リチャード・ストールマン
出典: Wikipedio
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[[File:Rms ifi large.jpg|thumb|2009年、ノルウェー・オスロに滞在中のリチャード・ストールマン]]
リチャード・ストールマン(Richard Matthew Stallman、1953年3月16日 - )は、アメリカのプログラマー。名前の頭文字を取ってRMSと表記されることもある。1983年9月にUnixライクなオペレーティングシステムを作成するという目的のもとGNUプロジェクトを立ち上げ、現在もこのプロジェクトの開発者・主催者として活躍している。フリーソフトウェア運動はこのGNUプロジェクトによって始まったものであり、プロジェクト開始2年後の1985年にはストールマン自身によってフリーソフトウェア財団が立ち上げられている。また、1989年にはLeague for Programming Freedomを共同設立している。
ストールマンはコピーレフトの概念を提唱した最初の人物でもある。実際に、現在最もよく利用されているフリーソフトウェアライセンスである[GNU General Public License]を含む、いくつかのライセンスはストールマンの手によるものである。また、1990年代半ばからは、フリーソフトウェアの擁護運動及び、ソフトウェア特許や過剰な著作権延長に対する反対運動の中心人物としても活躍した。加えて、「Emacs」や「GNUコンパイラコレクション」、「GNUデバッガ」、「GNU Make」などの著名なソフトウェアの開発者としても知られている。
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MIT AI研まで
ストールマンはダニエル・ストールマンとアリス・リップマンの間の子供として1953年、ニューヨーク市に生まれた。彼が始めてコンピューターに触れたのは、ハイスクール時代の夏休みにIBM New York Scientific Centerで数値解析用のFortranプログラムを書く仕事をしたときであったとされる。この仕事を数週間で仕上げると、すぐにAPLでテキストエディタの作成に取り掛かり、続くハイスクール卒業後の夏にはIBM System/360上で動作するPL/Iのプリプロセッサの開発に着手した。
この時、ストールマンはロックフェラー大学の生物学科でボランティアのアシスタントとしても働いていた。既にストールマンは数学か物理学の方面へ進もうと考えていたが、当時の教授はストールマンが生物学者として有望な人材であると考えていたとされる。
1971年、ハーバード大学の一年生となったストールマンはMath55で残した優秀な成績で名を知られるようになった。その後、MITのAI研でプログラマとして働くようになり、そこで「ハッカー」コミュニティの常連となる。そこではストールマンは専らrmsというコンピューターアカウント名で呼ばれていたらしい。実際に、ハッカー辞典の第一版において「"Richard Stallman"は現世の名前に過ぎない。"rms"と呼んでほしい」と書いている。1974年、ストールマンは物理学の学士号を得て第二等の成績でハーバード大学を卒業する。
その後、ストールマンはMITの物理学科に大学院生として入学する。しかしまもなく、MIT AI研のプログラマとしては働きつつも、大学院での研究は放棄してしまう。そして結局、ストールマンはプログラミングの道を志し、物理学の博士号をとることを断念することになる。ちなみに、この大学院一年目の末に、ストールマンは膝にケガを負っており、インターナショナルフォークダンスへの参加を以後取りやめている。
ストールマンはMITの大学院在籍中に、Dependancy-directed backtrackingと呼ばれるAIの整合性維持システムに関する論文をGerald Jay Sussmanと共同で発表している。これは制約充足問題におけるインテリジェント・バックトラッキングに関する初期の研究であるが、この論文においてストールマンとSussmanが導入したテクニックは、2003年現在においても、最も一般的で強力な方式であるとされている。
MIT AI研のハッカーとしては、ストールマンはTECOやEmacs、LISPマシンのOSなどの開発に取り組んでいた。また、これらの開発の傍ら、ラボ内のコンピューターアクセス制限に対する強固な反対派としても活動を行っていた。例えば、1977年にMITのコンピューターサイエンス研究所がパスワードシステムを導入したときには、パスワードを解読する方法を見つけ出した上で、パスワードを空白文字に変えるように促すメッセージを個々のパスワード付きで各々に送りつけた。最終的にはパスワードシステムに打ち勝つことはできなかったものの、ストールマンのキャンペーンの結果、およそ20%のユーザーがパスワードを空白文字に変えた。一時的なものとは言え、この成功はストールマンに大きな影響を与えたようであり、彼はこの事件について度々言及している。
MITハッカー文化の衰退
1970年代後半から1980年代の初頭にかけて、MITのハッカー文化は分断されていった。ソフトウェアが競争相手のコンピューターで使われるのを防ぐために、多くの開発者がソースコードの配布をやめて、コピーライトやフリーでないソフトウェアライセンスを用い、コピーや再配布を制限・禁止するようになったのだ。このようなプロプライエタリなソフトウェアは以前から存在していたが、ここにおいて主流の地位を占めることが明らかとなった。ストールマンのMITの同僚であるBrewster Kahleは、このソフトウェアの法的性質の変化を、1976年のアメリカ著作権法改正に端を発するものだとしている。
1979年、Brian ReidはScribeに「時限装置」を設けて、ライセンス無しでのソフトウェアへのアクセスを制限しようとしたが、ストールマンはこれを「人類に対する犯罪」として反対論を展開した。後のストールマンの説明によれば、ここで「犯罪」として批判しようしたのは、ソフトウェアに課金することではなく、ユーザーの自由を制限することであったという。
略年表
関連項目
外部リンク
- Richard Stallman's Personal Home Page
- インタビュー
- Freedom, Innovation, and Convenience: The RMS Interview (2004年)
- ITmedia Sunの無意味な発表 (2005年)
- 見直しがすすむGPL (2005年)
- japan.linux.com BitKeeperとの決別はハッピーエンド (2005年)
- ストールマン リチャード:作家別作品リスト(青空文庫)
- japan.linux.com Stallman氏の理念に準じたサイン販売 (2006年)
- Think GNU目次
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