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江戸時代両替商で用いられた後藤分銅
貳拾両(200匁:749.07g), 拾両(100匁:374.62g)

(もんめ)とは、尺貫法における質量単位である。1匁は明治24年(1891年)公布の度量衡法により3.75グラムと規定されている。

この単位のTemplate:要出典範囲。その名の通り、1文銭の重さに由来するものである。

代以降の中国では、開元通寳(開通元寳との説もあり)と呼ばれる代の銭貨10枚の質量が24銖すなわち1という基準でつくられ、1枚あたりの質量を「銭」と呼んだ<ref name=koizumi>小泉袈裟勝 『歴史の中の単位』 総合科学出版、1974年</ref>。従って1/10両=1銭となる。ただし大量生産される鋳造貨幣というものは質量を一定に製作することは困難で(最大2倍程度のばらつきはある)、質量の基準が開元通寳というわけではない。

この単位が日本に伝わり、日本では、一銭の目方であることから「文目」(もんめ)とも呼んだ。「匁」という文字は銭と同音の「泉」の草書体、あるいは「文メ」を続けて書いたものに由来するとされている。江戸時代には秤量銀貨の実測値が通貨単位として使用され、元禄13年(1700年)に60匁は小判1とする御定相場が公布されたが、実態は市場経済による変動相場であった<ref name="mikami">三上隆三 『江戸の貨幣物語』 東洋経済新報社、1996年</ref>。

寛文5年(1665年)に度量衡の「衡」が統一され、両替商で用いられる分銅後藤四郎兵衛家のみ製作が許され、これ以外のものの製作および使用は不正を防止するため厳禁とされた。この分銅は「両」を基本単位としており、「匁」は補助単位であるが、秤量銀貨の通貨単位は日本では銀一両といえば銀4.3匁のことを指し<ref name="ryogaenendaiki2">三井高維編 『新稿 両替年代記関鍵 巻二考証篇』 岩波書店1933年</ref>、また小判の通貨単位の「両」との混同を避ける意味から「匁」および「貫」が用いられた。すなわち、伍両(ごりょう)の分銅と釣合う丁銀は銀50匁と表した。このため質量の単位としては「匁」が普及した。一方、中国における一両は銀10銭(10匁)であった<ref name="taya">田谷博吉 『近世銀座の研究』 吉川弘文館、1963年</ref>。 この当時の1匁は分銅および定位貨幣の実測による推定から現在の3.75グラムよりやや小さく近世を通じた平均値で3.736グラムであり、江戸時代終盤にやや増加して3.75グラムを超えたという<ref name=iwata>岩田重雄 『計量史研究』 「近世における質量標準の変化」、日本計量史学会、1979年</ref>。

明治に入り、圓(円)の1/100の補助貨幣の単位として使用することとなったため、明治4年(1871年)の新貨条例では質量の単位には匁が公式に採用され(ただし、第二次大戦前までは銭も併用されていた)、匁は貫の1000分の1と規定され、1匁(1戔)=3.756521グラム(86.4/23グラム)と定められた<ref name="meijitaishozaiseishi">『明治大正財政史(第13巻)通貨・預金部資金』 大蔵省編纂、1939年</ref>。その後、単位換算の便宜を図るため明治24年の度量衡法により、1貫=3.75キログラムと定められたので、1匁=3.75グラムとなる。

また古くから交易のあった中国の単位と、日本国内のものとは密接な関係があったわけであるが、呉承洛の『中国度量衡史』による隋代の1銭は4.1762グラム、唐代の1銭は3.7301グラムである<ref name=koizumi />。

1匁の1000倍が貫(かん)、10倍が(りょう)、10分の1を(ふん)、100分の1を(りん)、1000分の1を(もう)という。ただし、分、厘、毛は正確に言えば割合(小数)を示すものである。また「分」を「ぶ」と発音せず「ふん」と呼んだのは金貨の通貨単位である1分(ぶ)との混同を避けるためである。

本来小数を表す漢数字は10分の1を分(ぶ)、100分の1を厘、1000分の1を毛(もう)で表すが、日本では1/10を表す歩合は「」であり、これを基準にそれぞれ10分の1、100分の1とするため割合としての単位は100分の1が分、1000分の1が厘となる。これは「両」が本来の質量の基本単位であったためである。

匁はとともに真珠の質量の単位として国際的に使われている。これは真珠が日本の特産品であったことによるものである。この場合は"momme"と綴られ、"mom"という記号が使われる。日本の計量法では、尺貫法の単位はほぼ全廃されているが、匁だけは真珠の質量の計量に限定して使用して良い単位となっている(ただし表記は平仮名の「もんめ」である)。

また、日本の五円硬貨の質量は3.75gで、ちょうど1匁である。

なお、匁で表した値の1の位が0である場合には、匁の代わりに「目」(め)と書くことがある。例えば30匁は三十目、300匁は三百目とも書く。ただし、この「十目」「百目」は単位というわけではないので、例えば232匁を二百目三十二匁などとは書かない。0以外の場合は必ず匁と書く。すなわち、17匁を17目のようにはしない。

中国では現在でも「銭」が質量の単位となっており、メートル法採用後、1銭=5グラムと規定した。10倍が両、10分の1が分であるのは日本と同じである。(市制も参照)

参考文献

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関連項目

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Template:History-stubde:Momme mg:匁 zh:匁

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