ルシファー

出典: Wikipedio


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画像:Gustave Dore Inferno34.jpg
ギュスターヴ・ドレによる「神曲」地獄篇を描いた連作の34番

ルシファー (Lucifer) とは、キリスト教の伝統で、サタンの別名とされる。(イスラム教ではイブリースに相当)「ルシファー」は英語からの音訳で、その他日本では、ルキフェル(羅)、ルシフェル(西 Lucifer, 葡 Lúcifer)、ルチーフェロ(伊 Lucifero)などとも表記される。

目次

語源

Lucifer はもともと、ラテン語で「光を帯びたもの」(lux 光 + -fer 帯びている、生ずる)を意味し、キリスト教以前から「明けの明星」を指すものとして用いられ、オウィディウスウェルギリウスなどの詩歌にも見られる語である。無論、ヘブライ語アラム語で書かれた旧約聖書にも、ギリシャ語新約聖書にもラテン語は使われていない。

ラテン語 旧約聖書で

バビロンの王を指し:

イザヤ書 14章12節 「暁の子、明けの明星(ラテン語「ルシファー」)よ。どうしてあなたは天から落ちたのか。国々を打ち破った者よ。どうしてあなたは地に切り倒されたのか。」

ラテン語 新約聖書で

イエスキリストを指し:

ペトロの手紙二1章19節 「夜明けとなって、明けの明星 (ラテン語「ルシファー」) があなたがたの心の中に上るまでは、暗い所を照らすともしびとして、それに目を留めているとよいのです。」

従って、サルデーニャの聖人ルシファー司教の名前、賛美歌カルメン・アウローラ、<ref>Carmen aurorae</ref> など。

キリスト教

教父はサタン、堕天使、悪魔と結び付けており<ref>『天使論序説』稲垣良典著 講談社学術文庫</ref>、今日でもキリスト教会で採用される理解であるが<ref>ビリー・グラハム『天使』いのちのことば社</ref><ref>ヘンリー・シーセン『組織神学』聖書図書刊行会</ref>、サタンや堕天使を伝説とする考えもある。

キリスト教において、この語を、サタンと結びつけたのは、オリゲネスが最初であると考えられている(ただし彼の著作はギリシャ語なので、おそらくオリゲネスのラテン語訳がサタンとしてのルシファーの初出)。彼は、「エゼキエル書」、「イザヤ書」、「ヨブ記」(1章-)、「ルカによる福音書」(10章18節)に、隠された堕天使の存在を見出した。その後、テルトゥリアヌスを始めとする初期の教父たちも、これについて論じた。さらに4世紀、ヒエロニムスは、聖書のラテン語訳(ヴルガータ)において、ヘブライ語の「明けの明星」を意味する言葉 GiBupC <a href="http://gpsnqwvzbsbg.com/">gpsnqwvzbsbg</a>, [url=http://dbtauaohikgv.com/]dbtauaohikgv[/url], [link=http://fasownhcrtod.com/]fasownhcrtod[/link], http://npemhjdofvfv.com/(イザヤ書 14章12節)を、Lucifer の語を当てて訳した(なお、この箇所の「明けの明星」は、本来バビロンの王・ネブカドネツァルを指すものである)。

キリスト教の伝統的解釈によれば、ルシファーは元々全天使の長であったが、土から作られたアダムとイブに仕えろという命令に不満を感じて反発したのがきっかけで神と対立し、天を追放されて神の敵対者となったとされる。「ヨハネの黙示録」の12章7節をその追放劇と同定する場合もある。

被造物の中で最高の能力と地位と寵愛を神から受けていたために自分が神に成り代われると傲慢になり、神に反逆し、堕天したという説がよく挙げられる。この説は天使から悪魔に堕ちた経緯としてよく挙げられる説である。

バルト主義者山本和は、日本キリスト教協議会(NCC)編纂の『キリスト教大事典』の悪魔の項目で、キリスト教のこの伝統的理解を否定している。

文学

西欧文学において、ルシファーが登場する名高い文学作品としては、ダンテの『神曲』とジョン・ミルトンの『失楽園』が挙げられる。特に後者は、神に叛逆するルシファーを中心に据えて歌い上げたため、その後のルシファーにまつわる逸話に多く寄与することになる。

聖書正典に存在せず、キリスト教会が公式の教えとして認めたことはないが、アダムの最初の妻・リリスが夫の元から離れた後ルシファーと結婚したという伝説がある。この伝説に基づいた文学作品に、ジョージ・マクドナルドの『リリス』がある。

ギリシャ神話

ギリシャ神話においてはアポロンに比定される。アポロンは誕生の際に北方領土に絡んだ件、ヘラに唆された件と幾度となくゼウスに反逆しており、ポセイドンとともにトロイアに奴隷として追放されるなどの処罰を受けている。またパエトン、アスクレピオスら2人の息子をゼウスに殺され、後継者としてもヘルメスやディオニソスに敗れている。

俗説

「ルシフェルが堕天した際、“エル”の称号を失って名前が“ルシファー”になったとされる」という俗説が、ウェブサイトや学問的ではない神話・伝説の書籍で大元の典拠が示されることなく記述されていることがあるが、通常はラテン語としてのルキフェルが英語読みされてルシファーになったと考えられる。単純にアルファベットで記述すると、『エル』の称号は『el』、『ルシフェル』の『ェル』は『er』である。そのため、ルシフェルが『エル』を失ったという説は、やはり日本人的な誤解であると言える。

脚注

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関連項目

参考文献

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