労働組合

出典: Wikipedio


Template:国際化 Template:Redirect 労働組合(ろうどうくみあい)は、雇用環境の向上などの共通の要求に基づき賃金労働者が自発的に団結して組織した団体である。略称、労組(ろうそ)。ユニオン。単に組合と呼ぶことも多い。

目次

日本における労働組合

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作り方

日本の場合、複数の労働者が組合結成に合意することにより労働組合を結成できる。結成についていかなる届け出も認証も許可も必要ではない。ただし、法人登記を行うためには、地域の労働委員会に規約その他必要書類を提出し、労働組合法上の規定を満たしている証明を得る必要がある。

定義

労働組合とは、賃金労働者が、その労働生活の諸条件を維持または改善するための恒常的な団体である

日本労働組合法では、その第2条で「……労働者が主体となつて自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいう」と定義している。これは、上記のウェッブ夫妻による定義を踏襲したものであると言われている。

労働組合は、職業別組合から出発し、一般組合を経て産業別組合へと発展していくのが、多くの先進工業国でみられた展開過程であった。ただし日本においては、職業別組合から企業別組合へという過程が特徴的である。

日本最初の労働組合は、アメリカ合衆国で近代的な労働組合運動を経験した高野房太郎片山潜らによって1897年に結成された職工義友会を母体に、同年7月5日に創立された労働組合期成会である。現在のような企業別組合が発達したのは、第二次世界大戦以降である。

労働組合員および労働組合のシンパに対しては、経営者にとって不都合な場合が多いため「共産主義者」「アカ」などのレッテル貼りがおこなわれ、時折職場でのイジメが問題となる場合がある。実際には資本主義経済のなかで自身の労働に対する取り分を主張しているだけであり、サラリーマンを中心とした労働者は給与賃金に対する主張を行うためにも労働組合を利用すべきである、という意見もみられる。

労働者

労働者とは、労働基準法第9条で「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で賃金を支払われるものをいう」とされる。契約上において、請負、個人事業主とされている者についても、実質的な「使用従属関係の有無」で判断される。(厚生労働省労働基準局の通達を参照すること。) 他方、労働組合法では、第3条で「職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によつて生活する者」と定義されており、失業者も含まれるものとされる。

労働組合の組織

労働組合を組織する権利(団結権)および組合活動をする権利(団体交渉権)は、日本国憲法第28条で「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」と認められている。

労働組合たる条件については、労働組合法により詳細が決められている。その条件の主なものは、所在地(本拠地)・名称を明らかにすること、使用者に相当する者・組織から資金援助を受けないこと、最低年に1回は総会を開くこと、政治・市民運動が主な活動目的ではないことなど(第2条)。

使用者は労働組合を組織することや加入すること、労働組合を通じて労働運動をすることを理由に不当な待遇をしたり、解雇するなどをすると「不当労働行為」となる。また、使用者は労働組合の正当な団体交渉には必ず応じなければならない義務を負っている(第7条)。

ストライキなどの争議行動は、本来刑法上では「住居不法侵入」、民法上では「労働契約違反」などに相当するが、日本国憲法上で保障される労働運動の権利を守る観点から、労働組合法で正当な争議行動に対しては刑罰を科されないこと(第1条第2項)、その行為によって発生した損害について賠償を請求することができない(第8条)としている。

解散は、規約で定めた解散事由の発生、組合員または構成団体の4分の3以上の議決による(第10条)。

憲法上の労働組合

労働組合法上の労働組合

様々なショップ制

労働組合の団結を維持し、その機能を強化するために、労働組合法第7条第1項の但し書きで認められている労使間協定である。但し、その事業所で組織される労働組合が同事業所の労働者総数の過半数で占めるものでなければ、この協定は無効とされる(ここで言う「ショップ」とは、労使間で様々な約束事や取り決め事を交わす「協定」の意である)。

オープンショップ制

使用者が雇用する労働者に対し、特に労働組合員であることを雇用条件にするといったことを決めていないもの。基本的に労働組合員とそうでない者との労働条件等の処遇の違いは無い。日本では、公務員の労働組合(法律では「職員団体」と呼んでいる)については、国家公務員法などでオープンショップでなければならないとされている。

クローズドショップ制

使用者が雇用する労働者は労働組合員から雇用しなければならないとする制度で、労働者が組合員である資格を失った時は使用者はその労働者を解雇することになる。この制度は産業別労働組合が存在する国々に見られるが、日本では見られない。 アメリカ合衆国では、タフト・ハートレー法によってクローズドショップ制を禁止している。

ユニオンショップ

使用者が労働者を雇用する時は、労働組合員であってもそうでなくても構わないが、雇用された労働者は一定期間内に労働組合員にならなければならないとする制度で、一定期間内に労働組合員にならなかったり、組合員である資格を失った時は使用者はその労働者を解雇することになる。日本の大手企業に存在する主な労働組合に見られる。但し、実際はいわゆる「尻抜けユニオン」という体制が敷かれていることが多く、労働組合員である資格を失っても雇用については別途労使間で協議し、決定することが多い。従って、労働組合を脱退したからと言って必ずしも退職しなければならないことはない。

ユニオンショップ制は、労働者に組合への加入を義務付けるものではないが、実質的に見れば労働者に労働組合への加入を強制することになるため労働者の結社の自由(組合に加入しないという消極的な結社の自由)との緊張関係を生じる。そのため結社の自由を保障する憲法21条に違反しないかが問題となるが、結社の自由によって労働組合を結成する権利が憲法上既に保障されているにも関わらず、あえて特別の規定によって憲法が団結権を保障している点に鑑みると、憲法は団結権の保障に特別の意味を与え、個々の労働者の組合に加入しない自由よりも労働者の生存の基盤となる組合を強化することを優先していると見るべきであるから、労働協約や労働法制においてユニオンショップ制を採用しても憲法に違反しないとされる事が多い。

日本においては、過去の判例で、労組から脱退した場合でも他の労組に加入していれば解雇されないとされている。また、過去に労働組合を辞めない旨を特に合意していた場合でも「労組の組合員は脱退の自由を有する」とされている。

アメリカ合衆国の場合、州によっては労働権利法(Right-to-work law)を適用し、ユニオンショップ制を禁止している。

エイジェンシーショップ制

労働組合への加入は労働者の意志によるが、労働組合員でない者でも、団体交渉にかかる経費と苦情処理にかかる経費を会費として支払わなければならない。ただし、労働組合員でない者はそれ以外の経費(ロビー活動にかかる経費や、労働組合員のみに与えられる特権の経費など)を支払う必要はない。

個人事業主の労働組合

プロ野球選手や声優、アニメーターのように、税制上は個人事業主に定義されていても、芸能事務所と契約を結んだり、アニメ制作会社で集団作業をしたりするなど実態は労働者に近い職業もある。

このため、これらの職業にも労働組合ないし、それに近い団体が存在する。代表的な団体として、日本プロ野球選手会日本音楽家ユニオン日本俳優連合等が挙げられる。アメリカ合衆国においても、フリーランスの事業者団体はさまざまな分野に存在する。

2000年代における日本の労働組合

組織率の低下

第二次世界大戦の直後は全労働者中に占める労働組合員の比率(組織率)も60%以上に達していたものの、年々組織率は低下し、2005年末現在においては18.7%まで下落するに至った。また、従業員が100人にも満たない小企業における労働組合の組織率は3%にも満たないと言われている。

労働組合組織率が低下する要因としては、一つは政府・地方公共団体などの社会保障制度が労働組合に取って代わってきたこと、労働組合の活動に時間を割くことが避けられるようになったこと、特定政党への選挙協力が嫌われたこと、そしてここ最近の不況などにより企業の再構築が進められ、会社・部門の統廃合・人員整理などが進んで労働組合が解散していったこと、非正規雇用が増大したこと、春闘などで労働組合が十分な成果を挙げられないため労働組合の存在意義を感じにくくなったことなどが挙げられる。

かつては労働運動が盛んにおこなわれた時代もあった。高度成長期時代の日本における賃上げ闘争などはまさにその事例のひとつであり、労働者の生活レベルが現在よりもはるかに貧しかった時代には、日本人の生活水準向上(ひいては日本経済の拡大)に大いに貢献したといえる。しかし、労働組合が支持する政党や選挙立候補者を支持しなくなったり、労働組合やその関連団体が開催する行事や集会に参加することを面倒がったりするようにもなっている。

放送業界やアニメ業界は労働環境が過酷なことで知られるが、組合を作ると仕事をもらえなくなるとして労働組合をタブー視する風潮がある。しかし、その一方で2007年10月13日には「日本アニメーター・演出協会(JAniCA)」が結成されるなど労働環境の改善を目指す動きも始まっている。

また、投資家からは労働組合の存在について「株価にマイナス」と見る向きが多い。これは、企業にとって万一の事態が起きた場合、その企業に組合が存在していると「迅速な」リストラ策が取りづらくなってしまう、という点が嫌気されている。ちなみに近年急激な成長を遂げたソフトバンク、楽天、サイバーエージェント等では、労働組合の組織すら見当たらない。また、多くの人材派遣業の会社には労働組合が無い。組織を試みたために、仕事の紹介がなされなくなるなどの報復を受けるケースや、入社時に組合活動をしない旨求められる(注:これは不当労働行為にあたる)ケースもある。

しかし同時に、健全な組合がないがゆえのリスクの側面をも見る必要がある。すなわち、「カリスマ」的経営指導者の行き過ぎを戒め、ブレーキをかけるものが実質的に不在になることで、経営危機へ追いやる可能性も高めるのである。旧山一證券、ライブドアなどが好例であろう。

組合機能の変質

一方「労使協調」を掲げた組合(産経新聞社日本航空(→日本航空の組合問題)など)では、形こそ労働組合として存在するものの、本来の機能を見失って形骸化し、会社側の言いなりとなって組合幹部が取締役会の末席に就くなど、「御用組合」「第二人事部」などと言われるに至る事例も少なくない。場合によっては、そのような組合の存在自体が労働者に不利益となっていることも少なくないのが現状である。

環境変化への対応の遅れ

日本の労働組合は正社員のみで組織されているものが多く、リストラパートタイマーアルバイト派遣社員の増加などによる雇用の不安定化といった、多くの労働者が実際に直面している問題への取り組みが大きく遅れることになった。現在一部労働組合はパート・アルバイトに門戸を開いており、非正規雇用の権利を主張する組合も現れている。

2007年の春闘では、連合が非正規労働者の労働条件改善を要求として掲げ、同年、非正規雇用労働者の労働条件改善、ネットワークづくりをすすめる「非正規労働センター」を開設した。また、首都圏青年ユニオンフリーター全般労働組合など、アルバイト・フリーターによって組織された労組も存在している。 不況下で管理職の中高年の解雇が目立つようになり、管理職ユニオン[1]も結成されている。

争議権の濫用

また、最近はごく一部であるが、労働争議権を濫用し、争議権の範囲を越える街頭宣伝活動などをおこなう労働組合もみられる。たとえば、個人単位でも加盟できる東京・中部地域労働者組合は、最高裁判所で解雇が正当であると認められたにもかかわらず解雇不当を訴えるなどの街宣活動を強行したため、解雇した企業とその代表者が裁判に訴え、東京地裁は「会社の名誉・信用を棄損し、平穏に営業活動を営む権利を侵害した」「虚偽の内容を含んだビラや執拗(しつよう)な街宣活動は表現の自由を逸脱し、平穏な営業活動を侵害する違法行為」と認定し、同組合に対して、対象企業近辺での街宣活動の禁止と200万円の損害賠償の支払いを命じた。

ネガティブなイメージ

日本の企業の経営者は、労働者の出世レースのゴールであることが多く(経営者と労働者の未分離)、それが過度の癒着、または対立を生む背景の一つであった。 現在の日本では、労働組合活動自体があまり知られているとは言えない現状であり、労働組合が何か活動をすると「抵抗勢力」や「何にでも反対する」というレッテルを貼られがちであり、さらには先入観から労働運動自体に眉をひそめる人もいる。近年ではストックオプション制の導入など、労働者を経営側に取り込む動きも見られている。

また、一部の労組では、新左翼の影響の下に政治的な要求や現実離れした要求を振りかざし、他の組合との抗争に明け暮れるだけで、本来の役割である労働条件の向上はなおざりにしてしまった組合や、日本航空の組合問題に見られるように、非妥協・対決路線に走り会社の現状を省みない組合となってしまったものもある(日本エアシステムとの合併がこの問題をさらに複雑にしている)。また、かつての国鉄労働組合国鉄動力車労働組合のように旧国鉄時代は違法であったストライキ遵法闘争<ref>労働者の気分感情とずれた国労の遵法闘争は、怒った利用客が暴動を起こすほど酷かった(上尾事件)</ref>を繰り返したこともあった。このため、経営側の視点からは、「労働組合が会社を潰す」という見方が広がってしまった。

一方、労使協調関係にある労働組合でも、かつての日産自動車のように「労使協調」が労使間の癒着に発展した末に労働組合が経営や人事に介入するなど、社会的にも非難される行動に出る組合もあった<ref>日産自動車における労組の専横は高杉良の小説『破滅への疾走』(『覇権への疾走』とも)、『労働貴族』のモデルとなった。一方、日本航空の一部労組の反会社強硬路線には、職場実態を無視した会社側の態度も一因との指摘がある。</ref>。さらに、「週刊現代」がJR総連に加盟している組合を告発する記事を掲載したときに、その記事の内容について争いがあったとはいえ、JR総連と労使協調関係にあるJR東日本グループの売店などで「週刊現代」を売らないという手段により、言論の自由に対して圧力をかけたことがある(なお、記事の掲載終了後はJR東日本グループでも「週刊現代」が発売されている)。

最近では岐阜県庁裏金問題に関して、全日本自治団体労働組合に加盟している岐阜県職員組合が組合の金庫に裏金を保管するなど、公金横領に深く関わり、雇用者である岐阜県庁との癒着が指摘された。これに対して自治労は、「県当局と緊張関係を持ち、一定のチェック機能を果たすべき職員組合が、県当局中枢が関与した組織ぐるみの隠蔽工作に与してしまったことは、岐阜県民はもとより国民に対する背信的行為であると断じざるを得ず、その信頼を失ったことは、慙愧の念に耐えず、構成組織の立場からお詫び申し上げたい」との談話を発表し謝罪した。

また、公務員の労働組合が行う「ヤミ専従」も問題視されていた。(詳細はヤミ専従#問題となった例を参照)。

偽装請負の黙認

近年蔓延してきた偽装請負については、これまで大労組が事実上「黙認」しているといわれても仕方がない状態であった。連合会長・高木剛もこの事を認めている<ref>連合、偽装請負で経団連に是正要請へ(朝日新聞)</ref>。理由としては、いわゆる御用組合化の進行により経営側の方針に労働組合側が反発しづらくなっていることと、偽装請負を解消する場合、経営側がそのコストを、組合員である正社員の賃金を削減することにより捻出しようとするおそれがあるため、組合員の不利益になることを指摘できないためである(これは、同様に問題化している『下請けいじめ』についても同様なことがいえる)。

日本の労働組合連合組織(ナショナルセンター)

日本以外の国等の労働組合

根拠法

沿革

最近の労働組合

日本以外の国等の労働組合連合組織(ナショナルセンター)

Trade unions worldwide

労働組合不要論

脚注

<references/>

関連項目

外部リンク

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