五稜郭

出典: Wikipedio


Template:Otheruseslist Template:日本の城郭概要表 thumb|250px|箱館奉行所・五稜郭本陣
(明治元年冬撮影)
[[ファイル:Satellite image of Hakodate Goryokaku.jpg|thumb|250px|五稜郭付近の衛星写真(NASAによる資料)]] 五稜郭(ごりょうかく)は、江戸時代末期に現在の北海道函館市に建造された城郭および当時日本で建造された星形の城郭の通称。長野県佐久市龍岡城(未完成)も五稜郭として知られるが、一般的に「五稜郭」といえば函館のそれを指す。

当時の正式名称は亀田役所土塁柳野城とも)。国の特別史跡に指定され、「五稜郭と箱館戦争の遺構」として北海道遺産に選定されている。

目次

概要

日米和親条約締結による箱館開港に伴い、防衛力の強化と役所の移転問題を解決するために徳川家定の命により築造された。設計を担当したのは洋式軍学者の武田斐三郎大砲による戦闘が一般化した後のヨーロッパにおける稜堡式の築城様式を採用し、堡を星型に配置している。総面積、74,990坪(約247,466m²)、施工は土工事を松川弁之助、石垣工事は井上喜三郎、奉行所の建築には中川源蔵が請け負った。

当初は外国の脅威に立ち向かうために築造が計画されたが、脅威が薄れていくとともに築造の目的が国家の威信になった。

構造

費用不足もあって、当初の計画は縮小された。半月堡も大手口に一箇所しか造られなかった。本来のヨーロッパの稜堡式の築城様式なら、半月堡は二重、三重に築かれ縦深防御を構成したが、たった一箇所の半月堡ではかなり見劣りがする。また箱館開港時に政庁箱館奉行所がおかれた。背の高い建造物は大砲の標的になるために築かないので、政庁を置くスペースがなく、純軍事施設として建造されるのが、本来の稜堡式の築城様式であり、それに反している。

当時の日本の城郭は、政治的変化や戦争と銃砲の発達を経験したヨーロッパと異なり、居住施設である宮殿と軍事施設である要塞の分離がほとんど行われておらず、居住施設(五稜郭の場合は役所)と軍事施設を兼務していた。そのため見かけだけの西洋式築城であるという評が一般的である。五稜郭以外に洋式築城が用いられたのは龍岡城や明治維新後の松尾城などであり、このほかに前橋城が部分的に擬似洋式築城を用いている。また、松前城や五島石田城など純和式の城郭に砲台を追加したものなども築造された。そのような旧式の城郭が大砲を備えた近代戦の攻防戦の舞台となればどういう目に遭うかは、会津若松城白河小峰城の休戦後の写真を見ればわかる。

実際、函館戦争の際、写真にあるように箱館奉行所の建物の天辺にある楼閣が、官軍の軍艦の艦砲射撃の格好の的になった。それを知った旧幕府軍は慌てて楼閣部分を撤去したが、射撃角度をかなりの精度で知られてしまい、要塞内に次々と着弾。最早この時点で要塞としての機能は麻痺していた。

防御壁としては土塁を築き、砲弾のショックを吸収するのが稜堡式の築城様式の特徴である。しかし、五稜郭の場合は土塁を築こうにも北海道の寒冷な気候に適合せず、冬の間に凍った土塁が、春に温かくなると崩壊するという困難に直面した。そのためわざわざ石垣を築き、その上に土を盛るという手間をかけている。なお、土塁に固執しなくとも、南北戦争のサムター要塞のように、柔らかい煉瓦を使うという方法もあった。

一番の問題としては、既にヨーロッパでもこのような稜堡式の築城様式は、いささか旧式化していたことである。堡塁を重ねるのは小銃を防御兵器として用いるための方式であり、当時のヨーロッパでは大砲を掩体壕に据えての防御へと移行しつつあった時期である。現に同時期の普仏戦争において、フランスの稜堡式の要塞はプロイセン王国軍に簡単に突破・攻略され、要塞形式として旧式化していることを露呈していた。ちなみに同時期に東京湾に築かれた台場は、大砲を用いる要塞施設である。

ただし、稜堡式という形は死角を生みにくい形状であり、はるか後のベトナム戦争において、旧南ベトナムにおける米陸軍グリーンベレー駐屯地にも五稜郭型の野戦築城が存在する。これは奇襲夜襲をかけてくるゲリラに対して陣地内から十字砲火を浴びせる事ができるためである。

歴史・沿革

江戸時代

近代

現代

催し物

現地情報

所在地
北海道函館市五稜郭町・本通1
交通アクセス
  • 函館市電2系統・5系統五稜郭公園前駅 - 徒歩15分
  • 北海道道571号五稜郭公園線
    • 参考までに下記のアクセス方法は停留所からの距離的には最短であるが、観光関連施設等は無い。また箱館奉行所復元工事の関係で裏門橋が閉鎖されているので現在は不可
    • 函館駅前より函館バス106ループ系統「中央図書館前」下車すぐ

脚注

<references />

関連項目

外部リンク

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