三冠 (競馬)

出典: Wikipedio


競馬における三冠(さんかん)とは、競馬の競走のうち特定の3競走を指す。その3競走すべてに優勝した馬を三冠馬と呼ぶ。元々は3競走あるクラシック競走(3歳馬限定戦)をすべて取るという概念から、古馬の競走などにも派生した概念である。

目次

解説

競馬における三冠の起源はイギリスの三冠競走クラシック競走)を起源とする。 Template:Main

日本においては中央競馬クラシック三冠および中央競馬牝馬三冠が広く知られている。 Template:Main

本項では以下に世界各国で行われている三冠競走や、「変則三冠」について記述する。

変則三冠

クラシック競走を牡馬クラシック三冠、牝馬クラシック三冠以外の組み合わせで3勝することを指す。クラシックは牡馬は3歳三冠の3競走しか出走することができないが、牝馬は5競走すべて出走可能な場合があり、5競走のうち適当な3競走を制することによって本来の牝馬三冠とは別に変則三冠が可能となる。中央競馬においては、1943年に東京優駿・優駿牝馬・菊花賞を勝利したクリフジのみがこれに該当する。またクリフジは、中央競馬の牝馬による唯一のクラシック競走3勝馬でもある。

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日本

中央競馬の三冠

中央競馬クラシック三冠

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中央競馬牝馬三冠

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その他の三冠

本来三冠とは特定の体系のなかでの(とくにクラシック競走での)3つの大競走であるが、現在は広い意味で「1頭の馬が傾向の似た3つのレースを優勝する」ことをもって三冠(あるいはそれ以上)と呼ばれることが多くなっている。またマスコミの煽り文句に使いやすい言葉ということもあり、その意味では今後もさまざまな(広義の)三冠が生まれうると言える。以下に挙げる「秋古馬三冠」と「変則三冠」はその代表例である。

秋古馬三冠

秋の10月-12月の関東各開催の最終日に行われる3歳以上の牡馬・牝馬が出走できる3つの主要GIを同一年に制することをいう。JRAはこの三冠に正式な呼称を設けていないが、俗にこのように言われる。達成馬はテイエムオペラオー(2000年)、ゼンノロブロイ(2004年)。

1999年スペシャルウィークが天皇賞(秋)とジャパンカップを連勝したが、有馬記念ではグラスワンダーに4cmの差で敗れた。

2000年からこの3つのレースを同一年に制した場合に、褒賞金が1億円贈られるようになった。現在は内国産馬2億円、外国産馬1億円に増額されており、秋古馬三冠を達成したテイエムオペラオー、ゼンノロブロイはこの褒賞金を獲得している。元々存在していたこの3つのGIにこのような名称をつけてひとつのシリーズとみなし、褒賞金がついた理由のひとつに、この3レースを1シーズンに総なめする馬がジャパンカップ創設以降長い間出現せず、スペシャルウィークが史上初めてその快挙に挑み惜しくも達成できなかったことによって、1年での3競走制覇の困難さと、それに対する意義が再確認されたことが上げられる。

秋ダート三冠

秋に行われる3歳以上が出走できる3つの主要中距離ダート競走を全て制覇することを秋ダート三冠という。JBCクラシックは地方競馬場の持ち回り開催、ジャパンカップダートは2008年から阪神開催、東京大賞典は大井開催である。

2007年にヴァーミリアンが初めてこの3競走を制覇したことから、新聞などでこの呼称が用いられたTemplate:要出典。正式な呼称ではないため、同一年での制覇でなくとも用いられる場合があるかもしれないが、実際にこの3競走を全て制覇しているのは、ヴァーミリアンのみである。

札幌・函館競馬

北海道の中央競馬には三冠の概念はないが、両競馬場の函館記念札幌記念の二冠を目標とすることがある。 同一年にツキサムホマレ(1975年)、エアエミネム(2001年札幌記念・2003年函館記念)が達成している。なお、ツキサムホマレが達成した当時は札幌記念はダート競走<ref>当時の札幌競馬場には芝コースがなく、現在の芝コース付近はレース用に使用する外回りダートコース(現ダートコースが調教用の内回り)に相当。(札幌競馬場・芝コースの設置の項参照)</ref>であった。

地方競馬の三冠

北海道三冠

ホッカイドウ競馬サラブレッド系3歳馬による三冠競走。1980年成立。達成馬はトヨクラダイオー(1981年)、モミジイレブン(1999年)、ミヤマエンデバー(2001年)の3頭。

ばんえい三冠

ばんえい競馬のばんえい3歳馬による三冠競走。達成馬はハクリュウ1975年)、マルトダンサー1980年)、ウンカイ1997年)、ヨコハマボーイ2001年)の4頭。

ばんえい牝馬三冠

ばんえい競馬のばんえい3歳牝馬による三冠競走。2007年度成立。達成馬はニシキエース2008年)の1頭。

ばんえい2歳三冠

ばんえい競馬は4月から3月までを1つの年度としており、実際には3月に行われるイレネー記念は明け3歳馬による競走である。

岩手3歳三冠

2007年~2009年まではダイヤモンドカップ・不来方賞に加えて、従来11月に行われていた阿久利黒賞を5月に移行して三冠競走を形成していたが、2008年に休止したダービーグランプリを2010年に復活させ、上記3競走を「三冠レース」として設定したため、阿久利黒賞は対象レースから外れる形となった。なお、不来方賞は2004年から地方競馬全国交流競走であったが、ダービーグランプリが2010年から地方競馬全国交流競走として設定されたため、2010年からはダービーグランプリの岩手所属馬限定トライアル競走となった。なお、2007年にセイントセーリングが三冠を達成している。

岩手競馬は近年レース体系を幾度と変更しているが、1999年だけ不来方賞オータムカップダービーグランプリと組んでこれを三冠と称する意見もある。だが、翌2000年からは距離別体系の導入で牝馬限定戦を除き7つの重賞競走(スプリント2つ、マイル2つ、クラシックディスタンス3つ)が組まれたことで、三冠という概念はなくなった。レース体系を見直した2007年からは、主催者は上記のレースで正式に三冠制度を導入し、対象レースの優勝馬馬主に特別奨励金(ボーナス)が支給されることになった。

岩手2歳三冠

達成馬はワタリシンセイキ(2008年)。ワタリシンセイキはこの活躍が認められ2歳馬ながら岩手競馬年度代表馬に選出された。

岩手古馬三冠

2008年度より3歳と古馬の三冠指定競走が設定され、達成すると主催者より馬主に対して奨励金(ボーナス)300万円が与えられる(3歳三冠についても達成すると与えられる)。なお、古馬三冠については、2007年に同年年度代表馬テンショウボスが達成している。但し、岩手古馬三冠指定競走が設定される前の2007年と2008年ではシアンモア記念の代わりに北上川大賞典であった。

南関東三冠

南関東公営競馬サラブレッド系3歳馬による三冠競走。1964年成立。三走とも大井競馬場で開催される競走である。

2001年まではジャパンダートダービーのかわりに東京王冠賞であった。詳しくは東京王冠賞の項を参照。

達成馬はヒカルタカイ1967年)、ゴールデンリボー1975年)、ハツシバオー1978年)、サンオーイ1983年)、ハナキオー1986年)、ロジータ(牝馬 1989年)、トーシンブリザード2001年)の7頭。

トーシンブリザードは、2001年当時、東京王冠賞とジャパンダートダービーが併設されており、両競走を制覇したため四冠馬と呼ばれている。

なお、1996年にそれまでのヨーロピアンスタイルからアメリカンスタイルへの大幅な路線変更が行われ、これ以降は三冠は4~5月に始まり、7月上旬までに終了する短期連戦型の形態となっている。

南関東牝馬三冠

南関東公営競馬サラブレッド系3歳牝馬による三冠競走。1987年に東京プリンセス賞の創設によって成立。牡馬クラシックと異なり、浦和、大井、川崎を転戦する。

達成馬は2006年のチャームアスリープ1頭。

牡馬三冠と異なり、設立当初からアメリカンスタイルの短期連戦型となっている。

金沢三冠

金沢競馬場のサラブレッド系3歳馬による三冠競走。1993年成立。2004年まではMRO金賞のかわりにサラブレッドチャレンジカップであった。

達成馬は1996年のプライムキング、2008年のノーブルシーズの2頭。

東海三冠

名古屋競馬場笠松競馬場のサラブレッド系3歳馬による三冠競走。1996年成立。東海地区は重賞競走の乱立及び改廃が多く、三冠と称しにくいきらいがある。同地区独自のローカルグレード(SPI、SPII、SPIII)が存在し、SPI(スーパープレステージワン)に格付け、伝統を考慮すると上記3競走が三冠と言える。尚、SPIとしては笠松競馬場で岐阜王冠賞、東海チャンピオンシップという重賞競走が過去に行われていた。

達成馬は1996年以降いないものの、参考までに1995年以前に上記3つを制した馬はイズミダッパー(1980年)、ゴールドレット(1982年)、サブリナチェリー(1993年)の3頭。他、サンリナール(1989年)が駿蹄賞、東海ダービー、岐阜王冠賞を、マックスブレイン(1991年)が東海ダービー、岐阜王冠賞、岐阜金賞をそれぞれ制している。

兵庫三冠

兵庫県園田競馬場姫路競馬場)のサラブレッド系3歳馬による三冠競走。2000年成立。2000年のみ兵庫チャンピオンシップの代わりに六甲盃であったが、兵庫チャンピオンシップも行われたので事実上の四冠競走であった。

達成馬は2001年のロードバクシン1頭。

高知三冠

高知競馬場のサラブレッド系3歳馬による三冠競走。1997年成立。

達成馬はカイヨウジパング(1998年)、オオギリセイコー(2000年)、グランシング(2009年)の3頭。

九州三冠

九州地区のサラブレッド系3歳馬による三冠競走。2001年成立。

達成馬は2002年のカシノオウサマ1頭。

現在、使われなくなった三冠

3歳ダート三冠

1999年、7月中旬に統一GIジャパンダートダービーが新設され、それに伴いスーパーダートダービーは南関東のローカル重賞に格下げされ、名称もスーパーチャンピオンシップとなった。現在はユニコーンステークスも3冠の1つ目ではなく、ジャパンダートダービーのステップ競走となっている。現在この「3歳ダート三冠」という総称は使われておらず、2005年にカネヒキリがユニコーンステークス、ジャパンダートダービー、ダービーグランプリを全て制したが、三冠馬と呼ばれることは少ない。

短距離三冠

グレード制が導入された1984年から導入。同年にハッピープログレスが達成。スプリンターズステークスの開催時期変更にともない廃止。

小倉三冠

呼称のみであり、達成ボーナスなどは制定されていない。アトラス(北九州記念1967年、小倉大賞典1968年、小倉記念1969年)、ロッコーイチ(北九州記念1974年、小倉記念・小倉大賞典1975年)、ミヤジマレンゴ(北九州記念・小倉記念1976年、小倉大賞典1978年)、メイショウカイドウ(小倉記念2004年2005年、小倉大賞典・北九州記念2005年)が達成した。

アトラスは小倉3歳ステークスも優勝しており、当時小倉競馬場で行われていた重賞を全て優勝している。また、メイショウカイドウは2005年に同一年制覇を成し遂げている。中央競馬の場内放送でも、小倉競馬場で誘導馬となったメイショウカイドウが登場した際に「小倉三冠馬」と紹介した。

2006年、北九州記念の距離がこれまでの1800mから1200mに大きく短縮されたことにより、「小倉三冠」の呼称は使われなくなった。

北海道アラブ三冠

  • 北海盃
  • 帝冠賞
  • アラブ優駿

ホッカイドウ競馬アラブ系3歳馬による三冠競走。1980年成立。1996年廃止。

達成馬はバンガードライデン(せん馬 1983年)、ミヤコスイセイ(1994年)の2頭。

岩手アラブ三冠

  • ビクトリーカップ
  • 北日本アラブ優駿
  • 日高賞

岩手競馬アラブ系3歳馬による三冠競走。一般的には殆ど三冠と称されることはない。1984年成立。1999年廃止。

達成馬はテットテンプー(1984年)、ワダリンホー(1985年)、ジョセツローゼン(1995年)、の3頭。

上山三冠

  • さつき賞(旧レース名:上山王冠賞→日本海賞)
  • こまくさ賞(上山ダービー)※ダービーだが定量戦ではなく、賞金ハンデ戦だったため疑問の声も多かった。
  • すみれ賞(旧レース名:紅葉賞)

上山競馬サラブレッド系3歳馬による三冠競走。達成馬はいなかった。1992年成立。2002年廃止。岩手・山形・新潟持ち回りで開催されていた東北優駿については上山三冠に含まない。上山競馬が廃止された2003年はさつき賞・こまくさ賞だけ実施された。

上山アラブ三冠

  • スズラン賞(旧レース名:さくらんぼ賞)
  • ひまわり賞(旧レース名:上山アラブ王冠)
  • コスモス賞(旧レース名:菊花賞)

上山競馬のアラブ系3歳馬による三冠競走。達成馬はカウンターアタック(1994年)の1頭のみ。1978年成立。1997年廃止。上山競馬が廃止される前年2002年までに全廃された。

北関東三冠

北関東地区(宇都宮競馬場足利競馬場高崎競馬場)のサラブレッド系3歳馬による三冠競走。2000年成立。2004年廃止。

達成馬はフジエスミリオーネ(宇都宮)1頭。

1999年までは栃木県(宇都宮、足利)と群馬県(高崎)は別立てで

  • 栃木 - しもつけ皐月賞、とちぎダービー、しもつけ菊花賞
  • 高崎 - 高崎皐月賞、高崎ダービー、北関東菊花賞

と、独自の三冠路線を行っていた。統一以前には栃木でサラノオー1981年)、カネユタカオー1991年)、ベラミロード(牝馬 1999年)の3頭が達成した。

北関東アラブ三冠

北関東地区(宇都宮競馬場足利競馬場高崎競馬場)のアラブ系3歳馬による三冠競走。かつては 重賞競走として高崎競馬場でアラブ4歳チャンピオン、足利競馬場で朝顔賞も行われていたが1993年で廃止され三冠が成立。だが、三冠と称されることはなく、三冠馬も皆無。1998年から華厳賞が格下げされたため成立した期間は僅かだった。1995年成立。1997年廃止。

南関東アラブ三冠

南関東公営競馬アラブ系3歳馬による三冠競走。1956年成立。サラブレッド牡馬の南関東三冠と同様、全て大井競馬場で開催される競走であった。

南関東地区所属のアラブ系競走馬の減少に伴い、1993年に千鳥賞、アラブ王冠賞が廃止。ここに三冠としての競走体系が消滅した。1996年には大井競馬場のアラブ系単独の競走そのものが廃止となり、この年をもって残るアラブダービーも廃止となった。

達成馬はタカラガワ(1960年)、セカンドホーリ(1969年)、ホクトライデン1975年)、ガバナースカレー(牝馬 1978年)、ケイワイホマレ(1982年)、ゴールデンビクター(1985年)、タイヨウペガサス(1986年)、オタルホーマー(1988年)、トチノミネフジ1993年)の8頭が達成した。

東海アラブ三冠

名古屋競馬場笠松競馬場アラブ系3歳馬による三冠競走。1995年成立。2003年廃止。東海地区の三冠定義、ローカルグレードについては上記の東海三冠を参照。1994年までは笠松競馬場で岐阜銀賞が行われていた。達成馬はいないが、参考までに1994年以前、上記3つを制した馬としてはカヅミネオン(1989年)、スズノキャスター(1991年)の2頭。

兵庫アラブ三冠

兵庫県(園田競馬場、姫路競馬場)のアラブ系3歳馬による三冠競走は1999年まで菊水賞楠賞全日本アラブ優駿六甲盃、2000年から2001年までフクパーク記念楠賞全日本アラブ優駿姫山菊花賞の3競走で行われたが、2001年廃止。菊水賞はサラブレッドの三冠競走に転換されている。

達成馬はアサヒマロット(1970年)、ケイエスヨシゼン(1996年)の2頭。

福山三冠

福山競馬場のアラブ系3歳馬による三冠競走。1974年成立。

福山での本格的なサラブレッド系競走馬の導入、またアラブ系競走馬の減少もあり、2007年に福山ダービーと鞆の浦賞がサラ系競走へ転換されたために三冠としての競走体系が消滅、残されたアラブ王冠も2008年にレース名を福山王冠と改めた上でサラ系競走へ転換された。

達成馬はテルステイツ(1980年)、ウインホープ(1981年)、マグニカチドキ(1983年)、サワトヨキング(1984年)、ローゼンホーマ(1986年)、ハイセンプー(1991年)、ユノワンサイド(2001年)の7頭。

高知アラブ三冠

高知競馬場のアラブ系3歳馬による三冠競走。1997年成立。2004年廃止。達成馬無し。

ヨーロッパ

イギリスクラシック三冠

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イギリス牝馬クラシック三冠

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イギリス長距離三冠

達成馬はIsonomy1879年)、Alycidon1949年)、Souepi(1953年)、Le Moss(1979年1980年)、Longboat(1986年)、Double Trigger(1995年)。

古馬による三冠競走である。この3競走はどれも200年近い歴史を持ち、古くは非常に重要で価値の高い競走だった。しかし長距離戦の権威低下にともない、長距離三冠の威光は著しく低下、グッドウッドカップとドンカスターカップはともにG2である。

イギリスBHBサマー三冠

英国競馬公社(BHB)の主催で施行されていた、夏季に行われる主要競走で形成された三冠体系である。

一冠目はコロネーションカップ・オークス・ダービー・プリンスオブウェールズステークスのいずれかを勝てば良い。達成馬には100万ポンドが支払われる。

参考として、2003年の制定前のコロネーションカップを一冠目とした達成馬はBallymoss(1958年)、Royal Palace(1968年)、Opera House1993年)。
ダービー(エプソムダービー)を一冠目とした達成馬はTulyar1952年)、Mill Reef1971年)、Nashwan1989年)。
プリンスオブウェールズステークスを一冠目とした達成馬はRoyal Palace(1968年)、Brigadier Gerard1972年)、Ela-Mana-Mou(1980年)、Mtoto(1988年)。
オークスからの達成馬は無し。

さらにイギリスBHBサマー三冠の達成馬が同年インターナショナルステークスに優勝するとBHBグランドスラムとなり、ボーナス500万ポンドが支払われる。

2003年の制定後の達成馬は無く、現在は廃止されている。

アイルランドクラシック三冠

達成馬はMuseum(1935年)、Windsor Slipper(1942年)。1983年にセントレジャーが4歳以上の古馬にも開放され、現在はほとんど機能していない。

アイルランド牝馬クラシック三冠

現在はほとんど機能していない。1926年の制定以来、達成馬なし。

フランスクラシック三冠

達成馬はZut(1879年)、Perth(1899年)。

1979年にロワイヤルオーク賞が4歳以上の古馬にも開放され、現在この三冠の意義はないに等しい。

フランスパリ三冠

達成馬はStuart(1888年)、Ajax1904年)、Hotweed(1929年)、Mieuxce(1936年)、Clairvoyant(1937年)、Le Pacha(1941年)、Charlottesville(1960年)。

2005年にリュパン賞が廃止され、この体系は消滅した。

フランス新三冠(便宜上の定義)

2005年にリュパン賞が廃止された事に伴い、ジョッケクルブ賞が2400mから2100mへと距離短縮、かつて3000mから2000mに距離短縮されたパリ大賞典が2400mで施行される事になった。その結果、この3競走が現状、フランスの新しい3歳三冠競走となったと言える。

フランス牝馬クラシック三冠

達成馬はSemendria(1900年)、La Camargo(1901年)、Pearl Cap(1931年)、Nikellora(1945年)、Corteira(1948年)、Allez France1973年)、Zarkava2008年)。

なお、ヴェルメイユ賞は2004年から4歳牝馬に、2006年からは5歳以上の牝馬にも開放された。

ヨーロッパ三冠

達成馬はMill Reef1971年)、Lammtarra1995年)の2頭。

なお「ヨーロッパ三冠」という言葉は、便宜上日本人が命名しただけであり、当地に「ヨーロッパ三冠」という概念自体存在しない。

ヨーロッパオークス三冠

英愛オークス三冠とも。達成馬はFair Salinia1978年)、Diminuendo1988年)、User Friendly1992年)、Ramruma1999年)、Alexandrova2006年)の5頭。

ヨーロッパ3歳牡馬マイル三冠

一冠目は2000ギニープール・デッセ・デ・プーランのいずれかを勝てばよい。達成馬はRock of Gibraltar2002年)、Henrythenavigator2008年)の2頭。いずれも2000ギニーを勝利して3冠を達成している。

ヨーロッパ3歳牝馬マイル三冠

一冠目は1000ギニープール・デッセ・デ・プーリッシュのいずれかを勝てばよい。達成馬はAttraction2004年)1頭で1000ギニーを勝利して3冠を達成している。

イタリア三冠

達成馬はNiccolo dell'Arca(1941年)、Gladiolo(1946年)、Botticelli(1954年)。

セントレジャーイタリアーノが準重賞に降格し三冠も廃止。

ドイツ三冠

達成馬はKönigsstuhl(1979年)。現在ではドイチェスセントレジャー(2005年にG3降格、2007年に古馬開放)に出走する有力馬が少なく、ほとんど機能していない。

その他のヨーロッパ諸国

ヨーロッパ諸国には必ずと言っていいほど三冠競走が設定されているが、イタリアでは1996年に、スペインでは1997年に廃止された。

北アメリカ

アメリカ三冠

達成馬はSir Barton1919年)、Gallant Fox1930年)、Omaha1935年)、War Admiral1937年)、Whirlaway1941年)、Count Fleet1943年)、Assault1946年)、Citation1948年)、Secretariat1973年)、Seattle Slew1977年)、Affirmed1978年)の11頭である。

米国三冠の最大の特徴は、ケンタッキーダービーからプリークネスステークスまで中一週、プリークネスステークスからベルモントステークスまで中二週と、わずか5週間で終わってしまうキャンペーンの短さにある。短期間に3競走を使うことによるコンディション維持の難しさから、勢いで二冠を達成する馬は比較的多いものの、三冠まで届くのは困難を極め、二冠を達成できなかったケンタッキーダービー優勝馬がベルモントステークスを回避することも少なくない。

近年も二冠を達成して三冠に挑戦する馬は多いが、ことごとく失敗し、1978年以降アメリカ三冠馬は誕生していない。イギリスのクラシック三冠馬も近年は誕生していないが、イギリスのクラシックは三冠体系自体が形骸化しているのに対して、アメリカ三冠はそのようなことはなく、常に有力馬が顔をそろえている。

もっとも歴史の古いレースはベルモントステークスだが、一番権威と格があるのはケンタッキーダービーである。血統やレース内容にもよるが、ケンタッキーダービーを勝ちさえすれば種牡馬の価値を上がり、古馬になる前に種牡馬入りするケンタッキーダービー馬も多い。近年ではフサイチペガサスが1番人気で同競走を勝利し、G1勝利はこれだけであったにもかかわらず6000万-7000万ドル(約64-74億円)という世界最高額で売却されたという例からも、その価値の高さが窺える。また、ケンタッキーダービーほどではないが、そのほかプリークネスステークス・ベルモントステークスを勝っても種牡馬としての価値は格段に上昇する。このような現状のおかげで、数多くあるアメリカG1競走の中でも、これらの三冠競走の価値が下がることはなく、現在も有力馬を多く集めることができている。

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ニューヨーク牝馬三冠

牡馬三冠の「トリプルクラウン」に因み、こちらはトリプルティアラ(GiBupC <a href="http://gpsnqwvzbsbg.com/">gpsnqwvzbsbg</a>, [url=http://dbtauaohikgv.com/]dbtauaohikgv[/url], [link=http://fasownhcrtod.com/]fasownhcrtod[/link], http://npemhjdofvfv.com/)とも呼ばれる。すべてニューヨーク州競馬場で施行される競走であるため「ニューヨーク牝馬三冠」と呼ばれるが、同国を代表する牝馬三冠戦として「アメリカ牝馬三冠」の呼称が使われる場合もある。

達成馬はDark Mirage(1968年)、Shuvee(1969年)、Chris Evert1974年)、Ruffian1975年)、Davona Dale1979年)、Mom's Command(1985年)、Open Mind(1989年)、Sky Beauty(1993年)の8頭。

2002年までは全てベルモントパーク競馬場で施行されるエイコーンステークス、マザーグースステークス、CCAオークスの3レースで構成されており、上記の三冠達成は全てこの期間になされたものである。

2003年に主催元であるニューヨーク競馬協会によって三冠体系が改定され、エイコーンステークスの代わりにサラトガ競馬場アラバマステークスが新たに加わり、マザーグースステークスを第1戦、コーチングクラブアメリカンオークスを第2戦、アラバマステークスで第3戦と制定されていた。当時達成馬には200万ドルのボーナスが用意されていたが、改定後に達成した馬はなく、後の2005年にボーナスは打ち切られ、2007年からはレース構成も2002年までのものに戻された。期間外に上記の3競走すべてに優勝した馬は、Shuvee1969年)、Mom's Command1985年)、Open Mind(1989年)、Sky Beauty1993年)がいる。

2010年からは、マザーグースステークスが外れてアラバマステークスが再度三冠に復帰し、CCAオークスの開催もサラトガ競馬場に移行した。

中部アメリカ三冠

中部地区の3歳戦3競走による三冠戦。しかし権威の低下に伴い、現在G1競走となっているのはセクレタリアトステークスのみである。達成馬はHonor Glide(1997年)。

ニューヨークハンデ三冠

ニューヨーク州で行われる古馬競走の、主要なハンデキャップ戦3競走による三冠戦。現在は意義が薄れ、サバーバン・ブルックリンの2競走はG2へと格下げされている。達成馬はWhisk Broom1913年)、Tom Fool1953年)、Kelso1961年)、Fit to Fight1984年)。

カナダ三冠

1959年に創設された、カナダ産馬による3歳馬限定の三冠戦。産地限定戦のため、いずれも格付けは持たない。

達成馬はニュープロヴィデンス(1959年)、ケンボラ(1963年)、ウィズアプルーヴァル1989年)、イズヴェスティア1990年)、ダンススマートリー(牝馬、1991年)、ペテスキー(1993年)、ワンド(2003年)。制定前の3競走制覇馬はクイーンズウェイ(牝馬、1932年)、アーチワース(1939年)、オトモスト(1946年)、エースマリン(1955年)、カナディアンチャンプ(1956年)。

カナダ牝馬三冠

カナダ産馬による3歳牝馬限定の三冠戦。牡馬のものと同じく、格付けは持たない。達成馬はSealy Hill(2007年)。

トロッター三冠

英語版:Triple Crown of Harness Racing for Trottersを参照。

トロッターの三冠。スタンダードブレッドによって行われる。繋駕速歩競走の項を参照。

達成馬はScott Frost(1955年)、Speedy Scot(1963年)、Ayres(1964年)、Nevele Pride(1968年)、Lindy's Pride(1969年)、Super Bowl(1972年)、Windsong's Legacy(2004年)、Glidemaster(2006年)。

ペーサー三冠

英語版:Triple Crown of Harness Racing for Pacersを参照。

ペーサーの三冠。スタンダードブレッドによって行われる。繋駕速歩競走の項を参照。

達成馬はAdios Butler(1959年)、Bret Hanover(1965年)、Romeo Hanover(1966年)、Rum Customer(1968年)、Most Happy Fella(1970年)、Niatross(1980年)、Ralph Hanover(1983年)、Western Dreamer(1997年)、Blissful Hall(1999年)、No Pan Intended(2003年) 。

南アメリカ

アルゼンチン三冠

達成馬はPippermint(1902年)、Old Man(1904年)、Melgarejo(1906年)、Chopp(1908年)、Botafogo(1917年)、Rico(1922年)、Mineral(1931年)、Silfo(1934年)、Sorteado(1938年)、Embrujo(1939年)、Yatasto(1951年)、Tatan(1955年)、Manantial(1958年)、Gobernado(1964年)、Forli(1966年)、Telescopico(1978年)、El Serrano(1986年)、Refinado Tom(1996年)

アルゼンチン四冠については四冠馬参照。

アジア

香港三冠

達成馬はRiver Verdon(翠河 1994年)。

香港短距離三冠

1993/1994年の制定から1998/1999年まではハッピーヴァレートロフィー(跑馬地錦標)、センテナリーカップ(百週年紀念盃)、チェアマンズプライズ(主席獎)が香港短距離三冠とされており、当時は年を跨いで行われる形になっていた。2000年から2005年まではボーヒニアスプリントトロフィー(洋紫荊短途錦標)、センテナリースプリントカップ(2001年にセンテナリーカップから改称)、チェアマンズスプリントプライズ(2001年にチェアマンズプライズから改称)の3競走。

達成馬はMr. Vitality(活力先生 1995/1996年)、Grand Delight(喜勁寶 2003年)、Silent Witness(精英大師 2004年・2005年)。2006年に現在の3競走に改定されてからの達成馬はなし。

韓国三冠

達成馬は、J.S.Hold(2007年)。 2007年の一冠目はトゥクソム杯(GiBupC <a href="http://gpsnqwvzbsbg.com/">gpsnqwvzbsbg</a>, [url=http://dbtauaohikgv.com/]dbtauaohikgv[/url], [link=http://fasownhcrtod.com/]fasownhcrtod[/link], http://npemhjdofvfv.com/)だったが、2008年に馬齢条件をKRAカップマイル(GiBupC <a href="http://gpsnqwvzbsbg.com/">gpsnqwvzbsbg</a>, [url=http://dbtauaohikgv.com/]dbtauaohikgv[/url], [link=http://fasownhcrtod.com/]fasownhcrtod[/link], http://npemhjdofvfv.com/)と入れ替えた。

ドバイ三冠

達成馬はAsiatic Boy(2007年)。

ドバイ牝馬三冠

2003年を最後にムーンシェルマイルが廃止されたことにより消滅。達成馬なし。

トルコ三冠

達成馬はSadettin(1970年)、Karayel(1973年)、Seren(1983年)、Uğurtay(1985年)、Hafız 2nd(1986年)、Bold Pilot 2nd(1996年)、Grand Ekinoks(2001年)。

インド三冠

シンガポール三冠

この他、各競馬場主催者による三冠競走がいくつか存在する。

オセアニア

シドニー2歳三冠

達成馬はBaguette(1970年)、Luskin Star(1977年)、Tierce(1991年)、Burst(牝馬 1992年)、Dance Hero(2004年)。

シドニー秋三冠

達成馬はMoorland (1943/44)、Martello Towers (1959/60)、Imagele (1973/74)、Octagonal (1995/96)

ニュージーランド三冠

達成馬なし。

南アフリカ

南アフリカ三冠

当初はケープアーガスギニーズの代わりに南アフリカセントレジャー。1999年以前はデイリーニューズ2200の代わりにサウスアフリカンダービー

達成馬はNagaina Hall(1955年)、Horse Chestnut(1999年)。

ゴールデンマイル三冠

1980年にベノニギニーズが1800mに延長され、マイルではなくなったことから事実上廃止。

達成馬はHawaii(1968年)、Empress Club(1992年)。

関連項目

脚注

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