平壌

出典: Wikipedio

Template:Coord Template:Infobox Korean settlement 平壌市 / ピョンヤン市（ピョンヤンし）は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の首都であり、最大の都市。

朝鮮八道では平安南道に属するが、同国の行政区画においては、道に属さず平壌直轄市として道級の直轄市となっている。但し、住所表記の際には、韓国におけるソウルや釜山などが「ソウル特別市」「釜山広域市」と表記されるのに対し、北朝鮮の場合は「直轄市」を付けない「平壌市」という表記がなされる。

日本語読みでは「へいじょう」（旧仮名遣で「へいじやう」）と呼ぶ。日本統治時代の行政区分は平壌府（へいじょうふ）。

概要

thumb|none|250px|平壌市（衛星画像）平壌準平原に位置し、北と東と西は平安南道、南は黄海北道に接する。政治と経済の中心地であり、軽工業、重工業など工業が盛んである。

427年以降高句麗の首都となった。市の中心には大同江が流れている。中心部に金日成広場があり、その付近に主体思想塔がそびえており、平壌のシンボルまたはランドマークとなっている。

平壌は北朝鮮の建国時から事実上の首都としての役割を持っていたが、憲法で正式に平壌が首都となったのは1972年からで、それ以前はソウルを首都と定めていた。これは、建国以来現在に至るまで憲法上は朝鮮半島全域を領土としているためである（なお、韓国も憲法上は朝鮮半島〔韓半島〕全域を領土としている）。 thumb|none|250px|平壌高麗ホテル（左）前の市街地 Template:Gallery 「公民登録法」の規定で、17歳以上の北朝鮮国民は「公民証」が政府から発給されているが、1997年以後、平壌市民については公民証が「平壌市民証」に切り替えられ、他地域住民と明確に区別されるようになった。この区別による特に大きな影響として、旅行に対する待遇が挙げられる。

北朝鮮国民は、国内（北朝鮮各地）の旅行でも、逐一政府に旅行証明書を申請し旅行許可を得る必要があるが、この「平壌市民証」を所有していると、旅行証明書なしで北朝鮮各地を自由に行き来できると言われている。

市内のインフラは老朽化が進んでいる。2002年頃から街路樹の植樹、歩道のタイルの張替え、ビルの改装など市内中心部の再開発を進めている。

気候は亜寒帯冬季少雨気候で寒暖が激しく冬は雨が少ない。冬から春には三寒四温の気候である。

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歴史

高句麗の長寿王は427年に鴨緑江流域の集安から平壌に遷都し、高句麗王国の都となった。当初は現在の平壌市街から北東へ8kmほど離れたところにある大城山に都があり、現在も山をとりまく城壁や、王宮であった安鶴宮の跡などが残る。552年から586年にかけて、現在の平壌市街の場所に都城が築かれ大都市となったが、668年に唐に滅ぼされた。唐は短期間、平壌に安東都護府を設置して半島の直接支配を図るが、新羅の抵抗により都護府を遼東に撤収した。統一新羅時代の平壌は、唐との国境に近い辺境となって荒廃した。

10世紀に高麗が起こると平壌を復興して副都・西京とした。12世紀には妙清という仏教僧が西京への遷都を主張し、西京遷都運動という仏教対儒教の争いが起きた。妙清は、風水説の混合した高麗仏教に基づき、高句麗の首都であり風水も良い西京に首都を遷し、高句麗の旧領土（満州）の回復の拠点とすることを掲げたが、儒家の反発で葬られ王の支持が得られなかった。1135年、妙清はついに反乱（妙清の乱）を起こしたが、金富軾ら儒家の文官らの率いる軍により翌年鎮圧された。1269年には西京を治めていた崔坦らが反乱を起こし、西京を含めた北界54城と西海道の慈悲嶺以北の6城を元に割譲する事件が起きた。元は西京を遼陽行省に属する「東寧府」と改名して元の領土に編入した。東寧府は同じく元領となった双城総管府とともに高麗を圧迫したが、14世紀後半の恭愍王が元の弱体化に応じて東寧府などの失地を奪還している。

李氏朝鮮時代には平壌は平安道の首邑となった。文禄の役では日本軍が平壌にまで達している。18世紀には、冊封体制下の清との往来の中で、北京にいたキリスト教宣教師からキリスト教が朝鮮の官僚に伝わり、通り道であった平安道はキリスト教徒が増加した。しかし、18世紀末には大規模な弾圧が起こった。また外国勢力が朝鮮周囲に現れ、平壌では大同江を遡ってきた米国船を官民が焼き討ちするジェネラル・シャーマン号事件が起こっている。

日清戦争では平壌城は平壌の戦いの舞台となった。李朝末期の1896年に平安道が分割されて、平安南道の首邑となっている。日本統治時代には平安南道の道庁所在地となった。この頃路面電車の軌道などが整備された。また平壌神学校などキリスト教の神学校や教会が設立され、キリスト教徒の人口に対する割合も増加した平壌は、宣教師らから「東洋のエルサレム」と呼ばれる朝鮮のキリスト教布教の中心地となった。現在の韓国のキリスト教徒には、朝鮮戦争の前後に韓国側へ移住した平壌出身者もいる。

ファイル:Heijo City Hall.JPG

平壌府庁

ファイル:Heijo Shrine.JPG

平壌神社

ファイル:Pyongyang tram pre-ww2.jpg

平壌市電

ファイル:Pyongyangarmymapservice1946.png

アメリカ軍が1946年に作成した平壌市街地図

thumb|250px|主体思想塔から見た金日成広場と平壌中心部 1945年にソビエト連邦軍（赤軍）が北緯 38度線以北を占領するとソ連軍政の中心地となり、1948年の朝鮮民主主義人民共和国成立により北朝鮮の事実上の首都となった。しかし1950年に勃発した朝鮮戦争で街は破壊され、アメリカ軍を中心とする国連軍に占領されたこともあった他、国連軍の激しい空爆を受けた。停戦実現後、ソ連の援助で街は急速に復興し、この時期に巨大なパレードを行える「社会主義国」特有の広場が整備され、スターリン様式建築が流行した。

1968年には平安南道の道庁機能を平城市に移して直轄市となり、1972年に正式に首都となった。1980年代以降、金日成や主体思想を称える記念碑や建築物、競技場やホテルが多数建設された。

行政区域

thumb|250px|主体思想塔から見た大同江東岸の市街地 thumb|250px|凱旋門 thumb|250px|平壌中心部（1989年撮影） 19「区域」と4郡に分けられる。

読みは朝鮮民主主義人民共和国の地方行政区画を参照

世界遺産

高句麗古墳群（2004年、ユネスコ世界文化遺産指定） - 平壌から車で約30分

観光名所

[[ファイル:Pyongyang Juche tower.JPG|thumb|250px|主体思想塔]]

金日成広場
人民大学習堂
主体思想塔 - 高さ170mの石塔で標高150mに展望台がある
万景台（マンギョンデ） - 「金日成主席の生家があった地」とされている。万景台遊戯場が隣接する。その最高峰が万景峰である。
牡丹峰（モランボン） - 市街北部の山。標高95m。一帯は公園であり記念物や金日成競技場などがある。
凱旋門 - パリのエトワール凱旋門より10m高く世界一とされる
千里馬（チョンリマ）銅像
大同門（テドンムン）
練光亭
高句麗平壌城（高句麗時代）
平壌東大門（李氏朝鮮王朝時代）
壇君陵（古朝鮮の伝説の人物とされていた壇君の墓）
定陵寺
朝鮮人民文化宮殿

交通

空港

平壌国際空港（順安国際空港）

鉄道

路線

駅

バス

トロリーバス

高速道路

政治機関等

万寿台（マンスデ）議事堂（最高人民会議）
党創立事績館

マスメディア

教育機関

thumb|250px|大同江沿いの風景、金日成広場ほか

金日成総合大学
平壌外国語大学
金策工業総合大学
金亨稷師範大学
金哲柱師範大学
韓徳銖平壌軽工業大学
張哲九平壌商業大学
平壌医科大学
平壌理科大学
平壌機械大学
平壌鉄道大学
平壌教員大学
平壌農業大学
平壌印刷工業大学
平壌美術大学
金元均平壌音楽大学
平壌演劇映画大学
朝鮮体育大学
人民経済大学
国際関係大学
人民文化宮殿
万景台学生少年宮殿
平壌学生少年宮殿

施設

博物館

記念施設等

錦繍山記念宮殿 - 金日成の遺体を保存
祖国解放戦争勝利記念館
3大革命展示館
祖国統一3大憲章記念塔
統一戦線塔
解放塔
友誼塔
大城山革命烈士陵

文化施設

平壌国際映画会館
平壌大劇場
平壌サーカス劇場
朝鮮人民軍サーカス劇場
万寿台芸術劇場
2・8文化会館
朝鮮劇映画撮影所
国際文化センター

スポーツ施設

thumb|250px|right|羊角島の競技場と平壌国際映画会館

金日成競技場 - 10万人収容、凱旋門付近
メーデースタジアム - アリラン祭典が開かれる世界ランク第2位の15万人の収容能力を誇る巨大競技場、綾羅（ルンラ）島
羊角島（ヤンガクド）競技場　- 羊角島<ref>スタジアム世界ランキング</ref>
平壌ボウリング館
平壌ゴルフ練習場
氷上館（アイススケートセンター）
蒼光院（ヘルスセンター）
柳京鄭周永体育館
平壌体育館

他、市街地の西郊にあるニュータウン、青春通りにはソウルオリンピックと同時期に体操競技場やバスケットボール場などさまざまな体育施設が建設されたなど、市周辺には施設が多い。

主なホテル

「特級」のホテル
- ピョンヤン高麗（コリョ）ホテル - 中区域東興洞（蒼光通り）。45階建てのツインタワー。最上部は両タワーとも回転レストランになっている。500客室。
- 羊角島（ヤンガクト）国際ホテル - 中区域柳城洞（羊角島）。高さ178mの48階建てホテル。最上部は回転レストランになっている。1001客室。
「1級」のホテル
- 普通江（ポトンガン）ホテル - 鞍山洞。9階建、160客室。
- 西山（ソサン）ホテル - 万景台区域青春通り。30階建、530客室。
- 両江（リャンガン）ホテル - 万景台区域青春通り。371客室。
- 青年ホテル - 万景台区域チルゴル洞。30階建、520客室。
「2級」のホテル
- 平壌（ピョンヤン）ホテル - 中区域烏灘洞。5階建、170客室。
「3級」のホテル
- 解放山（ヘバンサン）ホテル - 中区域解放山洞。83客室。

柳京（リュギョン）ホテル

105階建て330mの超高層豪華ホテルとして計画されたが予算不足のため建設途中で頓挫。設計ミスとの指摘もある。しばらく雨ざらし状態だったが2008年工事を再開した。

宗教施設

チャンチュン（長忠）聖堂
ボンス（鳳水）教会
チルゴル（七谷）教会
聖三位一体聖堂（ヨンベク（貞栢）寺院）

その他

朝鮮国際旅行社

姉妹都市

出身著名人

脚注

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外部リンク

Template:Commonscat Template:朝鮮民主主義人民共和国の地方行政区画 af:Pjongjang am:ፕዮግያንግ ar:بيونيانغ ast:Pyongyang bat-smg:Pjongjangs be:Горад Пхеньян be-x-old:Пхеньян bg:Пхенян bn:পিয়ং ইয়াং bs:Pjongjang ca:Pyongyang cs:Pchjongjang csb:P'yŏngyang cy:P'yŏngyang da:Pyongyang de:Pjöngjang dsb:Pchjongjang el:Πιονγιάνγκ en:Pyongyang eo:Pjongjango es:Pyongyang et:P'yŏngyang eu:Pyongyang fa:پیونگ‌یانگ fi:Pjongjang fo:Pyongyang fr:Pyongyang ga:Pyongyang gd:Pyongyang gl:Pyongyang he:פיונגיאנג hi:प्योंगयांग hif:Pyongyang hr:Pjongjang ht:Pyongyang hu:Phenjan hy:Պխենյան id:Pyongyang io:Pyongyang is:Pjongjang it:Pyongyang ka:ფხენიანი kn:ಪ್ಯೊನ್ಗ್ಯಾಂಗ್ ko:평양직할시 la:Pyeongyangum lb:Pjöngjang lmo:Pyongyang lt:Pchenjanas lv:Phenjana mk:Пјонгјанг mr:प्याँगयांग ms:Pyongyang mzn:پيونگ يانگ nah:Piongyang nl:Pyongyang nn:Pyongyang no:Pyongyang nov:Pyongyang oc:Pyeongyang os:Пхеньян pl:Pjongjang pms:Pyongyang pnb:پیانگ یانگ pt:Pyongyang ro:Phenian ru:Пхеньян scn:Pyongyang sh:Pjongjang simple:Pyongyang sk:Pchjongjang sl:Pjongjang sr:Пјонгјанг sv:Pyongyang sw:Pyongyang ta:பியொங்யாங் th:เปียงยาง tl:Pyongyang tr:Pyongyang tt:Пхеньян ug:Pyongyang uk:Пхеньян vi:Bình Nhưỡng vo:Pyöngyang war:Pyongyang wuu:平壤市 yi:פיאנגיאנג yo:Pyongyang zh:平壤 zh-classical:平壤 zh-min-nan:Pyongyang zh-yue:平壤

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