ロードレース (自転車競技)

出典: Wikipedio


自転車競技におけるロードレース (road race) とは、主に舗装された道路をロードバイクで走り、ゴールの順番や所要時間を争う競技。走る距離は最低でも数十km、長いレースでは1日で200km以上走る場合も多い。どのレースでも個々の成績を争うため、基本的には個人競技であるが、上級カテゴリーのレースでは、複数人のメンバーが役割を分担して、チームが定めた目標達成のために走るため、ほとんどの場合、団体競技の様相を呈するのが特徴である。

日本では馴染みが薄いが、ヨーロッパではサッカーに次ぐ人気競技であり、世界的に見ても絶大な人気を誇るスポーツである。

目次

概要

個人戦と集団戦

ロードレースの最も単純な形態はワンデイレース(1日で終了するレース)で、「個人」が、「ゴールの順番を競う」というものであり、これはアマチュアレースや小規模なレースでよく見られる形態である。しかし、プロのレースや、アマチュアのレースの中でも大規模なものでは、ワンデーレースだけでなくステージレース(複数日行われるレース)も加わり、「チーム」が「メンバーの誰かを勝たせるために走る」ことが多い。

広告媒体としての走り

たとえ勝利につながらなくても、序盤から積極的に先頭を走るなど印象深い走りを見せた選手には「敢闘賞」が与えられる。また、メディアへの露出が多い有名なレースで見せ場を作ることは、チームにとってもスポンサーの宣伝になるため、タイトルに絡まない選手やチームであっても、時に有力な選手やチーム以上の走りを見せる場合がある。

頭脳戦

大きなレースでは上記に挙げた敢闘賞だけでなく様々な賞が設定されているため全ての選手が優勝目指して走るのではなく、個人やチーム単位でいくつかの戦略目標<ref>例えばAは山岳賞を獲りにいく。そのためにチームメイトのBとCが中心となってサポートする。またDは普段はAのサポートを務めるが、別チームのエースでAのライバルと見られているEが抜け出した場合は、それについて行き、余計なポイントを与えないようにする、など</ref>を設定し、それに向かって各自が最善を尽くすことになる。結果として、グランツールをはじめとする大きなステージレースでは個々の選手の思惑や意地、チーム単位での戦略が絡み合い、更に刻々と変わる気象条件や落車、選手の微妙なコンディションの差異などの偶発的要素もそれらの戦略目標に大きな影響を与える為、極めて複雑な頭脳戦の様相を呈する。

レースの種類

ワンデイレース

  • 1日で勝負を決するレース。
  • なかでも特に伝統のあるものは“クラシック”と呼ばれ、最狭義では5つの記念碑的なレースを総称したモニュメント(対象レース下記参照)のことを指すが、現在では概ね、UCIワールドカレンダー対象レースとなっているレースのことをクラシックと呼ぶ傾向にある。また、UCIコンチネンタルサーキット1.HCにランクされるレースのことを、クラシックに次ぐ格付けのレースという意味合いから、セミクラシックと呼ぶことがある。なお、世界選手権は、チャンピオンシップ(選手権大会)という位置づけであり、クラシック等の言い方はしない。
  • 相対的に見て、ワンデイレースの中で一番栄誉あるレース(一番勝ちたいレース)は世界選手権と言われ、モニュメントを中心としたクラシックがそれに続き、各国で開催される国内選手権もクラシックと同格の存在と考える選手が少なくない<ref>世界選手権優勝者はアルカンシエルを、各国選手権優勝者にはその国のナショナルカラーをあしらったジャージを各レース優勝後1年間、下記に挙げるチャンピオンシップレース以外のレースに着用して出場できるという特典があるため</ref>。また欧州以外の地域では、各大陸選手権のステータスも相対的に高い<ref>欧州以外の地域の国籍選手は、各大陸選手権で優勝しないと世界選手権に参加できないケースがあるため</ref>。
  • 一方、夏季オリンピックもチャンピオンシップのカテゴリーの中に含まれるが、1年毎が勝負となるプロチーム契約選手にとって、4年に1回しか開催されないシステムそのものがそぐわない意味合いがあることや、開催時期がツール・ド・フランスのすぐ後に来ることが多いため、選手の調整が難しいこともあり、男子ロードレース界においては、五輪の成績はあまり重視されていない傾向にあると考えられる<ref>但し、1996年アトランタオリンピック以降、プロアマオープンレースとなったことから、ワンデイレースを得意とする選手の中には、世界選手権と同格の栄誉があると考えている選手も出てきている</ref><ref>アマチュア選手だけしか参加できなかった1992年のバルセロナオリンピックまでは、結果的に、『オリンピックの自転車ロードレース金メダリストは、プロになってから大成しない。』というジンクスがあった。</ref>。

主なレース

選手権大会(チャンピオンシップ)
UCIワールドカレンダー対象レース
太字はモニュメントと呼ばれるレース。
(UPT)はUCIプロツアー、(HIS)はヒストリカルレース
UCIコンチネンタルサーキット 1.HC カテゴリ対象レース
UCIコンチネンタルサーキット カテゴリー(1.1もしくは1.2)対象レース

その他多数。

廃止等で行なわれなくなった主なレース

ステージレース

  • 複数日にわたってレースを行い、各日ごとにゴールまでの順番を争うほか、最終的な所要時間、山岳賞、ポイント賞など複数の分野で総合成績を競う。
  • ステージレースの最高峰として位置づけられるレースは総称してグランツール(対象レースは下記参照)と呼ばれる。グランツールは概ね3週間程度の期間に亘って開催される。この他、ステージレースとしては主流をなす、1週間前後で終了するものや、数日間程度のミニレースも含まれ、要は1日では勝負が決しないレースを総称して呼ばれる。
  • UCIプロツアー以外のステージレースでは1日1レースとは限らず、ハーフステージと呼ばれる形式で1日の中で2レースが行われることもある。タイムトライアルステージがある時にこの形式を採用する<ref>ツール・ド・フランスでも、1982年までは、一部のステージにおいて、ハーフステージの形式を取っていた。</ref>ことが多く、この場合は主に「第□ステージa」、「第□ステージb」(□は同一の数字)などと表記される。

様々なステージ

ステージレースでは、一般的なマスドスタート以外にもタイムトライアルのステージが設定されることがある。

マスドスタート
最も一般的なステージ。参加競技者全員が一斉にスタートし、最初にゴールした者が勝者となる。
場合によっては選手が一斉にスタートする地点(セレモニースタート)と競技開始地点(アクチュアルスタート)が異なる場合がある。この区間はパレードランと呼ばれ、審判車の先導の元ゆっくりと移動する。
個人タイムトライアル
一人ずつスタートし、走破タイムを競う。他の競技者の直後を走るドラフティング走行は認められない。グランツールでは「プロローグ」と称して初日に数キロのごく短い個人タイムトライアルを行うこともある。マスドスタートの山岳ステージとともに、個人総合優勝の行方を大きく左右するステージとなる。
チームタイムトライアル
チーム単位でスタートし、規定の人数(例えば2009年のジロ・デ・イタリアやツール・ド・フランスでは先着5名とされた。他に4人目とするルールもある)がコースを走りきったタイムを競う。初日に行われた場合は最も短い走破タイムを出したチームのうち、最初にゴールラインを切った選手が翌日のリーダージャージを着用する。

ステージレースの表彰対象

ステージレースでは「時に個人、時にチーム」で、「その日のゴールの着順」「最終的な所要時間など各種の総合成績」などいくつかの目的のために走ることになる。例えば最も有名なステージレースである「ツール・ド・フランス」では、勝利を争う主体は「個人」及び「集団(チーム)」であり、争われるのは「ステージごとの着順」と「最終的な走破時間」及び「最終的な獲得ポイント」であり、

  • 個人総合優勝(レース全体を通しての走破タイムで争われる)
  • ステージ優勝(ステージごとの着順で争われる)
  • チーム総合優勝(ステージごとに先着3人のタイムが積算されていき、そのタイムで争われる。総合上位3人の合計タイムではない)
  • ポイント賞(レース全体を通してのスプリントポイント獲得数で争われる)
  • 山岳賞(レース全体を通しての山岳ポイントの獲得数で争われる)
  • 新人賞(開催年に25歳以下の誕生日を迎える選手限定でレース全体を通しての走破タイムで争われる。ジロとツールのみで、こちらは逆に下記のコンビネーション賞がない)
  • コンビネーション賞(ブエルタのみで新人賞の代わりにある。個人総合順位、ポイント賞順位、山岳賞順位それぞれの順位合計が少ない人<ref>たとえば総合4位、ポイント賞15位、山岳賞2位なら21ポイント。またポイント賞か山岳賞どちらかがノーポイントの場合コンビネーション賞を得る権利が無くなる</ref>が獲得する)
という六つの賞をめぐる争いが展開される。

主なレース

UCIワールドカレンダー対象レース
太字はグランツール
UCIコンチネンタルサーキット 2.HC カテゴリ対象レース
UCIコンチネンタルサーキット カテゴリー(2.1または2.2)対象レース

その他多数。

廃止等で行なわれなくなった主なレース

シリーズ

ワンデー、ステージ各レースをひとつのシリーズとしているもの。各レース成績優秀者にポイントを付与し、そのシリーズ全レースが終了後に付与されたポイント最上位の選手が優勝となる。

主なシリーズ

女子レース

女子については、世界選手権、夏季オリンピックの権威が強く、ワンデイレースの年間シリーズ戦である、UCI女子ロードワールドカップがそれに続く形となっている。一方、グランド・ブークルや、ジロ・デ・イタリア (女子)といったステージレースが存在するものの、選手一人一人の力量差が大きすぎ、シリーズ通じて盛り上がりに欠けることから、スポンサーがつきにくいのが現状。したがって、国際自転車競技連合の相対評価も低い。

競技方法

ロードレースの競技規則は国際自転車競技連合 (UCI) によって決められているが、ステージレースにおけるステージの構成やポイントの配分、レースの距離などは、レースの主催者が決定している。

マスドスタート(マスドレース)

全選手が一斉にスタートし、ゴールの順番や所要時間を競う。通常行われるレース形式であり、「ロードレース」と言うとこの競技方法を指している場合もある。

チームタイムトライアル(チームTT)

一定時間毎にチームの全員が出走し、チームごとのゴールタイムを競う。通常は4人目のゴール到達時のタイムが記録になる。

個人タイムトライアル(個人TT)

一定時間毎に選手が個別に出走し、ゴールタイムを競う。

機材

ロードバイク
チームは契約したメーカーから供給されたロードレース用の自転車を使用する。フレームの素材は、かつては鉄(クロモリ)が一般的だったが、現在はカーボンが主流となっているほか、アルミニウムや少数ではあるがチタンマグネシウムなどを使用したものもある。なおプロレースで使用されるものについては、機材の軽量化(エディ・メルクスがこれに拘った事で知られる)における過度の競争を防ぐために、UCIによって、合計重量が6.8kgを下回ってはならないと規定されている。

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サイクルウェア
外気からの保護、汗の吸収などを目的として専用のウェアを着用する。上半身に着用するウェアは、前傾姿勢でも背中が露出しないよう、背中側の裾が長めになっている。下半身には股間部分にパッドが縫いこまれたレーシングパンツを着用する。またタイムトライアルでは空気抵抗を減らすために、全身を覆うスキンスーツ(ワンピースジャージ。半袖シャツとパンツが一体になったカバーオールスタイル)を着用することもある。
この他、手のひらを保護するためにグローブをつけるほか、気温や天候の変化に応じてアームウォーマー、レッグウォーマー、シューズカバーなどを身に付けて体温を保持する。
なお、プロチームの場合、こうしたウェア類にはいずれもスポンサーやメーカーの名前やロゴが大きくプリントされており、選手はこれを身に付けることによって所属を明らかにすると共に、動く広告塔としての役割も果たしている。そのためゴール時にはジャージの前ファスナーをしっかりと閉める事が鉄則となっている。
ヘルメット
頭部には事故時の衝撃緩和のために発泡スチロールにプラスチックや樹脂などの素材をかぶせたヘルメットを着用する。通常のヘルメットは通気性を確保するために、強度を失わない範囲で通風孔が開けてある。タイムトライアルで使うヘルメットは空気抵抗を減らすため、穴は開いておらず、前傾姿勢を取った時に背中と一線になる流線型をしている。
なお、かつて(2003年頃まで)はヘルメット着用は任意であり、ゴールスプリント直前に被るだけのことも多かった。
シューズ
力を効率良くペダルに伝えるため、スキー競技の様な「ビンディング」と呼ばれる機構を用いてシューズをペダルに固定する。競技用に特化しているため歩行は前提にしていない。そのためソールはカーボン製か硬いプラスチックで、裏には「クリート」と呼ばれる樹脂製あるいは金属製の止め具を固定するためのネジ穴が開いている。
かつてはビンディングではなくトゥクリップと呼ばれる部品で靴のつま先を固定し、更にトゥストラップで靴をペダルに縛り付けていた。靴の底にはシュープレートと呼ばれる凹部を持った小さな板が2本のビスで装着されており、ペダル上面の凸部に噛み合わせて靴とペダルの位置関係を厳密にきめていた。
その他
視界の確保などを目的として競技用にデザインされたアイウェアを着用したり、プロチームでは監督と選手が、連絡を取る為に無線機を使用する。また最近はロードバイクの軽量化が著しく、多少のオプション機器をつけても、重量面で不利になることがなくなっているため、心拍計や現在自分が出している力を測定、表示する「パワーメーター」を装備することが多い(心拍計と一体型のものが多い)。ガーミンがスポンサーを勤めるガーミン・チポートレは2008年のツール・ド・フランスで、心拍計やパワーメーターの他、GPSを利用して、画面上の地図に現在位置や標高などを表示する高機能デバイスを使用し、話題になった。

競技の特徴

エースとアシスト

各チームにはエースアシストという役割分担が存在する。

エース
エースはレースごとに設定され、最終的にレースでのステージ勝利や総合優勝などを獲得することが役割である。通常はチームで最も強い選手が務めるが、場合によっては、同等の力を持つ選手をもう一人エースに据えて状況に応じてどちらかが勝利を狙う「ダブルエース」体制になることもある<ref>特にスプリンターと総合優勝争いの選手を同時に起用しているチームでは顕著。平地ではスプリンターのために他がアシストになり、総合勢は集団ゴールするだけで何も行わない。山岳ではスプリンターは序盤で総合勢をアシストし山岳に入るまでが仕事で残りはグルペットに入り一日を終えるが、総合勢は勝負を仕掛けタイムを稼いでいく。</ref>。
なお、各チームは本拠地や所属選手によって重視するレースを決めており(自国や地元のレースは当然重視するほか、所属選手の脚質によっても狙うレースは異なってくる)、参加する全てのレースで勝利を目指すわけではない。そのため小さなレースやあまり重視しないレースでは、普段アシスト役の選手がエースを務めることがある。
アシスト
アシストはエースを勝たせるために風よけ、補給食や飲み物の運搬、他チームの牽制などを行う。エースがレース中に機材故障や落車などで集団から遅れた場合には、アシストが大挙して集団から下がり、チームTT状態で走る事によりエースを集団まで引き戻すこともある。アシストの存在はエースにとって不可欠であり、エースは基本的にアシストを伴って走っている。レースの展開の綾でエースが丸裸になってしまった場合、そのチームは非常に不利な状況に置かれることになるので、レースの最終局面を除きエースがアシスト抜きで走ることは少ない。
エースが獲得した賞金はアシストも含めて均等に分配されることが多いとされる(今中大介の2005年の発言)。
またレース中にエースにアクシデントがあった際には、アシストの中の最有力選手がエース役を引き継ぐ場合もある。このような選手の中には、エースに近い、あるいは同等の力を持っている者もおり、アシストの仕事を最小限に免除されていることもある。このような選手は「セカンド・エース」と呼ばれる。
非公式だがイタリア人アシストは「従者」を意味する「グレゴリオ」と呼ばれることもある。

先頭交代

ロードレースでは走行中の空気抵抗による体力の消耗が非常に大きいため、単独で走りきって勝利するのは困難である。そのため、必然的に集団を形成し、他の選手を風よけにして体力の消耗を減らすなど、選手間で協力することも多い。その際は、数人から十数人の選手が順番に先頭を交代しながら走り、他の選手の体力回復(心拍数やATP-CPエネルギーなど)を助けるという戦術が採られる。(スリップストリームも参照)
先頭交代は必ずしも同じチーム内で行われるとは限らない。例えば、大集団から抜け出した異なるチームの選手たちは逃げ切ってステージ優勝するため、あるいは各種ポイント賞争いを有利に運ぶために、ゴール直前までは交代で先頭を走るのが普通である。しかしこうした逃げ集団の中に個人総合優勝や新人賞に絡みそうな有力選手、またその選手と同じチームの選手が入っている場合、彼らは余計なタイム差がつかないように牽制するのが目的なので、先頭交代には参加せず体力を温存する。
また、逃げている集団を追いかけるために後続集団に残ってしまったチーム同士が協力して先頭交代をし、速度を上げて追い上げることもある。
ステージ優勝争いから総合成績争いまで、様々な思惑や戦略が絡むのが先頭交代である。

選手同士の駆け引き

先頭交代で述べたように、ライバル同士であっても、当面の目的が一致した場合は「呉越同舟」状態で協力し合うのが、ロードレースの最大の特徴である。しかし、競技の序~中盤にかけては、一致団結して走っていた選手たちも、終盤にさしかかるにつれ、各チームないし選手ごとの思惑の違いからさまざまな駆け引きが発生してくる(例えば、逃げ切り優勝を狙っている先頭集団なら、どこでアタックをかけて相手を出し抜くかで腹の探りあいが始まり、追撃する集団ではゴール前で競り合いになったときに有利な場所を確保するための位置取り合戦が起こるなど)。
このように、状況の変化に応じて生まれる選手同士の多様な駆け引きが、レースに強い緊張感を生み出し、それが魅力の一つとなっている。

補給

競技時間が3~7時間と非常に長時間にわたるため、水分や栄養を補給しないままだと脱水症状やエネルギー切れの状態になって競技が続行できなくなる危険が非常に高い。<ref>ふじいのりあきの計算によると、ランス・アームストロングの巡航時の平均出力370ワットをエネルギー効率25%と仮定するならば、4時間の競技で基礎代謝を含め7490カロリーを消費するとされる(ふじい2008年、115ページ)。</ref>そのため選手たちはロードバイクのフレームにボトルホルダーを取り付けて水や各種飲料を入れたボトルを携帯したり、レーシングウェアの背中に付けられたポケットにおにぎりやパン、菓子、機能性食品などを入れておいて、走りながら適宜補給する。競技中に固形物を摂取するというのは、トライアスロンのアイアンマンなどごく一部を除くほかの競技には見られない、ロードレースの大きな特徴である。
プロレースでは、こうした補給用の飲料や食料は選手自身が携帯するほかに、レースで併走するサポートカーやあるいは補給エリアにスタンバイしたチームスタッフから随時供給され、レース中にはアシストの選手が大量のボトルを背中などに入れてチームメイトに配って回る姿がしばしば見られる。食品関係については「サコッシュ」と呼ばれる袋(肩掛け型が多い)に数種類を入れてサポートカーのルーフキャリアにぶら下げておき、そこから好きなものを選択するのが一般的である。

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なお、空になったボトルやサコッシュは道端に捨てられることが多いが、これは沿道で応援するファンへのプレゼントにもなっており、チーム側もこれを見越して、チームロゴやマークを入れた物を使用している(袋の作りや材質そのものは頑丈ではなく、縫製も非常にいい加減である)。

レースの展開

ロードレースには何種類かの典型的な展開がある。本節ではステージレースで最も頻繁に見られる展開の各段階を解説する。<ref>1日で勝負が決まるワンデーレース、特に路面状況と道幅の面で特徴を持つパリ~ルーベやツール・デ・フランドルでは、ステージレースとは全く異なるレース展開となることが多い。</ref>

スタート直後のアタック
マスドスタートのレースではスタート直後から何度もアタックがかかる。アタックは一人の選手が集団から飛び出して独走し、それに数名の選手が食い下がるという形が多い。アタックをかけるのは多くの場合、エース格の選手ではなく、アシスト役の選手である。しかし大半は集団に捕捉されて失敗し、再び別の選手がアタックする展開がしばらく繰り返される。特にレース自体が短く逃げが決まりにくいステージでは「0kmアタック」と言われるほどステージ開始直後にアタックがかかり続け、最序盤の平均時速が50km/hを越える場合もある。
逃げ集団とメイン集団の形成
スタート直後~序盤にアタックが成功すると、数名~十数名の逃げ集団が形成される。対するメイン集団は体力温存のためにペースを落とすため(場合によっては35km/hというプロ選手的にはゆっくりという状況まで落ちる)、この時点で逃げ集団とメイン集団の差はみるみる広がっていき、逃げ集団が独走しているように見える状態が中盤~後半手前まで続く。しかし実際には、メイン集団は残り距離などから確実に追いつけるだけのタイム差を計算し、決してそれを超えることが無いようにスピードをコントロールしており、現在のレースではほとんどの場合、逃げ集団はレースの終わり頃に追撃集団に吸収されてしまう。
そのため逃げる側もそれを前提として、逃げ切り優勝を狙うよりもメディアへの露出やスプリントポイント、山岳ポイント獲得が主な目標にしていることの方が多い。
ただし長丁場のステージレースで逃げ集団に参加している選手たちの総合順位などが低い場合(逃げ切り勝ちとなっても総合優勝や山岳賞など各賞争いに無関係な場合)、体力温存のために、そのまま逃げを許してしまうこともある。
また、山岳部では集団による空力のアドバンテージが薄れるため(ある程度の上りでは一流クライマーでも時速30km以下でしか走れないし、下りでは速度を上げすぎても危険なため、小集団と大集団の速度差が小さい)、厳しい山岳が続くステージでは総合優勝や山岳賞狙いの有力選手たちが乾坤一擲の大逃げに出ることもある。この場合は実力差による逃げ切り勝ちが発生する可能性も少なくない。
なお、ステージレースで総合優勝争い・その日のステージ優勝争いの両方とも無縁の選手(山岳ステージにおけるスプリンターや、逃げに失敗したアシスト選手等)は、翌日以降のレースに向けた体力温存のためにグルペットと呼ばれる集団を形成して後方に下がり、制限時間を越えない程度のスローペースでゴールに向かうことが多い。
メイン集団による逃げ集団の捕捉
レースも後半に入ったゴール前の数km~十数km地点でメイン集団はペースを一気に上げて、逃げ集団を捕まえにかかる。目安としては10km進むたびに1分ずつ差が詰まると計算して走っていく。しかし早い段階で逃げ集団を捕捉してしまうと、その直後のペースが落ちた隙をついて、メイン集団から第二、第三の逃げをしかけて優勝を狙おうとする選手がでてくるため、どの地点で逃げ集団を捕捉するのかも駆け引きの対象となる。
ゴール前の位置取り合戦
平坦ステージ、あるいはゴール手前が平坦・下り基調のステージの場合、エースにスプリンターを据えているチームはゴール直前での展開を有利にするために、ゴール前数km地点から集団の先頭付近で車列(トレイン)を形成して位置取り合戦をしつつ、追撃する。先頭集団が逃げ切ってしまうことが確実になった場合、あるいは山頂ゴールが設定されたステージでは位置取り合戦は発生しない。ここでの追撃は集団で走るとはいえ選手に負担が大きく、何人のアシストをどのような順番で使っていくかで、スプリンター系チーム内での駆け引きが渦巻く部分である。
ゴールスプリント
平坦ステージ、あるいはゴール手前が平坦・下り基調のステージの場合、ゴール前3~4km地点から集団は全力での巡航に入る。この状態で集団の速度は、トップレベルのカテゴリーのレースでは平地でさえ時速60km前後にも達する。ゴールまで1kmを切る辺りから発射台役のアシスト選手数名による全力走行(通常数百メートルしか保たない無酸素運動)が始まる。この状態は、数名の選手が縦に並んで走ることから俗にトレイン又は”列車”などと呼ばれる。
エースを務める選手はその最後尾について、アシストたちを風よけとしつつ(選手の癖、およびワンデーレースによってはトレイン無しでゴールスプリントする場合もある)、ゴール数百m手前で飛び出してお互いに体をぶつけ合いながらゴールを目指す。この時の速度は時速70kmから80kmに達するため、レースの中でも最も危険な瞬間でもあり、ゴール直後の選手たちは通常の精神状態ではないと言われる(チームのスタッフが突き飛ばされたりすることもある)。
逃げ切り
逃げが決まった場合はゴール前数km地点から逃げていた集団内で駆け引きが始まり、多くの場合はある選手が飛び出した瞬間に他の選手が牽制しあってお見合い状態になって勝負が付く。そうでない場合は逃げていた集団の選手たちによるゴールスプリントになって決着する。山頂ゴールの場合は、次々に先頭集団から選手が脱落していって、最後に残った選手がそのまま(結果的に逃げ切りの形で)ゴールに入る。

暗黙の了解

ロードレースには正々堂々と闘うための紳士協定として、選手間に暗黙の了解事項(不文律)が多数存在している。

先頭交代への参加
集団の先頭から十数番手までは集団落車に巻き込まれるリスクが少なく、またアタックをかけたりアタックに反応したりということも可能である。こうした集団内の好位置に居る選手は先頭交代に加わるのがマナーである。自分だけ先頭交代に加わらないで体力を温存するという作戦(「ツキイチ―着き位置」と呼ばれる)は、ルール上禁止されてはいないものの、仮にそれで好結果を出したとしても実力とは認められない。
また、ロードレースの最高レベルであるUCIプロツアーに参加するようなチームに所属する選手は、エースや有力アシスト選手でないかぎり、現役中に一度も表彰台に上れない方が普通であり、大半の選手はアシストとしての役割を期待されて雇われているため、わざわざ自分の評価を落とすような勝ち方をするのは、選手にとってもメリットがない。
逃げ集団内でポイントの強引な独り占めをしない
逃げが決まった場合、必然的に中間のスプリントポイントや山岳ポイントを先頭で通過する選手が発生するが、殆どの場合は集団内で「誰がポイントを取るか」の合意が成立している。こうした合意を拒否してポイントを奪う姿勢は歓迎されず、逃げ集団の崩壊を引き起こす例もある。<ref>2008年のジロ・デ・イタリア第2ステージでは、2人の逃げ集団の片方の選手が強引にポイントを独り占めしてしまった為、もう片方の選手が先頭交替を拒否し、逃げは早い段階で崩壊した。</ref>もちろん山岳、ポイント賞狙いの選手が2人以上逃げに入った場合には、その数名によるフェアな勝負で片方が勝ち続けるのは問題にはならない。
ステージレースで総合優勝や新人賞狙いの選手はステージ優勝を譲る
ステージレースにおいては、総合優勝及び新人賞争いに絡んでいる選手はゴールスプリント(ゴール直前での全力勝負)が発生した場合、これに加わらない。これは、同じ集団でゴールすれば同じタイムと見なされるため、ポイントではなく、タイムを競う総合成績と新人賞狙いの選手はトップの選手と同じ集団でゴールすればよく、最も落車の危険が大きいゴールスプリントを回避したほうが安全だからである。但しボーナスタイムを導入しているレースにおいて、山岳など小集団スプリントになった場合は、上位を狙うために総合狙いの選手もスプリントを行う事がある<ref>ブエルタ・ア・エスパーニャ2009の第19ステージ、上位12人による2位狙いスプリントで総合リーダーだったアレハンドロ・バルベルデが頭を取り、ボーナスタイム12秒を入手して他を突き放している。</ref>。
また、総合優勝及び新人賞争いをしている選手が少人数の逃げに乗り、そのままゴールまで行けてしまったような状況でも、同じ逃げ集団にライバルが居ない限り、トップとタイム差無しでステージを終えられれば、賞争いで前進することが出来るため、ステージ優勝は逃げ集団の他の選手に譲ることも多い。
これは、逃げ集団の他の選手としても、賞争いに手を貸す代わりにステージ優勝争いからは降りて貰うことを前提として走っていることが多いこと、総合優勝や新人賞を狙うような有力選手が、幸運にもステージ優勝を狙うチャンスに恵まれた選手たちを押しのけてまで勝とうとするのはマナーに反するという選手間の共通認識も関わっている。
もちろん山頂ゴールなどで総合優勝及び新人賞争いの選手が他の選手を全て千切ってしまった場合や、先頭集団に総合優勝及び新人賞を争う選手たちしか残っていない場合には、この限りではない。また直近に優勝を譲ったことがある選手同士の場合は優勝を譲らないなど、ある種の貸し借り関係のようなものも影響する。<ref>過去には、2004年のツール・ド・フランスにおいて、第12ステージでランス・アームストロングイヴァン・バッソに優勝を譲ったものの、翌日の第13ステージではアームストロングがバッソにスプリント勝負を仕掛けて自らステージ優勝した例などがある。</ref>
ただ、総合優勝争いを演じている選手同士の場合など、ごく稀にこのような形でステージ優勝を譲られることによりプライドを傷つけられ、その後選手間の不仲に発展するケースもある。<ref>2000年のツール・ド・フランス第12ステージで、ランス・アームストロングに優勝を譲られたマルコ・パンターニが激怒した例などが有名。</ref>
「着き位置」をした選手のステージ優勝はあまり歓迎されない
その逃げが成功することで自チームの選手の優勝&各賞争いで不利になるなど、チームにとって好ましくない影響を及ぼすような逃げを失敗させようとする場合、そのチームの選手は逃げ集団に入っても、先頭交代に加わらないまま「着き位置」を保ち、そのままでは先頭交代している選手のみが疲労し不利になる状況を作ることで逃げを潰そうとするが、そのようなチーム戦略上の理由から逃げ集団の先頭交代に加わらなかった選手は最終的にステージ優勝争いから降りる例が時に見られる<ref>2006年のジロ・デ・イタリア第19ステージで、チームCSCのエースであるイヴァン・バッソのために逃げ集団に着き位置していたイェンス・フォイクトが、最後まで逃げ続けたフアン・マヌエル・ガラテにステージ優勝を譲った例などがある。</ref>。また、そのような選手がステージ優勝してしまった場合は他のチームから苦言を呈されることもあるが、チーム戦略上の明確な理由や必然性なく「着き位置」だった選手がステージ優勝した場合は、非難を受けることを覚悟せねばならない。
リーダージャージを抱えるチームが集団の先頭を積極的に引く
ステージレースではリーダージャージ(総合優勝争いで首位にいることを示すジャージ。「マイヨ・ジョーヌ」、「マリア・ローザ」、「マイヨ・オロ」など)を着た選手を抱えるチームが集団の先頭を引くことが暗黙の了解となっている。これには「エースが集団の後方にいると、落車により集団が分断されるなどのアクシデントが起きた場合に大きなタイム差をつけられてしまう」ためにそのリスクを避けるという意味合いもあるが、それ以外に「逃げた選手を積極的に追撃」したり、逆に「逃げ集団をあまり早くに吸収しないようにペースを落とす」<ref>ゴールまでの残り距離が遠い場合は、逆に新たな逃げ集団を発生させてしまうことが多いため。通常の平坦ステージでは「ゴールまで残り数kmのところで逃げ集団を吸収してゴールスプリントへの準備に移る」のが理想とされる。</ref>などのペースコントロールの役割を果たすことも求められる。但し平坦ステージの場合には逃げを潰してゴールスプリントでステージ優勝を取りたい、有力スプリンターを擁したチームが後半バトンタッチするのが基本となる。このため、勝負どころの中盤~後半のステージにたどり着く前にアシスト選手たちが消耗してしまうことを嫌い、敢えて序盤は総合優勝争いで首位に立たずにレースを進めることもある。
アクシデントにつけ込まない
ゴール直前の数kmを除き、メイン集団内にいる有力な選手がパンクで一旦停止したり、落車に巻き込まれた場合、その隙をついてアタックをかけたりして、一気にペースを上げることはマナー違反とされている<ref>2009年のツール・ド・フランス第9ステージでは、残り3km地点で逃げ集団を猛追撃していたメイン集団内でチーム・サクソバンクのエースアンディ・シュレクにパンクのトラブルが発生し、これが原因でメイン集団が減速したため結果的に逃げが決まった。反対に2007年のツール・ド・フランス第5ステージでは、残り25km地点でアスタナのエースアレクサンドル・ヴィノクロフが落車したが、既に逃げ集団を吸収する態勢に入っていたメイン集団はヴィノクロフを待つことなく加速してしまった。このためヴィノクロフはこのステージだけで1分20秒も失ってしまい、落車のダメージもあって、その後マイヨ・ジョーヌ争いからは脱落していった。(最終的にドーピング陽性で失格)</ref>。
ただし、逃げ集団は必ずしもこの限りでないため、こうしたトラブルが起きた場合は、メイン集団のスピードが落ちるため、逃げ切れるチャンスが生まれることになる。
地元選手が挨拶するための逃げは容認する
グランツール等の大レースでは、レース途中に出身地・居住地の近辺を通過する選手が、沿道に応援に駆けつけた家族や友人等への挨拶のために集団から逃げることが少なくない。これは逃げることで家族らと立ち止まって会話するための時間を稼ぐのが目的であることから、集団はあえてその選手を追わず逃げを容認する。もちろん逃げる選手側は事前に集団にその旨を告げてから逃げる必要があり、挨拶の後は集団が追いついてくるまで待つことがマナーとされる。
グランツールの最終ステージは周回コースに入るまでのんびり走る
グランツールの最終ステージは、近年はジロ・デ・イタリアならミラノ<ref>ただし2009年は100周年記念としてローマで個人タイムトライアルが行われた。</ref>、ツール・ド・フランスならパリシャンゼリゼ通りに固定されており、選手たちはパリやミラノ近郊の街から数十kmを走り、最後に都心部の周回コースに突入することになる。そして各賞の優勝争いが僅差になっていない限りは、この周回コースに入るまでゆったりと走行する。これは、グランツール最終ステージが世界最高峰のステージレースを最後まで走り抜いた選手たちの凱旋走行と位置づけられているためである。そのためツール・ド・フランスでは、沿道の観客からシャンパンを振る舞われつつ、のんびりと走ってゆく選手たちの姿が見られる。ただし、ジロ・デ・イタリアやブエルタ・ア・エスパーニャでしばしば見られ、ツール・ド・フランスでも1989年実施された例のように、最終ステージが個人タイムトライアルとなっている場合は、もちろんこれはあてはまらない。
トイレタイム中にアタックをかけない
レース中に食事するのが自転車レースの大きな特徴であるが、当然入れる物を入れれば出さなければならなく、ミドルペースで走る追走集団の人はチーム内でまとまって一旦停止し用を足す事がある。その際他チームがアタックをかけ引き離すのはマナー違反とされる。

ジャージ

ロードレース選手で特定の成績を上げた選手は、それに応じたジャージを着なければならない。ロードレースにおいては以下のようなジャージが代表的である。

リーダージャージ
ステージレースにおける総合首位(全ステージの走破タイムの合計が最も少ない)選手がそのステージレース開催期間中に着る。ツール・ド・フランスの「マイヨ・ジョーヌ(黄色いジャージ)」、ジロ・デ・イタリアの「マリア・ローザ(薄桃色のジャージ)」が有名。ブエルタ・ア・エスパーニャの「マイヨ・オロ(黄金色のジャージ)」はどういうわけか知名度が低い。
ポイントリーダージャージ
ステージレースにおけるスプリントポイント最多獲得選手がそのステージレース開催期間中に着る。また、総合首位の場合はリーダージャージを優先して着用する。ツール・ド・フランスの「マイヨ・ヴェール(緑色のジャージ)」が有名。
山岳リーダージャージ
ステージレースにおける山岳ポイント最多獲得選手がそのステージレース開催期間中に着る。ツール・ド・フランスの「マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ(白地に赤い水玉模様)」が有名。また、総合首位の場合はリーダージャージを優先して着用する。
世界選手権ジャージ
世界選手権自転車競技大会ロードレース部門の優勝者が、次回世界選手権開催前日まで世界中のロードレースで着用することを許可される。白地に5色の線(Arc an ciel—虹色)が入ったジャージは通称「マイヨ・アルカンシエル」と呼ばれ、このジャージを着ることは自転車競技者として最高の栄誉の一つとされる。また、一度アルカンシェルを獲得した選手は、翌年度以降も自身のジャージや車体の一部にアルカンシエルを模した柄を入れることが許される。
なお、世界選手権ロードレース部門は、「ロードレース(マスドレース)」と「タイムトライアル」の2競技があり、ロードレース競技での優勝者がタイムトライアル競技やタイムトライアルステージでアルカンシエルを着ることはできず、逆もまた然りである。また、ステージレースにおいて各賞で首位に立っている場合は、各リーダージャージを優先して着用しなければならない(一部例外もあり)。
ナショナルチャンピオンジャージ
ロードレース競技とタイムトライアル競技の国内選手権優勝者は、それぞれ次回大会の開催までこのジャージを世界中のロードレースで着用することが出来る。ナショナルチャンピオンジャージはそれぞれの国の国旗やイメージカラーをあしらった非常に目立つもので、これを着用して世界の檜舞台に立つことはロードレース選手にとって大変な名誉とされる。また各国のファンも、自国のナショナルチャンピオンには格別の声援を送る。
世界選優勝ジャージと同様でロードレース競技のチャンピオンジャージはタイムトライアル競技やタイムトライアルステージでは着用不可、逆の場合も同様。また、ステージレースにおいて各賞で首位に立っている場合は、各リーダージャージを優先するほか、世界選手権に優勝した場合は世界選優勝ジャージを優先して、着用しなければならない(一部例外もあり)。
諸事情により国内選手権が開催されなかった年があった場合は、前年の優勝者が引き続き着用することになる。(例:2006年のスペイン選手権はオペラシオン・プエルトの影響により、選手のボイコットが発生して中止された)
日本では全日本選手権ロード及びタイムトライアルの優勝者がこれを着る事になるが、全日本選手権でアシストを多く使えるJツアー、もしくはUCIコンチネンタル在籍選手が有利なため、海外から凱旋してくるUCIプロコンチネンタルやUCIプロツアー在籍の選手が勝つことが困難な状況であり(元チームメイトぐらいしか協力してくれる選手が居ない)、国内選手権をメインに走っているライダーが選手権を制覇した場合、海外の試合に出場することが希なため、海外の大会で目にする事は少ない。例外的に2006シーズンにロード&TTの両チャンピオンを取った別府史之(当時ディスカバリーチャンネル在籍中)が、2007シーズン(2007年度全日本選手権開催前なので別府が保持したまま)のパリ〜ルーベにて、ナショナルチャンピオンジャージを身につけ集団の先頭を引く姿が映し出された事がある。

日本におけるロードレース

日本で開催されるステージレースとしてはツアー・オブ・ジャパンツール・ド・北海道が代表的であり、ワンデイレースとしては日本最高峰のジャパンカップサイクルロードレースツール・ド・おきなわが有名である。また国民体育大会や、インターハイ高校選抜においてもワンデイの個人ロードレースが行われる。

日本において、ロードレースの競技人口は多くはない。また、自転車部のある高校は少なく、中学校においては皆無であるなど、ジュニアの育成においても世界に大きく遅れをとっている。だが、一般人でも参加しやすいヒルクライムレースなどの開催により、ロードレースの人気は少しずつ出てきている。

競技者の特徴

有名な選手

自転車ロードレース選手一覧も参照のこと

男子

女子

脚注

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参考文献

  • ふじいのりあき『ロードバイクの科学』スキージャーナル、2008
  • 今中大介『今中大介のロードバイクバイブル』ロコモーションパブリッシング、2005

関連項目

外部リンク

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