同位体効果

出典: Wikipedio


同位体効果(どういたいこうか、Isotope effect)は、物質や化合物を構成する原子の同位体に起因して、物性、反応性が変化する事や、同位体比が変化する事をいう。

超伝導における同位体効果

BCS理論に基づく超伝導体において、電子-格子相互作用格子振動を担う原子を、その同位体に置換した場合、その同位体原子と元の原子の質量の違いから、超伝導になる転移温度が変化する現象のこと。

通常、同位体が元の原子より軽ければ、転移温度は上がり、逆に重ければ下がる。

化学反応における同位体効果

化合物中の原子を同位体に置換した際に反応速度に変化が見られることを速度論的同位体効果という。

化合物中の原子を同位体に置換すると元の原子との質量の違いにより結合エネルギーが変化する。同位体が元の原子と比較して重い場合、結合エネルギーは強くなる。そのため、その結合が切断される反応は遅くなる。これを一次の同位体効果という。

結合エネルギーの変化は同位体ともとの原子の質量比が大きいほど大きくなる。そのため、もっとも顕著に同位体効果が現れるのは軽水素トリチウムに同位体置換したときである。その次が軽水素重水素に同位体置換したときである。なお、これには軽水素の質量が小さいためにトンネル効果が起こりやすく結合が切断されやすいことも寄与している。

また、同位体置換された原子の担う結合が反応に関与していない場合でも、小さな同位体効果が見られることがある。これを二次の同位体効果という。

関連項目

個人用ツール