御宿かわせみ
出典: Wikipedio
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Template:文学 『御宿かわせみ』(おんやどかわせみ)は、平岩弓枝作の連作時代小説シリーズ。旅籠「かわせみ」を舞台にした人情捕物帖。
『小説サンデー毎日』Template:和暦2月号から隔月で連載される。第33話掲載後、『小説サンデー毎日』休刊のため一時中断した。1982年に出版社を替え『オール讀物』で連載が再開された。2005年11月号掲載作品をもって終了。同誌2007年1月号より、時代が明治維新以降に飛び、子ども世代を主とした『新・御宿かわせみ』となっている。
1973年にTBSの『東芝日曜劇場』で「秋の螢」のタイトルでドラマ化され、以降NHKやテレビ朝日などでテレビドラマ化されている。
目次 |
設定
Template:ネタバレ 時は江戸時代末期、ところは江戸大川端。腕利きの同心だった父を亡くした庄司るいは、家督を親戚に譲り、大川端に旅籠「かわせみ」をひらく。一つ年下の幼なじみで恋人の神林東吾は、奉行所与力の弟。東吾の友人で八丁堀の定廻り同心の畝源三郎や、医者で将軍家御典医の倅の天野宗太郎、かわせみの奉公人嘉助・お吉らとともに市井の事件を解決していく。
連作の初期から中期には、身分違いを気にするるいと東吾のなかなか進展しない恋愛模様が長く描かれ、いわば永遠の青春の呈を表していたが、近年では東吾の出仕、るいとの結婚と子供の誕生と、幕末の時代の流れの中でそれぞれの登場人物の時間が動いていくさまが描かれるようになってきている。
作品一覧
本編
通し番号は毎日新聞社発行のものからの通算(文藝春秋サイトでは異なる)
- 御宿かわせみ(1974年、毎日新聞社 / 1979年3月、文春文庫 / 2004年3月、文春文庫【新装版】)
- 「初春の客」「花冷え」「卯の花匂う」「秋の螢」「倉の中」他3編
- 江戸の子守唄(1975年、毎日新聞社 / 1979年4月、文春文庫 / 2004年3月、文春文庫【新装版】)
- 「江戸の子守唄」「お役者松」「迷子石」「幼なじみ」「宵節句」「ほととぎす啼く」「七夕の客」「王子の滝」
- 水郷から来た女(1977年、毎日新聞社 / 1980年10月、文春文庫 / 2004年7月、文春文庫【新装版】)
- 「秋の七福神」「江戸の初春」「湯の宿」「桐の花散る」「水郷から来た女」「風鈴が切れた」「女がひとつ」「夏の夜ばなし」「女主人殺人事件」
- 山茶花は見た(1980年8月、文藝春秋、上下巻 / 1980年11月、文春文庫 / 2004年8月、文春文庫【新装版】)
- 「山茶花は見た」「女難剣難」「江戸の怪猫」「鴉を飼う女」「鬼女」「ぼてふり安」他2編
- 幽霊殺し(1982年9月、文藝春秋 / 1985年9月、文春文庫 / 2004年9月、文春文庫【新装版】)
- 「恋ふたたび」「奥女中の死」「川のほとり」「幽霊殺し」「源三郎の恋」「秋色佃島」「三つ橋渡った」
- 狐の嫁入り(1983年5月、文藝春秋 / 1986年8月、文春文庫 / 2004年10月、文春文庫【新装版】)
- 「狐の嫁入り」「師走の月」「迎春忍川」「梅一輪」「千鳥が啼いた」「子はかすがい」
- 酸漿(ほおずき)は殺しの口笛(1986年4月、文藝春秋 / 1988年10月、文春文庫 / 2004年11月、文春文庫【新装版】)
- 「酸漿は殺しの口笛」「春色大川端」「玉菊燈籠の女」「能役者、清大夫」「冬の月」「雪の朝」
- 白萩屋敷の月(1986年10月、文藝春秋 / 1989年10月、文春文庫 / 2004年12月、文春文庫【新装版】)
- 「白萩屋敷の月」「美男の医者」「恋娘」「絵馬の文字」「水戸の梅」他3編
- 一両二分の女(1987年6月、文藝春秋 / 1990年5月、文春文庫 / 2005年1月、文春文庫【新装版】)
- 「一両二分の女」「藍染川」「美人の女中」他5編
- 閻魔まいり(1988年6月、文藝春秋 / 1991年6月、文春文庫 / 2005年2月、文春文庫【新装版】)
- 「閻魔まいり」「源三郎祝言」「橋づくし」他5編
- 二十六夜待の殺人(1988年9月、文藝春秋 / 1991年9月、文春文庫 / 2005年3月、文春文庫【新装版】)
- 「二十六夜待の殺人」「女同士」「犬の話」「牡丹屋敷の人々」「源三郎子守歌」「虫の音」他1編
- 夜鴉おきん(1989年5月、文藝春秋 / 1992年5月、文春文庫 / 2005年6月、文春文庫【新装版】)
- 「夜鴉おきん」「岸和田の姫」「息子」「源太郎誕生」他4編
- 鬼の面(1989年11月、文藝春秋 / 1992年10月、文春文庫 / 2005年7月、文春文庫【新装版】)
- 「鬼の面」「麻布の秋」「忠三郎転生」「春の寺」他3編
- 神かくし(1990年5月、文藝春秋 / 1993年6月、文春文庫 / 2005年9月、文春文庫【新装版】)
- 「神かくし」「みずすまし」「六阿弥陀道しるべ」「梅若塚に雨が降る」他3編収録
- 恋文心中(1990年11月、文藝春秋 / 1993年10月、文春文庫 / 2005年10月、文春文庫【新装版】)
- 「恋文心中」「祝言」「雪女郎」「わかれ橋」他3編
- 八丁堀の湯屋(1991年11月、文藝春秋 / 1994年11月、文春文庫 / 2005年11月、文春文庫【新装版】)
- 「八丁堀の湯屋」「ひゆたらり」「びいどろ正月」「春や、まぼろし」他4編
- 雨月(1992年9月、文藝春秋 / 1995年10月、文春文庫 / 2005年12月、文春文庫【新装版】)
- 「雨月」「尾花茶屋の娘」「春の鬼」「百千鳥の琴」他4編
- 秘曲(1993年7月、文藝春秋 / 1996年11月、文春文庫 / 2006年1月、文春文庫【新装版】)
- 「秘曲」「松風の唄」「おたぬきさん」「目篭ことはじめ」他4編
- かくれんぼ(1994年7月、文藝春秋 / 1997年10月、文春文庫 / 2006年2月、文春文庫【新装版】)
- 「かくれんぼ」「マンドラゴラ奇聞」「残月」「江戸の節分」他4編
- お吉の茶碗(1995年4月、文藝春秋 / 1998年4月、文春文庫)
- 「お吉の茶碗」他7編
- 犬張子の謎(1996年1月、文藝春秋 / 1998年11月、文春文庫)
- 「犬張子の謎」他7編
- 清姫おりょう(1996年10月、文藝春秋 / 1999年11月、文春文庫)
- 「清姫おりょう」他7編
- 源太郎の初恋(1997年6月、文藝春秋 / 2000年5月、文春文庫)
- 「源太郎の初恋」「立春大吉」他6編
- 春の高瀬舟(1998年3月、文藝春秋 / 2001年3月、文春文庫)
- 「春の高瀬舟」「伝通院の僧」「名月や」「紅葉散る」他4編
- 宝船まつり(1999年3月、文藝春秋 / 2002年4月、文春文庫)
- 「宝船まつり」「冬鳥の恋」「神明ノ原の血闘」「大力お石」「大山まいり」他3編
- 長助の女房(1999年8月、文藝春秋 / 2002年8月、文春文庫)
- 「長助の女房」「千手観音の謎」「嫁入り舟」「唐獅子の産着」他4編
- 横浜慕情(2000年4月、文藝春秋 / 2003年4月、文春文庫)
- 「横浜慕情」「鬼ごっこ」「烏頭坂今昔」「鬼女の息子」他4編
- 佐助の牡丹(2001年3月、文藝春秋 / 2004年4月、文春文庫)
- 「梅屋の兄弟」
- 「江戸の植木市」(2000年3月号)
- 「佐助の牡丹」(2000年4月号)
- 「江戸の蚊帳売り」(2000年5月号)
- 「三日月紋の印籠」(2000年6月号)
- 「水売り文三」(2000年8月号)
- 「あちゃという娘」(2000年9月号)
- 「冬の桜」(2000年10月号)
- 初春弁才船(2001年11月、文藝春秋 / 2004年10月、文春文庫)
- 「宮戸川の夕景」(2000年11月号・12月号)
- 「初春弁才船」(2001年1月号、「新春弁才船」を改題)
- 「辰巳屋おしゅん」(2001年2月号)
- 「丑の刻まいり」(2001年3月号)
- 「桃の花咲く寺」(2001年4月号)
- 「メキシコ銀貨」(2001年5月号)
- 「猫一匹」(2001年6月号)
- 鬼女の花摘み(2002年9月、文藝春秋 / 2005年8月、文春文庫)
- 「鬼女の花摘み」(2001年7月号)
- 「浅草寺の絵馬」(2001年8月号)
- 「吉松殺し」(2001年9月号・10月号)
- 「白鷺城の月」(2001年12月号)
- 「新春夢づくし」(2002年1月号)
- 「招き猫」(2002年2月号)
- 「蓑虫の唄」(2002年3月号・4月号)
- 江戸の精霊流し(2003年5月、文藝春秋 / 2006年4月、文春文庫)
- 「夜鷹そばや五郎八」(2002年5月号)
- 「野老沢(ところざわ)の肝っ玉おっ母あ」(2002年6月号)
- 「昼顔の咲く家」(2002年8月号)
- 「江戸の精霊流し」(2002年9月号)
- 「亥の子まつり」(2002年10月号)
- 「北前船から来た男」(2002年11月号)
- 「猫絵師勝太郎」(2002年12月号)
- 「梨の花の咲く頃」(2003年1月号)
- 十三歳の仲人(2004年3月、文藝春秋 / 2007年4月、文春文庫)
- 「十八年目の春」(2003年2月号)
- 「浅妻船さわぎ」(2003年3月号)
- 「成田詣での旅」(2003年4月号)
- 「お石の縁談」(2003年5月号)
- 「代々木野の金魚まつり」(2003年6月号)
- 「芋嵐の吹く頃」(2003年8月号)
- 「猫芸者おたま」(2003年9月号)
- 「十三歳の仲人」(2003年10月号)
- 小判商人(2005年4月、文藝春秋 / 2008年4月、文春文庫)
- 「稲荷橋の飴屋」(2004年5月号)
- 「青江屋の若旦那」(2004年6月号)
- 「明石玉のかんざし」(2004年7月号)
- 「手妻師千糸大夫」(2004年8月号)
- 「文三の恋人」(2004年9月号)
- 「小判商人」(2004年10月号・11月号)
- 「初卯まいりの日」(2005年1月号)
- 浮かれ黄蝶(2006年4月、文藝春秋 / 2009年9月、文春文庫)
- 「浮かれ黄蝶」(2005年2月号)
- 「捨てられた娘」(2005年3月号・4月号)
- 「清水屋の人々」(2005年5月号)
- 「猫と小判」(2005年6月号)
- 「わいわい天王の事件」(2005年7月号)
- 「二人伊三郎」(2005年9月号)
- 「さんさ時雨」(2005年10月号)
- 「公孫樹の黄ばむ頃」(2005年11月号)
その他
- 「御宿かわせみ」読本(2001年3月、文藝春秋 / 2003年4月、文春文庫) - 人名録の他、ドラマ出演者のインタビューなども収録
- 御宿かわせみ傑作選
- 初春の客(2004年1月、文藝春秋) - 初期10巻から著者自選の9編を収録
- 祝言(2005年1月、文藝春秋) - 11巻〜20巻から著者自選の10編を収録
- 千手観音の謎(2006年1月、文藝春秋) - 21巻〜30巻から著者自選の10編を収録
登場人物
主要人物
- 神林東吾(かみばやし とうご)
- 南町奉行所吟味方与力・神林通之進(かみばやし みちのしん)の弟。伸びやかな性格の持ち主。美男子。
- 神道無念流の遣い手で練兵館では高弟の一人。八丁堀の道場の師範の一人であり、方月館の師範代を務めた。
- 長らく二男坊の冷や飯食らいで、るいとは正式に結婚できなかったが、通之進の配慮により祝言を挙げることができ、さらに望外にも講武所の教授方と軍艦操練所勤務(後に教官並)となる。
- 八丁堀に生まれたものの使命感と持ち前の好奇心のもとに、親友である畝 源三郎の手伝いをしたり、かわせみに飛び込んでくる事件に首をつっこんだりして捕り物に関わる。
- なお、苗字は当初「かんばやし」と表記されていたが、現在は「かみばやし」に統一されている。
- (庄司)るい(しょうじ るい)
- 大川端にある旅籠かわせみの女主人。東吾の妻。
- 鬼同心と言われた庄司源右衛門の一人娘。父の死後、本来なら養子を迎えて家を嗣ぐべきところ、同心株を返して旅籠を始める。
- 東吾とは幼なじみ。子どもの頃から東吾のことが好きだったが、身分違い(東吾は子のない通之進の跡継ぎと目されていた)であることと家付き娘であることから半ばあきらめていた。
- 作品中美人であることが強調されている。たびたび女長兵衛をきどる情け深さの一方、勇敢に小太刀を振るうことも。
- 畝源三郎(うね げんざぶろう)
- 定廻り同心。東吾の親友。東吾やるいにとっては幼なじみ。
- 定廻りにしては野暮ったいと言われるが、誠実な男。東吾には「源さん」と呼ばれる。
かわせみ
- 千春(ちはる)
- 東吾とるいの娘。
- 嘉助(かすけ)
- かわせみの老番頭。元は庄司源右衛門の若党。今でも捕り方だったときの習性が出ることがある。
- るいを助ける忠義者。お吉とのでこぼこコンビぶりはこの作品の笑いを誘う一面である。
- お吉(おきち)
- かわせみの女中頭。母親の代からの庄司家の奉公人で、いったん嫁いだが夫に死なれて出戻った。
- 忠義者だが、好奇心が強く、おしゃべり。大の幽霊嫌い。その性格がかわせみに騒動をもたらすこともある。
神林家
- 神林通之進(かみばやし みちのしん)
- 東吾の兄。南町奉行所吟味方与力。
- 東吾とはひと回り以上年上で、早くに父を亡くした東吾にとっては父親代わりでもある。美男子。やさしい風貌は、幼くして母を亡くした東吾が「母の顔を見たければ兄の顔を見よ」と言われて育ったほど。
- 妻の香苗とはおしどり夫婦。
- 麻太郎を養子にする。
- 香苗(かなえ)
- 神林通之進の妻。麻生源右衛門の長女。通之進とは幼なじみで子どもの頃から好きだった。
- おっとりした性格であるが、人目を忍ぶ仲だった東吾とるいを見守り、また麻太郎を「お腹を痛めて産んだ子としか思えない」と言い切る面も。
- 神林麻太郎(かみばやし あさたろう) / 大村 麻太郎(おおむら あさたろう)
- 清水琴江が大村彦右衛門との結婚後に産んだ子であるが、おそらくは東吾との一夜の契りによる子。
- 琴江が死亡した後、通之進と香苗が何もかも承知の上で養子とする。
- 東吾の若い頃に似ている(ということは通之進にも似ている)ため「通之進の隠し子ではないか」と噂された。
畝家
- 千絵(ちえ)
- 畝 源三郎の妻。
- 札差・江原屋の一人娘のため、(お互い思いを口にできないまま)諦めようとしていたが、源三郎の婚礼当日、花嫁の駆け落ちを取り繕う仮嫁となり、そのまま正式に妻となった。
- 源太郎と千代の二子がいる。
- 畝源太郎(うね げんたろう)
- 畝源三郎の長男。剣の師でもある東吾を慕う。麻太郎とは親友で、まるで東吾と源三郎の幼い頃のようと言われる。
- 千代(ちよ)
- 畝源三郎の長女。千春とは幼馴染み。
麻生家
- 麻生源右衛門(あそう げんえもん)
- 目付・西の丸留守居を歴任した旗本。香苗と七重の父。
- 東吾たちの父とは親友で、七重と東吾を結ばせようと望んでいた。剛直な人物だが、宗太郎に家督をゆずって隠居した後は、孫や麻太郎・源太郎たちの相手をするのが楽しみ。
- 麻生宗太郎(あそう そうたろう) / 天野宗太郎(あまの そうたろう)
- 医師。東吾の親友。
- 偽名を名乗ってかわせみに泊まったさい、東吾の依頼で悪人を引っかける芝居に一役買ったのがきっかけで付き合うように。
- 将軍家御典医・天野宗伯の長男。母親も典薬頭今大路家の長女。継母(実母の妹)の実子である弟に家督を譲るためと西洋医学を学ぶために極道を装って長崎に留学。後に、七重と結婚、麻生家に養子に入る。
- つかみ所のない飄々とした人柄で、人を食ったような発言も多い。
- 麻生家の離れを治療所にし、貧乏人からは代金を取らない名医として本所・深川あたりの人々に親しまれている。
- 七重(ななえ)
- 源右衛門の二女。宗太郎の妻。東吾のことが好きだったが、るいの存在を知り半ば身を引く。
- のちに宗太郎と結婚し、花世と小太郎の二子を産む。
- 花世(はなよ)
- 宗太郎の長女。おてんばで、思わぬ事件に巻き込まれることも。
- 麻生小太郎(あそう こたろう)
- 宗太郎の長男。麻生家待望の嫡男。
お手先
- 長助(ちょうすけ)
- 畝源三郎のお手先(いわゆる岡っ引)。岡っ引には珍しく人柄が良い、誠実で温厚な男である。
- 深川佐賀町のそば屋長寿庵の主人だが、店は妻と息子に任せきり。血の気の多かった若い頃に畝源三郎の父に手札をもらいお手先となった。
- 仙五郎(せんごろう)
- 飯倉・麻布付近を縄張りにするお手先。本業は桶屋(後に息子に譲って隠居する)。こちらも岡っ引には珍しく人柄が良い。
その他
- 松浦方斎(まつうら ほうさい)
- 剣士。狸穴の方月館の主。直心陰流の達人。温厚な人柄で、東吾が師範代になってからは道場を任せきりにしている。刀剣などにも造詣が深い。
- おとせ
- 方月館の家事一切を引き受ける女性。ある事件で東吾と知り合い、息子の正吉とともに方月館に身を寄せる。
- 善助(ぜんすけ)
- 方月館の番頭格。
- 文吾兵衛(ぶんごべえ)
- 通称「永代の元締」。深川あたりの香具師やばくち場を取り仕切る大親分。そのような立場でありながら人が良く、永代の元締の息がかかったばくち場なら素人が安心して遊べると言われる。
- 花世が引き起こした事件をきっかけに東吾達と知り合う。花世に「ひげもじゃもじゃ」と呼ばれる大男。息子は小文吾。
- 清水琴江(しみず ことえ)
- 七重の友人。
- 一度嫁いだが子どもの頃に乱暴された記憶が元で離縁になる。柳河藩の重臣・大村彦右衛門と再婚が迫り、克服のためには好きな人と契ることと医師に言われ、一計を案じて東吾と一夜の契りを持つ。再婚後、おそらく東吾の子である麻太郎を産むが、夫に先立たれ、柳河藩の姫君のお輿入れのお供として多度津に行くも、お家騒動に巻き込まれ、密書を多度津藩江戸屋敷に届ける途中に斬り殺される。
- 斎藤弥九郎(さいとう やくろう)
- 剣士。この作品では珍しく実在の人物。
- 練兵館の主。東吾と同じ岡田十松に剣を学んだ東吾の兄弟子だが、十松の死後、改めて東吾と師弟の契りを結ぶ。
テレビドラマ
秋の蛍
- 1973年8月26日TBS系の東芝日曜劇場で放映
出演
真野響子版
NHK水曜時代劇の枠で放映
- 1980年10月8日〜1981年3月25日(全24回)
- 1982年10月6日〜1983年4月13日(全23回)
出演
- 庄司るい:真野響子
- 神林東吾:小野寺昭
- 畝源三郎:山口崇
- 神林通之進:田村高廣
- 神林香苗:河内桃子
- 嘉助:花沢徳衛
- お吉:結城美栄子
- おきく:青地公美
- おもよ:安藤美智子
- 徳松:村上弘明-第1シリーズ→塩屋智章-第2シリーズ
- 藤吉:小鹿番
- 長助:大村崑
- 八造:江戸家猫八
- お花:楠トシエ
- 善助:立原博
- 麻生源右衛門:下條正巳
- 七重:長谷直美-第1シリーズ→平淑恵-第2シリーズ
- 松浦方斎:宮口精二-第1シリーズ→安部徹-第2シリーズ
- 長七:ハナ肇
ほか
主題歌
スタッフ
放映リスト
話 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | ゲスト |
---|---|---|---|---|
第1シリーズ | ||||
1 | 1980年10月8日 | 水郷から来た女 | 安奈淳、宮口精二 | |
2 | 1980年10月15日 | 卯の花匂う | 奈良岡朋子、吉沢京子 | |
3 | 1980年10月22日 | 桐の花散る | 千秋実、萩尾みどり | |
4 | 1980年10月29日 | 王子の滝 | 井上孝雄、長谷川明男、尾藤イサオ | |
5 | 1980年11月5日 | 江戸の子守唄 | ||
6 | 1980年11月12日 | 夕涼み殺人事件 | 水原ゆう紀、佐藤万理、一の宮あつ子 | |
7 | 1980年11月19日 | 七夕の客 | 南田洋子、牟田悌三、中井啓輔 | |
8 | 1980年11月26日 | 秋の蛍 | 坂上味和 | |
9 | 1980年12月3日 | 女がひとり | 范文雀、松橋登、新井康弘、名和宏 | |
10 | 1980年12月10日 | 女主人殺人事件 | 堀内正美、梅津栄、砂塚秀夫、長谷川哲夫 | |
11 | 1980年12月17日 | 山茶花は見た | 岡本舞、山本昌平、田島義文 | |
12 | 1980年12月24日 | 師走の客 | 三林京子、浜田寅彦、仲谷昇 | |
13 | 1981年1月7日 | 女難剣難 | 金田龍之介、藤原釜足、小野みゆき、浦辺粂子 | |
14 | 1981年1月14日 | 初春の客 | 角替和枝 | |
15 | 1981年1月21日 | 江戸は雪 | 小林平八郎 | 小沢栄太郎、河原崎建三、織本順吉 |
16 | 1981年1月28日 | 江戸の怪猫 | 結城しのぶ、根岸季衣、津村隆 | |
17 | 1981年2月4日 | 湯の宿 | 伴淳三郎、鈴木光枝 | |
18 | 1981年2月11日 | 玉屋の紅 | 若月純子、三浦真弓 | |
19 | 1981年2月18日 | 鴉を飼う女 | 南原宏治、木村理恵、佳那晃子 | |
20 | 1981年2月25日 | 宵節句 | 渡辺紘史 | 寺田農、金沢碧 |
21 | 1981年3月4日 | お役者松 | 高橋長英、山田吾一、片桐夕子、鳳八千代 | |
22 | 1981年3月11日 | 鬼女 | 河原崎長一郎、二木てるみ、市原悦子、芦屋小雁 | |
23 | 1981年3月18日 | 花冷え | 文野朋子、岡まゆみ、岸部一徳、阿部寿美子 | |
24 | 1981年3月25日 | 人は見かけに | 坂東八十助 | |
第2シリーズ | ||||
話 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | ゲスト |
1 | 1982年10月6日 | 恋ふたたび | 清水満 | 仲谷昇 |
2 | 1982年10月13日 | 川のほとり | 佐藤幹夫 | 松橋登、草薙幸二郎 |
3 | 1982年10月20日 | 奥女中の死 | 松橋隆 | |
4 | 1982年10月27日 | 幽霊殺し | 若園昌己 | 内田稔、下条正巳 |
5 | 1982年11月10日 | 秋色佃島 | 清水満 | 林ゆたか、高沢順子 |
6 | 1982年11月17日 | 三つ橋渡った | 佐藤幹夫 | 戸川京子、堀内正美、湯原昌幸、千野弘美、望月太郎 |
7 | 1982年11月24日 | 倉の中 | 松橋隆 | 谷川みゆき、広瀬昌助 |
8 | 1982年12月1日 | ぼてふり安 | 吉村文孝 | 犬塚弘、日色ともゑ、遠藤真理子、山西道広、岡本麗 |
9 | 1982年12月8日 | 幼なじみ | 清水満 | 江藤潤、山本みどり、中村久美、今西正男 |
10 | 1982年12月15日 | 師走の月 | 松橋隆 | 火野正平、谷村昌彦、金田龍之介、蜷川有紀 |
11 | 1983年1月5日 | 迎春忍川 | 清水満 | 高樹澪、谷幹一、緋多景子、久保晶、滝雅也 |
12 | 1983年1月12日 | 迷子石 | 佐藤幹夫 | 蟹江敬三、香野百合子 |
13 | 1983年1月19日 | 源三郎の恋 | 清水一彦 | 奈良富士子、清水宏、浦辺粂子、上田忠好 |
14 | 1983年1月26日 | 油屋殺人事件 | 田島照 | 佐藤仁哉、小坂一也、織本順吉、岡本舞 |
15 | 1983年2月9日 | 江戸の手まり唄 | 松橋隆 | 小島三児、古舘ゆき、清水まゆみ、三ツ木清隆 |
16 | 1983年2月16日 | 冬の桜 | 清水満</br>黛りんたろう | 森下愛子、中西良太、江角英明 |
17 | 1983年2月23日 | 梅一輪 | 竹内豊 | 神崎愛、ひし美ゆり子、草薙良一、斉川一夫 |
18 | 1983年3月2日 | 千鳥が啼いた | 佐藤幹夫 | 尾美としのり、頭師佳孝、川田あつ子 |
19 | 1983年3月9日 | 狐の嫁入り | 清水満</br>大木一史 | 金井大、小松方正、伊藤美由紀、白石奈緒美、福田公子 |
20 | 1983年3月16日 | 子を思う闇 | 若園昌己 | 上村香子、菅野忠彦、浜村純、増田順司、姫ゆり子 |
21 | 1983年3月22日 | 吉野の女 | 松橋隆 | 栗田陽子、川口敦子、稲垣昭三、本田博太郎 |
22 | 1983年4月6日 | 子無きは去る(前編) | 佐藤幹夫 | 田村亮、倉地雄平、出光元 |
23 | 1983年4月13日 | 子無きは去る(後編) | 清水満 | 田村亮、島村佳江、宝生あやこ、伊藤高 |
古手川祐子版
テレビ朝日系でドラマスペシャルが2回放映された
- 1988年9月29日
- 1989年3月28日
出演
沢口靖子版
タイトルは『新・御宿かわせみ』テレビ朝日系放映
- 1997年10月16日〜1998年3月12日(全19回)
出演
- 庄司るい:沢口靖子
- 神林東吾:村上弘明 (*NHK・真野響子版に岡っ引き・徳松役で出演していた)
- 畝源三郎:平田満
- 嘉助:笹野高史
- お吉:藤田弓子
- 長助:石倉三郎
- 麻生源右衛門:織本順吉
- 七重:小島聖
- 香苗:姿晴香
- 神林通之進:津川雅彦
高島礼子版
NHK金曜時代劇で放映
- 2003年4月4日〜5月30日(全8回)
- 2004年4月2日〜7月23日(全16回)
- 2005年5月13日〜8月5日(全12回)
出演
- 庄司るい:高島礼子
- 神林東吾:中村橋之助
- 畝源三郎:宍戸開(⇒第三章からは沢村一樹)
- 嘉助:小野武彦
- お吉:鷲尾真知子
- 長助:冷泉公裕(⇒第二章からは蛍雪次朗)
- 松浦方斎:藤木悠(⇒第二章は伊吹吾郎、第三章は神山繁)
- 天野宗太郎:鈴木一真(⇒第二章から)
- 天野宗伯:津嘉山正種(第三章)
- 麻生源右衛門:井川比佐志
- 七重:吉本多香美
- 神林香苗:仁科亜季子
- 神林通之進:草刈正雄
- 主なゲスト
- ほか
関連項目
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