信者

出典: Wikipedio


信者(しんじゃ)

  • 特定の宗教信仰する者。別に信徒(しんと)、檀信徒(だんしんと)、「~教徒」とも言う。
  • 上記より転じて、特定の個人や団体や主義や製品などに夢中になっている者。

目次

概説

実際に信仰している者を指すことが多いが、宗教的な組織の名簿に形式上名前が掲載されているだけの人まで指すこともあり、境界がはっきりしないことも多い。本来の意味での「信者」は一般的に肯定的な意味で用いられている<ref>例えば、全世界で20億人を超えるキリスト教徒のあいだでは、キリスト教の「信者」(クリスチャン)と言えば、同じ確固たる価値観を共有している人、ということになり、(たとえ人が誰も見ていない状況でも)その行動が信用できる人、というようなニュアンスが伴い、非常に肯定的な意味で用いられている。

イタリアなどのキリスト教国で、あえて「彼はどこの宗教の信者でもない」などと表現している時は、それは"彼は価値観や道徳観も定まっていない人だ" 、さらには"状況次第では衝動・私利私欲・物欲などに駆られて犯罪行為もやりかねないアブナイ人だ" 、というニュアンスが伴っていることが多い。</ref>。

各宗教において、人が信者と認知されるステップ

以下に代表的な宗教(世界宗教、信者数が多いもの)での例を挙げる<ref>出典:島田裕巳『宗教常識の嘘』朝日新聞社 p.81-86</ref>。

キリスト教

カトリック

カトリックにおいては、洗礼を受ける事で信者として認知される。幼児洗礼の制度で幼いうちに受洗するので、カトリック圏では、"ある段階で信者になった"という意識はあまりないことが多い。 一方、成人後に受洗した場合は、入信という意識の変化と洗礼体験が分かち難く結びついている。

イスラム

イスラム教では、親の片方がムスリムならば、その子は自動的にムスリムとして認知される。イスラム圏では一般的には、入信の特別な儀式は存在しない。非ムスリムが入信する場合は、指導者であるイマームの前で「アッラーのほかに神はない、ムハンマドはアッラーの使徒である」と信仰を告白すれば、ムスリムとして認知される。イスラム法やシャーリアでは、入信のための規定や必要事項などは特に定められておらず、本人が上記のように宣言し、自身がムスリムである自覚を持てば良い。

仏教

仏教、特に日本での事例について説明する。

一般の信者(在家)

特に定まっていない。若干の例外<ref>例外としては、浄土真宗では、門徒(在家信徒)に対して「帰敬式(〈おかみそり〉とも)」の受式運動を推進していて、法名を授かる事を推奨している。</ref>はあるものの、大半は元々檀家であるというだけで特に儀式にも参加しなくとも、仏教の信者と認知される。

出家者

得度」という儀式がある。僧侶としての戒めである戒律を授けられ、剃髪を行う。この時、僧侶としての名前である戒名あるいは法名を授かる。

比喩的な意味での「信者」

熱狂的なファンであることから、単に多少入れ込んでいる程度の者のことまで指すこともある。

「彼女はビートルズ信者だ」「彼はUnixの信者だ」のように用いられる。

懐疑主義者(信じることは悪いことだと信じている人)で「信じる」という言葉を聞いて機械的に悪い意味を連想する人にようになっている人の場合は、「信者」という言葉を強い否定的な意味で使うこともある。

「彼は科学主義(科学崇拝)の信者だ<ref>an adherent of scientism(用例の出典:プログレッシブ和英中辞典)</ref>」のように用いられる。この表現では、"彼は科学をその実態以上に評価しすぎている" あるいは "彼は自然科学を盲信している" というような意味になる。


関連項目

出典・脚注

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