闇の夜のごとくなりたれば、源氏の軍兵ども日蝕とは知らず、いとど東西を失いて、舟を退いていずちともなく風にしたがいてのがれゆく。平氏の兵(つわもの)どもはかねて知りにければ、いよいよ時(の声)をつくりて、重ねて攻め戦う。」
1987年9月23日
沖縄本島をすっぽり覆い隠すように金環帯が通過。沖縄の本部町では金環帯の中心線が通過したので、真円での金環日食が観測された。

日食予報

古代において、日食は重大な関心を持たれていた。『史記』においては専横を敷いていた前漢の最高権力者呂后が日食を目の当たりにし「悪行を行ったせいだ」と恐れ、『晋書』天文志では太陽を君主の象徴として日食時に国家行事が行われれば君主の尊厳が傷つけられて、やがては臣下によって国が滅ぼされる前兆となると解説しており予め日食を予測してこれに備える必要性が説かれている。

このため、日本朝廷でも持統天皇の時代以後に暦博士が日食の予定日を計算し天文博士がこれを観測して密奏を行う規則が成立した。養老律令の儀制令・延喜式陰陽寮式には暦博士が毎年1月1日に陰陽寮に今年の日食の予想日を報告し、陰陽寮は予想日の8日前までに中務省に報告して当日は国家行事や一般政務を中止したとされている。六国史には多くの日食記事が掲載されているが、実際には起こらなかった日食も多い。ただしこれは日食が国政に重大な影響を与えるとする当時の為政者の考えから予め多めに予想したものがそのまま記事化されたためと考えられ、実際に日本の畿内(現在の近畿地方)で観測可能な日食(食分0.1以上)については比較的正確な暦が使われていた奈良時代平安時代前期の日食予報とほぼ正確に合致している。

日食が登場する作品

脚注

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関連項目

外部リンク

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