大阪環状線

出典: Wikipedio


プライバシー・ポリシー Wikipedioについて 免責事項

Template:UKrail-header2Template:BS-daten

大阪環状線(おおさかかんじょうせん、Ōsaka Loop Line)は、大阪府大阪市内の大阪駅 - 西九条駅 - 天王寺駅 - 京橋駅 - 大阪駅間を環状に結ぶ西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線幹線)である。

「大阪環状線」の呼称が指す区間は典拠や目的により、次のように使い分けられている。

  1. 『JR 線路名称公告』や『JTB時刻表』では、大阪環状線は大阪駅を起点・終点とする21.7kmの路線であり、今宮駅 - 天王寺駅間2.2kmは関西本線との重複区間となっている。
  2. 民営化時に当時の運輸省に提出された事業基本計画、国土交通省監修の『鉄道要覧』および、JR西日本が発行している「データで見るJR西日本」では、大阪環状線は天王寺駅 - 新今宮駅間20.7kmの路線で、新今宮駅 - 天王寺駅間1.0kmは関西本線であり、今宮駅 - 新今宮駅間1.2kmは関西本線との重複区間となっている。
  3. 運行管理や旅客案内、『JR時刻表』での大阪環状線は、天王寺駅 - 大阪駅 - 天王寺駅となっている。
  4. JR旅客営業規則第78条第1項第1号に規定する電車特定区間の「大阪環状線内」は、大阪環状線(大阪駅 - 天王寺駅 - 大阪駅)のほか、桜島線(JRゆめ咲線)全線と関西本線(大和路線)天王寺駅 - JR難波駅間が含まれる。この区間内を相互発着する場合は運賃計算などに関する特例が適用される。

以下、特記が無い限りは 1. に従って記述する。なお、当路線を単に「環状線」と呼称する場合も多く、本項でも一部でそのように表記している。

目次

概要

大阪市の都心部外周部を環状運転している環状線であり、JR西日本のアーバンネットワークの中心路線として機能している。ラインカラーTemplate:Color)で、大阪のダイナミズムをイメージしている。

大阪環状線は、東海道本線関西鉄道(後の関西本線)を連絡するために、既に建物が密集して線路を通す余裕がない中心部を避けて通された東側の城東線、北西の西成線の一部(元の西成鉄道桜島線以外の区間)、南側の関西本線と貨物線の一部を、戦後高度経済成長期に西側の臨海部に新線を作って接続したものである。成立時点で既に内側に適当な用地がなかったこともあり、環状線内を横断・縦断する地上路線は存在しない。大阪市営地下鉄は従来から地下を横断・縦断しており、地下鉄以外でもJR・私鉄ともに地下区間により横断・縦断路線を建設する計画が何度か立てられ、2009年までにJRではJR東西線、私鉄では阪神なんば線 - 近鉄難波線 - 近鉄大阪線西九条駅 - 鶴橋駅間が実現している。

多くの駅で、各方面へのJR・私鉄各線、大阪市営地下鉄の各路線と連絡している。また環状運転を行う列車のほか、他路線への直通運転も多く行われている。ただし、大阪市の都心部は中之島淀屋橋本町など、南北を結ぶメインストリートである御堂筋沿線が中心となっているため、大阪市内の中心部輸送は御堂筋の地下を通る大阪市営地下鉄御堂筋線がその主力を担い、大阪環状線や他の市営地下鉄各線、市営バスがそれを補完する形になっている。それらは、同じように都市中心部で環状運転を行っている東京のJR東日本山手線との大きな相違点である。

路線の大半は高架であるが、天王寺駅付近と大阪城公園駅付近だけは地平を走っている。故にこの2駅だけは地上駅となっている。ただし、天王寺駅は掘割式の地下駅に分類される場合もある。また内回り線の新今宮駅 - 天王寺駅間には大阪環状線唯一<ref name="hitotsuya">大阪環状線の定義を冒頭に記したうちの2.とした場合、大阪環状線には踏切が存在しないことになる。</ref>の踏切である一ツ家踏切がある。

JR線で唯一、全列車が掲載されている紙の時刻表が存在しない路線である(大阪環状線と直通する列車の時刻は全列車掲載されている)。関西圏JR線の各駅停車全列車を収録している唯一の時刻表である交通新聞社西日本支社刊『携帯全国時刻表』でも、大阪環状線は省略されている。ただし、八峰出版がかつて発行していた『KATT 関西圏JR線私鉄線時刻表』では環状線が特集で組まれ、快速も含む全列車の時刻が掲載されたことがある。

全線が旅客営業規則の定める大都市近郊区間の「大阪近郊区間」、電車特定区間、およびIC乗車カードICOCA」の近畿圏エリアに含まれている。

路線データ

全区間、JR西日本大阪支社の直轄である。

沿線概況

Template:UKrail-header2Template:BS-tableTemplate:BSTemplate:BSTemplate:BS3Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS3Template:BS5Template:BS5Template:BS3Template:BSTemplate:BS3Template:BS3Template:BSTemplate:BSTemplate:BSTemplate:BSTemplate:BSTemplate:BSTemplate:BSTemplate:BSTemplate:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS3Template:BS3Template:BS5Template:BS3Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS3Template:BSTemplate:BSTemplate:BS3Template:BS3Template:BS3Template:BS3Template:BS3Template:BSTemplate:BS3Template:BS3Template:BS3Template:BS3Template:BS3Template:BSTemplate:BS3Template:BSTemplate:BS3Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS5Template:BS3Template:BS3Template:BS3Template:BSTemplate:BS3Template:BS3Template:BS
  • 地下鉄線などは経路表記を省略し、記号のみ表記

|} ここでは、沿線風景を大阪駅から内回り方向に記述する。

大阪駅は最も南側の1番のりばから発車する。大阪駅を出ると、東海道本線(JR神戸線JR宝塚線)と並走するが阪神高速梅田出入口の高架橋をくぐると右に別れていき、続いて阪神高速11号池田線をくぐると福島駅に着く。福島駅は東海道本線貨物支線が分岐しているが、貨物線は地平線を走り、福島駅を出ると右手から貨物線が地平線から高架橋へ上ってくる。阪神本線を越えると、阪神高速3号神戸線をくぐって野田駅、続いて西九条駅につく。西九条駅は島式2面5線であり、ホームがあるのは内側の3線のみである。桜島線(JRゆめ咲線)・梅田貨物線が分岐しており、大阪方面から桜島線に乗り入れているほか、梅田貨物線を経由して新大阪方面から特急列車も大阪環状線に直通している。

西九条駅を出ると、内・外回り線に挟まれる形で桜島線が地平に下って西進して別れていく。安治川を渡って大きく左にカーブすると、右手から阪神高速17号西大阪線国道43号が迫ってくると、高層ビルが建ち並ぶ弁天町駅に着く。弁天町駅は大阪環状線の最も西部に位置しており、大阪市営地下鉄中央線との接続駅で、大阪ベイエリアの入口にあたる。高架下には交通科学博物館があり、内回りホームからはそこの保存車両の一部が見ることができる。駅前は中央大通と国道43号が交差して車の交通量も多く、大阪環状線と直角に阪神高速16号大阪港線が交差している。

弁天町駅を出て一度左にカーブして東に向くと、内回り・外回りの間に空き地があるが、これがかつての境川信号場で、大阪臨港線が分岐していた。現在は、外回り線が大阪臨港線を跨ぐ橋梁がそのまま残っている。境川信号場で右にカーブするが、正面から左手に京セラドーム大阪とガスタンクのモニュメントのある大阪ガスのドームシティ(岩崎地区)が見えると、その最寄り駅である大正駅につく。大正駅は大正区の最北端に位置しており、区内方面には多数の大阪市営バスが運行されており、ラッシュ時には急行バスも運行されている。

大正駅の先で南海汐見橋線阪神高速15号堺線と交差すると芦原橋駅、すぐに今宮駅に至る。今宮駅は関西本線(大和路線)を越えるために、内回り線のホームは3階となっているが、外回り線はその必要がないため2階にホームがあり、関西本線の下り線と同一ホームで乗り換えることができる。

続く新今宮駅は、南海本線高野線大阪市営地下鉄御堂筋線堺筋線および、阪堺線との接続駅である。島式2面4線のうち、外側2線を大阪環状線の列車が、内側2線を関西本線および大阪環状線と直通運転する列車が使用している。新今宮駅を出ると、左手にフェスティバルゲートスパワールド通天閣阪神高速14号松原線をくぐって天王寺動物園と主要ランドマークが立ち並び、天王寺駅に着く。この間、外回り線は高架橋で関西本線を越えることになり、この交点付近に大阪環状線唯一の踏切<ref name="hitotsuya" />である一ツ家踏切がある。

天王寺駅は関西本線・阪和線が分岐しているほか、近鉄南大阪線、大阪市営地下鉄御堂筋線・谷町線阪堺上町線との接続駅で、南大阪の玄関口となっており、近鉄大阪阿部野橋駅の乗降者数は同社の中でも最も多く、JR西日本管内の乗車人員でも3位である。また、駅前には高速バスターミナルが設けられ、関東東北九州方面の主要都市への高速バスが設定されており、駅周辺には天王寺MiO近鉄百貨店などの商業施設が多く、天王寺ミナミキタなどに並ぶ大阪市の都市核の一つである。

天王寺駅を出ると左にカーブして、天王寺駅の北側にある阪和線をくぐって北上する。寺田町駅桃谷駅と続いて、近鉄大阪線・奈良線大阪市営地下鉄千日前線との接続駅である鶴橋駅に着く。ホームには近鉄との連絡改札口があり、かつては近鉄も乗降者数は1位であったこともあり乗り換え客も非常に多い。駅前は在日コリアンによってつくられたコリア・タウンが中核を担っている。周辺に焼肉店や韓国料理店が多く、駅周辺の賑わいは環境省かおり風景100選にも選ばれている。

鶴橋駅から玉造駅森ノ宮駅と続き、阪神高速13号東大阪線をくぐって、左手に大阪城大阪城公園、右手に森ノ宮電車区が見えると大阪城公園駅、森ノ宮電車区の入出区線が右手から迫り、左手に多数のビル群が乱立する大阪ビジネスパークを過ぎると京橋駅につく。京橋駅は駅の南端で片町線(学研都市線)とJR東西線、北端で京阪本線と、さらにその先で大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線と直角に交差しており、JR・京阪および地下鉄を含めると1日50万人以上の乗降客があり、京阪グループなどが拠点を置いていることから商業施設が多数集まっており、飲食店街や歓楽街も発展していることから大阪の東の玄関口とも呼ばれ、キタ・ミナミに対してヒガシと呼ばれることもある。

京橋駅を出ると正面にはかつての淀川電車区淀川駅に至る連絡線があった空き地が広がるが、大阪環状線は左にカーブする。桜ノ宮駅を過ぎ、旧淀川を渡って右にカーブすると日本一長い天神橋筋商店街のほぼ中央に位置する天満駅と続き、ビルの合間をかいくぐって行くと正面にHEP Fiveの赤い大きな観覧車や阪急百貨店アクティ大阪などビル群が見え始め、右手から東海道本線(JR京都線)が合流してくると、大阪駅に着く。

一ツ家踏切

新今宮駅 - 天王寺駅間にある一ツ家踏切は、大阪環状線内回り線(外回り線の同区間は関西本線を乗り越すため高架線になっている)のほかに関西本線と阪和線からの直通列車(特急「はるか」、「くろしお」、関空・紀州路快速など)も通過するため、開かずの踏切となる時間帯があり、踏切が開くまでに待ち切れず、通行人が踏切内に進入して電車が緊急停車する事故が頻繁に発生し、人身事故につながるケースもある。新今宮駅寄りに存在するガード下(ジャンジャン横丁直結の道路)を通るルートもあるが、遠回りを嫌う人が多いのが現状である。

この踏切で人身事故が発生するとその影響が、関西本線・阪和線・東海道本線(JR京都線)に波及することから、JR西日本ではその対策として、踏切照明灯を青色にするなどの対策を取っている。鉄道会社で青色の照明灯をいち早く導入したのはJR西日本で、実際に人身事故・踏切事故の抑止に効果があることから、青色の踏切照明灯は他線区にも導入されたが、この取り組みは他社(京浜急行電鉄弘明寺駅など)にも広がっている。

ルーフアート

沿線では、民家の屋根上を作品展示の場所としたルーフアートを見ることができる。すべての作品は、車内や駅ホームから見えるところにあり、現在は7箇所で展示している。

堺市の芸術家である余田卓也が1994年から設置し始めたもので、現在は「家庭のパスワード」の作品が設置されている。作品は、その家の住人が選んだ4桁の数字がシンボルカラーと共にそれぞれに数字と異なる色が掲げられている。

運行形態

日中の運行パターン
(2010年3月13日現在)<ref>「日中の運行パターン」の表には、関西本線と並走する今宮駅 - 天王寺駅間の列車を含む</ref>
種別\駅名 天王寺 今宮 西九条 大阪 京橋 天王寺
運行本数 普通6本
桜島線直通普通  3本
関空・紀州路快速3本 
大和路快速3本
(関西本線)快速3本      
(関西本線)普通6本      

</div> 大阪環状線内相互発着の普通列車のほか、桜島線・関西本線(大和路線)・阪和線へ直通する列車が運転されている。また、東海道本線(JR京都線)・紀勢本線(きのくに線)方面から特急列車が大阪環状線の一部区間を走行する。ダイヤは、西半分で特急列車や快速列車の運転が行われていたり、桜島線や阪和線・関西本線に直通する列車が多いために、複雑な構成になっている。その複雑なダイヤが災いして、大阪環状線内で人身事故等の輸送障害が発生すると、関西本線や阪和線さらには東海道本線にも波及することが多く、通常ダイヤに復旧するのに相当な時間を費やすこともある。

普通

基本的に車両は森ノ宮電車区201系または103系が使用されるが、ラッシュ時には日根野電車区223系奈良電車区の103系も使用されている。

朝夕ラッシュ時は約3分間隔で環状運転列車が運転されるほか、天王寺駅 - 京橋駅 - 大阪駅間で区間運転する普通列車を運転して混雑の緩和をはかっている。また、ラッシュ時間帯前後には森ノ宮電車区への入出区の関係から、京橋駅発着(内回り・外回り)・大阪城公園駅始発(外回りのみ)となる列車および、森ノ宮行(内回りのみ)がある。昼間時間帯においては環状運転列車は約10分間隔の毎時6本、大阪駅 - 京橋駅 - 天王寺駅間では、天王寺駅発着の列車が20分間隔(毎時3本)で運転されている。

時間調整のため、大阪駅・京橋駅・森ノ宮駅・新今宮駅で1 - 2分ほど停車するほか、天王寺駅では昼間時間帯であっても最大約7分ほど停車する列車があり、内回りではその先の各駅には天王寺駅で先発列車に乗り換えた方が早く到着する場合もある。また、新今宮駅で快速を待避する列車もあるため、先発先着の平行ダイヤにはなっていない。

駅や車内の案内放送では「○○方面」と案内されているが、駅や列車の表示は「大阪環状線」または「環状」と表示されている。

環状運転を行っているため、運転取り扱い上や旅客案内上は「上り・下り」という概念はなく、「外回り・内回り」という表現が用いられている。列車番号は内回りを奇数(関西本線直通列車を除く)としているが、奇数だから「下り」という意味ではなく、起点である大阪駅で、東海道本線と列車の方向と列車番号の奇偶数を合わせて内回りを奇数としただけである。

列車番号は、引き続き環状運転列車となる列車は1000番台を使用し、天王寺駅で列車番号が変わる。途中駅止まりの列車は2000番台が使用されている。なお、大阪環状線内のみを走行する列車には、JRの客車列車と同様に列車番号の末尾にアルファベットが付かない。

2009年3月14日のダイヤ改正で、乗務員の睡眠時間確保のために最終列車の大幅な繰り上げが行われ、大阪環状線では最大21分繰り上がった<ref>終電気い付けてや! 京阪神のJRダイヤ改正、乗り遅れ懸念 - 読売新聞 2009年3月15日</ref>。

直通列車

下記の路線へ列車が直通運転されている。下記の直通列車は、大阪環状線の全列車の実に4割を占めている。

桜島線(JRゆめ咲線)

Template:See also 桜島線内シャトル列車のほか、天王寺駅 - 京橋駅 - 桜島駅間で大阪環状線と直通運転を行っているが、列車運用上は環状系統と一体運用のため、実際には天王寺駅から新今宮方面へ環状運転列車として運転している(逆も同様)。朝夕ラッシュ時間帯のピーク時は桜島線へ直通運転を行っておらず、それ以外の時間帯は約20分間隔で運転されている。

桜島線と直通運転する列車には、列車番号の末尾にEがつく。

関西本線(大和路線)

Template:See also 1973年から関西本線(大和路線)に直通する快速列車が運転され、1989年3月から大和路快速として運転されるようになった。主に昼間時間帯に、天王寺駅 - 京橋駅 - 大阪駅 - 西九条駅 - 天王寺駅 - 奈良駅 - 加茂駅間で運転(JR時刻表では大阪駅発着で案内)されるが、土休日は奈良駅発着のほかに一部が和歌山線へ直通する。ラッシュ時間帯には環状線内各駅停車となる区間快速が運転されている。大和路快速・区間快速共に約20分間隔で運転されている。また天理教例会開催時や土休日の特定時期には臨時列車として桜井線に直通する列車もある。平日の夜には、やまとじライナーが大阪発加茂行で運転されている。環状線内の停車駅は新今宮・天王寺であるが、駅では両駅に停車する案内はされていない。

列車番号は、やまとじライナーでは大阪環状線と関西本線では変わらないが、大和路快速と区間快速は天王寺駅で変わる。大和路快速は大阪環状線内では列車番号の末尾にアルファベットはつかないが、区間快速は、京橋行または天王寺行の場合は2○○○Y、天王寺駅を越えて大阪環状線周回列車となる場合は1○○○Yとなる。

なお、列車番号は大阪環状線内であっても関西本線(大和路線)に合わせており、環状線から関西本線方面でも偶数の列車番号となっている。

1988年に奈良市内で「なら・シルクロード博覧会」が開催された際、加茂駅・奈良駅 - 湊町駅(現在のJR難波駅)間の快速の一部を新大阪駅発着に変更し、東海道山陽新幹線からの利便性を高めた。これにあたっては大阪環状線から梅田貨物線へ直通できるように西九条駅構内の配線を変更したが、この配線変更と天王寺駅構内の配線変更により、翌1989年に特急「くろしお」が新大阪駅または京都駅まで運転されるようになった。

阪和線・関西空港線・紀勢本線

Template:See also 阪和線・紀勢本線に直通する特急列車は1989年から梅田貨物線・大阪環状線を経由して京都駅・新大阪駅まで運転されるようになった。快速列車では、1990年3月10日から新大阪発新宮(現在は御坊駅まで)行きの夜行快速列車が運転され、その後の1994年9月の関西国際空港開港に伴い、関西空港線直通列車として京橋駅 - 大阪駅 - 関西空港駅間で関空快速と京都駅 - 関西空港駅間で関空特急「はるか」の運転を開始した。当時の関空快速の環状線内の停車駅は、京橋・大阪・西九条・弁天町・新今宮・天王寺(京セラドーム大阪でイベントなどが開催される日には大正駅に臨時停車する場合がある)であったが、翌年の1995年から1999年まで、関空快速の停車駅のうち西九条・弁天町・新今宮を通過する「関空特快ウイング」が運転されていた。和歌山方面では新大阪駅発着の快速のみであったが、1999年5月から日根野以北は関空快速と併結する紀州路快速の運転を開始し、大阪環状線に乗り入れることとなる。

2008年3月のダイヤ改正で天王寺駅の阪和線への連絡線が複線化されたことに伴い、朝ラッシュ時間帯に大阪環状線へ直通する列車の増発が可能となり、平日の朝ラッシュ時には直通快速が運転を開始した。大和路線からの区間快速と同様に、大阪環状線内は各駅に停車する。このダイヤ改正により関空・紀州路快速は大阪駅 - 京橋駅 - 天王寺駅間は各駅に停車し、ラッシュ時間帯の一部列車は、大阪環状線天王寺駅発着(JR時刻表には非掲載)となる。また新大阪駅・京都駅発着の特急・快速列車は大阪駅を経由しない。

なお、現在の「直通快速」と同じような形で、鳳駅 - 天王寺駅 - (環状線一周) - 天王寺駅間に「区間快速」が2003年10月1日のダイヤ改正で土曜・休日ダイヤの朝方に1往復設定され、車両も日根野電車区の103系8両編成が使用されていたが、2006年3月18日のダイヤ改正で消滅した。

列車番号は、直通快速と京橋発着の関空・紀州路快速は阪和線と大阪環状線では変わらないが、天王寺発着の関空・紀州路快速は大阪で列車番号が変わり、天王寺駅 - 京橋駅 - 大阪駅間は列車番号の末尾にアルファベットはつかない。

大晦日終夜運転

アーバンネットワークエリアでは一部の線区・区間を除いて大晦日から元日にかけての終夜運転が実施されているが、ここ最近では環状運転列車および桜島線との直通列車(いずれも普通)を両者合わせて10 - 30分間隔で運転し、大晦日から元日にかけて特別営業を行うUSJへのアクセスなどに活用されている。

なお、2001年(平成13年)3月のUSJの開業前、つまり2000年(平成12年)12月31日から翌2001年1月1日にかけての終夜運転までは、普通列車を「奈良駅 - 天王寺駅 - 西九条駅 - 大阪駅 - 京橋駅 - 天王寺駅」(いわば大和路快速のような運行形態)の形でおおむね30分間隔で運転されていた(大和路線の項も参照)。

旅客案内

thumb|right|200px|京橋駅環状線内回り(3番)のりばで撮影。左側がPIC対応の発車標(試験稼働中)、右側が旧式の発車標 かつて大阪駅・西九条駅・新今宮駅・天王寺駅以外の駅において、環状線ホームの発車標に発車時刻・乗車位置を表示する機能がないものが使用されてきたが、2009年10月4日の大阪環状・大和路線運行管理システム導入に伴い、発車時刻・乗車位置などのほかに列車の遅延表示を行う機能を持つ旅客案内情報処理装置 (PIC) 対応の発車標が設置された。ただし、大阪駅・京橋駅(2009年に新設されたものを除く)のコンコースの発車標では関西本線・阪和線・関西空港線方面へ直通する快速列車(ライナーを含む)のみ案内されている。

なお運行形態上、環状運転から区間運転へ移行する列車や、前述の通り他線区との直通列車が数多くあるため、途中で行先が変わる列車がある。

また、これまで島式ホームである野田駅・福島駅・西九条駅・新今宮駅・天王寺駅のみホーム番号が振り当てられていて、相対式ホームにはホーム番号が振り当てられていなかった。大阪駅では環状線ホームだけは「環状内回り」「環状外回り」という名称であり番号ではなかったが、大阪駅改良工事に伴い、のりば番号が割り当てられたのをはじめ、2006年9月ごろから相対式ホームの駅にも順次のりば番号が割り当てられ、2008年3月に京橋駅を最後にすべての駅で完了した。

1999年5月に発車メロディと接近メロディ、入線メロディが各駅に順次導入された。これらは、「さわやかでシンプル」「八百八橋と川の流れ」をコンセプトとしたメロディであったが<ref>企画・連載 一覧 ひと駅ひと物語 大阪環状線めぐり - 読売新聞</ref>、2003年12月下旬から速達化による停車時間短縮のため、発車メロディの使用が各駅で順次停止された。

案内アナウンスはPIC導入前は内回りが山本恵子と永楽タイプの女性(音声担当者は不明)、外回りは片山光男(大阪駅・天王寺駅はそれぞれよしいけいこ村山明)であったが、導入後は大阪・天王寺を含め全駅で内回りが向山佳比子、外回りは津田英治のものに変更された。

各駅の環状線ホームには、車掌扱いの押ボタンスイッチがあり、発車直前に車掌がボタンを押すと、基本的に内回りは女声で、外回りは男声で「ドアが閉まります。ドアが閉まります。ご注意ください」と放送されている<ref>京橋駅のJR東西線・片町線ホームおよび放出駅にも同様のボタンがあり、こちらは現在でも発車ベルの後に「ドアが閉まります。ドアが閉まります。ご注意ください」と放送されている。</ref>。かつてはこのボタンを押すと、発車ベル(1999年 - 2003年の間は発車メロディ)の後に放送されていた。

女性専用車

女性専用車(大阪駅基準)
←外回り・京橋 内回り・西九条→
8 7 6 5 4 3 2 1
  • ウグイス色8両編成に女性専用車の設定はない。

平日ダイヤの始発から9時00分までと17時00分から21時00分までの時間帯において、橙色8両編成の列車の4号車に女性専用車が設定される。対象車両および乗車位置には、女性専用車の案内表示が設置されている。大和路線直通列車では、新今宮駅で設定開始・終了する。

JR西日本は「車内での迷惑行為防止の観点から、安心して利用できる車内空間を提供することを目的としている。」とウェブサイト上でコメントしている<ref>JRおでかけネット 車両に関するサービス 女性専用車両 - 西日本旅客鉄道</ref>。

利用状況

利用者の多くは京阪本線や片町線(学研都市線)の京橋駅、近鉄奈良線・大阪線の鶴橋駅といった郊外路線と連絡する東側の旧城東線区間に集中する。そのため、東側の大阪駅 - 京橋駅 - 天王寺駅間を折り返す区間列車が環状線成立後も多く設定されており運転密度も高く近隣も商業地・住宅地として開発が進んでいる。

他方、西側の大阪駅 - 西九条駅 - 弁天町駅 - 天王寺駅間は運転密度が薄かったことから利用客が伸び悩んでいたが、1973年から関西本線(大和路線)との直通列車、1989年から特急「くろしお」などの阪和線との直通列車、1994年の関西国際空港開港後は関空特急「はるか」(ただし停車駅は天王寺のみ)、さらに関空・紀州路快速などの快速列車が続々と天王寺駅を越えて大阪駅・京橋駅へ乗り入れることにより運転密度は増加した。特急や快速列車が優先運行されることから運行本数が増えても快速通過駅は逆に不便なダイヤとなったが、快速停車駅、特に地下鉄連絡のある弁天町駅などでは利便性の向上とともに高層ビルタワーマンションが立ち並ぶようになり沿線風景も変貌していった。さらに京セラドーム大阪ユニバーサル・スタジオ・ジャパン (USJ) のオープンにより、土曜・休日の利用者は増加傾向にある。

使用車両

特急列車

thumb|right|150px|環状線を走行する281系、関空特急はるか」

Template:-

普通・快速列車

  • 381系(日根野電車区)
    • 上記の特急列車のほか、国鉄色の6両編成により平日ダイヤで2本が運転されている上りの「やまとじライナー」で使用されている。大阪駅始発であるが、送り込みはJR難波駅から行われ、新今宮駅→大阪駅間の環状線内回りを回送列車として運転し、大阪駅から「やまとじライナー」として運転している。
  • 103系森ノ宮電車区奈良電車区thumb|right|150px|103系
    • 森ノ宮電車区所属車
      • オレンジバーミリオン(橙色)の8両編成は、大阪環状線・桜島線と、関西本線直通の区間快速に使用されている。2005年以降の201系導入により、廃車や転属が頻繁に行われている。2007年には他線区から高運転台車両が複数転入し、Tc838・844・850の3両の制御車は方向転換され外回り方先頭車として使用され、逆にTc239は方向転換され内回り方先頭車として使用されている。
      • USJラッピング車両6両編成は、基本的に桜島線内折り返し列車に使用されているが森ノ宮電車区への入出区のため、西九条駅 - 京橋駅でも営業運転している。USJ開業以前は桜島線編成も橙色であったが、8両編成と運用が分けられており、現在と同様、送り込みのために京橋駅(または天王寺駅) - 桜島駅間の列車にも使用されていた。ただし、USJ開業直前は桜島線が一時的に4両編成になったため、この時期は桜島線向けの編成は西九条駅 - 京橋駅間を回送していた。夏休みなどのUSJ繁忙期にはラッピング電車の編成を組み換え、異なるデザインの車両が混じった8両編成として運行されることがある。
    • 奈良電車区所属車
      • 車体色はウグイス(黄緑)。通常奈良線で運行される4両編成を2本連結し、区間快速として関西本線と大阪環状線を直通している。黒サッシや一枚窓化など延命工事・体質改善工事を受けている車両もある。奈良電車区の編成が運行されるダイヤは決まっており、1日目の夕方に奈良から大阪環状線に直通するとその日は森ノ宮電車区で夜を過ごし、2日目の朝に奈良電車区へ一度引き返し、その日の夕方に再び大阪環状線に直通して森ノ宮電車区で夜を過ごし、3日目の朝に奈良電車区へ帰って運用が一回りする行路となっている。また前述の通りこの編成は4両編成を2本連結したものである都合上、中央の4両目・5両目間の行き来ができない。
  • 201系(森ノ宮電車区) thumb|right|150px|201系
    • 大阪環状線・桜島線と、関西本線直通の区間快速(一部JR難波駅発着の快速)で運用される。車体色はオレンジバーミリオン。
    • JR京都線・神戸線で2005年12月1日から通勤形電車の321系電車の投入が開始され、それに合わせて同線から捻出されたもので、同年12月15日から大阪環状線で運用を開始した。最初の編成はスカイブルーの元網干総合車両所C2編成で、その後は大阪環状線本来の車体色であるオレンジバーミリオンとなった編成も投入され、2008年末から全てオレンジバーミリオンに変更されている。もともとは環状線の103系をすべて置き換えて201系で統一する予定だったが、2006年に車両の転属計画が変更され、関西本線にもウグイス色の編成が登場している。
    • 森ノ宮電車区に転入してからしばらくは以下の3種類の編成が存在したが、組み換えや奈良電車区への転属により1.の編成のみとなった(2の編成では4号車と5号車の車内での通り抜けができない)。
    1. クハ201-モハ201-モハ200-サハ201-サハ201-モハ201-モハ200-クハ200
    2. クハ201-モハ201-モハ200-クハ200+クハ201-モハ201-モハ200-クハ200
    3. クハ201-モハ201-モハ200-モハ201-モハ200-モハ201-モハ200-クハ200
  • 221系(奈良電車区) thumb|right|150px|221系
    • 主に関西本線に直通する大和路快速・区間快速で使用されている。大和路快速は6両または8両編成で、区間快速はすべて8両編成で運転されている。6両編成の列車は2両+4両または貫通編成、8両編成は4両2本または6両+2両である。環状運転列車には基本的に使用されていない。
    • 深夜には新大阪発快速御坊行として、阪和線・紀勢本線に直通する列車にも使用されている。この列車は前4両が御坊行き、後ろ4両が日根野駅で切り離される。
  • 223系0・2500番台(日根野電車区) thumb|right|150px|223系
    • 阪和線直通の関空快速・紀州路快速直通快速で使用されている。現在は大阪環状線内はすべて8両編成(4両+4両)で運転される。運用開始当初は、大阪環状線内を6両編成で運転する関空快速が多く、朝や昼間には天王寺駅でJR難波発着の2両編成と分割併合する列車もあった。
    • 1999年5月に紀州路快速の設定以降2008年3月13日までは基本的に5両+3両の8両編成で運転され、時間帯によって5両(1 - 5号車)と3両(6 - 8号車)の行き先が異なっていたが、2008年3月15日ダイヤ改正の1日前から編成が4両+4両に変更され、1 - 4号車が関西空港方面、5 - 8号車が和歌山方面に統一された。同ダイヤ改正で関空・紀州路快速が毎時3本大阪環状線に乗り入れとなるためJR難波駅発着の関空快速は廃止となった。同年3月17日より環状運転列車にも使用されている。
  • 113系(日根野電車区)
    • 早朝、新大阪駅発着の阪和線・紀勢本線直通の快速列車として、4両編成で運行されている。大阪環状線を経由する区間は西九条駅 - 新今宮駅間。

以前使用していた車両

  • 101系
    • 大阪環状線全通時から使用されていた。1991年にATS-Pを設置するにあたり大阪環状線全通30年目に運用を終了。末期は、森ノ宮電車区には桜島線用の6両2本のみ配置されており、車両送り込みのための京橋駅 - 桜島駅間の列車でのみ大阪環状線を走った。末期の編成は6両オール電動車であるが、中間のユニットはパンタを降ろして付随車代用で使用されていた。また、2編成とも前後の2両ずつ4両のみ冷房車であった<ref>101系の冷房編成は1977年に冷房改造された当初は全車冷房車だったが、1986年に中間の冷房付サハ101形がサハ103形750番台に改造されたため、代わりに首都圏から廃車予定の非冷房モハユニットを転属させて組み込み、付随車代用として使用された。その車両は廃車されるまで冷房改造は一切行われなかった。</ref>。1991年の大阪環状線全通30周年イベントで、動くパビリオン「歴史電車」となって最後の花道を飾った。
  • 72系

歴史

大阪環状線は、東半分は大阪鉄道により天王寺駅と大阪駅を結ぶ目的で建設された城東線、西側は臨港鉄道として西成鉄道により建設された大阪駅 - 桜島駅間の西成線、天王寺駅から浪速駅(貨物駅)方面までの関西本線貨物支線が元になっている。その関係で、日本国有鉄道(国鉄)時代は境川信号場 - 天王寺駅間は天王寺鉄道管理局の管内で、残りが大阪鉄道管理局の管内とされた。

大阪環状線となったのは、西九条駅から関西本線の今宮駅 - 浪速駅間に設けられた境川信号場までが開通した1961年である。なおこの時、西成線のうち西九条駅 - 桜島駅間が桜島線として分離されている。当初は西九条駅で線路が繋がっていなかったため、桜島 - 大阪駅 - 京橋駅 - 天王寺駅 - 西九条駅の逆「の」の字運転を行っていたが、1964年に西九条駅の高架化が完成して線路が繋がり、環状運転を開始した。

なお、鉄道国有法の公布に伴い主要鉄道の国有化が実施されるまで、城東線は大阪鉄道 - 関西鉄道の保有路線であったが、南海電気鉄道の前身である南海鉄道の列車が、1993年に全廃された南海天王寺支線を経由してここに乗り入れ、大阪駅まで直通していたこともあった。

年表

西成線

Template:See also

  • 1898年明治31年)4月5日西成鉄道 大阪駅 - 安治川口駅間が開業。現在の大阪環状線にあたる区間に福島駅・野田駅が開業。大阪駅 - 福島駅間は貨物営業のみ<ref>三宅俊彦『日本鉄道史年表』グランプリ出版 2005年 ISBN 4-87687-275-9 p.23に、『官報』明治31年4月6日を典拠に「福島-安治川口間旅客営業。大阪-福島間貨物営業」とあり。</ref>。
  • 1899年(明治32年)5月1日:大阪駅 - 福島駅間旅客営業開始<ref>三宅俊彦『日本鉄道史年表』グランプリ出版 2005年 p.25に、『官報』明治32年5月2日を典拠に「西成鉄道大阪 - 福島間旅客営業開始」とあり。</ref>。
  • 1904年(明治37年)12月1日:鉄道作業局が西成鉄道の路線を借上げ。
  • 1906年(明治39年)12月1日:西成鉄道が国有化。
  • 1909年(明治42年)10月12日:線路名称制定、大阪駅 - 西九条駅 - 天保山駅間が西成線となる。
  • 1912年(明治45年)7月17日:福島駅 - 西九条駅 - 安治川口駅間が複線化。
  • 1931年昭和6年)11月8日:貨物支線 野田駅 - 大阪市場駅間 (1.3km) が開業。大阪市場駅開業。
  • 1941年(昭和16年)5月1日:大阪駅 - 西九条駅 - 桜島駅間が電化。
  • 1943年(昭和18年)10月1日:西成線・城東線直通運転開始。
  • 1961年(昭和36年)4月6日:大阪駅 - 福島駅間の貨物営業廃止。

城東線

  • 1889年(明治22年)5月14日大阪鉄道 柏原駅 - 天王寺駅 - 湊町駅(現在のJR難波駅)間が開業。天王寺駅開業。
  • 1890年(明治23年)1月1日:今宮駅が開業。
  • 1895年(明治28年)5月28日:天王寺駅 - 玉造駅間(2M28C≒3.78km)が開業。桃山駅・玉造駅が開業。
    • 10月17日:玉造駅 - 梅田駅間(4M29C≒7.02km)が延伸開業。京橋駅・天満駅・梅田駅開業。
  • 1896年(明治29年)12月10日:玉造駅 - 大阪砲兵工廠(後の大阪陸軍造兵廠)間の側線開業。
  • 1898年(明治31年)4月27日:桜ノ宮駅が開業。
  • 1900年(明治33年)6月6日:大阪鉄道が関西鉄道に合併。梅田駅を官営鉄道の大阪駅に統合。
  • 1901年(明治34年)1月25日:天王寺駅 - 大阪駅間改マイルで10C(≒0.20km)短縮。
  • 1902年(明治35年)11月12日:営業距離の単位をマイル・チェーンからマイルのみに簡略化(6M47C→6.6M)。
  • 1905年(明治38年)3月1日:桃山駅を桃谷駅に改称。
  • 1907年(明治40年)10月1日:関西鉄道が国有化。
  • 1908年(明治41年)3月30日:寺田町駅 - 玉造駅間が複線化。
  • 1909年(明治42年)10月12日:線路名称制定、天王寺駅 - 大阪駅間が城東線となる。
  • 1913年大正2年)6月30日:天満駅 - 大阪駅間が複線化。
    • 11月15日:桃谷駅 - 玉造駅間に鶴橋仮聯絡所、京橋駅 - 桜ノ宮駅間に中野町信号所を開設。
  • 1914年(大正3年)2月14日:鶴橋仮聯絡所廃止。
    • 3月10日:玉造駅 - 天満駅間が複線化。
  • 1922年(大正11年)4月1日:中野町信号所を中野町信号場に改称。
  • 1927年(昭和2年)12月10日:中野町信号場廃止。
  • 1930年(昭和5年)4月1日:京橋駅 - 大阪駅間の貨物営業廃止。営業距離の単位をマイルからメートルに変更(6.6M→10.7km)。
  • 1931年(昭和6年)6月1日:玉造駅 - 京橋駅間に猫間信号場を開設。
  • 1932年(昭和7年)3月29日:桃谷駅 - 猫間信号場間が高架化。玉造駅 - 猫間信号場間に貨物用別線を敷設し3線化。
  • 1933年(昭和8年)2月16日:天王寺駅 - 大阪駅間が電化。桜ノ宮駅 - 大阪駅間が高架化。電車運転開始。
  • 1943年(昭和18年)10月1日:西成線・城東線直通運転開始。
  • 1947年(昭和22年):猫間信号場 - 大阪陸軍造兵廠間の側線廃止。
  • 1954年(昭和29年)4月1日:天王寺駅 - 寺田町駅間が複線化。
  • 1957年(昭和32年)4月1日:天王寺駅 - 玉造駅間の貨物営業廃止。
  • 1960年(昭和35年)10月1日:101系電車運転開始。
  • 1961年(昭和36年)4月20日:猫間信号場廃止。玉造駅 - 猫間信号場間の貨物用別線廃止。玉造駅 - 京橋駅間の貨物営業廃止。

関西本線

  • 1928年(昭和3年)12月1日:関西本線貨物支線 今宮駅 - 浪速駅 - 大阪港駅間(5.2M≒8.37km)が開業。浪速駅・大阪港駅開業。
  • 1930年(昭和5年)4月1日:営業距離の単位をマイルからメートルに変更(5.2M→8.2km)。
  • 1956年(昭和31年)3月15日:貨物支線 浪速駅 - 大阪東港駅間 (3.0km) が開業。大阪東港駅開業。

大阪環状線成立以後

  • 1961年(昭和36年)4月25日:西九条駅 - 大正駅 - 天王寺駅間 (7.4km) 開業。城東線 (10.7km)、西成線 大阪駅 - 西九条駅間 (3.7km)、野田駅 - 大阪市場駅間 (1.3km) を合わせ大阪環状線となる。関西本線貨物支線 今宮駅 - 浪速駅 - 大阪港駅間 (8.3km)、浪速駅 - 大阪東港駅間 (3.0km) を大阪環状線に編入し、貨物支線の起点を今宮駅から大正駅に変更 (-1.8km)。野田駅 - 西九条駅間改キロ (-0.1km)。弁天町駅・大正駅開業。境川信号場開設。
  • 1964年(昭和39年)3月22日:大阪駅 - 福島駅間が複線化され、全線複線化完成。西九条駅高架化。環状運転開始。新今宮駅開業。
  • 1965年(昭和40年)3月18日:野田駅 - 西九条駅間が3線化、野田駅が福島方に0.1km移転。貨物支線 野田駅 - 大阪市場駅間改キロ (+0.2km)。
  • 1966年(昭和41年)4月1日:芦原橋駅が開業。
  • 1968年(昭和43年)3月25日:天王寺駅 - 新今宮駅間が複々線化され、関西本線と分離運転開始。
  • 1969年(昭和44年)12月10日103系電車運転開始。
  • 1972年(昭和47年)3月15日:ダイヤ改正により、大阪駅 - 弁天町駅 - 天王寺駅間に休日運転の快速を新設。
  • 1973年(昭和48年)10月1日:関西本線で快速運転開始。休日のみ(翌年から毎日)大阪環状線へ直通。
  • 1983年(昭和58年)10月1日:大阪城公園駅が開業。
  • 1984年(昭和59年)2月1日:貨物支線 野田駅 - 大阪市場駅間 (1.5km)、浪速駅 - 大阪港駅間 (3.4km)、浪速駅 - 大阪東港駅間 (3.0km) 廃止。大阪市場駅・大阪港駅・大阪東港駅廃止。
  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道が承継。日本貨物鉄道が境川信号場 - 浪速駅間の第一種鉄道事業者に、福島駅 - 西九条駅間、新今宮駅 - 境川信号場間の第二種鉄道事業者となる。貨物支線の起点を大正駅から境川信号場に変更 (-0.8km)。
  • 1988年(昭和63年)3月13日:「やまとじライナー」の運転開始。
    • 4月:西九条駅構内の配線を変更、大阪環状線から梅田貨物線へのルートが開通し、「なら・シルクロード博覧会」開催に伴う臨時快速を、湊町駅(現在のJR難波駅)発着の快速を行先変更する形で、加茂駅・奈良駅 - 新大阪駅間で運転。
  • 1989年(平成元年)3月11日:関西本線直通の区間快速を夕方以降に新設して関西本線との直通運転を拡大。
    • 4月10日:関西本線への221系電車導入に伴い、関西本線に直通する快速を大和路快速に改称。
    • 7月22日:天王寺駅構内の関西本線から阪和線への連絡線が開通し、特急「くろしお」が大阪環状線を介して新大阪駅・京都駅まで直通運転を開始。特急「スーパーくろしお」の運転開始。
  • 1990年(平成2年)3月10日:関西本線直通の区間快速を朝方にも拡大。
  • 1991年(平成3年)4月1日:ATS-P使用開始。
  • 1993年(平成5年)4月1日:全駅で分煙化実施。喫煙コーナーを除いて終日禁煙に。
  • 1994年(平成6年)9月4日:関西国際空港が開港、特急「はるか」、大阪環状線直通の関空快速が運転を開始。
  • 1995年(平成7年)4月20日:関空特快「ウイング」の運転開始。
  • 1996年(平成8年)7月31日:283系電車が特急「スーパーくろしお オーシャンアロー」として運転開始。
  • 1997年(平成9年)3月8日:今宮駅の大阪環状線ホームを使用開始。特急「スーパーくろしお オーシャンアロー」を「オーシャンアロー」に改称。京橋駅・大正駅を皮切りにJスルーを導入開始。
  • 1999年(平成11年)5月10日:各駅に発車メロディと接近メロディ、入線メロディが順次導入される。紀州路快速の運転を開始(関空快速に併結)、関空特快「ウイング」は廃止。桜島線直通列車を一旦廃止。
  • 2001年(平成13年)3月3日:USJ開業による旅客利便性向上のため桜島線直通運転を再開。特急「はるか」の朝方を除く各列車を西九条駅にも停車。
  • 2002年(平成14年)7月1日:「女性専用車」を試験導入。
    • 7月20日:USJへのアクセス向上のため、特急「くろしお」「スーパーくろしお」「オーシャンアロー」の一部を西九条駅にも停車。
    • 12月2日:「女性専用車」を本格導入。
  • 2003年(平成15年)10月:全駅のコンコースの喫煙コーナーを廃止<ref>駅コンコースを終日全面禁煙にします (Internet Archive) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年8月29日</ref>。
    • 12月下旬:発車メロディの使用が各駅で順次停止。
  • 2004年(平成16年)11月9日:貨物支線 境川信号場 - 浪速駅間の運行休止。
  • 2005年(平成17年)12月15日:201系電車運転開始。
  • 2006年(平成18年)4月1日:貨物支線 境川信号場 - 浪速駅間 (2.3km) 廃止。日本貨物鉄道の第二種鉄道事業(新今宮駅 - 境川信号場間 3.8km)廃止。浪速駅廃止。
  • 2007年(平成19年)5月20日:境川信号場廃止。
  • 2008年(平成20年)3月:全駅の環状線用ホームののりば番号設定が完了(JR他線との連絡駅には以前からのりば番号が設定されていた駅もあった)。
    • 3月15日:天王寺駅構内の関西本線から阪和線への連絡線が複線化。関空快速・紀州路快速の環状線直通列車を大増発、平日朝方に阪和線直通の直通快速が運転開始。
    • 10月1日:全駅のホーム全面禁煙化を実施(大阪駅・京橋駅・天王寺駅は大阪環状線ホームのみ)。ホーム上の喫煙コーナー廃止。
  • 2009年(平成21年)7月1日:アーバンネットワークにおけるホーム全面禁煙化の拡大に伴い、大阪駅・京橋駅・天王寺駅がすべてのホームで全面禁煙化。
  • 2010年(平成22年)3月13日:特急「はるか」の西九条駅停車がすべて取り止められ、昼間帯の6往復を予定臨時列車(ただし当分の間は毎日運転)に変更<ref>Template:PDFlink - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2009年12月18日</ref>。

駅一覧

大阪駅から内回り方向に記述する。

  • 内回り:大阪駅→西九条駅→天王寺駅→鶴橋駅→京橋駅→大阪駅方面
  • 外回り:大阪駅→京橋駅→鶴橋駅→天王寺駅→西九条駅→大阪駅方面
駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 接続路線 所在地
大阪駅 天満
から
1.6
0.0
西日本旅客鉄道東海道本線JR京都線JR神戸線JR宝塚線
西日本旅客鉄道:JR東西線北新地駅
阪急電鉄京都本線<ref group="*" name="linename">その駅へ乗り入れている運転系統としての路線名。</ref>・宝塚本線神戸本線梅田駅
阪神電気鉄道本線 …梅田駅
大阪市営地下鉄15px|■ 御堂筋線 …梅田駅
大阪市営地下鉄:15px|■ 谷町線東梅田駅
大阪市営地下鉄:15px|■ 四つ橋線西梅田駅
北区
福島駅 1.0 1.0 西日本旅客鉄道:東海道本線貨物支線(梅田貨物線)<ref group="*">梅田貨物線:特急「はるか」「くろしお」などの旅客列車も走行する。戸籍上の路線分岐駅は福島駅だが、同駅での乗り換えはできない。実際に大阪環状線本線から線路が分岐しているのは西九条駅である。</ref>
阪神電気鉄道:本線 …福島駅
西日本旅客鉄道:JR東西線 …新福島駅
京阪電気鉄道中之島線中之島駅
福島区
野田駅 1.4 2.4 大阪市営地下鉄:15px|■ 千日前線玉川駅
西九条駅 1.2 3.6 西日本旅客鉄道:桜島線(JRゆめ咲線)(大阪方面から直通あり)
阪神電気鉄道:阪神なんば線
此花区
弁天町駅 1.6 5.2 大阪市営地下鉄:15px|■ 中央線 港区
大正駅 1.8 7.0 大阪市営地下鉄:15px|■ 長堀鶴見緑地線 大正区
芦原橋駅 1.2 8.2   浪速区
今宮駅 0.6 8.8 西日本旅客鉄道:関西本線大和路線
新今宮駅 1.2 10.0 西日本旅客鉄道:関西本線(大和路線)
南海電気鉄道南海本線高野線<ref group="*" name="linename" />
大阪市営地下鉄:15px|■ 御堂筋線・ 15px|■ 堺筋線動物園前駅
阪堺電気軌道阪堺線南霞町駅
天王寺駅 1.0 11.0 西日本旅客鉄道:関西本線(大和路線)・阪和線
大阪市営地下鉄:15px|■ 御堂筋線・ 15px|■ 谷町線
近畿日本鉄道南大阪線大阪阿部野橋駅
阪堺電気軌道:上町線天王寺駅前駅
天王寺区
寺田町駅 1.0 12.0  
桃谷駅 1.2 13.2  
鶴橋駅 0.8 14.0 近畿日本鉄道:大阪線奈良線<ref group="*" name="linename" />
大阪市営地下鉄:15px|■ 千日前線
玉造駅 0.9 14.9 大阪市営地下鉄:15px|■ 長堀鶴見緑地線
森ノ宮駅 0.9 15.8 大阪市営地下鉄:15px|■ 中央線・ 15px|■ 長堀鶴見緑地線 中央区
大阪城公園駅 0.9 16.7  
京橋駅 0.8 17.5 西日本旅客鉄道:片町線(学研都市線)・JR東西線
京阪電気鉄道:京阪本線
大阪市営地下鉄:15px|■ 長堀鶴見緑地線
城東区
桜ノ宮駅 1.8 19.3   都島区
天満駅 0.8 20.1 大阪市営地下鉄:15px|■ 堺筋線 …扇町駅 北区
大阪駅 1.6 21.7 上記参照

Template:Reflist

すべて直営駅であるが、一部の駅の改札口では改札業務を子会社に委託している。

停車パターン

  • ●:全列車停車、▲:外回りのみ停車、▼:内回りのみ停車、|:全列車通過、↓↑:矢印の方向にのみ通過
    ※:大正駅には、京セラドーム大阪でイベントなどが開催される日に臨時停車する場合がある
  • 特急「はるか」「くろしお」の停車駅は列車記事を参照
駅名 環状線普通 桜島線直通普通 区間快速 大和路快速 やまとじライナ丨 直通快速 B快速 紀州路快速 関空快速 快速 備考
天王寺駅     大阪環状線ホームに発着
寺田町駅      
桃谷駅      
鶴橋駅      
玉造駅      
森ノ宮駅      
大阪城公園駅      
京橋駅      
桜ノ宮駅      
天満駅      
大阪駅    
福島駅    
野田駅    
西九条駅 B快速と快速の一部は、梅田貨物線経由新大阪駅発着
弁天町駅    
大正駅    
芦原橋駅    
今宮駅   大阪環状線ホームに発着
新今宮駅   直通列車は2 - 4番のりばに発着
天王寺駅   直通列車は関西本線ホーム(15 - 18番のりば)に発着
直通先   桜島線 関西本線
大和路線
阪和線  

廃止区間

弁天町駅 - 大正駅間にあった境川信号場からは大阪臨港線と呼ばれる非電化単線の貨物支線が分岐していた。大阪港からの貨物輸送を担っていたが、大阪臨港線のうち最後まで残っていた境川信号場 - 浪速駅間は、貨物運送の衰退により2004年11月から休止となり、2006年4月1日に廃止された。末期は1日2往復のダイヤが組まれていたが、扱い貨物がないため運休する日も多かった。このほかにも、浪速駅から大阪港駅(地下鉄中央線の大阪港駅とは別)・大阪東港駅および、野田駅から大阪市場駅までの貨物支線を有していたが、いずれも1984年2月に廃止されている。

( ) 内は起点からの営業キロ

貨物支線(大阪臨港線
境川信号場 (0.0km) - 浪速駅 (2.3km) - 大阪港駅 (5.7km)
浪速駅 (0.0km) - 大阪東港駅 (3.0km)
貨物支線
野田駅 (0.0km) - 大阪市場駅 (1.5km)

廃止信号場

括弧内は大阪駅起点・環状線内回り経由の営業キロ

  • 境川信号場:2007年5月20日廃止、弁天町駅 - 大正駅間 (6.2km)
  • 鶴橋仮聯絡所:1914年2月14日廃止、桃谷駅 - 玉造駅間
  • 猫間信号場:1961年4月20日廃止、森ノ宮駅 - 京橋駅間 (16.2km)
  • 中野町信号場:1927年12月10日廃止、京橋駅 - 桜ノ宮駅間

脚注

Template:脚注ヘルプ Template:Reflist

参考文献

  • 『JR時刻表』各号(交通新聞社
  • 『携帯全国時刻表』各号(交通新聞社西日本支社)
  • 『鉄道ダイヤ情報』各号(交通新聞社)
  • 『鉄道ピクトリアル』2009年6月号(通巻819号) 特集:大阪環状線(電気車研究会

関連項目

Template:Commons

Template:アーバンネットワーク Template:西日本旅客鉄道大阪支社en:Osaka Loop Line fr:Ligne JR Ōsaka Loop ko:오사카 환상선 nl:Osaka-ringlijn

zh:大阪環狀線
表示
個人用ツール
ナビゲーション
ツールボックス