仙石線
出典: Wikipedio
|
|} 仙石線(せんせきせん)は、宮城県仙台市青葉区のあおば通駅から仙台駅を経由し宮城県石巻市の石巻駅を結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(幹線)である。このほか、陸前山下駅 - 石巻港駅間の日本貨物鉄道(JR貨物)の貨物支線を持つ。
目次 |
概要
名称は、起点(仙台市)と終点(石巻市)から1文字ずつ取って付けられた。
仙石線は私鉄である宮城電気鉄道の路線が1944年の戦時買収により国有化された路線であり、1987年の国鉄分割民営化によりJR東日本の路線となった。開業当初から1500Vの直流電化がされていたため、交流電化されている仙台地区のほかのJRの路線(東北本線、仙山線、常磐線など)とは分離された路線である。同様に私鉄が前身で買収前に直流電化され、周囲の国鉄線が交流電化された例として富山港線(現・富山ライトレール富山港線)があった。JR東日本が保有する営業路線の中では東北地方唯一、JRグループでは日本最北の直流電化路線である。
駅間距離が短く、また、開業当初より仙台口においては1時間に2 - 3本の運行が行われていた。このため、国有化後、地元では国電と呼ばれていた。あるいはほかの国鉄路線と仙石線の駅がそれぞれ立地する松島や塩竈、石巻などでは仙石線の駅を「電車駅」、ほかの国鉄路線の駅を「汽車駅」と呼ぶなどして区別していた。
東塩釜付近 - 高城町間は東北本線と併走するが、東北本線との乗り換え駅が無い(途中仙石線と東北本線の線路が一か所だけつながっている場所がある)。もっと広く言えば、仙台と石巻の間も乗り換え駅がない。徒歩連絡による乗り換えが可能であるが、途中下車の場合を除き通例認めていない。また、仙台駅では、松島への観光に仙石線の利用を促す案内が行われる。これは、東北本線にも「松島駅」があるが、同駅と松島の観光地と1km程度離れており、直近の駅である仙石線の松島海岸駅からの方が至便であるからである(なお松島駅と松島海岸駅には選択乗車の設定がなされていたが、2002年12月に制度が縮小され廃止された)。松島海岸駅のホームの山側からは並行する東北本線の車両が県道の先に間近に見える。仙台 - 松島間と仙台 - 松島海岸間の運賃はともに400円である。一方、塩釜方面への案内は特にされてはいないが、仙台からの場合、東北本線塩釜駅で降りるほうが仙石線の普通列車を利用するよりも早い。
あおば通駅 - 陸前原ノ町駅間は2000年より地下線となり、仙台トンネルの名称がある。
ラインカラーはスカイブルーに設定されている。支線を除く全区間がIC乗車カード「Suica」の仙台エリアに含まれている。
路線データ
- 管轄・路線距離(営業キロ):全長52.0km(第一種区間。支線含む)
- 軌間:1067mm
- 駅数:32
- 旅客駅:31(起終点駅含む)
- 貨物駅:1(石巻港駅)
- 複線区間:あおば通駅 - 東塩釜駅
- 電化区間:全線(直流1500V)(陸前山下駅 - 石巻港駅間貨物線を除く)
- 閉塞方式
- あおば通 - 東塩釜:複線自動閉塞式
- 東塩釜 - 石巻:自動閉塞式(特殊)
- 保安装置:ATS-Ps
- なお、2003年度からあおば通駅 - 東塩釜駅間で無線による新保安装置ATACSの実用化に向けての評価試験を行っており、2011年春に使用開始を予定している<ref>Template:PDFlink</ref>。
- 運転指令所:宮城野総合事務所
- 最高速度:95km/h
支線を除く全線がJR東日本仙台支社の管轄となっている。
沿線風景
仙石線は、仙台近郊の通勤・通学路線であると同時に、塩釜(塩竈)・松島などの観光地へのアクセス路線としての一面や、仙台・石巻間の都市間輸送の性格も兼ね備える路線である。
仙台駅の西側にあるあおば通駅が路線の起点である。
あおば通駅から陸前原ノ町駅付近までは地下線であるが、あおば通駅から榴ヶ岡駅までが洪積台地の地下であり標高がやや高い。榴ヶ岡駅を出て少し経つと長町-利府断層帯による段差に合わせて下り、断層の東側で一段低い所にある宮城野原公園総合運動場の前で大きく北東へ曲がる。ここからは断層の際に沿って走り、陸前原ノ町駅で半地下駅となり、同駅を出てから地上に出る。地上に出ると、線路はそのまま高架となって国道45号線と梅田川を跨ぎ、地上線となるのはそれからである。ここからは断層の東側の地下水位の高い沖積平野であり、住宅地として不向きであったため、近年まで仙石線の南側のみを工業・流通団地としての利用に制限した。そのため、北側は田園風景が広がるが、近年小鶴新田駅が設置されて一部が市街化した。
福田町駅近くになると、古くからの住宅地が形成されている地区に入る。ここからが仙塩地区と呼ばれ、陸奥国国府・多賀城の時代から、七北田川両岸にある自然堤防上や松島丘陵上に人家が形成され、現在では市街地となっている地区となり、多賀城市や塩竈市まで続く。なお、本塩釜駅付近は高架線であり眺めは良い。東塩釜駅から先は単線である。
線路は利府町と松島町で、松島丘陵をトンネルで通りながら、松島湾沿いを走る。この付近で仙石線と東北本線は、並行するように線路が敷設されている。特に、利府町内においては線路が接近しており、列車の併走が見られる場合もある。松島海岸駅は、日本三景・松島の観光の中心地である。また、陸前富山駅から東名駅にかけては奥松島の海岸線に沿うように線路が敷設されており、松島湾の眺めを楽しむことができる。東名駅からは東名運河(貞山運河)沿いを走る。
鳴瀬川を越えると、列車は石巻平野(仙北平野)の水田地帯の中を走る。そして石巻市内に入ると沿線に住宅地が多く見られるようになり、北上運河(貞山運河)を越えれば間もなく終点石巻駅である。
運行車両
right|thumb|200px|205系3100番台(西塩釜駅) すべての列車が仙台車両センター宮城野派出所(元宮城野電車区)に所属する205系3100番台電車で運行されている。仙石線は前述の通り、東北地方唯一の直流電化路線であり、東北地区を走る他線(交流電化路線)の車両は運用できないため、首都圏で運行されていた通勤形電車を転配して運行している。車両についての詳細は各車両の項目のほか、仙台車両センター宮城野派出所の項目も参照。
205系は改造車で、車内は新しく整えられている。仙石線は205系が運転される日本最北の路線でもある。
仙石線の車両には、乗降のないドアの無駄な開閉を減らして冷暖房の効率を上げるために、手動スイッチ式半自動ドアが採用されている。ドアの開け閉めは、通年・終日に渡ってドア横に設置されている開閉ボタンを使って乗降客自身が操作する。地下区間(仙台トンネル)は地下鉄規格ではなく、広大なトンネル規格で作られているため、前面貫通扉のない地上線用の編成が入線できる。
205系や、以前同じく首都圏から転配され仙石線で運用されていた103系にはもともとトイレがなく、仙石線に転配後もトイレの設置がなかったことから利用者から「酒(特にビール)飲んでから仙石線に乗るのは『一か八か』の賭け」と揶揄された。再三にわたる石巻市等の沿線自治体や利用者からの苦情や要望、さらに行政監察局(現在の行政評価局)の改善勧告によって、2002年から仙石線で運用されることになった205系は、あらかじめトイレの設置改造が行われた上で仙石線に投入された。205系の投入は2004年に完了し、同時に車内トイレの無かった103系の運転はいったん終了した。
その後、103系のうち1編成4両が2年間、郡山総合車両センターに留置されていたが、多賀城駅付近の連続立体交差化工事に伴い、205系だけでは車両運用が賄えなくなることから、トイレ設置、ATS-Ps取付け、シングルアーム式パンタグラフに換装、車内などを205系3100番台と同等に更新した上で、2006年11月に宮城野派出所に戻り、2007年3月14日まで試運転を行った後、3月19日より平日の朝ラッシュ時のあおば通 - 小鶴新田・東塩釜間各1往復の2往復で限定運用された。しかし、この103系についても老朽化が進行していたことから、209系2200番台電車の導入で余剰となった205系1200番台1本が南武線(中原電車区)から転用され、103系は2009年10月21日限りで運用から離脱した。この後、103系は廃車となった<ref>Template:Cite journal</ref><ref>Template:PDFlink</ref>。
仙石線にはTemplate:要出典範囲となっており、205系の撤退は当分の間無いものと考えられているが、首都圏からの転配もできないため今後の動向が注目される。
ファイル:マンガッタンライナー号01.JPG
マンガッタンライナーII号(陸前高砂駅付近の踏み切り) |
ファイル:マンガッタンライナー号02.JPG
マンガッタンライナー号(本塩釜駅) |
ファイル:JRE 103 SensekiLine.JPG
103系(小鶴新田駅) |
ファイル:仙石線103系電車(最終日).jpg
運用最終日の103系(福田町駅) |
運行形態
現在は、すべての列車があおば通駅発着である。大部分の列車が多賀城や東塩釜で折り返す区間列車で、全線を通して走る列車は快速列車と普通列車が約30分間隔で交互に運行されている。
JRの電車の列車番号には原則として「M」が付くが、仙石線の列車番号には「S」が付与されている。
快速列車
全線を通して運転される都市間連絡列車として、快速列車が運転されている。現在は、あおば通から多賀城まで各駅に停車し、多賀城から矢本まで快速運転を行うTemplate:Color快速(区間快速に相当)と、あおば通から矢本まで快速運転を行うTemplate:Color快速の2種があるが、いずれも矢本から石巻までは各駅停車である。この快速は、2004年10月15日までは「うみかぜ」の愛称が与えられていた。なお、2009年3月14日のダイヤ改正以降は駅案内においては従来の赤快速は「A快速」、緑快速は「B快速」と案内されており、時刻表などの色分けは従前の赤色と緑色が引き継がれている。
現在、最速の快速列車である赤快速の停車パターンはあおば通・仙台・多賀城・本塩釜・東塩釜・松島海岸・高城町・野蒜・陸前小野と、矢本から石巻までの各駅である。当初東塩釜は通過となっていたが、2007年3月のダイヤ改正から停車するようになった。
仙石線の快速列車の停車駅については、古くは列車により様々であったが、時代を下るにつれパターン化され、そのパターンも次第に整理・統合された。時には試行的なダイヤも組まれたが、それらは短命に終わった(1972年頃には通過駅が榴ヶ岡と宮城野原の2駅のみというパターンもあった)。
例えば、1999年頃の日中に快速列車が毎時2本に設定されたことがある。このうち1本は現在の速達タイプの停車パターンで、もう一方は石巻 - 本塩釜間が各駅停車となる区間的な快速列車であった。
他に特筆できることとしては「特別快速」がある。当初の特別快速は石巻 - 仙台間を60分を切ることと、仙台市内の百貨店10時開店を意識したダイヤで1969年に登場した(途中、松島海岸・本塩釜停車;一部は矢本にも停車 - 午前・午後各1往復ずつ)。その後、CTC化と軌道強化・東塩釜以東の単線区間の一部交換可能駅一線スルー化等に伴う線内最高速度85→95km/h化完成をみた1983年10月より、休日ダイヤにおいて仙台 - 石巻間50.5kmをノンストップで走る特別快速が1往復設定されたが、停車駅の見直しに伴い、2000年3月のダイヤ改正で廃止となった。後年に再び停車駅の少ない「特別快速」が土曜・休日に設定された(停車駅は現行の赤快速のうち東塩釜・陸前小野・東矢本・陸前赤井・蛇田・陸前山下を通過)が、2003年10月のダイヤ改正で再び廃止された。
また、1990年代中頃においては、土日に仙台 - 松島海岸を走る快速が設定されたことがある。臨時列車扱いで、長くは続かなかった。
2003年3月22日から土曜・休日に赤快速の一往復を石巻市にゆかりの深い漫画家石ノ森章太郎の作品のキャラクターのラッピングが施された「マンガッタンライナー号」として運行している。
普通列車
あおば通 - 東塩釜
ラッシュ時は最短約4分間隔で運行され、混雑が激しい。それ以外の時間帯は毎時3 - 5往復である。ただし昼間時間帯の運転間隔は一定ではなく、赤快速が停車しない駅では都心部手前であってもA快速の通過待ちを挟んで30分以上間隔が開く時間帯もある。また、小鶴新田駅発着の列車もあるが、これは仙台車両センター宮城野派出所(宮城野運輸区)への入出庫に伴うもので、小鶴新田駅の開業前は苦竹駅発着の列車として存在した。また、多賀城が始発・終着(現在高架化工事のため東塩釜で折り返し、多賀城 - 東塩釜間回送)になる列車もある。
東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地、クリネックススタジアム宮城(宮城野原駅が最寄)でプロ野球の試合がある日は、あおば通 - 小鶴新田間で臨時に列車の増発を行っている。この増発をあおば通 - 多賀城・東塩釜・石巻間でして欲しいという要望がある。また仙台 - 多賀城間を通過するA快速はプロ野球試合の日には一部列車で宮城野原駅に臨時停車するなどしている。
東塩釜 - 石巻
単線区間である。昼間は1時間あたり2往復(快速を含む)、ラッシュ時間帯は1時間あたり3往復である。現在、ミヤコーバスが、石巻と仙台を結ぶ高速バス・仙台 - 石巻・女川線を三陸道経由で運行しているが、バスが仙台市内の渋滞の影響を受けることや、運行本数が少なく所要時間も仙石線とあまり変わらないことから、高速バスに苦戦を強いられている仙山線、東北本線とは違い、仙石線では全線を通して乗車する利用客も多く、鉄道が優位な状況にある。
また、年間を通じて休日を中心に、観光地である松島や奥松島に訪れる観光客が仙石線を利用する。
他の路線への直通運転
仙石線では、他の路線に乗り入れる定期の旅客列車は存在せず、貨物列車が石巻線に乗り入れる。過去に臨時の旅客列車が石巻線に乗り入れたことがある。
元々が私鉄路線であった仙石線では、末端駅である仙台駅と石巻駅の仙石線ホーム及び駅舎が独立していた。仙台駅構内には、1970年頃まで東北本線と仙石線を結ぶ引込み線があったが、現在は存在しない。石巻駅構内では、石巻港への貨物列車の入線や他線との連絡のために、石巻線と仙石線の線路が連絡しているが、石巻線が非電化路線であることから、仙石線の電車が石巻線を自走することはできない。気動車の場合は両路線を直通することが可能であり、2000年の仙台トンネル開通以前はグラシア(現:こがね)による臨時列車(仙台 - 女川・気仙沼)が運行されたことがあった。仙石線への気動車の入線については、それ以外にも、多賀城 - 矢本のビール列車(小牛田運輸区のキハ23形・40形・58形使用)、ふるさとによる野蒜 - 石巻の鳴瀬町(現:東松島市)町民号といった団体専用列車での入線が時折ある。現在は仙台トンネルの開通により仙台 - 苦竹間では、East i-D を除き、気動車の入線は基本的に不能になったが、東塩釜 - 石巻間では団体専用列車という形で気動車の入線が現在もある。
また、仙台市の交通政策で、仙石線を西公園まで延伸して東西線計画の一部とする構想もあったが、仙台市が独自に地下鉄東西線を建設する方針をとったために、構想は立ち消えとなった。
事業用列車
East i-Dによる軌道試験が行われる以前は、マヤ34形客車を用いた検測列車(マヤ検)の牽引は牽引車クモヤ145形を用いて行われていた。しかし地上線時代の仙台駅及び地下化後のあおば通駅は機回し線がなく、またクモヤ145形が1両しか在籍していないため、上り列車で仙台駅(地上線時代)もしくはあおば通駅(地下化後)に入線すると車両の付け替えが出来ないため、以前は105系を使用し、
- 石巻側←クモハ105+クハ105+マヤ34+クモヤ145→仙台側
の編成で運転されていた。 105系廃車後は103系のクモハ編成からMc+Mのみをマヤの前に連結し、
- 石巻側←クモハ103+モハ102+マヤ34+クモヤ145→仙台側
の編成で運行された。なお105系及び103系による運転はあおば通駅 - 宮城野電車区間のみで運行され、宮城野電車区 - 石巻間はクモヤ145形のみの牽引で運転されていた。なお仙石線では103系は老朽化の進むMc編成から置き換えが始まったが、マヤ検の都合上、置き換え開始後しばらくはMc編成が残留していた。そのためMc編成の全廃はマヤ検終了後の2003年7月であった。
歴史
- 1925年(大正14年)6月5日 宮城電気鉄道が仙台 - 西塩釜を開業。仙台・榴ヶ岡・陸前原ノ町・福田町・陸前高砂・多賀城・西塩釜の各駅新設
- 1926年(大正15年)1月1日 宮城野原駅を新設
- 4月14日 西塩釜 - 本塩釜を延伸開業、本塩釜駅を新設
- 1927年(昭和2年)4月18日 本塩釜 - 松島公園(現在の松島海岸)を延伸開業。東塩釜・浜田松島公園の各駅を新設
- 1928年(昭和3年)4月10日 松島公園 - 陸前小野を延伸開業、小石浜遊園・新富山・高城町・手樽・陸前富山・大塚・野蒜・陸前小野の各駅を新設
- 1929年(昭和4年)6月1日 東七番丁・鹿妻の各駅を新設
- 1931年(昭和6年)10月23日 野蒜を東北須磨に改称
- 12月1日 東名駅を新設
- 1932年(昭和7年)1月8日 石巻を宮電石巻に改称
- 8月1日 下馬信号所を駅に変更
- 1939年(昭和14年)2月1日 宮電山下駅を新設
- 11月7日 宮電山下 - 釜(現在の石巻港)の貨物線を開業
- 1943年(昭和18年)2月8日 新田を苦竹に改称し移転
- 1944年(昭和19年)5月1日 宮城電気鉄道が国有化され仙石線と線路名称制定。東七番丁を仙台東口に、西塩釜を西塩竈に、本塩釜を本塩竈に、東塩釜を東塩竈に、浜田を陸前浜田に、松島公園を松島海岸に、富山を陸前富山に、大塚を陸前大塚に、東北須磨を野蒜に、宮電山下を陸前山下に、宮電石巻を石巻にそれぞれ駅名改称。小石浜遊園・新富山の両駅を廃止
- 1945年(昭和20年)6月10日 陸前富山・陸前大塚・鹿妻の各駅を休止
- 1946年(昭和21年)6月10日 陸前富山・陸前大塚・鹿妻の各駅を再開
- 1952年(昭和27年)6月1日 地下区間の仙台 - 仙台東口を休止
- 9月26日 仙台 - 仙台東口を廃止。仙台東口を仙台に改称
- 1953年(昭和28年)7月20日 釜 - 石巻港の貨物線を開業
- 1956年(昭和31年)10月1日 仙石線管理所発足
- 1957年(昭和32年) 快速列車の設定開始
- 6月6日 陸前山下 - 釜の電気運転を廃止
- 1959年(昭和34年)9月 石巻 - 仙台間快速電車運行開始
- 1963年(昭和38年)5月25日 西塩竈を西塩釜に、本塩竈を本塩釜に、東塩竈を東塩釜にそれぞれ改称
- 1966年(昭和41年)1月20日 陸前原ノ町 - 福田町の「苦竹高架」完成、高架化
- 1968年(昭和43年)2月23日 福田町 - 多賀城を複線化
- 1969年(昭和44年)9月26日 多賀城 - 西塩釜を複線化
- 10月 石巻 - 仙台間50分台の特別快速電車運行開始
- 1971年(昭和46年)4月1日 仙石線管理所廃止、陸前原ノ町電車区および陸前原ノ町車掌区発足。釜 - 石巻港の貨物線を廃止
- 1972年(昭和47年)3月15日 釜を石巻港に改称
- 8月18日 塩竈市越ノ浦の仙石線の無人踏切で、仙台発石巻行き下り電車にダンプカーが衝突、1両目が脱線して松島湾に突っ込む(死者2名、重軽傷46名)
- 1975年(昭和50年)2月1日 「新型電車導入」記念乗車券発行
- 2月15日 - 72系アコモデーション改良車導入
- 3月 出札合理化により榴ヶ岡・宮城野原・苦竹・福田町・陸前高砂・下馬・西塩釜・東塩釜・高城町の各駅で出札窓口閉鎖。仙台・石巻両駅に乗継出札口を設置
- 1979年(昭和54年)10月1日 103系導入
- 1981年(昭和56年)4月1日 中野栄駅を新設
- 11月1日 西塩釜駅 - 東塩釜を高架・複線化。本塩釜・東塩釜の両駅を移転
- 1983年(昭和58年)9月20日 多賀城 - 石巻間にCTCを導入。あわせて東塩釜駅構内にCTCセンターを設置したほか、通票授受が廃止
- 10月2日 休日ダイヤ実施・線内最高速度が85km/h→95km/hに引き上げ
- 1986年(昭和61年) 陸前原ノ町車掌区を廃止し仙台車掌区に統合
- 1987年(昭和62年)3月31日 東矢本駅を新設
- 4月1日 国鉄分割民営化に伴い東日本旅客鉄道(第一種)・日本貨物鉄道(第二種)が承継
- 1988年(昭和63年)3月13日 ダイヤ改正に際して、快速列車に「うみかぜ」の愛称を命名。陸前大塚駅交換設備使用開始
- 1990年(平成2年)7月21日 石巻駅駅舎を石巻線の駅舎と統合
- 1991年(平成3年)3月9日 宮城野信号場を新設
- 3月15日 - 陸前原ノ町電車区閉所、宮城野電車区へ移転
- 1999年(平成11年)11月1日 石巻港 - 石巻埠頭の貨物線を廃止
- 2000年(平成12年)3月11日 仙台 - 陸前原ノ町を地下化、あおば通 - 仙台を延伸開業
- 2002年(平成14年)11月5日 205系3100番台導入
- 2003年(平成15年) 宮城野運輸区発足
- 2004年(平成16年)3月13日 小鶴新田駅を新設
- 7月 - 103系運行終了。RT235編成は予備車として郡山駅構内に留置(2007年3月に復帰)
- 10月16日 快速列車「うみかぜ」の愛称廃止。平日・土曜休日の時刻表を一本に統一
- 2009年(平成21年)10月21日 103系RT235編成が運行を終了
- 2009年(平成21年)11月29日 多賀城上り線を高架化
日本で最初の地下路線
当初、宮城県庁付近を基点とする計画があり、東北本線との交差のため仙台駅 - 東七番丁(仙台東口)駅間は地下区間として建設されたが、これは日本で最初に開業した営業用の地下路線である。この区間の開業は、日本初の地下鉄である東京地下鉄道(現在の東京地下鉄銀座線)の開業に先立つこと2年であり、また郊外電車の地下乗り入れとしても神戸有馬電気鉄道(現在の神戸電鉄有馬線)の湊川地下線より3年早かった。
その後、宮城県庁までの延伸は資金難と仙台市電の開業により断念され、1952年(昭和27年)には路線短縮により地下区間が廃止となった。廃止された地下区間は、2000年(平成12年)の再地下化までの間、仙台駅の北側にあった地下改札口(駅ビルの食料品売り場に改装され現存しない)や東北本線の各ホームと、仙石線ホームを結ぶ地下通路として利用されていた。
この地下区間は単線でありかつ距離が短かったこと、現存していないことなどから、現在はほとんど紹介されない存在となっている。現在の仙石線地下区間は前述の通り2000年に完成したもので、別物である。
路線改良
高度経済成長によって仙台市周辺の人口が増加し、仙台都市圏が形成されたことから、国鉄でも仙山線や仙石線の改良に着手した。また、仙石線では仙台駅付近が曲線が多い蛇行線形になっていたほか、本塩釜駅付近では台風や高潮の影響で路盤が海水に浸り運休することがしばしばあった。そこで、1979年(昭和54年)の103系電車導入をはじめ、1980年代より新駅設置や改良が意欲的に行われるようになった。1981年(昭和56年)に中野栄駅新設、西塩釜 - 東塩釜間の高架・複線化と駅移設、1985年(昭和60年)に仙台トンネル着工、1987年(昭和62年)に東矢本駅新設、1991年(平成3年)に宮城野電車区開設、2000年(平成12年)に仙台トンネル完成・あおば通駅新設、2004年(平成16年)に車両を205系電車に統一、小鶴新田駅新設と続く。現在は多賀城駅周辺の高架化事業が進められている。
仙台 - 苦竹間については、踏切による交通渋滞問題が発生していたため、2000年に地下化され14の踏切を解消した<ref>JR仙石線連続立体交差事業(踏切すいすい大作戦)</ref>。地下化の際には路線の直線化によって距離が短縮され、それと同時に仙台駅 - あおば通駅も延伸開業した。これは地下化建設当時検討されていた仙台市営地下鉄東西線との直通運転を視野に入れて先行して仙石線の連続立体交差事業が始まったが、国鉄仙台駅と仙台市営地下鉄仙台駅が離れていたため直通運転案では仙台駅を二分して建設することになり、連続立体交差事業の補助金対象区間を長く取るために地下鉄寄りの「仙台(西)駅」を仙石線と地下鉄との境界駅としたため、この駅までを国鉄線として建設することになったからである。その後地下鉄直通運転案は断念されたが「仙台(西)駅」までは建設され、地下化開業にあたってJR仙台駅とは離れている「仙台(西)駅」の正式名称を「あおば通駅」と決定して開業した。
新駅構想
陸前赤井駅と蛇田駅の間に、(仮)柳の目駅を設置する案があり、東松島市、石巻市の市議会議員や宮城県議会議員などが実現に向かって活動しているが、具体化の目処は立っていない。
駅一覧
本線(東日本旅客鉄道)
- 14px|[仙]:特定都区市内制度における「仙台市内」エリアの駅
- 停車駅
- 普通…すべての駅に停車
- 快速(各種)…●印の駅は停車、|印の駅は通過
- 宮城野原駅(△印)はプロ野球開催時に一部の赤快速が臨時停車
- 線路 … ∥:複線区間、◇・|:単線区間(◇は列車交換可能駅)、∨:これより下は単線、∧:終点(列車交換可能)
- 全駅宮城県内に所在
駅名 | 駅間営業キロ | 累計営業キロ | 緑快速 | 赤快速 | 接続路線・備考 | 線路 | 地上/地下 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
14px|[仙] あおば通駅 | - | 0.0 | ● | ● | 仙台市地下鉄:Template:Color南北線(仙台駅) | ∥ | 地下区間 | 仙台市 | 青葉区 |
14px|[仙] 仙台駅 | 0.5 | 0.5 | ● | ● | 東日本旅客鉄道:東北新幹線・秋田新幹線・東北本線・常磐線<ref group="*">常磐線は路線名称上は東北本線岩沼駅が終点だが、運転系統上は全旅客列車は仙台駅に乗り入れる</ref>・仙山線・仙台空港アクセス線 仙台市地下鉄:Template:Color南北線 | ∥ | 宮城野区 | ||
14px|[仙] 榴ヶ岡駅 | 0.8 | 1.3 | ● | | | ∥ | ||||
14px|[仙] 宮城野原駅 | 1.1 | 2.4 | ● | △ | ∥ | ||||
14px|[仙] 陸前原ノ町駅 | 0.8 | 3.2 | ● | | | ∥ | ||||
14px|[仙] 苦竹駅 | 0.8 | 4.0 | ● | | | ∥ | 地上区間 | |||
14px|[仙] 小鶴新田駅 | 1.6 | 5.6 | ● | | | ∥ | ||||
宮城野信号場 | - | 6.8 | | | | | 仙台車両センター宮城野派出所への分岐 | ∥ | |||
14px|[仙] 福田町駅 | 2.1 | 7.7 | ● | | | ∥ | ||||
14px|[仙] 陸前高砂駅 | 0.9 | 8.6 | ● | | | ∥ | ||||
14px|[仙] 中野栄駅 | 1.7 | 10.3 | ● | | | ∥ | ||||
多賀城駅 | 2.3 | 12.6 | ● | ● | ∥ | 多賀城市 | |||
下馬駅 | 1.8 | 14.4 | | | | | ∥ | ||||
西塩釜駅 | 0.8 | 15.2 | | | | | 東日本旅客鉄道:東北本線(塩釜駅) | ∥ | 塩竈市 | ||
本塩釜駅 | 0.8 | 16.0 | ● | ● | ∥ | ||||
東塩釜駅 | 1.2 | 17.2 | ● | ● | ∨ | ||||
陸前浜田駅 | 3.1 | 20.3 | | | | | | | 宮城郡利府町 | |||
松島海岸駅 | 2.9 | 23.2 | ● | ● | ◇ | 宮城郡松島町 | |||
高城町駅 | 2.3 | 25.5 | ● | ● | 東日本旅客鉄道:東北本線(松島駅) | ◇ | |||
手樽駅 | 1.8 | 27.3 | | | | | | | ||||
陸前富山駅 | 1.3 | 28.6 | | | | | | | ||||
陸前大塚駅 | 2.2 | 30.8 | | | | | ◇ | 東松島市 | |||
東名駅 | 1.6 | 32.4 | | | | | | | ||||
野蒜駅 | 1.6 | 34.0 | ● | ● | ◇ | ||||
陸前小野駅 | 3.2 | 37.2 | ● | ● | ◇ | ||||
鹿妻駅 | 1.6 | 38.8 | | | | | | | ||||
矢本駅 | 2.6 | 41.4 | ● | ● | ◇ | ||||
東矢本駅 | 1.4 | 42.8 | ● | ● | | | ||||
陸前赤井駅 | 1.5 | 44.3 | ● | ● | ◇ | ||||
蛇田駅 | 3.5 | 47.8 | ● | ● | | | 石巻市 | |||
陸前山下駅 | 1.0 | 48.8 | ● | ● | 日本貨物鉄道:仙石線貨物支線 | ◇ | |||
石巻駅 | 1.4 | 50.2 | ● | ● | 東日本旅客鉄道:石巻線 | ∧ |
貨物支線(日本貨物鉄道)
- (貨):貨物専用駅
- 両駅とも宮城県石巻市に所在
駅名 | 営業キロ | 接続路線 |
---|---|---|
陸前山下駅 | 0.0 | 東日本旅客鉄道:仙石線(本線) |
(貨)石巻港駅 | 1.8 |
仙石線に関する作品
- 「MOTER MAN 仙石線」(SUPER BELL"Z、2001年)
- 「MOTER MAN 仙石線 205系mix」(SUPER BELL"Z、2003年)
脚注
Template:脚注ヘルプ Template:Reflist
関連項目
Template:東日本旅客鉄道仙台支社de:Senseki-Linie en:Senseki Line