小田急電鉄
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Template:出典の明記 Template:基礎情報 会社 小田急電鉄株式会社(おだきゅうでんてつ、Template:Lang-en)は、東京都・神奈川県に路線を有する大手私鉄。小田急グループ108社(2005年10月1日現在)の中核企業。小田急の略称で呼ばれている。創業時の旧名称は小田原急行鉄道。
小田急ポイントサービスの加盟事業者。また関東の私鉄・地下鉄22社局による共通乗車カードシステム「パスネット」に加盟していた。
キャッチコピーは「きょう、ロマンスカーで。」・「新しいマークで、小田急は次へ。」・「小田急は、次へ。」であり、2007年の小田原線開業80周年に際しては、「ありがとうを次のよろこびへ」。
相鉄ホールディングスの筆頭株主でもある。
目次 |
歴史
Template:出典の明記 戦前の小田急は、利光鶴松が経営した電力資本・鬼怒川水力電気を親会社としていた。利光は郊外鉄道の将来性に着目し、東京市内の地下鉄網「東京高速鉄道」・山手線を外周する「東京山手急行電鉄」・城西地区の開発を目的とした「渋谷急行電鉄」などを次々と企画した。結局実現したのは小田急線と井の頭線(渋谷急行計画の後身)だけであったが、東京高速鉄道は後に五島慶太らの手により実現した。
電力国家管理に伴う日本発送電への統合で、基幹事業の電力部門を奪われた鬼怒川水力電気は小田急を合併し、電鉄会社となったが、中国・山東半島での鉱業に乗り出したのが裏目に出て同社の経営を圧迫した。そのため、利光は一切の事業を東京横浜電鉄の五島に譲渡した。このため企業乗っ取りの歴史である大東急形成の中で、小田急だけは事情が異なるのだが、大東急解体の旗頭となったのは旧小田急関係者であった。
1948年6月、東急から6635万1000円で事業を譲り受け新発足した。井の頭線は京王帝都電鉄(現・京王電鉄)が東急から譲り受けたが、その代わりに戦前は無関係であった箱根登山鉄道と元来東京横浜電鉄の関連会社であった神奈川中央交通を東急から譲受し系列会社とした。また、やはり戦前は無関係だった江ノ島電鉄の持株の一部も東急から譲受したが、後に買い増しを行い系列下に収めている。
近年、犬猿の仲と称された西武鉄道と営業資産の協力関係、共通商品の開発に乗り出して功を奏している。
箱根地区を巡る西武鉄道グループとの確執は、「箱根山戦争」の項を参照。
各ダイヤ改正の詳細は、小田急ダイヤ改正を参照。
年表
- 1923年(大正12年)5月1日 小田原急行鉄道株式会社創立。資本金1,350万円。取締役社長に利光鶴松が就任。本社事務所を東京丸の内三菱仲3号館に開設。
- 1927年(昭和2年)
- 1929年(昭和4年)
- 4月1日 江ノ島線全線開業。当時の駅数は13駅。
- 11月 南林間都市の土地分譲事業開始。
- 1930年(昭和5年)11月14日 相模厚木(現・本厚木) - 東北沢間にて砂利輸送開始。
- 1934年(昭和9年)11月1日 砂利採取販売開始。
- 1935年(昭和10年)6月1日 新宿 - 小田原間のノンストップ特急運行開始。当時の特急名は「週末温泉列車」。
- 1938年(昭和13年)
- 4月1日 通行税改定に伴う、旅客運賃改定。51キロ以上移動をした場合に限り、通行税2銭が運賃に加算される。
- 6月1日 バス事業開始。士官学校前 - 南林間都市間ほか3路線開設。
- 1940年(昭和15年)
- 4月1日 通行税改定に伴う、旅客運賃改定。41キロ以上81キロ未満移動をした場合は、通行税2銭が、81キロ以上移動した場合は、通行税15銭が運賃に加算される。
- 5月1日 帝都電鉄(現・京王井の頭線)を合併。資本金4,280万円。
- 1941年(昭和16年)
- 1942年(昭和17年)4月1日 通行税改定に伴う、旅客運賃改定。旅客運賃改定。41キロ以上81キロ未満移動をした場合は、通行税5銭が、81キロ以上移動した場合は、15銭が運賃に加算される。
- 1944年(昭和19年)
- 4月1日 旅客運賃改定。初乗旅客運賃、大人10銭、小児5銭。同時に、通行税が改定され、21キロ以上キロ当たり5厘の通行税が運賃に加算される。
- 5月31日 陸上交通事業調整法により、京王電気軌道も東京急行電鉄に統合される。
- 1945年(昭和20年)4月1日 旅客運賃改定。初乗旅客運賃は変わらず。
- 1946年(昭和21年)4月1日 旅客運賃改定。初乗旅客運賃、大人20銭、小児10銭に。
- 1947年(昭和22年)
- 3月1日 旅客運賃改定。初乗旅客運賃、大人50銭、小児30銭に。
- 7月7日 旅客運賃改定。初乗旅客運賃、大人1円、小児50銭に。
- 1948年(昭和23年)
- 5月18日 旅客運賃改定。初乗旅客運賃、大人2円、小児1円に。
- 6月1日 東京急行電鉄から分離し、京王帝都電鉄(現・京王電鉄)、京浜急行電鉄と共に資本金1億円の小田急電鉄株式会社として再発足。その際旧帝都線は京王帝都電鉄の所属になる。同時に箱根登山鉄道と神奈川中央乗合自動車(現在の神奈川中央交通)を関係会社に加える。
- 7月18日 旅客運賃改定。初乗旅客運賃、大人3円、小児2円に。同時に、通行税が改定され、キロ当たり運賃の2割が加算される。
- 10月16日 復興整備車により、戦後初めて新宿 - 小田原間のノンストップ特急運転開始。
- 10月 新宿駅西口に案内所(現在のロマンスカー営業センター)開設。
- 1949年(昭和24年)
- 1950年(昭和25年)
- 1951年(昭和26年)
- 1952年(昭和27年)4月1日 向ヶ丘遊園が有料となる。
- 1953年(昭和28年)
- 1954年(昭和29年)9月10日 立川バスを関係会社に加える。
- 1955年(昭和30年)
- 1957年(昭和32年)
- 1958年(昭和33年)
- 1959年(昭和34年)
- 1960年(昭和35年)9月7日 箱根ロープウェイ大涌谷駅 - 桃源台駅開通に伴い、箱根ゴールデンコースが完成。
- 1961年(昭和36年)
- 1962年(昭和37年)
- 10月19日 大野工場開設。経堂・相武台の両工場を閉鎖。
- 11月1日 旅客運賃改定。初乗旅客運賃は変わらず。
- 1963年(昭和38年)3月16日 ロマンスカー3100形「NSE」車就役。
- 1964年(昭和39年)
- 1966年(昭和41年)
- 1967年(昭和42年)
- 1968年(昭和43年)
- 3月1日 大野給電所新設に伴い、全変電所の集中制御を開始。
- 7月1日 国鉄御殿場線の電化に伴い、気動車の運行を廃止し、ロマンスカー3000形「SSE」による乗り入れ開始。
- 1969年(昭和44年)
- 1970年(昭和45年)
- 1971年(昭和46年)4月16日 東海自動車を傘下に収める。
- 1972年(昭和47年)12月18日 海老名電車基地開設。
- 1973年(昭和48年)
- 5月 全線の踏切に保安設備を設置。第4種踏切の消滅。
- 9月8日 運輸指令所を相模大野に移設。
- 1974年(昭和49年)
- 4月16日 全列車の列車無線使用開始。
- 6月1日 多摩線新百合ヶ丘 - 小田急永山間開業。4駅開設。初乗旅客運賃、多摩線内に限り、大人40円、小児20円に。
- 7月20日 旅客運賃改定。小田原線・江ノ島線は、初乗旅客運賃、大人40円、小児20円に。多摩線は、変わらず。
- 11月15日 「小田急御殿場ファミリーランド」開設。
- 1975年(昭和50年)
- 4月23日 多摩線が小田急多摩センターまで延伸。
- 8月18日 本社事務所を新宿駅西口の小田急明治生命ビル(現・小田急明治安田生命ビル)に移転。
- 12月13日 旅客運賃改定。初乗旅客運賃、大人60円、小児30円に。
- 1976年(昭和51年)10月28日 「小田急箱根アスレチックガーデン」開設。
- 1977年(昭和52年)7月1日 新宿 - 本厚木間の急行10両運転開始。
- 1978年(昭和53年)3月31日 営団地下鉄(現・東京地下鉄)千代田線との相互直通運転開始。同時に準急10両運転開始。
- 1979年(昭和54年)
- 1980年(昭和55年)12月27日 ロマンスカー7000形「LSE」車就役。
- 1981年(昭和56年)
- 1982年(昭和57年)
- 4月1日 新宿駅改良工事が完成し、全面使用開始。
- 7月12日 箱根登山線に大型(20m車)6両編成乗り入れ開始。
- 1984年(昭和59年)
- 1985年(昭和60年)7月20日 「丹沢・大山フリーパス」発売開始。
- 1986年(昭和61年)10月4日 ロマンスカーに車内電話を設置。
- 1987年(昭和62年)
- 7月1日 すべてのロマンスカーに禁煙車を設置。
- 10月1日 全駅で、朝7時 - 9時30分・夕方17時 - 19時30分の間を「禁煙タイム」とし、一部時間の駅構内禁煙化が行われる。
- 12月23日 ロマンスカー10000形「HiSE」車就役。
- 1988年(昭和63年)
- 1989年(平成元年)
- 4月1日 消費税の導入により、旅客運賃改定。初乗旅客運賃は変わらず。
- 7月20日 小田原線喜多見 - 和泉多摩川間複々線化工事着工。
- 1990年(平成2年)
- 1991年(平成3年)
- 1992年(平成4年)
- 1993年(平成5年)5月1日 全駅で終日禁煙を実施(ただし、喫煙コーナーは設置されている)。
- 1994年(平成6年)
- 3月27日 喜多見電車基地使用開始。経堂電車基地は閉鎖。
- 12月20日 小田原線世田谷代田 - 喜多見間の複々線化工事着工。
- 1995年(平成7年)9月1日 旅客運賃改定。初乗旅客運賃、小田原線・江ノ島線は、大人130円、小児70円。多摩線は、大人140円、小児70円に。窓口端末更新開始。
- 1996年(平成8年)
- 1997年(平成9年)
- 1998年(平成10年)
- 1999年(平成11年)
- 4月1日 フェアースルーシステム導入。
- 7月17日 特急列車の乗車改札を廃止。
- 9月5日 「小田急御殿場ファミリーランド」閉鎖。
- 2000年(平成12年)
- 2001年(平成13年)
- 2002年(平成14年)
- 2003年(平成15年)
- 3月30日 小田原駅改良工事(橋上駅舎)が完成し、使用開始。および、特急列車の座席番号方式変更。この日から窓口端末を全駅・全小田急トラベルで一気にすべて再び更新。
- 5月1日 全駅の全面禁煙化実施。
- 8月1日 箱根登山鉄道を完全子会社化。
- 2004年(平成16年)
- 10月1日 箱根地区の事業各社を統括する持株会社小田急箱根ホールディングス発足。
- 12月11日 湘南急行を廃止し快速急行・区間準急新設。同日、「小田急東京メトロパス」発売開始。
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)
- 2007年(平成19年)[[ファイル:OER-3474-80th.jpg|thumb|180px|開業80周年ステッカーを運転台後に貼付した3000形]]
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)
- 4月1日 西武鉄道などと共に関東大手私鉄では初めてスルッとKANSAI協議会と提携。同日より同協議会と連携して資材の共同購入が実施される。
路線
thumb|left|800px|小田急電鉄・路線図(箱根登山線の一部区間を含む)
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現有路線
- 小田原線:新宿駅 - 小田原駅間 (82.5km)
- 江ノ島線:相模大野駅(相模大野分岐点) - 片瀬江ノ島駅間(27.6km、相模大野分岐点からは27.4km)
- 多摩線:新百合ヶ丘駅 - 唐木田駅間 (10.6km)
小田原線
小田原線は、1927年4月1日に全線開通。東京都新宿区の新宿駅から神奈川県小田原市の小田原駅までを結ぶ。
東京圏の通勤路線としての性格と、有料特急ロマンスカーをはじめとする小田原・箱根方面への観光輸送の両面を持つ。
東京都区部を通る区間を中心にラッシュ時は混雑する。そのため、代々木上原駅から登戸駅 - 和泉多摩川駅間の地点との間は輸送力増強のため複々線化事業が行われており、2008年9月までに東北沢駅 - 梅ヶ丘駅を除く区間が完成している。
若者の街として著名な下北沢、沿線有数の高級住宅街を擁する成城、大規模な住宅地および新宿に次ぐ大規模繁華街を擁する町田、江ノ島線との交点であり運行の要所である相模大野、ベッドタウンの海老名、県央地域最大の都市である厚木や、海に面する歴史に満ちた城下町小田原を結ぶ、小田急を代表する路線である。
東京メトロ千代田線と相互直通運転を行っていて、小田急の車両は代々木上原駅から東京メトロ綾瀬駅まで乗り入れる。なお、東京メトロの車両は東日本旅客鉄道(JR東日本)取手駅方面から千代田線、小田原線を経て多摩線唐木田駅へ通し運転されるものもある。
また、小田原駅から箱根登山鉄道箱根湯本駅まで特急ロマンスカー、急行列車及び一部の各駅停車が乗り入れているが、2008年3月15日のダイヤ改正以降は急行・準急列車は箱根登山鉄道へ乗り入れず、特急ロマンスカーと一部の各駅停車のみの乗り入れとなる。
特急「あさぎり」は新松田駅 - 松田駅間の連絡線(新松田駅の少し渋沢駅寄りにある)を経由して東海旅客鉄道(JR東海)御殿場線沼津駅まで両社相互に直通運転を行っている。なお、関東地方では唯一営業路線が、JR2社(JR東日本・JR東海)の在来線管内を直接結んでいる(JR東日本新宿駅、小田原駅等とJR東海松田駅)。
江ノ島線
江ノ島線は、神奈川県相模原市の相模大野駅から神奈川県藤沢市の片瀬江ノ島駅間を結ぶ。正確には相模大野駅から小田原駅方の地点に小田原線との分岐点「相模大野分岐点」があり、ここは運賃計算に反映されている。小田原線が開業して2年後の1929年4月1日に全線開通した。
多摩線
多摩線は、神奈川県川崎市の新百合ヶ丘駅と東京都多摩市の唐木田駅を結ぶ。東京メトロ千代田線と併せて東京都の都市計画9号線を実現する。
多摩ニュータウンへの連絡鉄道として建設された経緯がある。途中の小田急多摩センター駅まで開業した当時、そこより先を橋本駅まで京王相模原線と併走する計画であったが、京王相模原線と競合する事や単純に旅客需要が見込めない事から取り下げ、唐木田駅と車庫を開業させた。
今後は横浜線相模原駅や相模線上溝駅方面への延長も計画されており、相模原駅延伸への前提となる米軍相模総合補給廠の一部返還が事実上内定したことから実現されるかどうか注目されている。
開業当初から2002年までは線内折り返しがほとんどだったが、現在は区間準急と千代田線・常磐線直通の多摩急行がそれぞれ日中に毎時2本運転されている。また、この他に線内折り返しの各停が毎時4本運転されており、同線では区間準急(線内各駅停車)と共に最低でも毎時6本が確保されている。
急行と多摩急行は多摩線内では栗平駅、小田急永山駅、小田急多摩センター駅、唐木田駅に停車する。なお、平日朝には唐木田から線内折り返し及び千代田線・常磐線直通の急行が、また夜間には新宿 - 唐木田間のロマンスカーホームウェイなども見られる(平日:3本、休日:2本)。
その他の営業線
JR御殿場線へ直通運転するために、小田原線新松田駅付近から御殿場線松田駅へ向かう連絡線(通称・松田連絡線)が存在する。定期列車では特急「あさぎり」のみ使用する単線で、これも小田急の営業路線である。車両メーカーからの新車搬入(甲種輸送)の際にもこの連絡線が使用される(かつては小田原駅で行っていた)。
廃止路線
- 向ヶ丘遊園モノレール線:向ヶ丘遊園駅 - 向ヶ丘遊園正門駅間 (1.1km)
- 向ヶ丘遊園索道線:遊園正門前駅 - 見晴台駅間 (0.245km)
向ヶ丘遊園モノレール線
向ヶ丘遊園モノレール線は、小田原線の向ヶ丘遊園駅から向ヶ丘遊園の近くの向ヶ丘遊園正門駅までの間1.1kmを結んでいた、モノレールとしては日本では数少ないロッキード式モノレールだった。それまでの豆電車に代わって1966年に開業した。
1980年代に向ヶ丘遊園でウルトラマンショーが開催された際は、PRを兼ねて運転台部分をすっぽり覆う巨大なウルトラマンのお面を取り付けていた。
2000年2月の定期検査時にモノレールの台車枠に30cmもある致命的な亀裂がある事が判明したため、同月13日に運転が休止された。改修費用が試算されたところ、同年11月30日に出来上がった報告書にはロッキード式という希少な車種であった事が災いし、修理やその他設備の改修に3億8000万円近くの費用と2年間の工事期間が必要な事が判明した。一方、同線は遊園地への輸送が目的であり、その遊園地の利用客も減少していたため、費用対効果の面から改修費用が捻出不可能との判断が下される。これにより、運休1年後の2001年2月1日に正式廃止となり、翌3月にはさよなら展示会が向ヶ丘遊園正門駅で開催された。
向ヶ丘遊園自体も2002年3月いっぱいで閉鎖(バラ苑のみ川崎市の管理で存続)となり、レールも撤去されてしまったが、川崎市によって、廃線跡地に遊歩道が作られたほか、モノレールの橋脚のモニュメントも設置されている。
その他の廃止線
- 新宿省社連絡線:1944年8月、小田原線下り線路と国鉄中央緩行線下り線路の間に作られた連絡線。戦時中は、国鉄から小田急への車輛貸し出しに使われた線路であった。戦後は、1951年2月に小田急で行われたカルダン駆動の電車の走行テストを相武台にて実施する試験車両が、この線路を通ったほか、機材輸送のため、国鉄大井工場 - 小田急経堂工場間に配給電車や日本車輌製造蕨工場にて作られた新造車の搬入もこの線路が使われた。その後、1960年2月に1100形の4両を日立電鉄へ譲渡した際に使われたのを最後に、連絡線は使われなくなり、1963年7月7日に撤去となった。
- 代田連絡線:大東急時代に設置された線路。詳しくは、代田連絡線参照。なお、線路自体は、大東急解体後は、京王帝都電鉄(現・京王電鉄)所有となった。
- 南武連絡線:1935年9月に小田原急行鉄道と南武鉄道(現・南武線)の間で協定が結ばれ、作られた連絡線。主に、小田急の座間駅(現・相武台前駅)にて集荷した砂利を横浜・川崎方面に輸送するために設けられた線路で、1936年初頭に設けられた。連絡線は、砂利輸送を目的とするものであったが、電車のやりとりも行われた。しかし、1944年に南武鉄道が国有化され南武線となると電車のやりとりはなくなり、稲城長沼駅付近にあった弾薬庫からの輸送のため、小田急(当時は、大東急)所有の無蓋貨車がこの線路を使い貸し出され南武線を走った。戦後は、1947年5月に小田急の1600形が南武線に貸し出される際に使用されるなどしたが、その後使われなくなり、1961年に川崎市が市道を造成することとなったことから、1967年3月、廃止された。
計画・工事路線
- 複々線化(東北沢 - 世田谷代田) … 地下式複々線化計画。これに伴って、下北沢駅は、2013年頃に緩行線・急行線別の上下2層式となる予定。完成すると、同区間の9個の踏切が廃止される。
- 3線化(登戸 - 向ヶ丘遊園) … 上り2線、下り1線の3線化(2007年9月8日新下り線に切り替え)。将来は現地の区画整理とともに複々線化される予定。
- 複々線化(登戸 - 新百合ヶ丘) … 運輸政策審議会答申第18号により2015年までに整備着手することが適当であるとされている計画。輸送量の減少や、工事用地不足などにより着工の見通しは立っていない。
- 複々線化(町田 - 相模大野) … 町田 - 相模大野間を複々線化して、江ノ島線の町田駅直通を増やす計画。町田1号踏切から相模大野付近までは複々線化が可能に見えるが、町田駅付近は高架や切り通しがあり、用地はないため、実現はかなり難しいと見られている。また、町田駅の引き上げ線が6両分しかないため、完成しても直通本数はあまり増えないという意見もある。
- 相模鉄道乗り入れ … 相模鉄道の終点駅である海老名駅から本厚木駅方面へ乗り入れを復活させる計画。2006年4月16日に、厚木ロイヤルパークホテル(現:ロワジールホテル厚木)でシンポジウムが行われたが、両線の過密ダイヤ、保安装置の違いなど、課題が多数ある。さらには、海老名駅の大規模改良工事を開始したために、現実性に乏しいものとなっている。
- 多摩線延伸 … 唐木田 - 横浜線 - 上溝への延伸計画。長年、困難だと思われてきたが、相模原駅東側にある在日米軍相模総合補給廠の一部 (2ha) が鉄道・道路用地として返還されることになり、少し可能性が出てきた。相模原市によると、唐木田駅と相模原駅の間に2駅、相模原駅と上溝駅の間に1駅を想定している。第三セクターを設立し国と県、市の3者で事業費を3分の1ずつ負担することが検討されている。運転などは小田急電鉄に委託する。
保安装置
自動列車停止装置
変周式の自動列車停止装置 (OM-ATS) を全線で採用しているが、デジタル信号を用いたD-ATS-Pへの更新が進められている。
踏切集中監視システム
小田急線内にある230余の全踏切に監視カメラ・集音マイク・スピーカーを設置(立体化によって廃止される予定の踏切には監視カメラのみ設置)し、運輸司令所と隣接している電気司令所にて踏切の各動作(遮断機の動作、異常発生時の機器の状況)を監視するもので、踏切支障時の迅速な対応が可能になる。2005年から導入が始まり、2008年12月に全線で導入を完了している。
ダイヤ
Template:Main 2006年以降のダイヤ改正は小田原線・多摩線が東京地下鉄千代田線経由でJR常磐線各駅停車と直通運転を行い、小田原線の特急「あさぎり」が渋沢 - 松田間の連絡線経由でJR御殿場線と相互直通運転を行っている関係で、一部の例外を除きJRグループのダイヤ改正と同じ日程で行われている。ただし2007年は実施されず、2010年は一部列車のダイヤ修正にとどまっている。
優等列車
Template:See also 小田急電鉄では、「ロマンスカー」と総称して呼ばれる有料特急列車を運行しており、系統・種類に応じて下記の愛称がある。全列車、全座席指定。
現在の愛称
- 「はこね」:小田原線系統で、箱根登山鉄道鉄道線に乗り入れ、箱根湯本駅まで運行する列車。
- 「スーパーはこね」:上記の「はこね」の新宿 - 小田原無停車列車であり、箱根湯本まで乗り入れ運行する列車。
- 「さがみ」:小田原線系統の列車で、箱根登山鉄道線に乗り入れないもの。基本的には小田原駅発着だが、車庫の都合で区間運行の列車も存在する。1999年に「サポート」という愛称に変更されたが2004年12月のダイヤ改正で再改称された。
- 「えのしま」:江ノ島線系統の列車。
- 「あさぎり」:JR御殿場線に乗り入れ、沼津駅まで運行する列車。御殿場駅 - 沼津駅間のみ自由席を設定。担当形式車両は20000形RSE及びJR東海371系。
- 「ホームウェイ」:新宿駅を18時以降に発車する下り列車。JRでの「ホームライナー」に相当し、該当する時間帯は「スーパーはこね」・「はこね」・「さがみ」・「えのしま」系統の全ての列車がこの愛称となるが、多摩線直通の列車も平日に3本、土曜・休日に2本(2004年12月現在)存在する。通勤時間帯での運行となるため、日中に比べ多少時間が掛かることが多い。
2008年3月15日からの東京メトロ千代田線乗り入れ開始に伴い次の愛称が登場した。同時に新設された後述のベイリゾート号以外はすべて頭に「メトロ」がつく。これらはすべて60000形MSEにより運転される。
- 「メトロホームウェイ」:夕方18時以降にメトロ線から小田急線に乗り入れる下り列車(平日3本、土休日1本)。
- 「メトロはこね」:土休日にメトロ線と箱根湯本駅間を運転する列車(土休日上り2本・下り2本)。
- 「メトロさがみ」:朝方に小田急線からメトロ線に乗り入れる上り列車(平日1本・土休日1本)。
運行日が限定される列車
- 「ベイリゾート」:2008年5月3日運行開始。土休日に小田急線と東京メトロ有楽町線新木場駅間を結ぶ臨時列車(土休日上り1本、下り1本)。土休日に運転する「メトロさがみ」「メトロホームウェイ」が、年間30日程度、メトロ線内の発着駅を千代田線北千住駅から有楽町線新木場駅に変更して運転する。
- 「ニューイヤーエクスプレス」:2001年12月31日運行開始。毎年同日夜から翌年1月1日早朝までの終夜運転にあわせて運行される臨時特急である。この列車は、初詣号の頃から明治神宮参詣客のために、普段は各駅停車しか停まらない参宮橋駅に停車する。
過去の愛称
- 「サポート」:1999年に「さがみ」に変わって登場。2004年12月のダイヤ改正で「さがみ」の復活に伴い消滅。
- 「あしがら」:1999年に廃止。さがみと同様に小田原系統の列車、「さがみ」との相違点は停車駅。
車両
小田急電鉄の場合、2600形までの通勤形車両については制御装置等の英字による略称を内部用語として用いることがあり、趣味的にも流用される。また、その延長で3000形 (初代)に"Super Express(Car)"の略称である「SE」の通称を与え、以降特急形車両については内部または公募で愛称・略称を与えられている。前者は全電動車式高性能車の問題を、後者は小田急ロマンスカーを参照されたい。なお、京浜急行電鉄、京成電鉄や東京都交通局、および阪神電気鉄道の昭和50年代までに落成した車両などと同様に「○○系(けい)」ではなく「○○形(がた)」と呼称される。また、特急形・通勤形とも固定編成を前提とした機器構成がなされているので、原則として編成替えは行われない。
技術面での評価は高く、1957年には3000形「SE車」が東海道本線にて当時の狭軌鉄道での最高速度世界記録(145km/h)を樹立した。その他、鉄道関係の賞(ブルーリボン賞、ローレル賞など)を数多く受賞している。
車両の製造メーカーは特急形が日本車輌製造と川崎重工業、通勤形は前記の二社と東急車輛製造・JR東日本新津車両製作所である。車両更新・改修は車両製造メーカーまたはグループ企業の小田急車両工業で施工される。制御装置の製造メーカーは特急形が東芝、通勤形は三菱電機と分けられている。
火災防止のため、全ての通勤形車両で車両間にある仕切扉のドアストッパーを撤去した。また、在籍する通勤形車両の集電装置は全てシングルアーム式パンタグラフを搭載している。これは大手私鉄では初めてである。
台車については、開業以来一部(ロマンスカー3000形SE車、国鉄タイプの1800形、旧型車の機器を流用した4000形 (初代))を除いて長い間住友金属工業製のもの(特に2200形から1000形までの新造通勤用車両やロマンスカー7000・10000・20000形はリンク式の一種であるアルストム式と呼ばれる構造)が採用されていたが、ロマンスカーの50000形VSE以降は日本車輌製造製に、通勤用の3000形以降は東急車輛製造製に切り換えられている。
現有車両
特急形車両
- 60000形「MSE」(東京地下鉄直通仕様特急車両)
- 50000形「VSE」
- 30000形「EXE」
- 20000形「RSE」(JR御殿場線直通特急「あさぎり」向け車両)
- 10000形「HiSE」(2編成が長野電鉄に譲渡された)
- 7000形「LSE」(1編成は旧塗装)
ファイル:Model 60000 of Odakyu Electric Railway 5.JPG
60000形「MSE」 |
ファイル:OdakyuSeries50000Vault Super Express.JPG
50000形「VSE」 |
ファイル:OER Romancecar Enoshima -EXE-.jpg
30000形「EXE」 |
ファイル:OdakyuSeries20000Resort Super Express.JPG
20000形「RSE」 |
ファイル:OdakyuSeries10000HighDeckerSuperExpress.JPG
10000形「HiSE」 |
ファイル:Model 7000 old color of Odakyu Electric Railway.JPG
7000形「LSE」 |
通勤形車両
- 4000形(2代)(地下鉄千代田線直通対応車両)
- 3000形(2代)
- 2000形
- 1000形(一部編成は地下鉄千代田線直通対応)
- 8000形(6両編成すべて・4両編成の一部がリニューアル済み)
- 5000形・5200形(一部車両が廃車、一部の6両編成は4両化<ref>「Topic Photos 小田急5200形5256Fを4連化」『鉄道ピクトリアル』2008年3月号(通巻801号)83頁、電気車研究会</ref>)
ファイル:ODAKYU4052F-TENJI.JPG
4000形(2代) |
ファイル:Odakyu3000new.jpg
3000形(2代) |
ファイル:Model 2000-Third of Odakyu Electric Railway.JPG
2000形 |
ファイル:Model 1000-4+4cars of Odakyu Electric Railway.JPG
1000形 |
ファイル:Odakyu8000-1.jpg
8000形 |
ファイル:Model 5000-Fifth of Odakyu Electric Railway.JPG
5000形・5200形 |
鉄道事業用車
ファイル:Odakyu kuya31 2.jpg
クヤ31 |
過去の車両
特急形車両
特急形気動車
特急形車両として登場後通勤形車両に格下げされた車両
通勤形車両
- 9000形(初代千代田線乗り入れ用車両・ローレル賞受賞車両)
- 4000形(初代)(元釣り掛け車。のちに2400形の機器流用)
- 2600形(初の大型鋼製車両)
- 2400形
- 2220形
- 2200形(初の高性能車)
- 2100形
- 1900形
- 1800形(63系などを改造)
- 1600形
- 1500形(帝都電鉄モハ200形→小田急デハ1500形/帝都電鉄クハ500形→小田急クハ1550形)
- 1400形
- 1300形(小田原急行151形・大東急→小田急1250形)
- 1200形(小田原急行101形・121形・131形・大東急1200形)
- 1100形(小田原急行1形・大東急→小田急1150形)
モノレール
File:Odakyu-3100.jpg
3100形「NSE」 |
File:ODAKYU-ROMANCECAR-SSE-3000.jpg
3000形「SE」・「SSE」 |
File:Odakyu4000.jpg
4000形(初代) |
File:OER-2200.JPG
2200形 |
File:OER-1303.jpg
1300形 |
File:OER-1406.jpg
1400形 |
File:Odakyu-Moha-1.JPG
小田原急行1形(1100形) |
File:Odakyu-500.jpg
500形 |
その他
この他、小田原線で過去にパイオニア台車試験のため東急より7000系(初代)を借入れの上、試験走行を実施したこともあった。
車両基地・検修施設
- 小田急電鉄の車両検修施設の項を参照。
乗務員区所
- 喜多見電車区
- 喜多見車掌区
- 大野電車区
- 大野車掌区
- 海老名電車区
- 海老名車掌区
研修センター
喜多見駅近くに小田急喜多見総合事務所があるが、その向かいに小田急研修センターがある。そこでは、自社やグループ社員の教習や養成等の研修を行っている。
運賃
大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2005年3月20日改定。
キロ程 | 運賃(円) | キロ程 | 運賃(円) |
---|---|---|---|
初乗り - 3km | 120 | 38 - 41 | 440 |
4 - 6 | 150 | 42 - 46 | 480 |
7 - 9 | 180 | 47 - 51 | 520 |
10 - 13 | 210 | 52 - 56 | 570 |
14 - 17 | 240 | 57 - 61 | 610 |
18 - 21 | 270 | 62 - 66 | 650 |
22 - 25 | 300 | 67 - 71 | 700 |
26 - 29 | 330 | 72 - 76 | 750 |
30 - 33 | 360 | 77 - 81 | 800 |
34 - 37 | 400 | 82 - 83 | 850 |
- 小田原線小田急相模原以遠の各駅と江ノ島線東林間以遠の各駅相互間の運賃は相模大野 - 相模大野分岐点間のキロ程を含めずに算出する。
- 2005年3月に運賃初乗り3kmを120円に値下げした。1997年に値下げを行った京王電鉄に次ぐものである。
乗車券類の発売
- 特急券のモバイル購入システム「ロマンスカー@クラブ」を導入している。取り扱い区間は、小田急線・東京メトロ線の各駅相互間。
- 一部を除くすべての券売機では定期券・フリーパス類をクレジットカードで購入することができる。
- 一部を除く乗車券・特急券・フリーパスはJTBなど旅行エージェンシーでも購入することができる。
フリーパス・クーポン
小田急は沿線に、箱根や江の島・鎌倉、丹沢・大山、伊豆といった有名観光地があり、観光客向けに「フリーパス」や「クーポン」を発売している。
一部のものは相模鉄道・西武鉄道でも販売しているので、両鉄道の各駅からも利用できる。
フリーパス
クーポン・パス・割引きっぷ
温泉クーポン
- 箱根ホテル小涌園 湯ったりクーポン
- 小田急電鉄線発駅から箱根登山鉄道線強羅駅までの往復割引乗車券(途中下車可)、箱根登山バス指定区間往復乗車券(途中下車可)およびホテル小涌園露天風呂の入湯券および昼食がセットになったクーポン券。有効期間は、使用開始日を含めて2日間。
- 箱根小涌園ユネッサン 湯遊びクーポン
- 小田急電鉄線発駅から箱根登山鉄道線強羅駅までの往復割引乗車券(途中下車可)、箱根登山バス指定区間往復乗車券(途中下車可)および小涌園ユネッサンの入湯券がセットになったクーポン券。有効期間は、使用開始日を含めて2日間。なお、出発日が4月30日 - 5月5日および7月31日 - 8月31日の場合、料金が増額。
- 「湯の里 おかだ」湯本湯ったりクーポン
- 小田急電鉄線発駅から箱根登山鉄道線箱根湯本駅までの往復割引乗車券(途中下車可)および箱根湯本「湯の里」入湯券および昼食がセットになったクーポン券。有効期間は、使用開始日を含めて2日間。
- 箱根ベゴニア園・ひめしゃらの湯のクーポン
- 小田急電鉄線発駅から箱根登山鉄道線箱根湯本駅までの往復割引乗車券(途中下車可)、箱根ベゴニア園割引入園券およびひめしゃらの湯割引入湯券がセットになったクーポン券。有効期間は、使用開始日を含めて2日間。
- 箱根野天風呂クーポンA 天山湯治郷
- 小田急電鉄線発駅から箱根登山鉄道線箱根湯本駅までの往復割引乗車券(途中下車可)および天山湯治郷割引入湯券がセットになったクーポン券。有効期間は、使用開始日を含めて2日間。
- 箱根野天風呂クーポンB かっぱ天国
- 小田急電鉄線発駅から箱根登山鉄道線箱根湯本駅までの往復割引乗車券(途中下車可)およびかっぱ天国割引入湯券がセットになったクーポン券。有効期間は、使用開始日を含めて2日間。
- 小田急箱根レイクホテル(日帰り)入湯クーポン
- 小田急箱根高速バスの新宿 - 箱根レイクホテル間往復割引乗車券および箱根レイクホテル天然温泉シャクナゲの湯割引入湯休憩券がセットになったクーポン券。有効期間は、使用開始日を含めて1日間。
- 箱根仙石入湯クーポン
- 小田急箱根高速バスの新宿 - 仙郷楼前間往復割引乗車券および南甫園割引入園券がセットになったクーポン券。有効期間は、使用開始日を含めて1日間。
ハイキングパス
- 宮ヶ瀬ダムハイキングパス
- 小田急電鉄線発駅から本厚木駅までの往復割引乗車券(途中下車可)および神奈川中央交通バスの指定区間に乗降自由のフリーパスがセットになった券。有効期間は、使用開始日を含めて2日間。
- 足柄古道・万葉ハイキングパス
- 小田急電鉄線発駅から新松田駅までの往復割引乗車券(途中下車可)および箱根登山バスの指定区間に乗降自由のフリーパスがセットになった券。有効期間は、使用開始日を含めて2日間。
その他のパス・きっぷ
- 彫刻の森美術館クーポン
- 小田急電鉄線発駅から箱根登山鉄道線彫刻の森駅・強羅駅までの往復割引乗車券(途中下車可)および箱根 彫刻の森美術館割引入場券がセットになった券。有効期間は、使用開始日を含めて2日間。
- 箱根旧街道・1号線きっぷ
- 小田急電鉄線発駅から小田原駅までの往復割引乗車券と箱根登山鉄道線小田原駅 - 小涌谷駅間および箱根登山バス小田原駅 - 元箱根港・箱根町間に乗降自由のフリーパスがセットになった券。有効期限は、使用開始日を含めて1日間。日本初のカーボンオフセットを導入した周遊券。2008年9月1日発売開始、同年10月1日利用開始。これの発売に伴い1988年3月から発売されていた「箱根旧街道ハイキングパス」廃止。
- 御殿場往復割引きっぷ
- 小田急電鉄発駅からJR御殿場線御殿場駅までの往復割引乗車券。発駅は新宿 - 本厚木間と江ノ島線・多摩線の各駅に限られる。特急あさぎり号利用時は、別途特急券が必要。
- 小江戸・川越フリークーポン
ブランドマーク
2008年3月15日より、新しいブランドマーク(アルファベットのOを図案化したマークと、小文字の「odakyu」ロゴの組み合わせ)の使用を開始し、特急車両・一般車両へのステッカーの貼付が開始された<ref>「小田急グループ ブランドマーク」を制定 (PDF) 小田急電鉄 2008年2月8日</ref>。ただし、小田急ロマンスカーのエンブレムとなっているヤマユリの花のイラストや、近郊形電車に付けられている「OER」の略称も、従来同様に新ブランドマークと並行して使用されている。 Template:Double image aside Template:-
駅などの設備
- 小田急では2005年を除き年2回社債を1月と7月(通称「小田急箱根あじさいボンド」、100万円以上、2006年7月の募集金額は150億円、格付AA-、利率は税込1.3%)野村證券、大和証券などで一般投資家向けに起債している。この資金などで各駅のバリアフリー化、待合室の設置などを行っている。
- 新宿駅、小田原駅、藤沢駅、片瀬江ノ島駅、新百合ヶ丘駅(多摩線)、唐木田駅(これらはすべて路線の起終点駅またはスイッチバック構造の駅)を除いたすべての駅で上下別々のホームを使用している。かつては下北沢駅・梅ヶ丘駅において上下で島式ホーム1面を共用していたが、その後梅ヶ丘駅は対向式ホームへ改良され、下北沢駅ではホーム増設が行なわれている。
- 沿線における戦後の急速な人口増加を見きわめきれず、新宿駅の大改良では短期間での再工事を行わざるを得なかった。
- 自動券売機などの更新には積極的で、早い時期に1万円札まで対応の券売機が全駅に設置されている。自動改札機の導入も全駅で完了しているが、有人改札口では改札鋏が引き続き使用されている。改札鋏の鋏痕は全駅で異なる。これを利用して、通常は部外秘である各駅の鋏痕を公開しただけでなく、1985年春には全駅の改札鋏を集めて回る「ぱちんぱっちん 68駅パンチめぐり」、1986年春には全駅の改札鋏とスタンプを集めて回る「ぺたんぱっちん 68駅スタンプ・パンチめぐり」といったイベントが行なわれた。
- 2006年から主要駅構内に自動体外式除細動器 (AED) が設置されている。また、2008年3月から運転を開始したロマンスカー60000形MSEには日本で初めて列車内にAEDが設置され、同年内に他のロマンスカー全編成にも設置された。
線路などの設備
- 安全面としては、脱線防止ガードを半径400m以下のカーブに設置している。
- 複々線区間等一部の軌道にはラダー枕木など最新の軌道技術を採用し、乗り心地にも配慮している。
- 世田谷区を中心とする沿線地主・支援者の反対運動などもあって、複々線化工事は遅れ、現在に至るまで劇的なラッシュ時の混雑解消やスピードアップは実現していない。なお、2004年11月に梅ヶ丘 - 和泉多摩川まで複々線が完成。引き続き梅ヶ丘 - 東北沢間(代々木上原 - 東北沢間は一旦完成していたが下北沢駅周辺の整備との関係で再工事)と和泉多摩川 - 向ヶ丘遊園間(川崎市による周辺地域の区画整理の遅れのため3線化)の複々線化工事は行われる。また、世田谷区内の沿線には、複々線建設反対の立て看板が多数設置してある。
運転業務
- 鉄道事業者としては、初めて「早期地震警報システム」を導入し、2006年8月1日に気象庁が特定事業者に向けて提供する配信開始にあわせて運用を開始した。
- 千葉県を営業基盤とする第三セクターの東葉高速鉄道は、自社の研修所を持たないため、動力車乗務員(運転士)の養成は開業当初、京成電鉄に委託していたが、その後委託先を変更し、小田急電鉄や東京急行電鉄で運転士の養成を行った。
旅客案内
thumb|200px|日本語・英語・ハングル併記の駅名標(江ノ島線藤沢駅)
- 2002年サッカーワールドカップでの旅客輸送などに対応するために、2001年頃から中国語・朝鮮語による案内を導入した。これは、横浜国際総合競技場方面(横浜線)への乗換駅である町田駅までの案内のためで、駅名標には英字に加えてハングル(一部には中国語簡体字)の併記も行われている。ただし、現状では町田駅のほか相模大野駅、海老名駅、本厚木駅、小田原駅、大和駅、湘南台駅、藤沢駅、片瀬江ノ島駅といった一部の主要駅のみにとどまっており、それ以外の駅では中国語と朝鮮語の表記は無い。2001年以降に新設・交換された駅名標などのサイン類は、基本的にハングル(一部は中国語簡体字)表記がなされたもので製作されている。
- 5分以上の遅れが発生した時に、公式サイトから遅延証明書をダウンロードすることができる。
アナウンス(自動放送)
現在、駅構内アナウンスは上りが関根正明、下りは緒方智美が、新宿駅は向山佳比子が担当している。ただし以下の駅は例外である。
- 経堂駅・成城学園前駅の下り緩行線と新百合ヶ丘駅の4番ホームは関根正明
- 経堂駅・成城学園前駅・登戸駅・向ヶ丘遊園駅の上り緩行線(経堂駅では4番ホーム)は緒方智美
- 小田原駅・藤沢駅・片瀬江ノ島駅・唐木田駅では、全ホーム緒方智美
車内自動放送は、日本語を西村文江(NACK5ニュースアナウンサー)が、英語をクリステル・チアリが担当している。
金融・与信事業
- 2003年10月24日に横浜銀行と連携し、全駅にATM設置を開始し、2005年4月1日に全駅でATMを始動させた。日本の鉄道会社の中では初の試み。
- 国際ブランド(VISA・MasterCard)のクレジットカードを自社で発行する鉄道会社は、日本では小田急電鉄と東日本旅客鉄道(JR東日本)、西日本旅客鉄道(JR西日本)の3社のみ。VISAとマスターカードのブランド供給会社は三菱UFJニコス。カード裏面には「三菱UFJニコス」と表示されている。このほかにもJCBブランドのカード発行もジェーシービーに委託する形で発行している。
ファン向けサービス
- 毎年10月の休日に、鉄道の日にちなみ、海老名電車基地内で鉄道ファン向けのイベント「ファミリー鉄道展」を開催している。鉄道グッズ・食品の販売、鉄道模型の展示、鉄道車両の撮影会が実施されている。
- 2007年の小田急線開業80周年を記念して、公式サイトに「小田急バーチャル鉄道博物館」を開設している。
スポーツとの関係
- 1949年11月27日付の朝日新聞朝刊に、プロ野球に関する記事があり、その中に『新リーグの一つは名称セントラルリーグで、巨人・阪神・中日・大陽の既成球団と、大洋漁業・西日本新聞・小田急の八チーム』とあった。この時点では小田急はプロ野球球団の所有を計画していた(他には山陽電気鉄道がプロ野球球団の所有を企図し、一時期2軍チームの山陽クラウンズを所有している)。なお、現実には、小田急はプロ野球球団を持つことはなく、国鉄が持ち、「国鉄スワローズ」(→サンケイ→ヤクルト)が発足した。
- 過去にバレーボールのVリーグに所属した女子チーム、小田急ジュノーを所有していた。丸山由美を初代監督に招いて1986年に発足させたが、Vリーグ所属の1998年限りで休部した。現在、小田急は丸山を主任講師としたバレーボールクリニックを世田谷区などで開催している。
- 沿線の町田市を本拠地とし、Jリーグ昇格を目指しJFLに参戦中のFC町田ゼルビアのスポンサーとしてユニフォームの胸部分に広告を掲出している。
その他
- 安藤記念事業団(厚生事業団)を通して社会還元を行っている。安藤楢六は中興の祖である。
- 日本映画の主題歌第一号となった「東京行進曲」(作詞:西條八十、1929年)に当時急速に発展していた新宿の代名詞の一つとして「いっそ小田急で逃げましょか」というフレーズが歌い上げられており、その部分は検閲で伏字になった経緯がある。当時から小田急という名称は浸透していたことがわかる。
- 1970年代前後には多くのテレビドラマの舞台として電車が登場し、沿線ドラマは全国に知れ渡るところとなった(代表例:ウルトラシリーズ・ケンちゃんシリーズなど)。
- 藤子不二雄の漫画「オバケのQ太郎」の命名の経緯として、藤本・安孫子両人が小田急を使って通勤していたので小田急からオバQになったという説がある。また、藤子不二雄の作品である「笑ゥせぇるすまん」の喪黒福造は、小田急線沿線に在住していることから、作品内に、度々、小田急線が登場する。
- 成城学園前駅付近の地下区間上のスペースを利用した貸し農園の経営も行っている。
提供番組
テレビ番組
かつて提供テレビ番組では企業CMとロマンスカーのCMが隔日入れ替えで放映されていたが、2009年9月時点では企業CMのみ放映されている。TBS系列の下記の2番組で交互に放映される。前身の「テレポートTBS6」と「ニュースの森」時代からスポンサーとして番組を提供している。
- 総力報道!THE NEWS - 月・水・金曜日
- イブニングワイド - 火・木曜日
ラジオ番組
TOKYO FMで長年にわたり昼のワイド番組のコーナースポンサーを担当していたが、現在は下記の番組を提供している。
- ODAKYU SOUND EXPRESS (角松敏生)
脚注
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参考文献
- 東京急行電鉄50年史
- 「鉄道ファン」2004年9月号 特集:東京メトロ(交友社)
- JTBキャンブックス「小田急電鉄の車両」(編者・著者 大幡哲海、出版・発行 JTB 2002年) ISBN 4533044697
- カラーブックス「768 日本の私鉄 小田急」(編者・著者 生方良雄・諸河久、出版・発行 保育社 1988年) ISBN 4586507683
- カラーブックス「902 日本の私鉄 小田急」(編者・著者 生方良雄・諸河久、出版・発行 保育社 1997年) ISBN 4586509023
- 「MY LINE 東京時刻表」各号(交通新聞社)
- 「小田急時刻表」各号(交通新聞社)
関連項目
- 日本の鉄道事業者一覧
- 小田急電鉄直営事業
- 小田急グループ
- 小田急ポイントカード
- 小田急沿線新聞
- おだきゅう
- ODAKYU VOICE
- 林間都市
- のんびりハイク&ウォーク
- グーパス
- 小田急ピポーの電車
- 小田急ダイヤ改正
外部リンク
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