品詞

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品詞(ひんし、Template:Lang-en-short<ref>言語学的な文脈ではlexical category(語彙範疇)と呼ばれることが多い。</ref>)は、単語文法的な機能や形態などによって分類したもの。

目次

概要

全ての単語は、いずれかの品詞に所属すると考えられる。だが、実際にどの品詞に含まれるかと問われれば、分類に悩むことも多い。そのため現在では認知心理学の意味研究からプロトタイプという考え方が導入されて説明されている。具体的な品詞の種類としては、名詞動詞はどの自然言語にでもある品詞だと考えられており、第三以上の品詞にどのような種類を立てるかは、各言語ごとに異なる。

品詞の分け方には大きく分けて以下の3つの方法がある。

  1. 形態的な分類方法
    その単語自体の形やどのような形態素が付くかで分類する。
    例:日本語の形容詞は文の終わりで言い切るとき、"イ"の音で終わる。「これはつまらな"い"。」での「つまらない」や「今日は天気が良"い"。」での「良い」はそれゆえに形容詞である。
  2. 意味的な分類方法
    その単語がもつ大まかな意味によって分類する。
    例:動詞は動きをあらわす単語である。それゆえに、「遊ぶ」や「走る」は動詞である。
  3. 統語的な分類方法
    文の中でどういう働きをするか、他の語とどう結びつくかで分類する。
    例:日本語の形容詞は名詞の前に付く。「大きいぬいぐるみ」においての「大きい」や「かわいい子」においての「かわいい」はそれゆえに形容詞である。

しかし、これら3つの分類それぞれだけでうまく分類ができるわけではない。「知る」という単語は一般には動詞とされているが、上の意味的な分類方法の例について言えば、「知る」は何か動きの意味があるわけでないので、うまく分類できない。

歴史

単語をいくつかの品詞のグループに分けるということは、ディオニュシオス・トラクスなどによる古典ギリシア語の文法研究から始まった。これが、ラテン語の文法研究に受け継がれ、さらにはヨーロッパ諸国の言語の文法研究にも品詞の考え方が取り入れられた。後に、言語学の対象がヨーロッパ外の言語にも広まるとともに、品詞という考え方が世界中の言葉に適用されることとなった。

日本語の品詞

日本語においては、さまざまな品詞分類が試みられている。ここでは、学校教育の現場で教えられ、一般に広く知られている橋本進吉の文法(いわゆる学校文法)の例について紹介する。学校文法では、品詞を自立語付属語か、活用の有無、活用の形態などによって以下のように分類する。

  • 自立語 - 単独で文節を構成できる品詞
    • 活用するもの(特に用言と言う。)
      • 動詞
      • 形容詞
      • 形容動詞(学校文法では品詞として立てている。学校文法以外まで視野を広げると、品詞として認めるかどうかは意見が分かれている。)
    • 活用しないもの
      • 名詞(特に体言と言う。)
        • 代名詞(学校文法では名詞の一つとされている。名詞の一部とするかどうかは意見が分かれている。)
        • 数詞(学校文法では名詞の一つとされている。名詞の一部とするかどうかは意見が分かれている。)
      • 連体詞
      • 副詞
      • 接続詞
      • 感動詞
  • 付属語 - 単独で文節を構成できない品詞

英語の品詞

英語の品詞としては、次の8品詞とする説が一般的である。過去には4品詞とする説などもあった。

  • 名詞 (Noun, n.)
  • 代名詞 (Pronoun, pron.)
  • 動詞 (Verb, v.)
    • 助動詞 (Auxiliary verb, aux. v.) (広い意味では動詞に含める)
    • 代動詞 (do) (広い意味では動詞に含める)
  • 形容詞 (Adjective, adj.またはa.)
    • 冠詞 (Article) (広い意味では形容詞に含める)
    • 数詞 (Numeral) (広い意味では形容詞に含める)
  • 副詞 (Adverb, adv.)
  • 前置詞 (Preposition, prep.)
  • 接続詞 (Conjunction, conj.)
  • 感動詞(間投詞) (Interjection, interj.またはint.)

8品詞とは別に、次のような用語もよく使われる。

また、近年、生成文法の観点から、限定詞(Determiner)概念も有力となっている。

脚注

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関連項目

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