京王新線
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京王新線(けいおうしんせん)は、京王電鉄京王線の複々線区間の増設別線である新線新宿駅 - 笹塚駅間 (3.6km) の通称である。
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概要
都営地下鉄新宿線乗り入れのため、1978年10月30日に都営線よりも先行して開業し、1980年3月16日から相互直通運転を開始した。
ほぼ、京王線と並行して国道20号(甲州街道)下、京王線より深い所を走り、笹塚駅の新宿寄りの一部区間を除き、地下路線となっている。現在の京王電鉄の車両は、都営新宿線乗り入れ規格に対応していない車両でも車体幅が新線の車両限界(2,800mm)にあわせて設計されているため、新線新宿駅までは入線することができる。京王線笹塚以西への始発と最終列車は新線新宿発着である。また、東京競馬場での開催時には府中競馬正門前駅から新線新宿行きの急行も運転される(下記で述べる通り新線内は各駅停車)。
新線新宿駅は、国道20号の地下5階、京王線などの駅よりも西寄りの位置にホームがある。ここから西南西に向かう。初台駅は上り線が地下2階、下り線が地下3階で、いずれも北側(笹塚に向かって右側)にホームがある。幡ヶ谷駅はどちらも地下2階で、対向式2面2線のホームである。ここまでで国道20号の地下から離れ、南に沿って走ってきた京王線に寄り添うように向かい、一足先に地上に姿を現した京王線の上り線の海側(左側)に地下から回り込み、ここで京王線の下り線と出会ってから、下り線と共に地上に向かう。地上に出たところで京王線上下線にはさまれる形となり、そのまま高架の笹塚駅へ一気に駆け上がる。その手前で私道と、すぐ脇の国道20号から先は中野通りと呼ばれる都道420号をまたぐ。
運転
Template:Main 京王新線内はすべての列車が各駅に停車する。
京王新線のみの運行となる列車は設定されておらず、都営地下鉄新宿線または京王線に直通する。都営地下鉄新宿線からの電車の大半がこの路線を通り笹塚駅まで運行するため、運転系統上都営地下鉄新宿線と一体化している。ただし、同じ地下線でも運営・設備管理・運行管理は京王電鉄であるため、当線の閉塞方式は色灯信号式の自動閉塞となっている(都営地下鉄新宿線はデジタルATCによる車内信号閉塞式)。
日中は20分サイクルで本八幡 - 笹塚の各駅停車2本と本八幡 - 橋本の急行1本が運行されている。
また、始発・最終列車が運行される時間帯には新線新宿発着の列車が運行される。これは、京王線新宿発着の場合は後述のように必然的に初台、幡ヶ谷を通過するためである。
駅一覧
- 全駅東京都に所在。
- 京王新線の設定種別として、「各駅停車」「快速」「通勤快速」「急行」の4つがあるが、新線内はすべて各駅に停車する。
- 新宿駅での東京地下鉄丸ノ内線との接続業務は、都営地下鉄では行っていないが、京王は行っている。丸ノ内線中野新橋・新中野 - 西新宿間・新宿三丁目 - 新宿御苑前間と京王線初台 - 笹塚間を新宿駅接続で乗り継ぐ場合には連絡割引も適用される。
駅名 | 駅間 キロ | 累計 キロ | 接続路線 | 所在地 |
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直通運転区間 | ○都営地下鉄新宿線本八幡駅まで | |||
新線新宿駅 | - | 0.0 | 都営地下鉄:15px|S 新宿線 (S-01) (直通運転・上記参照)・15px|E 大江戸線 (E-27) 東京地下鉄:15px|M 丸ノ内線 (M-08) 東日本旅客鉄道:埼京線・湘南新宿ライン・中央線(快速)・中央総武線(各駅停車)・山手線 小田急電鉄:小田原線 | 新宿区 |
初台駅 | 1.7 | 1.7 | 渋谷区 | |
幡ヶ谷駅 | 1.0 | 2.7 | ||
笹塚駅 | 0.9 | 3.6 | 京王電鉄:京王線(直通運転:下記参照) | |
直通運転区間 (京王線経由) | ○相模原線橋本駅まで ○高尾線高尾山口駅まで ○京王線京王八王子駅まで ○競馬場線府中競馬正門前駅まで ○動物園線多摩動物公園駅まで |
初台駅と幡ヶ谷駅
初台駅と幡ヶ谷駅のホームは新線にしか設置されておらず、京王線の電車は各駅停車も含めすべての電車が通過する。京王線新宿駅では初台・幡ヶ谷へは「新線新宿駅」から乗るようにとの案内を行なっているが、慣れない乗客の誤乗は少なくない(京王線新宿駅と新線新宿駅は同一駅であるが、旅客案内上呼称を使い分けている)。調布以遠から特急・準特急を利用して初台や幡ヶ谷に行く場合は、接続列車が都営地下鉄新宿線直通でない限り明大前・笹塚と2回乗り継ぐ必要がある。
定期券の経路に京王線新宿駅 - 笹塚駅間が含まれている場合は初台・幡ヶ谷の両駅での下車も可能である。また、新線新宿駅は京王線新宿駅と同一駅のため、下車が可能である。
京王線には初台駅の旧ホームが現存し、資材置場として使われている。
名称について
かつて、京王新線は本来の都営新宿線区間とともに「新宿線」と呼ばれることがあった。これは地元の不動産業者が多摩地域のイメージの強かった「京王」新線という名称よりも、都会的であり都心直通・東京横断をアピールできる「新宿線」の名前を使ったことや、笹塚駅付近を除き地下を走り、都営新宿線とほぼ一体化された運行であることによる。同様の例では「千代田線」とよばれることのあるJR常磐緩行線(地下鉄千代田線に直通)や「日比谷線」とよばれることのある東武伊勢崎線各駅停車(地下鉄日比谷線に直通)がある。
それゆえ、昔の不動産広告には「新宿線幡ヶ谷駅徒歩5分」「都営新宿線初台駅徒歩11分」「京王新宿線笹塚駅からバスで14分」などの誤った記述が見受けられた。また一部の路線図では、都営新宿線の始発駅が笹塚駅という標記も多かった。現在では「都営新宿線」と呼ばれることは一昔前に比べると少なくなったが、依然として不動産などの広告に残っている。