北海道旅客鉄道

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Template:基礎情報 会社 北海道旅客鉄道株式会社(ほっかいどうりょかくてつどう、英称:Hokkaido Railway Company)<ref>ロゴでは「北海道旅客鉃道」となっており、「鉄」の文字は使われていない。会社発足が国鉄の赤字経営が主因となっており、「鉄」の字は“金を失う”という意味になり縁起が悪いとして、ロゴ文字では「金矢」(金偏に弓矢の矢、鉃)という字を採用しているが、正式商号では常用漢字の「鉄」である(四国旅客鉄道以外のJR他社も同様)。</ref>は、1987年4月1日日本国有鉄道(国鉄)から鉄道事業を引き継いだ旅客鉄道会社の一つ。北海道全域と青森県のごく一部をエリアとする。本社は札幌市。略称はJR北海道(ジェイアールほっかいどう)。英語略称はJR Hokkaido。コーポレートカラー萌黄色代表取締役会長小池明夫、代表取締役社長中島尚俊社歌ダークダックスの「北の大地」。

目次

概況

国鉄分割民営化時に、鉄道21路線3,176.6km、航路113.0kmおよび自動車(バス)事業を承継した、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(JR会社法)による特殊会社である。他のJR旅客会社と比較しても過疎地域を走る路線が大半を占め、加えて全道が豪雪地帯寒冷地のため除雪や車両・施設の維持に膨大な経費がかかり、経営基盤は弱い。経営支援策として経営安定基金が造成されており、さらに固定資産税減免を受けている。また、四国旅客鉄道(JR四国)、九州旅客鉄道(JR九州)と同様、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構国鉄清算事業本部(発足当初は日本国有鉄道清算事業団)が株式を100%保有しており、現在までのところ株式上場の目途は立っていない<ref>ただ、一度2002年頃を目途に株式上場することが計画されたことがある。</ref>。

その後、鉄道路線は特定地方交通線等の整理により8路線764.0kmを廃止、2路線90.4kmを開業、線路付け替え等により3.2km減となっており、2006年4月1日現在、鉄道14路線2,499.8kmを保有する。うち幹線系線区が5路線1,327.9km、地方交通線が9路線1,171.9kmである。

航路(青函連絡船)は津軽海峡線青函トンネル)の開業により1988年に廃止され、自動車事業は2000年4月1日に子会社のジェイ・アール北海道バスに譲渡された。直営時代の自動車事業については、鉄道とバスの一貫輸送を行なう目的で、運輸営業所の傘下に自動車営業所を組み込んだり、自動車部門の車両修復を鉄道工場で行なうなど、特徴的な施策もみられた。

2004年12月に、北海道新幹線の建設が決定し、収益の増加が期待されている。また、21世紀に入ってからはデュアル・モード・ビークル (DMV) の開発など積極的な経営改善への取り組みも見られる。

事業は境界を接する東日本旅客鉄道(JR東日本)と提携することが多く、経営上の重要なパートナーとなっている。2015年度に新函館まで開業する北海道新幹線では東北新幹線と相互直通運転を行う予定である。

2006年4月、JR東日本等が採用している非接触型ICカードを、札幌圏で導入する方針が発表され、2008年10月25日に「Kitaca」が、当初の2009年春より半年前倒しされて導入された。2009年3月14日からはJR東日本の「Suica」との相互利用を開始した。

また、ホーム内にある駅名標もJR東日本のものに類似する<ref>駅名と両隣の駅名との間のライン色であるコーポレートカラーが、東日本は“緑”に対し北海道は“萌黄色”という同系色彩という点もある。ただ東日本の駅名標は吊下げ式で横長タイプのほぼ同形で統一されているが、北海道の場合は旧国鉄時代からのホーム設置型方式がかなり多い。</ref>。2007年時点では札幌圏を中心にJR北海道様式の新しい駅名標への交換が進んでいる。前後の駅の表示部の背景を自社のコーポレートカラーで塗りつぶしているこの新しい駅名標は西日本旅客鉄道(JR西日本)のものに類似し、新千歳空港駅北広島駅など、一部の駅で見ることができる。

2006年3月、ハイブリッド車体傾斜システムを発表した。これは、鉄道総合技術研究所川崎重工業と共同で開発した、従来の制御付き自然振り子(曲線ガイド)式と、空気ばね圧制御式の車体傾斜システムを組み合わせた世界初の技術で、従来の振り子式を上回る8度の傾斜度を実現させながら、重心の移動を抑えることで乗り心地の向上も図られている。実用化されれば曲線を含む全線での時速140キロ運転が可能となり、札幌 - 函館間で20分の短縮が見込まれている。試作台車キハ283系気動車1両に取り付け走行試験が行われていたが、試験終了後は元に戻され、定期運行に復帰した。

2006年3月18日のダイヤ改正から、道内完結(急行「はまなす」を含む)の全列車が全面禁煙となり、さらに2007年3月18日のJR東日本のダイヤ改正により、JR東日本も特急列車の全面禁煙に踏み切り、「スーパー白鳥」・「白鳥」が禁煙化された。これにより、北海道内を走る列車で喫煙車のある列車は「北斗星」・「カシオペア」・「トワイライトエクスプレス」を数えるのみとなるが、これらの列車でも2005年9月からロビー・デッキ等の灰皿は順次撤去され、徐々に禁煙化されてきている。また、電子タバコについても2009年5月1日に使用禁止している。

北海道内は1968年(昭和43年) - 1980年(昭和55年)に道央地区で電化が進められたが、青函トンネルや室蘭本線東室蘭 - 室蘭間を除き、いずれの電化区間も非電化区間直通の関係で特急を中心に気動車列車を多く運行している。

本社・支社

thumb|right|250px|本社ビル(2009年4月)

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歴史

今後の予定

路線

凡例 [幹]:幹線系線区、[地]:地方交通線、[特]:特定地方交通線、*は民営化後の開業

現有路線

280px|thumb|right|路線図(1995年9月4日以降)

廃止路線

改キロ

  • 石勝線 鹿ノ谷駅 - 夕張駅 -0.8km - 1990年12月26日 - 夕張駅移設により。
  • 室蘭本線 志文駅 - 岩見沢駅 +1.7km - 1994年11月1日 - 同区間線路付替えにより。
  • 室蘭本線 母恋駅 - 室蘭駅 -1.1km - 1997年10月1日 - 室蘭駅移設により。
  • 根室本線 野花南駅 - 島ノ下駅 -3.0km - 1991年10月22日 - 同区間線路付替えにより。

予定路線

列車

JR北海道発足以降に同社の路線で運行されている、もしくはかつて運行されていた列車を挙げる。種別が変更された列車は変更後のもので記載し、全列車が他社の車両で運行されているものはその会社名も記載する。

現行列車

廃止列車


車両

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道内の半数以上の路線が非電化のため、所有車両の多くは気動車である。気候条件に鑑み、当該地域で使用する車両は国鉄時代から特別の寒冷対策を施している。一般的な仕様として、小型化のうえ二重窓とされた客室窓、開口幅の小さい片開き式の客用扉・出入台と客室を仕切るデッキ扉などが挙げられる。車体各部には凍結を防止するヒーターが設けられ、暖房容量も本州以南の車両に比べ大きい。

JR北海道発足後に開発された車両ではデッキ扉に代わる寒冷対策として、エアカーテンの設置・客用扉の開閉を乗客のボタン操作で行う「半自動扉」の装備など、室内を物理的に分断せずに外気流入を最小限に抑える工夫がなされている。また、重大な踏切事故の発生を契機として乗務員保護対策が進められ、運転席を高い位置に設ける「高運転台仕様」としたうえで車両前面を衝撃吸収に最適化した構造の車両が相次いで開発された。

高速バス航空機などの競合交通機関や自家用自動車への対抗策として、優等列車の所要時間短縮・増発の対策もなされた。JR北海道発足後に開発された特急用気動車では札幌 - 函館・稚内・釧路間で振り子式車両キハ261系キハ281系キハ283系の投入によって曲線通過速度を向上させ、札幌 - 室蘭・旭川間及び八戸 - 函館間の特急用電車では785789系電車の投入によって所要時間短縮と増発を実現している。

車両基地

JR北海道の車両基地と略号は以下の通り。

車両工場

工務所等

  • 本社
    • 札幌保線所
    • 札幌電力所
    • 札幌信号通信所
    • 札幌建築所
    • 札幌構造物検査センター
    • 岩見沢保線所
    • 岩見沢電気所
    • 岩見沢レールセンター
    • 室蘭保線所
    • 苫小牧電気所
    • 追分工務所
  • 釧路支社
    • 釧路工務所
    • 釧路設備所
    • 釧路構造物検査センター
    • 帯広工務所
  • 旭川支社
    • 旭川保線所
    • 旭川電気所
    • 旭川設備所
    • 旭川構造物検査センター
    • 北見工務所
  • 函館支社
    • 函館保線所
    • 函館電気所
    • 函館設備所
    • 函館構造物検査センター
    • 青函トンネル工務所

ICカード乗車券

Template:Main 2008年10月25日より、独自のICカード乗車券Kitaca」(キタカ)のサービスを開始した。2009年3月14日からは電子マネーサービスも開始し、札幌駅などエリア内の駅売店のほか、相互利用のJR東日本Suicaエリアでも利用できるようになった。

キャンペーンガール

民営化された1987年度から、JR北海道の開催するイベントやキャンペーン活動への参加やポスター撮影などの活動を行うキャンペーンガールを採用してきた。当初は「JR北海道フレッシュガール」の名前で、途中から「ミス・ツインクル」と改称された。当初の採用人数は本社で4人、各支社で3人ずつの13人で、2008年度から各支社の採用を2人に減らして合計10人とした。しかし応募者の減少やイベントへの参加機会の減少などもあり、経費削減の観点から2009年度一杯で採用を打ち切った<ref>交通新聞2010年1月21日</ref>。

関係会社

JR北海道の関連会社で「JR」が社名につく会社は、レンタカー会社と構造物設計調査会社を除き、いずれも片仮名表記が「ジェイ・アール」と間に「・」(中黒)が入るのが特徴である(他社は入らない)。

脚注

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関連項目

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外部リンク

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