仮面ライダークウガ

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仮面ライダークウガ』(かめんライダークウガ)は、2000年平成12年)1月30日から2001年(平成13年)1月21日までテレビ朝日系で毎週日曜8:00 - 8:30(JST)に全49話が放送された、東映制作の特撮テレビドラマ、および作中に登場するヒーローの名称。

仮面ライダーシリーズ」の一作品であり、連続テレビシリーズとしては前作『仮面ライダーBLACK RX』以来約10年ぶりとなる。またテレビ朝日系の日曜朝8時の特撮枠では『ビーファイターカブト』(1996年)以来、4年ぶりのバトルアクション物となった。「平成仮面ライダーシリーズ」とも言われる新シリーズの第1作である。キャッチコピーは「A New Hero. A New Legend.」。

テレビの仮面ライダーシリーズはこの作品以降、製作局を旧シリーズを全て担当していた毎日放送から関東地区で『仮面ライダー』 - 『仮面ライダーアマゾン』までの旧シリーズをネットしていたテレビ朝日(旧シリーズ放映当時はNETテレビ・日本教育テレビ)に変わった。この結果、全国的にはTBS系列から約25年ぶりにテレビ朝日系列に復帰した形になり、関西地区では、競合局の朝日放送へ移行することになった。

関連作品
  • テレビスペシャル『仮面ライダークウガ 新春スペシャル』(2001年1月2日放送)

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目次

あらすじ

西暦2000年。長野山中の九郎ヶ岳において謎の遺跡が発掘されようとしていた。しかし、遺跡の中に置かれた棺の蓋を開けた時、突如現れた謎の存在によって調査団は全滅させられてしまう。遺跡を調査していた長野県警刑事・一条薫の前に、無断で遺跡に入ろうとする若い男が現れる。問いただす一条に、その男は冒険家・五代雄介と名乗った。

やがて復活した異形の者たちが長野近郊に出現し、人々を無差別に襲い始めた。遺跡からの出土品で警察に保管されていたベルト状の遺物から雄介は戦士のイメージを感じ取り、次々に犠牲になる人々を目の当たりにし、冒険家の勘に従い腰にそれを装着する。すると雄介の体は、気合と共に装甲に覆われていく。変身した雄介は県警を襲う怪人に立ち向かい、苦闘の末に敵を一時退け、一条に向けて得意のサムズアップをきめた。

だがこの騒動は、やがて起こる“未確認生命体事件”の序章に過ぎなかった。

概要

特徴

モチーフはクワガタムシで、東映の「漢字で書ける名前」という要求で「クウガ」(漢字表記では「空我」)と命名したとされている。初期の仮タイトルには「仮面ライダーガーディアン」、「仮面ライダーオウジャ」、「仮面ライダーオーティス」などがあった<ref>『仮面ライダークウガ超全集』より</ref>。以前のシリーズ作品では基本的に世界観の関連があったが、本作は一応別の世界観と据えられた。また、劇中で「仮面ライダー」という語を用いることはなかった。しかし、従来の仮面ライダーシリーズのオマージュとも言えるものが台詞や設定の随所に盛り込まれており、ファンサービス的に過去のシリーズとの繋がりを匂わす描写もいくつかある。例えば、城南大学の本郷教授という人物のことが本編で語られるが、特徴が本郷猛=仮面ライダー1号によく似ている、といった具合である。

従来のシリーズ作品との大きな違いには、「改造人間」「地球の支配を目的とする悪の軍団」「戦闘員」などの設定がなくなったという点が挙げられる。医療技術の進歩により臓器移植手術などが多く行われるようになった情勢を考慮すれば「改造人間」を異形の者として描写することには抵抗があり、東映も「改造人間ということによる影を持った主人公にしたくない」ということで新設定となった。これに関して『仮面ライダーBLACK』『仮面ライダーBLACK RX』主演の倉田てつをは「今のライダーは楽ですね。俺のときは『改造人間』という設定だったんだ」とコメントした<ref>『激闘!オレごはん』にて、『仮面ライダー剣』主演の椿隆之と共演した際のコメント</ref>。

また本作は、円谷プロ制作の『ウルトラマンティガ』(1996年)と同様、従来の特撮ヒーロー番組にはなかった新たな試みが随所に見られる。身近な恐怖を演出するための現実感と、特撮ヒーロー番組にありがちだった多くの矛盾点を解消させるため、整合性を重視し、「グロンギ族は独自の言語文化を持つ」「クウガと警察が協力する」「技名を叫ばない」などの設定が生まれた。作劇においては、従来ではスポットの当たりにくかった「回を追うごとの周囲の人々の変化」や「社会におけるヒーローと悪の存在の認知の過程」が描かれるなど、ヒーロードラマの視点だけではなく、一般ドラマの視点も重視している。このため、1話30分以内では1エピソードを満足に描き切れないということで、基本的に前後編の「2話で1エピソード」というスタイルを取っている。このスタイルは以降の作品にも引き継がれた。

商業面では変身ベルトなどの人気で好成績を記録したが、ドラマパート重視の作劇により、結果的に戦闘シーンが極めて短いエピソードが生じたり、10月に発売されていたクウガの最終形態が、翌年1月の最終回直前まで本編に登場しない(出番も1、2分程度だった)等の展開が行われた他、逆にスポンサーの玩具会社の担当者も知らなかった新形態が登場し、急遽その商品が開発・発売されるなど、販促番組としても異例づくめの記録を残すこととなった。その集大成ともいえる最終回では、AパートとBパートの間にCMを挟まず一気にEDまで放送し、変身後の主役ヒーローが一切登場せず、戦闘パートが無い内容だった。

本作以降、クロスプログラム(放送開始直前に挿入される映像)が頻繁に変更されるようになった。また、提供テロップのナレーションは出演者が交代で担当している。これを踏襲したのは2010年現在『仮面ライダー響鬼』のみである。

従来のシリーズとは異なり、ナレーションは次回予告と総集編のみに留まった。『仮面ライダーアギト』以降、ナレーションの比重はさらに軽くなる傾向にあり、ジャンクションや次回予告のみナレーションが入るケースが多い。

制作エピソード

仮面ライダーのテレビシリーズ再開は1996年頃から企画が進められており、当初は当時『ウルトラシリーズ』を放映していた毎日放送土曜6時台での放送を目指していた時期もあった。この頃の企画タイトルの一つに『仮面ライダーガイア』があり、『ウルトラマンガイア』と競合したと言われている。なお後に発表された『仮面ライダーEVE-MASKED RIDER GAIA-』の元となった石ノ森の遺稿とは異なる。しかし毎日放送での製作は実現に至らず、その後テレビ東京の放送でも仮面ライダーのシリーズの放送も目指したがテレビ朝日で放送中だった前番組『燃えろ!!ロボコン』が縁でキー局をテレビ朝日に変更することとなった。

追い風となったのは『せがた三四郎』である。初代仮面ライダーを演じた藤岡弘、が演じる同キャラクターは仮面ライダーの人気を盛り上げた<ref>「日本経済新聞」1999年4月28日</ref>。鈴木武幸によると、こうした盛り上がりが本作の誕生につながったとのことである<ref>「朝日新聞」2000年1月28日夕刊</ref>。

制作には従来の作品以上に期間を設け、極力ご都合主義・設定破綻を避けるため、主に脚本作りに時間をかけていた。また全編がHDTV (HD1080/60i) で撮影されており、当時としては異例の16:9の画面比率で放映された。ただし、当時は撮影のみがハイビジョンで行われ、ポストプロダクション完パケ・本放送はSDTVで行われた。そして従来のアフレコ形式より同録形式に改められた。しかしチーフ助監督の鈴村展弘によると、これら撮影方法の大幅な変更が現場に大混乱を招くことになったといい、「ビデオエンジニアや録音部といった新しいスタッフも撮影に必要になり、大幅にチームスタッフが変更になりました。加えて、ハイビジョン撮影の場合、監督のカット後すぐの撮影動画チェックが必要、カメラの長いコードとそのケーブル捌きのノウハウも必要、また外部の雑音が入らない状態での撮影も必要になるため、撮影開始一週間で、カメラクルーからスケジュール通りに予定カット数を撮れない、との苦情が勃発しました」と近年インタビューにて語っている。すぐに東映上層部で元のアフレコ撮影に戻そう、という会議まで行われたという。

本来の納品期限に遅れることが度々重なり、制作会社・テレビ局は非常に切迫した状況での制作・放送が続き、スケジュール確保のため、総集編が3回放送されている。制作指揮を執っていた東映プロデューサー髙寺成紀は、上層部から体制の見直しを提言されていたが決して譲らず、急遽協力する事となった脚本の井上敏樹の尽力もあり、一貫した制作体制が維持された。

一方でリアリティ重視の路線を進んだ結果、設定や描写に生々しい、あるいは過激な表現が盛り込まれているという意見もあり、純粋な子供向けのヒーロー番組を望む親を中心に放送局へクレームが多く寄せられるなど、物議を醸した。このことから、後半は「被害者を搬送中に救急隊員が怪人の毒による二次災害にあった」という報告、「未確認生命体が出たので新幹線が運休する」というアナウンスなど、間接的な表現でグロンギの恐怖を示す演出がなされた。当時は「日本版『Xファイル』」を目指して制作された。

結末の一つとして、主人公である五代がダグバとの激闘で死ぬという結末も考えられていたという。これは「人々を守るためとはいえ、彼も暴力を振るったのだから、その責任も取らせるべきではないか?」という考えからであるが、髙寺をはじめスタッフは「これからの厳しい時代を生きる子供たちに夢を与える番組で、その結末は残酷すぎるのではないか?」という結論に至り、五代がみんなの前からしばらく旅立つという結末になったという<ref>『HERO VISION VOL. 2』 髙寺インタビューより</ref>。

主演のオダギリジョーは2005年に雑誌『ピクトアップ』34号のインタビューで、強い抵抗感のある特撮ヒーロー作品への出演を悩んでいた自分に対して、東映側のプロデューサー(髙寺)から「子供番組のイメージを無視した新しい番組を作りたい。一緒に壊そう」という言葉で説得された、と語っている(オダギリジョーの項目も参照)。主役に選ばれた後、「仮面ライダーを見たことがなかったので藤岡さんのライダーをビデオで見た」が「これは俺には出来ない」と思いプロデューサーに断りを入れたが、この時も「当時と違う、藤岡さんとは違う形だから」と説得されたと語っている。

劇中の時間の経過は緻密に計算され、シーンが変わるごとに劇中の時間と場所を表示する形式になっている。これにより、劇中の描写と時間の経過は全て整合性が取れたものになっているが、その反面、バスや電車が登場するエピソードでは、劇中の時間を現実の時刻表に合わせるため分単位での時間調整が必要になるなど、苦労も多かったという。

予告編の映像には、しばしば本編中にないものが含まれている。これはスケジュールの関係で、本編の撮影終了を待っていては予告編の制作が放送に間に合わないという状況が何度か発生し、本編とは別に予告編用の撮影が行われることがあったためだという。

スタッフ

髙寺プロデューサーと付き合いが長いということで荒川稔久が前番組から続投、メインライターになり、前述の通り井上敏樹がサブとして参加した。また髙寺の知己で、特撮雑誌『宇宙船』編集者、また『TVチャンピオン』「TVヒーロー王選手権」の連続王者でもあった大石真司が文芸担当として迎えられ、緻密なヒーロー像やストーリーラインを構築した。

他にも、当時はまだ武蔵野美術大学の学生だった阿部卓也がデザイナーとして抜擢されるなど、斬新なスタッフワークが採られた。阿部は完璧な意味を持つ古代文字を構築した他、グロンギ怪人のベースデザインを作った。阿部は学業との両立が困難になって途中から作品を離れるが、後をプレックスなどに属する職人デザイナーたちに託し、ン・ダグバ・ゼバのデザイナーとして復帰した。

大石、阿部、そしてきだつよしら、この作品で実質、本格的に商業特撮作品に携わったスタッフらの一部は、後に同じ髙寺プロデューサーの『仮面ライダー響鬼』(プロデューサー交代前)時にも招聘され、深く関わっていくことになる。

演出陣では、石田秀範が初のメイン監督を担当した。また、戦隊サイドにいた渡辺勝也長石多可男といった髙寺プロデューサー縁の演出家も集結している。因みに当初は石田がメインを務める予定ではなく、別の監督がパイロットを撮り石田は第3・4話を撮る予定であった。しかし髙寺とその監督の意見が衝突し監督が降板、急遽石田にパイロットのお鉢が回ってきたとのことである。その皺寄せがありハードスケジュールが祟ったせいか石田は撮影中に倒れてしまい、パイロット作品ではチーフ助監督の鈴村展弘が演出を代行した箇所もあるという。

オートバイスタント

本作ではオートバイスタントにトライアル元全日本チャンピオンの成田匠が参加。旧シリーズでは室町レーシングやスリーチェイスなどのカースタントチームが参加していたが、「本物のオートバイ競技のアクションを取り入れたらどうか」とのスタッフの意向で成田に打診された。トライアルのアクションを取り入れる動きは『仮面ライダーストロンガー』の時にも試みられたが、事故で断念されており、25年ぶりの試みとなった。

車種の選定も成田によって行われ、初のスペイン車によるライダーマシンが完成した(車種の詳細は後述)。成田の初登場となる第4話では様々な段差や障害物を越えて縦横無尽に駆け回る姿が描かれ、従来のアクションとは違うことが強調された。その後もウィリーによる「前輪パンチ」やジャックナイフによる「後輪キック」など、トライアル技の応用によるダイナミックなアクションが展開された。また、第31-33話で、成田匠の弟の成田亮がバイクを操る怪人ゴ・バダー・バを演じた。バダーのマシンであるバギブソンはトライチェイサーと同じパンペーラを使用した。2人のプロ選手による湘南海岸での戦いは多くのトライアル技術が披露され、従来描かれていた、土煙を上げて交錯するうちに敵が倒れていくオートバイ戦とは全く違った画面が出来上がった。

キャスティング

本作がそれまでの特撮作品と一線を画す一因にキャスティングがある。主人公を支えるメインキャストの葛山信吾村田和美はすでにタレントとしてある程度名が知られており、またベテラン勢でも水島かおりきたろう井上高志といった一般ドラマでお馴染みの顔を揃えた。こうした背景がそれまでマイナー視されていた特撮というジャンルの発展に大きく貢献した。

これに本作が実質出世作となる、主人公の五代を演じるオダギリジョーの好演が加わり、オダギリと一条を演じる葛山の人気は男性アイドル雑誌にも露出するなど異例の注目を集め、「イケメンヒーロー」と呼ばれる、従来特撮に関心がなかった層を新たに取り込んだムーブメントを生み出した。

音楽

音楽は佐橋俊彦が担当したが、作品の雰囲気を尊重するため、佐橋サウンドの持ち味だったオーケストラの使用を避け、アクションテーマはバンド編成による激しいロック、 怪人襲撃・暗躍を表現する音楽はシンセサイザーによる音色で、洋画ホラー物のような雰囲気を演出しており、それまでに佐橋が手掛けた作品とは全く異なる音楽世界を確立している。本人もインタビューなどで、普段の自分のスタイルとは違ったことを試みた、という主旨の発言をしている。

次作のサウンドトラック盤での佐橋のコメントによると、当初、最終回の音楽を完成したVTRマスターに合わせて録る話があったが、間に合わず結局不可能となった。これを実現していたならば、佐橋はスケジュールに追われて楽曲制作の質が落ちることを防ぐため、『仮面ライダーアギト』の音楽担当を辞退するつもりだったという。

映画化の企画

『仮面ライダーアギト』以降の作品で劇場版が連年制作される中、TVシリーズ放映当時から署名サイトが開設されるなど、本作の映画化に向けた活発な署名・要望活動が行われた。これに対し、番組終了後に発売された『超全集』最終巻でオダギリ・髙寺から映画化の約束のコメントが載るなど、当初はスタッフ・キャストも映画化に前向きな姿勢を見せていた。

しかし数年が経過しても公式に進展は無く、後年髙寺も雑誌などでTVシリーズで完成しきった物語に続編を作ることの困難さなど、映画化に対する消極的なコメントを出しており、次第に映画化へ向けた動きは沈静化していった。そして2006年6月1日付で、髙寺により映画化に至らなかったことへの謝罪メッセージが公式サイトに掲載された。

ただし、五代雄介が変身する『クウガ』としての劇場版は存在しなかったものの、仮面ライダークウガというキャラクター自体は2009年公開の『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』において、初の映画出演となった。

登場人物

主な登場人物

五代 雄介(ごだい ゆうすけ) / 仮面ライダークウガ
本作の主人公。25歳。1975年3月18日生まれ、O型。北海道生まれの神奈川県山北町育ち。世界を旅する冒険家。笑顔とサムズアップがトレードマーク。未確認生物と遭遇した際、遺跡で発見されたベルトを何かに導かれるように装着したことで、クウガへの変身能力を持つようになる。初対面の人には「夢を追う男・○○○○(その時点で持っている技の数)の技を持つ男」と書かれた自作の名刺を手渡す。また、サムズアップが癖(決めポーズ)となっている。両親を亡くしており、現在は喫茶店ポレポレに居候している。一見すると飄々とした能天気な性格で、桜子のいる研究室を訪れるためにビルクライミングで学舎の壁を登るなど、変わり者のところもあるが、実際は強い意志と深い優しさを内に秘めている。
父は戦場カメラマンで、アフガニスタンで死亡している。父の訃報に接した時、恩師である神崎の言葉に感銘を受け、「2000年までに2000の技を持つ」と約束。1番目の技は笑顔。クウガへの変身が2000番目の技になった。リントの「戦士クウガ」を示す文字が気に入ったのか、自分のシャツやバイクなどにマークをプリントしたり、マークを入れたベルトのバックルを自作したりした。
たとえ人を守るためとはいえ、拳を振るうことを「いい気持ちはしない」と嫌う。そしてその想いは劇中たびたび描かれ、最後の戦いでその最たるものが見られる。ダグバを倒した後、再び外国へ冒険に出た。
一条 薫(いちじょう かおる)
26歳。1974年4月18日生まれ、AB型。名古屋市出身。長野県警警備課に所属する刑事で、クウガの正体を知る人物の一人。長野県九郎ヶ岳の遺跡発掘現場で起きた事件を追ううちに未確認生命体に遭遇し、広域指定された同種の事件を集中的に扱う未確認生命体合同捜査本部(警視庁に設置)に派遣される。射撃の名手でもあり、高性能ライフルやコルト・パイソンなどを使いこなす。雄介とは対照的に堅い性格で、民間人である雄介を戦いに巻き込むまいとしていたが、独断でトライチェイサーを渡すなど、戦いを通じて強い友情で結ばれる。めったに笑わない性格で、たまに笑みをこぼすと周りから驚かれる。
父親も警察官で、自分の誕生日に水害から市民を救って殉職している。そのため、誕生日のプレゼントは受け取らないことにしている。母親は看護師で、名古屋市内の病院で婦長を務めている(母相手に名古屋弁で喋るシーンもある)。
ラ・バルバ・デとはシリーズ初期から因縁があったが(実際に彼女をグロンギと知って対面した人間は彼のみである)、終盤で強化型神経断裂弾を使い、自らの手で倒した。
雄介と同じく責任感が非常に強く、未確認生命体との戦いで何度も大怪我をしながらもそれを押して現場へと赴く。未確認生命体殲滅後は長野県警に戻った。
沢渡 桜子(さわたり さくらこ)
23歳。1976年10月30日生まれ、B型。群馬県出身。城南大学大学院生(修士課程)。考古学研究室で古代文字の研究をしており、リント文字の解読に当たる。雄介とは大学時代からの友人で、クウガとして戦う彼をバックアップするが、内心ではかなり心配している。長野県警で、アークルが雄介の体内に入る所を目の前で目撃した唯一の人物。自身も危険な目に遭ったことが何度かあり、ズ・グムン・バやメ・ガリマ・バに危うく襲われかけた時もある。徹夜が趣味で、コーヒーはブラック派。ポレポレを手伝うこともある。
五代 みのり(ごだい みのり)
22歳。1977年9月4日生まれ、O型。雄介の妹であり、4号の正体を知っている。わかば保育園で保育士をしており、ポレポレを手伝うこともある。決して自分を裏切らなかった兄を心から信頼している。桜子とも仲が良い。おっとりとした雰囲気で、兄の雄介曰く「起きてても眠そう」。
椿 秀一(つばき しゅういち)
26歳。関東医大病院に勤める司法解剖専門医師で、一条の高校時代の同級生で、彼から4号の正体を知らされる。雄介の身体の検査やクウガの能力開発にも協力し、「世界でたった一人の掛かりつけ」を自認する。稲森麗子という女性と交際していたが、約束がある時に限って一条からの依頼が来るため疎遠になってしまい、ついには振られてしまった。以降は桜子にも好意を寄せ、紅茶に砂糖を入れないと言って話を合わせたりしている。
初期では雄介の身体を「解剖してじっくり調べてみたい」と言うなどマッドサイエンティストのような発言もあるが、雄介がグロンギと同様の存在になってしまう可能性について当初から懸念を抱き、警告を繰り返している。また、未確認生命体に殺害された被害者の検死も行ううちに、医師としての立場から、理不尽な形で人間の命を奪う彼らに激しい憎悪と嫌悪感を示す。
榎田 ひかり(えのきだ ひかり)
34歳。科学警察研究所の責任者。ゴウラムの研究を行う際、一条から4号の正体を聞かされる。未確認生命体の研究および対未確認生命体用装備の開発を行う。職務には熱心だが、そのために離婚された過去があり、引き取った息子の授業参観に間に合わないなど、母親としての責任との板挟みになっている。未確認生命体に対抗するため特殊ガス弾やマーキング弾を開発し、終盤では未確認生命体をも殺害する威力を持った神経断裂弾を完成させた。
おやっさん/飾 玉三郎(かざり たまさぶろう)
44歳。1955年6月9日生まれ、A型。喫茶ポレポレのマスター、通称おやっさん。雄介の父は古くからの友人であり、先輩でもある。みのりのことを「みのりっち」、一条のことを「コート着たハンサムさん」と呼ぶ。未確認生命体第4号に関する記事を熱心にスクラップしていたが、雄介自身は特に隠していないにもかかわらず、終盤まで第4号の正体に全く気付いていなかった。毎度下らないギャグを飛ばしては姪の奈々に呆れられている。また、実在する有名人の名前を度々つぶやいていた<ref>きたろうのアドリブであったため、現代の子供が知らないような人物ばかりだった。</ref>。本名は最終回で明かされた。
朝日奈 奈々(あさひな なな)
17歳。京都府出身。いつも関西弁で喋る。おやっさんの姪。女優を目指して上京し、勉強の傍らポレポレを手伝う。ポレポレで出会った雄介に一目惚れし、「五代雄介ファンクラブ会員1号」を自称するが、おやっさんと同様に終盤まで未確認生命体第4号の正体には全く気付いていなかった。雄介と仲の良い桜子に少し嫉妬していたようだが、同じ努力家として尊敬もしている。芝居の先生をメ・ガルメ・レに殺されるが、作中の番組『おにぎりの味2』のオーディションに合格した。
ジャン・ミッシェル・ソレル
27歳。城南大学に留学しているアメリカ人大学院生。桜子と同じく考古学研究室に籍を置き、発掘を専門に行う。アメリカ的感覚と好奇心から心にもないことを口走るくせがあり、それが問題に発展するやいなや責任を感じることがある。ゴウラムの研究に携わっているうちに榎田に好意を抱くようになる。福梅の梅干しが大好物で、本人曰く「それがないとご飯が食べられない」。
松倉 貞雄(まつくら さだお)
57歳。警視庁警備部長で、未確認生命体合同捜査本部の設置に伴い本部長を兼ねる。当初は未確認生命体第4号=クウガとの共闘に慎重だったが、クウガのその後の行動を見極め、また一条の説得もありクウガを受け入れる。一条や杉田のために高性能ライフルや6インチのコルト・パイソンを支給し、EPISODE33ではクウガとの協力姿勢を取る合同捜査本部に圧力を掛けてきた上層部の説得に当たった。
杉田 守道(すぎた もりみち)
37歳。警視庁捜査一課の刑事。一児(娘:葉月)の父。当初は第4号=クウガを未確認の同種と思い射殺しようとするが、ズ・メビオ・ダに殺されそうになったところを助けられ、以後仲間と認める。その後、未確認生命体合同捜査本部に転属。一条と行動する場面が多く、EPISODE19で五代の悲報を聞いた一条に「どうかしたか?」と彼の心情を察知し気遣うなど、二人は長い付き合いであることがわかる。中盤にて一条から第4号の正体が雄介であると知らされており、EPISODE33で過去に雄介に対して銃撃したことを謝っている。また、同話で初めて雄介の変身シーンを目の当たりにし、感嘆の声をあげる。
名前の由来は杉下茂高木守道
桜井 剛(さくらい つよし)
26歳。警視庁捜査一課の刑事。未確認生命体合同捜査本部の一員。杉田と同じく当初はクウガを敵だと思っていたが、後に味方だと認める。パンが大好物で朝からロールパンを大量に食べる。一度SAT狙撃班の指揮をしていた。また、クウガが何色(フォーム)で未確認生命体を倒しているかを色付きシールで手帳に記録しており、それがゲゲルのルールを見抜くヒントになったこともある。
笹山 望見(ささやま のぞみ)
21歳。未確認生命体合同捜査本部の婦人警官。本部から通信(未確認生命体の行動、爆破ポイントの指示など)を送るのが主な役目。初期はミーハーな性格だったが、一条に誕生日プレゼントを拒否された後、次第にまじめな性格になる。一条に好意を持つあまり、訪ねてきたみのりの事を一条の恋人だと勘違いして臍を曲げたことがある。父は警察官だったが病死している。
夏目 実加(なつめ みか)
14歳。長野県九郎ヶ岳遺跡で未確認生命体第0号(ダグバ)に殺された夏目幸吉教授の娘。彼女の涙が、五代に戦う決意を与える。当初は誰にも父の死の原因を調べてもらえないことに絶望し、自殺を試みるまでに追い詰められていたが、雄介の励ましで立ち直り、父の死を明らかにするためジャンの発掘チームに参加した。未確認生命体撲滅後、高校に進学する。14号が出現した際、雄介が変身する場面に居合わせたため、4号の正体を認識している。フルートが得意。
神崎 昭二(かんざき しょうじ)
52歳。五代兄妹の小学校(神奈川県山北町にあった立花小学校)時代の恩師。現在は栃木県内の風早小学校に勤務する。雄介の人生観に大きな影響を与えた人物で、父親の訃報に接した雄介にサムズアップを教えたのも彼である。子供たちの気質の変化から辞職を考えていたが、雄介との約束を思い出し、閉校した立花小学校の跡地で雄介との再会を果たしたことで、自信を取り戻す。雄介の正体(2000番目の技:クウガ)を知っている。
名前の「昭二」は、読み方こそ違うものの小林昭二(こばやし あきじ)から。
蝶野 潤一(ちょうの じゅんいち)
22歳。中盤より登場した青年。当初はその経緯により、未確認生命体を敬愛し、自身も彼らを真似てタトゥーをしていた。しかしメ・ビラン・ギに惨殺された遺体を椿に見せられ、さらにそのビランに襲われたことにより考えを改める。ビランに襲われた際に4号に助けられた為に、彼の正体が雄介であることを知っている。その後、新しい自分の道を切り開いたようであり、最終話ではその決意の表れとして椿の元に、それまでの自分の象徴だったナイフを送る。

主に登場するグロンギ

ズ・ゴオマ・グ
未確認生命体第3号(B群2号)、コウモリ種怪人。人間を襲って血を吸う。最初は教会神父に化けて登場した。ゲゲルの開始前に殺人を行う違反行為を犯したため、参加資格を失う。そのため多くの怪人達から見下され、しばしば暴行も受けていた。主にバルバの下僕として活動する。日光が苦手なため、黒いコートとこうもり傘を愛用している。ゲゲルの権利がメ集団に移行してもなおゲゲルに参加したがる姿もしばしば見られた。ゴ集団が活動を開始しゲリザギバス・ゲゲルが始まる直前には、ザジオが製作するバグンダダのパーツを取りに長野まで走らされるなどと、後半では雑用に徹する姿も見られた。
ダグバのベルトの破片を回収するよう命じられた際、その一部を横領・利用することで肉体を強化し、強化体・究極体へと変貌を遂げる。強化体になった時点で日光を浴びても平気な体質を備え持つようになり、強化が進むごとに怪人態の外見もダグバに近い強靭なものになっていった。ダグバによる下級怪人の「整理」から逃れるために、ダグバの命を狙い反逆を開始、クウガを軽々退けるも、ダグバにあっけなく殺害されてしまう。
クウガに倒されなかったことで遺体が爆散消滅しなかった最初のグロンギであったことから、遺体は警察に回収されて椿の手で解剖が行われ、そのデータが神経断裂弾を完成させる大きな手掛かりとなった。
ゴ・ガドル・バ
未確認生命体第46号(B群11号)、カブトムシ種怪人。ゴ集団最強の怪人。人間態は軍服姿の威圧感漂う寡黙な男。自ら「破壊のカリスマ」と豪語する、グロンギの最上位階級に当たるゴ集団の頂点に相応しい実力者で、格闘体、俊敏体、射撃体、剛力体の四種の形態変化と形態に合わせた三種類の武器を使いこなし、バルバに反逆したゴオマ強化体をも一蹴する戦闘力を備える上、発電所で莫大な電力を自らのアマダムに吸収することで更なる進化を遂げ、クウガのライジングフォームに相当する電撃体への変化も可能とした。それぞれ目とルビーの色が変化し、電撃体は体の色も金になる。
その圧倒的な実力ゆえに戦士としてのプライドも高く、強者との戦いに喜びを見出す戦士らしく自らに課したゲリザギバス・ゲゲルの条件はリントの戦士(=男性警察官)のみを殺害するというものだった。ただし、このゲゲルはドルドがバグンダダを破壊されてしまうというアクシデントのため無効となる。
目前に控えたザギバス・ゲゲルの前哨戦として、対ダグバを想定していたクウガとの対決においては、形態変化を利してクウガのフォームチェンジを尽く封殺し電撃体への変身から放つゼンゲビ・ビブブ(電撃キック)でクウガに瀕死の重傷を負わせるが、二度目の対決ではアメイジングフォームに変身を遂げたクウガと激闘を演じ、アメイジングマイティキックとゼンゲビ・ビブブの必殺技同士の激突の結果敗北し爆死した。
またクウガとの決戦の直前に一条から神経断裂弾での攻撃を受けたがこれに耐え切る高い耐久力を見せていた。
ラ・バルバ・デ/バラのタトゥの女
未確認生命体B群第1号、バラ種怪人。ゲゲルの進行を取り仕切る美女。指輪の鍵を怪人のベルトに差し込み、ゲゲル開始の許可を与えると共に、ゲゲルの期限を過ぎると爆発するという時限装置のスイッチを入れていた。怪人態には変身しなかったが、腕だけを伸縮する蔓のような形態に変えて攻撃する。中盤では銃を向ける一条に「今度のクウガはやがてダグバと等しくなる」と呟いたり、終盤においては「リントが変わった」などとクウガやリント(人類)に関する意味深な言葉を呟いていた。ダグバが殺害しなかった唯一のグロンギではあったが、自身と深い因縁を持つ一条に強化型神経断裂弾を連続で撃たれ、吐血しながら彼に笑顔を見せて死亡した。撃たれた衝撃で海に落ちたため、死体が見つかることはなかった。
ラ・ドルド・グ
未確認生命体第47号(B群9号)、コンドル種怪人。胸の装飾品をトンファー状の武器に変えて使う。ゲリザギバス・ゲゲルの際に、バグンダダと呼ばれるカウンターを持ち歩き、ゴ集団の複雑なゲゲルがルール通りに行われたかどうかを確認し、ゲゲルで死亡したリント(人間)の数をカウントする役目を担っていた。ゴ・ガドル・バのゲゲルの際、一条にライフルでバグンダダを撃ち壊されたことで、ガドルと一戦を交えることとなり、その後杉田と桜井に神経断裂弾を撃たれ射殺される。
ヌ・ザジオ・レ
未確認生命体B群14号、サンショウウオ種怪人。劇中ではその確かな怪人態は確認されておらず、人間態はサングラスをかけて暗い所に佇む老人である。主にグセパ(ゲゲルの被害者の数を数える腕輪)やバグンダダの作成や、各怪人が使う武器の作成、あるいはバギブソン(ゴ・バダー・バのバイク)のメンテナンスまで、裏方の仕事を担当する。ダグバのベルト修復に着手したのもザジオである。
ン・ダグバ・ゼバ
未確認生命体第0号(B群第13号)、クワガタ種怪人。「白き闇」、「キュグキョブン ジャリ(究極の闇)をもたらす者」と称されるグロンギの頂点に君臨する最強の存在。人間態は無邪気そうに笑みを浮かべる白服の青年だが、殺しを「遊び」としか捉えておらず、自ら復活させた約200体のグロンギの半数以上を「整理」と称して殺戮、さらにザギバス・ゲゲルで3万人以上の人間を殺害した。当初は不気味で生物的姿をした不完全体だったが、それでも手から放つ波動で封印されていた全てのグロンギを復活させる、彼の気配を感じたクウガがペガサスフォームで居場所を探っている最中にクウガの変身を解除し衰弱させる、ゴオマ究極体をエネルギーの嵐のような攻撃で殺害する等の強大な力を示していた。
やがてベルトの修復を終え、クウガのアルティメットフォームと同等の力を持つ存在である完全体(不完全体と違い、白と金を基調にしたアルティメットフォームと酷似した姿)となる。アルティメットフォームと同じく、超自然発火能力等の様々な超能力を持つ。九郎ヶ岳遺跡の最終決戦で雄介との壮絶な殴り合いの末、腹部のベルトを彼に破壊され神経断裂によって死亡した。

仮面ライダークウガ

モチーフはクワガタ。裏モチーフは新世代のライダー第1号ということで仮面ライダー1号バッタではなくクワガタがモチーフとなった理由の一つとして力強さを外見に現す意味があり、カブトムシをモチーフにした仮面ライダーストロンガーもデザインの参考にされた。多数のフォームを持っていることからも技の1号や初のフォームチェンジ能力を持ったストロンガーとの共通性を持つ。

劇中には「仮面ライダー」という呼称は存在せず、グロンギや五代の知人の一部は単に「クウガ」と呼称し、それ以外の者は「未確認生命体第4号」若しくは「4号」等と呼ぶ。

能力

超古代民族リントが、使用者の願いを具現化する力を持つ霊石“アマダム”を埋め込み作り出した変身ベルト・アークル<ref>玩具では「ソニックウェーブDX変身ベルト」の名称で販売された。</ref>を装着し、変身した戦士。アークルには心清き者でなければ装着できないようプロテクトが施されており、超古代では、九郎ヶ岳遺跡の棺に埋葬されていた人物がクウガに変身していたとされ(HERO SAGAでは超古代において「リク」という青年がクウガに変身していたが、同一人物かは不明)、グロンギの封印を永遠のものとする為に、自らもアークルと共に棺に入り封印を司っていたという。西暦2000年、発掘された棺を開いてしまったことでグロンギは復活し、アークルは心優しき青年、五代雄介へと受け継がれ、装着した彼の身体の中に吸収されていきクウガへと変身させた。雄介は、対峙したグロンギ(ズ・ゴオマ・グ)が自分に向けて放った言葉の中に「クウガ」という単語を聞き取り、それからこの名を使うようになった。世間では「未確認生命体第4号」と呼称されている。

アマダムは装着者の負傷を短時間で回復させ、命に関わるほどの重傷を負った場合は装着者を仮死状態にして癒す機能がある。九郎ヶ岳遺跡に埋葬されていた超古代の戦士は、アマダムの力でダグバ復活の時まで生存していたことが判明している。その一方で、変身する度に装着者の神経細胞を侵食し、それが脳まで達すると戦うためだけの生物兵器へと変貌させる危険性がある。

装着者の意志にアークルが呼応すると、アマダムが持つモーフィングパワー(物質を原子・分子レベルで分解・再構成する能力)で、不完全なグローイングフォーム、基本となるマイティフォーム、ドラゴンフォーム、ペガサスフォーム、タイタンフォームといった多彩な形態へ装着者を変身させる(雄介は「超変身」とも呼ぶ)。更に五代雄介が蘇生処置の際に受けた電気ショックによってアマダムは変質していき、基本フォームそれぞれの発展系である4つのライジングフォーム及び、更なる強化体であるアメイジングマイティへの変身能力を得る。闘争本能に呼応すると、装着者を戦うためだけの生物兵器であるアルティメットフォームへ変えてしまう。フォームの総数は11種(アルティメットフォームを目の色で区別すると12種)。

手首にあるハンドコントロールリングから発せられるモーフィングパワーで、手にした物体を各フォーム専用の武器に変換して使用し、必殺技を繰り出す際は手足のコントロールリングから発せられる封印エネルギーをキックや武器によって、グロンギの身体へ流し込む。封印エネルギーは打撃や斬撃等を標的に直撃させずとも物質を伝って伝達されて行き、これを受けたグロンギのベルトは封印エネルギーと反応し爆発する。また、ベルトを装着していないメ・ギノガ・デのコピーが封印エネルギーを流し込まれた際は、身体が溶解することが確認されている。

各フォーム

※ 以下、名称の後の括弧内は劇中での呼称。

グローイングフォーム (白のクウガ)
不完全形態。基本カラーは。他のフォームに比べて角が短く、ボディの形状はマイティフォームの色違い<ref>ただし、『ディケイド』の第3話で一瞬登場したグローイングフォームは、他のフォームと同じく角が長かった。</ref>。物語序盤は変身するとこの姿になっており、その理由を雄介は「戦士としての心構えが不十分だったため」と推測した。また、他フォームの変身限界時間(後述)を経過したり、深刻なダメージを負った場合もこのフォームになってしまう。このフォームのまま変身が強制解除されると、アマダムが気質変化を起こして変身が不可能になり、回復するまでには2時間を要する。必殺技はメ・ギノガ・デ戦において使用された「グローングキック」だが、マイティフォームの約半分の戦闘力しかないグローイングフォームのキックは刻印が異なり(印を構成する線がいくつか欠けている)威力も低くなっているが、3度目のキックで通常のマイティキックと同じ刻印を撃ち込んで敵を倒した。当初は未確認生命体2号と呼称されていた。
マイティフォーム(赤のクウガ)
クウガの基本形態。基本カラーはを司る戦士。アイデンティティワードは「邪悪なる者あらば 希望の霊石を身に付け 炎の如く邪悪を打ち倒す戦士あり」。身体能力のバランスに優れた形態で、素手での打撃による格闘戦で真価を発揮する。敵の手の内を探る際にこのフォームで戦い、敵の攻撃パターンに合ったフォームへと超変身するという戦法を取ることもある。
必殺技は、筋肉が異常発達した右足に封印エネルギーを収束させて放つ「マイティキック」、威力は約30t。ズ・ザイン・ダとの初戦の後、雄介の107番目の技・空中回転を加わえて行う「強化マイティキック」を編み出し、以降は全てこちらを使っていた。
マシンを使った戦法が最も得意なフォームでもあり、バイクを運転するときは主にこの形態で戦う。ハンドコントロールリングは、封印エネルギーをゴウラムと連携した必殺技を介して流し込む際に使われる。
ドラゴンフォーム(青のクウガ)
クウガの特殊形態。基本カラーはを司る戦士。アイデンティティワードは「邪悪なる者あらば その技を無に帰し 流水の如く邪悪を薙ぎ払う戦士あり」。跳躍力や俊敏さに優れており、特に跳躍力はマイティフォームの3倍を超える数値を発揮する場合もある。高い所へ跳躍する時のみこのフォームになることもある。パワーや耐久力はマイティフォームよりも著しく低下しており、その短所を補う為、鉄パイプなど「長きもの(棒状の物)」をイメージさせる物を手にすることで作り出される「ドラゴンロッド」を武器とする。
必殺技はドラゴンロッドを敵に突き立て、先端から封印エネルギーを流し込む「スプラッシュドラゴン」。
ペガサスフォーム(緑のクウガ)
クウガの特殊形態。基本カラーはを司る戦士。アイデンティティワードは「邪悪なる者あらば その姿を彼方より知りて 疾風の如く邪悪を射抜く戦士あり」。視覚、聴覚といった感覚神経が極限まで研ぎ澄まされた形態で、紫外線や赤外線を見ることや超音波を聞くことが出来るが、接近戦は不得手。この能力で遠く離れた敵や動きの速い敵、保護色で姿を隠した敵をも正確に捕捉出来るようになる。ただし消耗が激しいため、このフォームを維持できるのは、わずか約50秒間だけである。もし制限時間を超過した場合、強制的にグローイングフォームになり、さらに回復のため、その後約2時間は変身能力が失われる。拳銃など「射抜くもの(射撃)」をイメージさせる物を手にすることで作り出される「ペガサスボウガン」を武器とする。
必殺技は高密度に圧縮された空気弾を封印エネルギーと共にボウガンから撃ち出す「ブラストペガサス」。
タイタンフォーム(紫のクウガ)
クウガの特殊形態。基本カラーは大地を司る戦士。アイデンティティワードは「邪悪なる者あらば 鋼の鎧を身に付け 地割れの如く邪悪を斬り払う戦士あり」。パワーや耐久力に優れた形態。その防御力から、強力な敵の攻撃からの緊急回避としてこのフォームになることもある。相手の攻撃を回避しようともせず、受け続けるまま進撃し、タイタンソードで攻撃するという力任せの戦法をとる。「斬り裂くもの(剣)」をイメージさせる物を手にすることで作り出される「タイタンソード」を武器とする。
必殺技はタイタンソードで敵の体を貫き刀身から封印エネルギーを流し込む「カラミティタイタン」。
ライジングフォーム(金の力)
クウガがマイティ、ドラゴン、ペガサス、タイタンの各フォームから、放電を伴って強化した形態。の力が加わっている。遺跡から発掘された碑文にはこの放電に関する直接的な記述はなく、劇中でも古代には存在しない形態だったのでは、と予想されていた(雄介曰く「ミレニアム特別バージョン」)。発現の原因はギノガの毒で瀕死の状態となった雄介への応急措置として椿が行った電気ショックにより、アマダムに備わっていたアルティメットフォームへの変身能力が部分的に覚醒したためと考えられる。ギノガ変異体以降の戦いで、謎の放電現象(雄介曰く「ビリビリ」)としてその力の予兆が現れ始め、雄介の特訓により顕現した。
ベルト部はアルティメットフォームと同様金色の装甲が追加され、各フォームで使用する武器なども強化された。また、体の所々に金色の装飾が走るほか、手甲部分に各フォームを司るリント文字が出現している。戦闘能力は格段に上昇するが、アマダムには負担が大きいため、約30秒間しか変身を維持出来ない(これを越えて使用し続けた場合、グローイングフォームに戻ってしまう)。しかしガドルに敗れた雄介が再び電気ショックを受けたことにより、永続的に維持出来るようになった。
ライジングマイティ(赤の金のクウガ)
マイティフォームがライジングパワーにより強化された形態。基本カラーは赤・。マイティフォームから全体の能力がバランス良く強化される。
右足にはマイティキックの威力を増幅する金色の足甲「マイティアンクレット」が装着されており、これにより必殺技も「ライジングマイティキック」へと強化された。威力は約50t。
初使用した相手はライジングタイタンの攻撃でも倒せなかったため、バランスタイプでありながら、各ライジングフォーム中、最高の攻撃力という説もある。
ライジングドラゴン(青の金のクウガ)
ドラゴンフォームがライジングパワーにより強化された形態。基本カラーは青・金。ドラゴンフォームから瞬発力や跳躍力がさらに強化されている。ドラゴンロッドも両端にライジングパワーを秘めた矛先が装着された「ライジングドラゴンロッド」に強化された。
必殺技は50mまで強化される跳躍力を活かしてライジングドラゴンロッドを敵に突き刺し、矛先から封印エネルギーを流し込んだ後、安全圏へと投げ飛ばして爆発させる「ライジングスプラッシュドラゴン」。
ライジングペガサス(緑の金のクウガ)
ペガサスフォームがライジングパワーにより強化された形態。基本カラーは緑・金。ペガサスフォームから超感覚能力がさらに強化されており、人間の数万倍の五感を持つ。ペガサスボウガンも先端にライジングパワーを秘めた銃身が装着された「ライジングペガサスボウガン」へと強化された。
必殺技はより強力な威力と封印エネルギーを持った空気弾を連射し、敵を撃ち抜く「ライジングブラストペガサス」。
ライジングタイタン(紫の金のクウガ)
タイタンフォームがライジングパワーにより強化された形態。基本カラーは紫・金。クウガが初めて変身したライジングフォームでもある。タイタンフォームからパワーや防御力がさらに強化され、腕力はタイタンフォーム時の数倍にまで高まっている。タイタンソードも先端にライジングパワーを秘めた刀身が装着された「ライジングタイタンソード」へと強化された。
必殺技はライジングタイタンソードで敵の体を貫き、刀身から封印エネルギーを流し込む「ライジングカラミティタイタン」。これの応用技として、ライジングタイタンソードを2本使う「ダブルライジングカラミティタイタン」も存在する。
アメイジングマイティ(黒の金のクウガ)
ライジングマイティから強化されて体色が黒に変質した、ライジングフォームの最強形態。雷を司る戦士。基本カラーは黒・金。さらなる電気ショックによって常にライジングフォームを維持出来るようになり、右足に加え左足にもマイティアンクレットが装備された。また、手甲のリント文字も「雷」に変わっている。素手での戦闘を得意とするなど、基本的な性質はライジングマイティと同様だが、これを遥かに上回る戦闘能力を有し、両足から繰り出す「アメイジングマイティキック」の威力は約75tにも達する。ライジングマイティの力が及ばなかったガドルを撃破したが、圧倒的な力を持つダグバには敵わなかった。
アルティメットフォーム(凄まじき戦士)<ref>『ディケイド』では、アルティメットクウガという名称が登場。</ref>
クウガが、古代の碑文にある「聖なる泉、枯れ果てし時」、つまり優しい心を失ってしまうことで、憎しみの力でダグバと等しい存在、「黒き闇」、「究極の闇をもたらす者」、「凄まじき戦士」と形容される状態(椿の言葉を借りるなら「戦うためだけの生物兵器」)に変身を遂げた状態。アイデンティティワードは「聖なる泉枯れ果てし時 凄まじき戦士雷の如く出で 太陽は闇に葬られん」。
後半、雄介は敵への憎しみから一度このフォームになりかけており(アマダムからの警告としてこの姿の幻影を見せられた)、このフォームの危険性を知った後は使わないことを決めるが、アメイジングマイティがダグバの圧倒的な力の前に敗北を喫したことで変身を決意する。それでも、人々とその笑顔を守ろうとする優しい心を保ち続けたため、雄介が幻影で見た理性を失い暴走した黒い瞳の姿(ブラックアイ)<ref>一部の玩具では「ダークアイズ.Ver」と呼称されている。</ref><ref>『ディケイド』での変身者、小野寺ユウスケも最終回でブラックアイのアルティメットフォームに変身したが、後日談の『ディケイド 完結編』では、理性が保っていた。</ref>とは異なる、自我と優しい心を保った赤い瞳(レッドアイ)のアルティメットフォーム(桜子曰く「皆の笑顔を守りたいという優しさを力にして変身した」)へと変身を遂げ、古代の伝説を塗り替えた。
基本カラーは。4本の角、棘状のパーツのついた各部、全身に浮き出た血管状組織、黒いアマダムなど他のフォームとは根本的に異なる外見である。全ての面で他フォームを圧倒的に凌駕する身体能力を持っており、ハンドコントロールリングは各ライジングフォームの専用武器を作り出す事が出来る(色は黒を基調としたものになる)。他のフォームでは封印エネルギーを放出する器官は手足のコントロールリングにのみ存在していたが、アルティメットフォームでは、これが血管状組織として全身に表出しており、全身から高い封印エネルギーを放出する事ができる。
肘や脚部にある大型の棘は伸縮自在で攻撃と共に伸び、高い封印エネルギーを放出して敵を切断する。周囲の物質の原子・分子を操ることで物質をプラズマ化し標的を体内から発火させる「超自然発火能力」を持ち、手先からプラズマイオンを放つ事も可能。しかし、ダグバに対して使用した際は、ダグバも同様の能力を持っていた為、ダメージを与えるには及ばなかった。ダグバと同様の力を持ち、九朗ヶ岳の戦いではお互いの能力を封じあっていたため不明だが、超自然発火能力以外にも計り知れない超常能力を持っていると推察されている。

専用マシン

装甲機ゴウラム
  • 最高飛行速度:500km/h
リントが戦士クウガの支援用に作った、意思を持つ「馬の鎧」。巨大なクワガタムシ型の通常形態を持つ。霊石アマダムを内蔵しており、クウガの求めに応じて飛来し、単体でもクウガが脚に掴まった状態で飛べるほか、彼の乗るバイクに融合合体して強化することも出来る(その際、バイクはゴウラムの力で融合しやすいように変形する)。しかし、当初トライチェイサーと融合した際は、戦闘後に金属成分を失って化石状の破片になってしまい、その度に金属を何らかの手段で補給することで形を保っていた。普段は科学警察研究所で保管されており、クウガ=雄介の戦う意思に応じて戦場へと赴く。クウガの元へ飛来する時などはリント語を発している。
クウガがアルティメットフォームとなって理性を失い暴走すると、砂へと変わり消滅するようになっている(桜子の解析によると、アルティメットフォームの力が悪用されないための安全装置のようなもの)。最後の戦いが終わった後もゴウラムがそのままの形で残っていたことが、雄介が憎しみの心を抱かずにアルティメットフォームへと変身したことの証明となった。
トライチェイサー2000 (TRCS 2000)
  • 最高速度:300km/h
  • ジャンプ力:30m
警察が開発した新型白バイ「トライチェイサー2000A」の試作機。一条が雄介に託した。
試作機のため、トライアクセラー(警棒兼始動キーとなる右グリップ。これをタイタンソードに変化させて戦ったことも多かった)、無公害イオンエンジン・アレグロ、電気信号によって色が変化するマトリクス機能など、2000Aではコストの都合上オミットされた様々な特殊機能を搭載している。クウガ変身前はブラックヘッド、変身後はゴールドヘッドと呼ばれるカラーリングを使い、初登場時は試作状態のポリスヘッドで登場した。
想定されていなかったゴウラムとの合体によって急激な金属疲労を起こしていたため、ゴ・バダー・バとの戦いの最中に機能停止してしまう。後に修理され、最終決戦時には一条がこれに跨り、雄介と伴走もしている。2000Aは中盤から各都道府県警に配備され、未確認生命体の誘導に使われた。
ベースマシンはスペインのオートバイメーカー、GASGASのパンペーラ250。車種選定に当たってアクション担当の成田匠は「走破性に加えて自転車のようなタイトな動きが要求されていると感じた」と語っている。
トライアルの競技専用車は極限まで小型化されており、ライダーマシンとして見栄えがしないとの理由から外され、トライアルの動きに耐えられる市販車としてトライアラーメーカーGASGASのパンペーラが候補となった。当時、成田はイタリアのベータ(後にフランスのスコルパに更改)と契約しており、本来ならば他社のバイクを使うことは問題があったが、両社の理解が得られたため、使用が決定した。
成田によると、調整のため店先に置いていたら通りがかりの子どもが「かっこいい」と目を輝かせて触りにきたという。なお、第1 - 2話で雄介が乗っているオートバイはスズキ・DR250S。また、この車両と同一の車種がバギブソンの変身前に使われている。
トライゴウラム
  • 最高速度400km/h
トライチェイサーとゴウラムの融合形態。全速力で敵に体当たりを食らわせる「トライゴウラムアタック」が必殺技。
ベースマシンはヤマハ・V-MAXで、ビートゴウラム・ライジングビートゴウラムとも同じ。なお、V-MAXは『人造人間ハカイダー』でも使われているが、ライダーマシンとしては、ヤマハ車は初登場。
ビートチェイサー2000 (BTCS 2000)
  • 最高速度420km/h
ゴウラムとの合体により金属疲労を起こしたトライチェイサー2000に代わるマシンとして、科学警察研究所が未確認生命体第4号(クウガ)専用に開発したバイク。トライチェイサーと同様に、一条の手から雄介に託される。
ゴウラムとの融合合体を前提に開発されているため、車体には特殊な形状記憶合金である「BT鋼」が使用されている。また、合体後にゴウラムが金属成分を失い、化石状の破片に戻ってしまうことを防ぐため、補給用液体金属を充填したタンクを装備している。アレグロをチューンナップしたエンジン・プレストを搭載しており、クウガが乗ることを前提に設計されているので、常人には耐えられない超高速を引き出せるようになっている。最高速走行からの停止時は、車体後部から小型のパラシュートを展開して急減速する。緊急時には前部カウルからパトライトを展開し、サイレンと併用することで、パトカーなどと同様に一般車輌に協力を求め、進路の確保を行う。マトリクス機能も健在で、変身前はブルーライン、変身後はレッドラインと呼ばれるカラーリングを使う。始動キーはトライチェイサーから引き継いだトライアクセラー。
ベースマシンはトライチェイサーと同じGASGASのパンペーラ250。
ビートゴウラム
*最高速度570km/h
ビートチェイサーとゴウラムの融合形態。ビートチェイサーがゴウラムとの合体を前提として開発されているため、トライチェイサー以上に合体による性能強化が顕著になっている。また、合体にかかる時間も短縮されている。弱らせた怪人を安全地帯に運ぶために乗ることが多い。デザインの都合上、方向転換の際にゴウラムが地面に接触するなど、機動性には難があるようである。
ライジングビートゴウラム
*最高速度700km/h。
ビートゴウラムがライジングフォームの影響で変化した形態。
ライジングフォームの力を加えた「ライジングビートゴウラムアタック」が必殺技で、劇中では雄介が「金のゴウラム合体ビートチェイサーボディアタック」と命名している。この形態になった後、科警研に帰還したゴウラムは気力を出しきったかのように疲弊した状態になってしまった。

グロンギ

グロンギとは、人間とほぼ同じ血液構造を持つ、人類に極めて近い戦闘種族である。その性格は残虐かつ闘争心が旺盛であり、超古代にその邪悪さから、リントの戦士クウガによって封印されていた(リントには殺人の概念がないため、古代では封印による決着をつけるしかなかった)。九郎ヶ岳遺跡発掘に伴い、200体余りが現代に復活した。警察や世間には「未確認生命体」として認識されている。普段の外見は普通の人間と変わりない(ただし、体のどこかに怪人体を表す刺青があり、奇抜な格好をしている者も多い)が、腹部にアマダムと同質の物体が埋め込まれており、これによって動植物の力を持った怪人体に変身する。クウガとグロンギは基本的に同じ力を有している。クウガの技で死亡する場合、ほとんどは肉体に打ち込まれた封印エネルギーがこの腹部の核に伝達することで爆発する。そのため、クウガの必殺技を受けた身体の箇所を強引に引き剥がして逃走したグロンギもいる。

グロンギには、ン・ダグバ・ゼバを頂点として、ゴ集団・メ集団・ズ集団の階級が存在し、階級ごとに怪人体時に装着しているベルトのバックルやプロテクターなど、装飾品の色が異なる。リント(現代人をリントの末裔と見なしている)を標的とする殺人ゲーム「ゲゲル」を進行役のラ集団のもとで行う。登場する時期が後になるほど強さが増していき、ゴ集団の終盤の3体はクウガのフォームチェンジに当たる形態変化が出来る。強さはアマダムの強さに比例し、爆発した際の被害も大きなものになってしまう。(ゴ・ガメゴ・レなど)

他に、ダグバのベルトの修復など裏方仕事を担当していたヌ・ザジオ・レ(登場したのは人間体のみ)や、本編ではジャーザの台詞で存在が示唆されただけのベ集団(キャラクターショーなどではベ・ジミン・バが登場)もいた。

独自の言語(グロンギ語)と9進数という数え方を持ち、個体差はあるが日本語や自動車・バイクの運転、インターネットなどを短期間でマスターするほどに知能は高い。またゴ集団の中には人類の文化芸術に興味を示し熟達する者もいた。しかし彼らにとって人類はあくまでもゲゲルの標的=リントであり、クウガすらゲゲルの難度を上げる障害物、またはやや強い標的としか見ていない。

グロンギの起こす殺人は、九郎ヶ岳遺跡のある長野県を皮切りに、福島県から岐阜県まで広い範囲で行われたが、主に人口の多い東京都を中心とする関東地方周辺に集中していた。グロンギが関係すると思われる殺人及び窃盗などの事件は「未確認生命体関連事件」として広域指定事件とされ、警視庁に置かれた合同捜査本部によって捜査される。

グロンギは普通の特撮番組の怪人と違い、毎回1体ずつ登場するということがなく、ストーリーの節目となる回ごとに数名がバルバの元へ人間体で現れ、自分がゲゲルを行う順番を待っていた。そのため初登場から怪人体になるまで数週かかった者も多い。怪人体が出現した順に「未確認生命体第○号」と呼称されるが、上述のような事情に加え、設定のみで本編未登場のグロンギも多いため、本編での登場順とは一致しない。なお、人間体しか目撃されていないが状況から未確認生命体と判断される場合は、「未確認生命体B群」として分類される。クウガも当初はグロンギの同類と見なされていたため、未確認生命体第2号(グローイングフォーム)および第4号(マイティフォームほか)とされ、共闘するようになってからもそう呼ばれた。

名称の頭に来る集団名は、ベルトのバックルの色に由来するTemplate:要出典

また、名称の末尾の語は元の生物の種別を表している。

本編未登場を含めたグロンギの一覧については、仮面ライダーシリーズ怪人一覧の『仮面ライダークウガ』の項を参照。

ゲゲル

ゲゲルとは、定められた期間内に、定められた人数のリントを殺すことが出来るかどうかを試すというゲーム。制限時間と人数はラ・バルバ・デによって提示されることも、自己申告で決めることもある。一度にゲゲルを行うのは1名のみで、プレイヤー以外は絶対に人間を殺してはならないとされており(ダグバは除く)、他の者は警官隊に襲われてもルールに従い抵抗もせず逃げてしまう。ゲゲル開始前に殺人を犯したゴオマは、ゲゲルプレイヤーの権利を最後まで与えられなかった。グムンとメビオもゲゲル開始前に人間を殺しているが、ゲゲル開始前にクウガに倒された。

ゲゲルに成功した者は上位ランクに昇格し、より困難な条件でのゲゲルに挑戦することとなる。メ集団のゲゲルは単にズ集団より殺すべき人数が多いだけであるが、ゴ集団のゲゲルは「ゲリザギバス・ゲゲル(セミファイナル・ゲーム、超古代語対訳版:黒き闇のゲーム)」と呼ばれ、武器を使って特定の条件を満たす相手だけを殺すというものである。ちなみに、メ集団からゴ集団への昇格を賭けたゲゲルも、ゲリザギバス・ゲゲルに準じたルールに則って行われる。相違点は、達成困難と判断した場合にメ集団のルールへ変更して行ってもよいこと、グゼパを使用すること。挑戦者はゲゲルに使用する武器完成の時点からゴのプレイヤーとして扱われる。ラ・バルバ・デはメ・ガリマ・バの武器を「ゴのプレイヤーのものだ」と言い、またガリマはクウガと対峙した時に「ゴ・ガリマ・バ」と名乗っている。ゲリザギバス・ゲゲルに成功すればダグバと1対1で戦う「ザギバス・ゲゲル(ファイナル・ゲーム、超古代語対訳版:白き闇のゲーム)」に臨み、ダグバを倒せば彼の変身ベルトを受け継ぎ、強大な力を手に入れられることになっている。ちなみに劇中では1例のみであるが、ガルメがズ集団からメ集団へ昇格している。

当初はプレイヤー自身が犠牲者の数をカウントするための「グゼパ(腕輪)」を支給されていた。壊れると一からやり直しになる。ゲリザギバス・ゲゲルではラ・ドルド・グが「バグンダダ(カウンター)」と呼ばれる物を持ち歩いて直接記録を採るようになる。

究極の闇(キュグキャブンジャリ)

劇中にて「白き闇」ン・ダグバ・ゼバと「黒き闇」仮面ライダークウガ アルティメットフォームの両者がもたらすとされる謎の言葉。ダグバが行った大量殺人を指しているとされるが具体的な内容は不明。 Template:ネタバレ終了

キャスト

レギュラー・準レギュラー出演者

主なゲスト出演者

スーツアクター

スタッフ

主題歌

オープニングテーマ
「仮面ライダークウガ!」
作詞 - 藤林聖子 / 作曲 - 佐橋俊彦 / 歌 - 田中昌之
第1-33・47-最終話は1番、第34-46.5話は2番の歌詞を使用。
なお、本曲のイントロは3種類存在する。
  • Aタイプ:ノイズ風シンセの音が入るもの(シングルバージョン、映像では未使用だがコンピレーション・アルバムにはこちらが収録されることが多い)
  • Bタイプ:ノイズ風シンセの音が入らないもの(アルバムバージョン、映像では基本形として使われたもの)
  • Cタイプ:短縮版(一部のエピソードで使用、未CD化)
エンディングテーマ
「青空になる」
作詞 - 藤林聖子 / 作曲 - 佐橋俊彦 / 歌 - 橋本仁
第1-33・47・48話は1番、第34-46.5話は2番の歌詞を使用。最終話はフルサイズで使われた。こちらは別バージョンは制作されていないが、TVサイズに準じてイントロをカットしたものがコロちゃんパックに収録されたことがある。
挿入歌
「たんぽぽのおはな」
作詞 - 藤林聖子 / 作曲 - 佐橋俊彦 / 歌 - 葵若菜 / コーラス - わかば児童合唱団
劇中では、みのりとわかば保育園の子供たちが(回によっては雄介も加えて)歌っている。本作では全20曲のボーカル曲が制作されたが、主題歌以外で実際に使われたのは本曲のみ。しかもCD用の音源ではなく、シーンに合わせて出演者がその都度歌ったものが使われた。

放映リスト

サブタイトルは漢字2文字で統一されている。アバンタイトル前と各話終了時にはリント文字が表示される。終了時の背景には一部を除き、その回で活躍したフォームの色が使われる(ライジングフォーム時は雷が流れる)。

放送日サブタイトル登場グロンギ(怪人体)脚本監督
2000年1月30日EPISODE1
復活
  • ズ・グムン・バ
荒川稔久 石田秀範
2000年2月6日EPISODE2
変身
  • ズ・ゴオマ・グ
  • ズ・グムン・バ
2000年2月13日EPISODE3
東京
  • ズ・メビオ・ダ
渡辺勝也
2000年2月20日EPISODE4
疾走
2000年2月27日EPISODE5
距離
  • ズ・バヅー・バ
長石多可男
2000年3月5日EPISODE6
青龍
2000年3月12日EPISODE7
傷心
  • メ・バヂス・バ
石田秀範
2000年3月19日EPISODE8
射手
2000年3月26日EPISODE9
兄妹
  • メ・ギイガ・ギ
渡辺勝也
2000年4月2日EPISODE10
熾烈
2000年4月9日EPISODE11
約束
  • ズ・ザイン・ダ
長石多可男
2000年4月16日EPISODE12
恩師
2000年4月23日EPISODE13
不審
  • メ・ビラン・ギ
井上敏樹 石田秀範
2000年4月30日EPISODE14
前兆
2000年5月7日EPISODE15
装甲
  • メ・ギャリド・ギ
荒川稔久 渡辺勝也
2000年5月14日EPISODE16
信条
2000年5月21日EPISODE17
臨戦
  • メ・ガドラ・ダ
きだつよし
村山桂
鈴村展弘
2000年5月28日EPISODE18
喪失
  • メ・ギノガ・デ
井上敏樹 長石多可男
2000年6月4日EPISODE19
霊石
荒川稔久 石田秀範
2000年6月11日EPISODE20
笑顔
  • メ・ギノガ・デ変異体
2000年6月25日EPISODE21
暗躍
  • メ・ガルメ・レ
渡辺勝也
2000年7月2日EPISODE22
遊戯
2000年7月9日EPISODE23
不安
  • メ・ガリマ・バ
井上敏樹 長石多可男
2000年7月16日EPISODE24
強化
2000年7月23日EPISODE25
彷徨
  • ゴ・ブウロ・グ
荒川稔久 石田秀範
2000年7月30日EPISODE26
自分
2000年8月6日EPISODE27
波紋
  • ゴ・ベミウ・ギ
  • ゴ・バダー・バ
井上敏樹 渡辺勝也
2000年8月13日EPISODE28
解明
2000年8月20日EPISODE29
岐路
  • ゴ・ガメゴ・レ
荒川稔久 長石多可男
2000年8月27日EPISODE30
運命
2000年9月3日EPISODE31
応戦
  • ゴ・バダー・バ
荒川稔久
竹中清
鈴村展弘
2000年9月10日EPISODE32
障害
井上敏樹 金田治
2000年9月17日EPISODE33
連携
井上敏樹
荒川稔久
2000年10月1日EPISODE34
戦慄
  • ゴ・ジャラジ・ダ
荒川稔久 石田秀範
2000年10月8日EPISODE35
愛憎
2000年10月15日EPISODE36
錯綜
  • ゴ・ザザル・バ
  • ズ・ゴオマ・グ強化体
渡辺勝也
2000年10月22日EPISODE37
接近
  • ゴ・ザザル・バ
  • ズ・ゴオマ・グ強化体
  • ゴ・ガドル・バ
2000年10月29日EPISODE38
変転
  • ズ・ゴオマ・グ強化体
  • ズ・ゴオマ・グ究極体
  • ゴ・ガドル・バ
長石多可男
2000年11月12日EPISODE39
強魔
  • ゴ・ザザル・バ
  • ズ・ゴオマ・グ究極体
2000年11月19日EPISODE40
衝動
  • ゴ・ジャーザ・ギ
石田秀範
2000年11月26日EPISODE41
抑制
2000年12月3日EPISODE42
戦場
  • ゴ・バベル・ダ
金田治
2000年12月10日EPISODE43
現実
  • ゴ・ガドル・バ
2000年12月17日EPISODE44
危機
渡辺勝也
2000年12月24日EPISODE45
強敵
  • ゴ・ガドル・バ
  • ラ・ドルド・グ
2000年12月31日EPISODE46
不屈
2001年1月2日EPISODE46.5
初夢
- 竹中清 小藤浩一
2001年1月7日EPISODE47
決意
  • ン・ダグバ・ゼバ
荒川稔久 石田秀範
2001年1月14日EPISODE48
空我
2001年1月21日EPISODE49
雄介
-

番外編

仮面ライダークウガ超ひみつビデオ「仮面ライダークウガVS剛力怪人ゴ・ジイノ・ダ」
てれびくん』の応募者全員サービスで配布されたVHS。初期編の総集編と新撮映像によるゴ・ジイノ・ダとの戦いで構成される。現在はDVD第12巻に映像特典として収録されている。なお、ジイノは「超ひみつビデオ」としては初となるオリジナル怪人である。またライジングマイティの登場を宣伝文句にしていたが、実際はラストにイメージ映像として現れるのみに留まっている。
EPISODE50 乙彼
2001年1月20日、放送終了記念イベントにて上映された短編。本編を担当した監督たちの演出上の特徴を次々と再現したり、「ズ・ザイン・ダにライジングマイティキックを放つ桜子」というシーン(村田和美が野上彰のファンであることから実現した楽屋オチ)が飛び出すなど、メタフィクションな番外編である。出演者は全員友情出演で、全ての役名に「友情」の文字が加えられ、さらにスタッフまで友情参加扱いになっている。撮影はデジタルカメラで行われ、「デジカメ撮影」のテロップ(本編の放送時に挿入されていた「ハイビジョン撮影」のテロップのパロディ)が挿入されている。
2001年5月12日、特別篇の発売記念イベントにて再上映された。その際に配布されたパンフレットには「『EPISODE50 乙彼』完全攻略ガイド」が掲載され、チェックポイントが紹介されていた。その後、特別篇のDVDに映像特典として収録された。
  • 友情脚本 - 荒川稔久
  • 友情監督 - 鈴村展弘
特別篇
EPISODE1,2に未放映シーンを追加し、一部CGを作り直したディレクターズカット版。本編のEPISODE1では夏井貴浩が演じていたダグバの声を浦井健治が担当し、ズ・グムン・バの声も坂口哲夫から坂口候一に変更されている。また本編ではEPISODE3からの登場となったバルバも登場している。販売のみでレンタルはされておらず、封入されていた応募券を送ると、応募者特典(期間限定)として発売記念イベントで配布されたパンフレットの修正版が入手可能だった。
TVでは、2002年5月東映チャンネルで初放送された。

映像ソフト化

  • ビデオ(VHS、セル・レンタル共通)は全12巻が東映ビデオよりリリースされている。
  • 2000年12月8日 - 2001年11月21日にかけてDVDが東映ビデオより発売された。全12巻で各巻4話(Vol. 8のみ5話)収録。セル用とレンタル用でジャケットのデザインが異なっている。DVDはレンタル開始時が後年の作品より早かったため、特典は各巻ごとではなくインタビューはセル版のみで、その他の怪人紹介や予告編などは新春スペシャルや最終巻などに収録された。
  • 2008年7月21日発売の「石ノ森章太郎 生誕70周年 DVD-BOX」や『仮面ライダーディケイド』のDVD第1巻初回盤に第1話を特典映像として収録。

放映ネット局

他媒体展開

ゲーム版

バンダイより2000年12月21日プレイステーション用の格闘アクションゲームとして発売された。定価は4800円。開発はKAZe

システム的には同じくプレイステーション用格闘ゲームである『仮面ライダー』『仮面ライダーV3』に準じているが、操作方法は簡略化されている。

クウガは基本4フォーム(敵に致命打を与えた際のみにライジングに変化できる)とグローイングとアルティメットの各フォームが、それぞれ別キャラクター扱いで登場。アルティメットフォームには戦闘中のかけ声がネタバレ防止のためか一切無く、能力もマイティフォームと差がない。グロンギはギノガ・ギャリド・ガドラを除く、本編に登場したズ・メ怪人全員が登場しているが、それ以外の集団の怪人は一切登場しない。

前述の2作同様、ゲーム内でライダーカードを集めることができ、全81種類が収録されている。

コミカライズ

備考

  • 第1話の冒頭では「この作品を石ノ森章太郎先生に捧げる」というメッセージが表示された。
  • 最終回放送終了直後に放送された玩具CMは、メッセージを載せた特別版だった。スポンサー各社にも当作品に対し思い入れを持つ担当者がいたという。最終回にCMを挟まないという構成は、各社の担当者たちの理解があったからこそ実現出来たと言われている。
  • 同じテレビ朝日で放送されている関係で、主役に新日本プロレス棚橋弘至にもオファーをしたが、結局撮影日程とプロレスの試合を両立させることが困難ということで話は流れたTemplate:要出典。当時新日本プロレスに所属していた橋本真也は「何故断ってしまったんだ。会社(新日本プロレス)は何を考えているんだ」と自分のことのように怒っていたというTemplate:要出典
  • 小学館刊の超全集は上・下・最終巻の3冊が発売され、最終巻の表紙は敵ボス(ン・ダグバ・ゼバ)のみが飾るという、児童向けの書籍としては異例のものだった。
  • プロデューサーの髙寺を主人公に据え、本作の制作エピソードを漫画化した『日本特撮映画師列伝・10 SFXのサムライ5・仮面ライダークウガ』(作・西川伸司)が『マガジンGREAT』誌(講談社)2001年3月号、5月号に前後編で掲載された。単行本化はされていない。
  • 本作品でメインライターを務めた荒川稔久も参加した『爆竜戦隊アバレンジャー』で、荒川を始めとするスタッフが、公式の範疇ではないものの同作品を「クウガ2」と位置づけて制作していたことが『仮面ライダー555』公式サイトで紹介された<ref>http://tvarc.toei.co.jp/tv/555/eps/eps.asp?num=13</ref>。
  • 放映終了から2年後の2002年には、第33回『星雲賞』映画演劇部門・メディア部門を受賞した。特撮作品が同賞を受賞するのは『ウルトラマンティガ』に次いで2作目であり、仮面ライダーシリーズでは初の快挙となった。

超古代語対訳版

グロンギの言語である「超古代語」(グロンギ語)の対訳字幕が表示されるバージョン。現在ソフト化はされていないが、2002年、2004年、2009年に東映チャンネルで放送が行われた。同局では『特別篇』と『新春スペシャル』も超古代語対訳版で放送されている。

関連項目

  • 旧:ブルーハイウェイライン(現:商船三井フェリーさんふらわあ - 「EPISODE 41 抑制」・「EPISODE 42 戦場」の撮影が茨城大洗北海道苫小牧航路で行われている。
  • ザ・グレート・サスケ - リント文字の「クウガ」のマークをマスクの側面に一時期流用していた。
  • 仮面ライダーディケイド - 平成仮面ライダーシリーズ10作目の記念作品。この作品でクウガに変身する小野寺ユウスケは同作の主要人物である。グロンギ、グロンギ語が登場するが、周辺の人物、設定(グロンギに割り当てられる番号、ゲゲルのやり方、設定の違いで、クウガの強化形態である「ライジングフォーム」と「アメイジングマイティ」は登場しないが、劇場版2作で、クウガの新フォーム「ライジングアルティメット」が登場)が本作とは異っている。

注釈

Template:Reflist

外部リンク

Template:前後番組 Template:仮面ライダーシリーズ Template:星雲賞メディア部門en:Kamen Rider Kuuga es:Kamen Rider Kuuga id:Kamen Rider Kuuga ko:가면라이더 쿠우가 ms:Masked Rider Kuuga nl:Kamen Rider Kuuga pt:Kamen Rider Kuuga th:มาสค์ไรเดอร์คูกะ zh:幪面超人古迦

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