岡嶋二人

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Template:文学 岡嶋 二人(おかじま ふたり)は日本推理作家であり、井上泉(いのうえ いずみ、1950年~、多摩芸術学園映画科中退)と徳山諄一(とくやま じゅんいち 、1943年~、法政大学経済学部中退)によるコンビのペンネーム。名前の由来は「おかしな二人」。

目次

略歴

概要

海外ではコンビで執筆するペンネームは珍しいものではないが、日本ではそれほど例がない。

作品の中には、二人の個性のうちの一方が強く反映されているものもある。初期の作品は競馬を題材にとったものが多い。競馬・スポーツの知識は徳山に、映像・パソコンの知識は井上に拠っているといわれる。井上は8ビットパソコンの時代からのパソコン(当時の呼び方ではマイコン)愛好家であり、親指シフトの支持者でもある。豊富なアイディアを軽快で抑制の効いた文体でまとめあげ、ユーモラスなタッチのものも少なくない。『ちょっと探偵してみませんか』のようなクイズ集でも高水準の読み物として提供する技量の持ち主で、テーマも多彩なため器用な作家と誤解されるふしもあるが、決して量産はしておらず、苦吟の創作過程はのちの井上の著書で吐露されている。

誘拐をテーマにした作品は高い評価を受け、「バラバラの島田」(死体分断トリックの多い島田荘司)に対比して「人さらいの岡嶋」・「誘拐の岡嶋」と呼ばれることがある。

二人の作業分担は、原則としてプロットが徳山、執筆が井上であったが、後期は井上がプロットの大部分も手がけるケースが多くあった(逆に徳山のほうが執筆まで手がけた作はない)。最後の長編である『クラインの壺』はほとんど井上の手によるといわれており、それまでの作品とはかなり傾向が異なり、コンビ解消後の井上夢人の処女作である『ダレカガナカニイル…』と多くの共通点を持っている。

日本のミステリにおける大きな主流である(二冊以上にまたがる)シリーズキャラクター、殺人事件のつく題名、トラベルミステリを原則として避けてきたが、それぞれ1回ずつ例外がある。

何故か作品中には東京都世田谷区の町が頻繁に登場する。

結成から解散までの経緯は、井上夢人の『おかしな二人 岡嶋二人盛衰記』に詳しい。

作品リスト

長編小説

  • 焦茶色のパステル (講談社、1982)のち文庫 
  • 七年目の脅迫状 (講談社、1983)のち文庫 
  • あした天気にしておくれ (講談社、1983)のち文庫 
  • タイトルマッチ (角川書店、1984)のち徳間文庫、講談社文庫  
  • どんなに上手に隠れても (徳間書店、1984)のち文庫、講談社文庫  
  • チョコレートゲーム (講談社、1985)のち文庫、双葉文庫  
  • 5W1H殺人事件(双葉社、1985) - 『解決まではあと6人』文庫、講談社文庫 
  • とってもカルディア (講談社、1985)のち文庫 
  • ビッグゲーム (講談社、1985)のち文庫 
  • コンピュータの熱い罠 (光文社、1986)のち文庫、講談社文庫  
  • 七日間の身代金 (実業之日本社、1986)のち徳間文庫、講談社文庫  
  • 珊瑚色ラプソディ (集英社、1987)のち文庫、講談社文庫  
  • 殺人者志願 (光文社、1987)のち文庫、講談社文庫  
  • ダブルダウン (小学館、1987)のち集英社文庫、講談社文庫  
  • そして扉が閉ざされた (講談社、1987)- いわゆる本格推理小説。
  • 眠れぬ夜の殺人 (双葉社、1988)のち文庫、講談社文庫- 捜査0課シリーズの第一作。
  • 99%の誘拐 (徳間書店、1988)のち文庫-「この文庫本がすごい!」2005年1位に選ばれた。
  • クリスマス・イヴ (中央公論社、1989)のち文庫、講談社文庫  
  • 殺人!ザ・東京ドーム (光文社、1989)のち文庫、講談社文庫  
  • 眠れぬ夜の報復 (双葉社、1989)のち文庫、講談社文庫- 捜査0課シリーズの第二作。
  • クラインの壺 (新潮社、1989)のち文庫、講談社文庫  

連作短編集

  • 三度目ならばABC (講談社、1984)のち文庫 
  • なんでも屋大蔵でございます(新潮社、1985)のち文庫、講談社文庫  

短編集

  • 開けっ放しの密室(講談社、1984)のち文庫 
  • ちょっと探偵してみませんか(講談社、1985)のち文庫 
  • 記録された殺人(講談社文庫、1989)

ノンフィクション

  • 熱い砂-パリ~ダカールラリー11,000キロ (講談社文庫、1991)

ゲームブック

関連項目

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