常滑市

出典: Wikipedio


Template:日本の市 thumb|200px|中部国際空港俯瞰 常滑市(とこなめし)は、愛知県西部に位置するである。詳しくは知多半島西岸の中央部に位置し、西側を伊勢湾に面している。伊勢湾の海上埋立地に中部国際空港を有している。

窯業が主要な伝統産業である。常滑焼瀬戸越前信楽丹波備前と並び日本六古窯の一つとされ、中でも常滑は最も古く最大の規模である。

目次

地理

知多半島西海岸の中央部に位置し、西側は伊勢湾に面している。伊勢湾に沿って北側に知多市、南側に美浜町があり、知多半島中央部の丘陵地帯を越えた先に阿久比町半田市武豊町がある。

海岸は遠浅の海岸になっているが、伊勢湾北部に沿ってコンビナートが建設された名古屋港口埋立地は常滑市の北の知多市が南限で、中部国際空港及び中部臨空都市空港対岸部(通称「前島」)のある常滑駅沖を除いて埋め立ては進んでいない。このため環境省とは別に愛知県が絶滅危惧種に指定している海浜植物(スナビキソウマルバアカザなど)が残存している。

丘陵の連なった知多半島特有の地形のため、平地は海沿いの比較的狭い部分に限られ、市域の大部分は丘陵地である。丘陵は低くなだらかで、市内最高所は100mに満たない。海側に面する市北部の丘陵地はほとんどすべて 農地と宅地用に造成された。 この点、海側の丘が一部そのまま残されている東海市(聚楽園付近)、知多市(日長-古見付近)と異なる。 気候は一年を通じて比較的温暖であるが、冬には三重県四日市方面から「鈴鹿おろし」と呼ばれる風が伊勢湾を越えて吹き寄せ、稀に降雪もある。

名鉄常滑駅以南(前島【中部臨空都市】にあるりんくう常滑駅を除く)には鉄道の駅がなく、公共交通機関はバスに限られる。その為、空港島建設に伴う再開発も当該南部地域には及ぶことなく、古くからの町並みがそのまま残っている。

隣接している自治体

歴史

常滑市域を含む知多半島中部では粘土を豊富に産出するため古くから陶器が生産された。平安時代後期頃から中世にかけて常滑市とその周辺で生産され始めた「古常滑」と呼ばれる焼き物は太平洋に沿って日本全国に広まり、北は青森から南は鹿児島まで、全国の中世遺跡において出土する。

室町時代には三河守護である一色氏尾張の知多半島に支配を広げ、市域北部の港町である大野に大野城(宮山城)を築いた。のちに一色氏の被官である佐治氏が主家にかわって大野城主となり、佐治氏のもとで大野は伊勢湾西岸の港湾として繁栄した。

戦国時代には、知多郡緒川(現東浦町)の領主水野氏の一族が現常滑市域中心部に常滑城を築き、大野城の佐治氏と伊勢湾東岸の水運を二分した。しかし常滑水野氏は本能寺の変直後に明智光秀に味方したことから没落し、佐治氏も四代一成の時に小牧・長久手の戦い羽柴秀吉と敵対し大野城を追われた。また、常滑の焼き物も茶の湯が流行する中で新しい嗜好からは好まれなくなり、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて瀬戸焼などに押され衰退した。

江戸時代には、現市域の村々は尾張藩領に入った。常滑の諸村は平地が少なく開墾の余地に乏しいことから廻船酒造木綿生産などの工業、商業が行われる町場的な性格が強く、常滑焼も江戸時代後期になって復興した。この時代にはかつて広く分散していた焼き物の生産地が現市域中心部にあたる常滑村に集中するようになり、焼き物の煙突が立ち並ぶ現在の常滑市街地の原型が形作られた。

thumb|200px|常滑焼の土管 thumb|200px|常滑焼の壷 thumb|200px|INAX本社ビル 明治時代になると土管タイルなども生産されるようになり、近代的な窯業の町に発展した。中でも1924年創立の地元製陶会社「伊奈製陶」(現INAX)は便器など衛生陶器の分野において全国第2位のシェアを占め、タイルにおいては国内はもとより世界的にもトップとなる大企業に成長する。

戦後には、「昭和の大合併」により、1954年常滑町鬼崎町(おにざきちょう)、西浦町(にしうらちょう)、大野町(おおのまち)と三和村(みわむら)の4町1村が合併して常滑市が成立した。1957年に南の小鈴谷町(こすがやちょう)の一部を編入し現在の市域に拡大した。

2005年に沿岸部を埋め立て、中部国際空港が開港した。

2010年2月11日、ナインティナイン矢部浩之『常滑親善大使』に就任した。(「ナインティナインのオールナイトニッポン」でもコーナー化された。)[1]

展望

近年はINAXの常滑本社工場をはじめとして工場の閉鎖、中小工場の廃業が相次ぎ、経済の停滞傾向が著しい。合併時に約5万人であった人口は漸次増加して1975年には5万5000人を突破したが、その後は頭打ちから減少に転じ、1990年代後半から2000年代前半にかけて5万1000人を割った。これに対して窯業家や市民によって焼き物の町としての観光化と窯業の再活性化が努力されており、中部国際空港の開港にともない労働人口は少しずつ流入している。しかし、教育施設が周辺市町村より(面積に対して)不足しており、家族を連れての転居の場合は通勤時間が掛かっても周辺市町村に定住する形態が多いようである。大規模区画整理の効果により定住人口の過去最高を更新する勢いではあるが、(周辺自治体を含む)企業立地には陰りが見えてきており、景気の後退とも重なって人口の伸びの鈍化が懸念される。

行政

  • 市長 片岡憲彦(2007年12月1日就任)

市財政は窯業などの事業者からの税収のほか、常滑駅の近くに設置された常滑競艇場で開催される市の競艇事業に支えられてきた。しかし近年は競艇の売上が落ち込み、進む高齢化に対して市の財政は悪化している。

中部国際空港の開港によって税収が増加し、平成18年度は地方交付税不交付団体となったが、こうした税収の増も、地方交付税交付金の減少分の補填に留まると試算されている。

平成の市町村合併では当初知多半島5市5町の合併研究会が設置されたが廃止され、ついで知多南部2市4町による研究会が近い将来の合併を見送ったため、当面は現在の規模が維持されることになった。

経済

概要

常滑の伝統的な産業は窯業である。

江戸時代後期に復興した常滑焼は、幕末に中国から導入された技術で斜面に連房式登り窯が作られ、大量生産が開始された。明治時代以降、陶管(陶製土管)やタイルの生産が開始され、常滑の陶管は全国の上下水道管のシェアの大部分を占めるなど、産業資材や衛生陶器の分野において全国屈指の生産地に成長する。また、茶器、花器、、置物などの民具の生産も盛んであり、江戸時代に生産が開始された朱泥急須湯飲みなどの茶道具は常滑を代表する焼き物である。

窯業の工場は伝統的な中心地である常滑地区を中心に市域の各地に点在しており、南部の小鈴谷地区では清酒「ねのひ」の盛田による醸造業も行われている。

農業は、知多半島の地理的条件から田畑が狭く、また大きな河川がないためにため池に頼り、水不足に悩まされてきた。しかし現在は愛知用水によって農業用水が供給され、土地基盤整備事業による区画の整理や、農業用ダムの建設、機械化が行われて、近郊農業地帯になっており、主な特産品は、キャベツタマネギイチジクなどである。また、市内にあいち知多農業協同組合(JAあいち知多)の本部が置かれている。

漁業は、知多半島西岸の伊勢湾海上で行われる海苔養殖が特に盛んである。 海苔養殖業の他に底引き網漁業、採貝漁業、刺し網漁業、潜水漁業などがあり、主な水産物アサリアナゴガザミクルマエビシャコタイラギなどである。

漁業協同組合(北から)

地元の要望により愛知県によって造成された中部臨空都市は、空港島内で物流事業者及びホテルの進出が進んでいる。一方の空港対岸部(通称「前島」)への企業誘致はほとんど進んでいなかったが、2006年6月にイオンの進出が発表されて以降、紳士服や結婚式場、ガソリンスタンドなどの出店が決まり、変化を見せつつある。

また、空港アクセス道路の国道155号247号にそって、ロードサイド型の店舗の進出が続き、2007年11月頃に、カインズモールが開業した。[2]

常滑市に本社を置く企業

地域

南北に細長い常滑市では、中学校の校区や公民館、市の出張所などの公共施設において常滑市に合併する以前の5町1村の枠組みが原則的に踏襲されており、北から青海(せいかい、旧大野町と三和村)、鬼崎(おにざき、旧鬼崎町)、常滑(とこなめ、旧常滑町)、南陵(なんりょう、旧西浦町と小鈴谷町)に分かれる。

人口

Template:人口統計

公共施設

教育

高等学校

中学校

  • 常滑市立青海中学校
  • 常滑市立鬼崎中学校[3]
  • 常滑市立常滑中学校[4]
  • 常滑市立南陵中学校[5]

小学校

  • 常滑市立三和小学校[6]
  • 常滑市立大野小学校[7]
  • 常滑市立鬼崎北小学校[8]
  • 常滑市立鬼崎南小学校[9]
  • 常滑市立常滑西小学校[10]
  • 常滑市立常滑東小学校[11]
  • 常滑市立西浦北小学校[12]
  • 常滑市立西浦南小学校[13]
  • 常滑市立小鈴谷小学校[14]

交通

空港

中部国際空港を発着する高速バス、船舶については中部国際空港の項を参照。

鉄道路線

常滑中心市街に設置された常滑駅は、常滑線の下り終着駅である。中部国際空港の開港に伴って空港線が常滑線を延伸させる形で設置され、常滑線と一体運行されている。

※市南部に知多新線が通っているが、市内に駅はない。

路線バス・空港バス

  • 知多バス(知多乗合
    • 安城空港線(三河安城駅 - 三河高浜駅 - 中部国際空港)
    • 豊橋空港線(豊橋駅 - 豊川駅 - 中部国際空港)
    • 常滑線(知多半田駅 - 成岩橋 - 中部国際空港)
    • 常滑南部線(河和駅 - 上野間駅 - 病院口・中部国際空港)
    • 刈谷空港線(刈谷駅前 - 知立駅 - 中部国際空港)
    • とことこバス(市街循環バス)

道路

有料道路
知多横断道路
中部国際空港連絡道路
上記二つの路線を合わせてセントレアラインの愛称がついている。
一般国道
国道155号(起点)
国道247号

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

春には合併以前の旧町村を受け継ぐ各地区で祭礼があり、知多地域の周辺市町と同様、町内ごとの山車が引き回される。開催日程は、3月第3週の苅屋地区を皮切りにGW期間中である5月4日の大野・蒲池地区まで毎週となっている。 なお、常滑市の山車は知多型名古屋型に分かれる。

出身有名人

関連項目

外部リンク

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