ボディマス指数

出典: Wikipedio


[[File:Body mass index chart.svg|right|300px|thumb|BMI(体重/身長2)相関図
Underweight : 低体重
Normal range : 普通体重
Overweight : 前肥満(WHO)、肥満1度(日本)
Obese : 肥満クラス1-3(WHO)、肥満2-4度(日本)
データ出所:WHO BMI classification.]] ボディマス指数ボディマスしすう, Body Mass Index, BMI)は、体重身長の関係から算出した、ヒトの肥満度を表す指数である。ケトレー指数(Quetlet index)と呼称されることもあり、カウプ指数(Kaup index)とは計算式が同一であるが判定基準が異なる<ref>Adhikari,K.M.,"Body Mass Index: An Emerging Age-Independent Anthropometric Criteria",Indian Pediatrics,1999,36,p612-613Template:En icon</ref>。

身長をt[m]、体重をw[kg]としたとき、BMIは、

<math>\mathrm{BMI} = \frac{w}{t^2}</math>

で表される。tm単位であって、cm単位ではない。

例えば、身長160cm・体重50kgの場合、

160cm=1.6m

 BMI=50kg÷(1.6m×1.6m)≒19.5 となる。

BMIの計算式は世界共通であるが、肥満の判定基準は国により異なる。WHOでは25以上を「標準以上(overweight)」、30以上を「肥満(obese)」としている<ref>"BMI classification"、WHO公式webページ、Template:En icon、2009年4月8日閲覧</ref>。日本肥満学会では、BMI22の場合を標準体重としており、25以上の場合を肥満、18.5未満である場合を低体重としている。

目次

歴史

体重/身長2」からなる指数は、ベルギー数学者統計学者社会学者であるアドルフ・ケトレーによって1835年に開発され<ref name="Quetelet">Garabed Eknoyan,"Adolphe Quetelet (1796-1874) -the average man and indices of obesity.",Nephrol. Dial. Transplant.,2008,23(1)p47–51.</ref>た。その後、ドイツ(オーストリア)の衛生学者であるイグナツ・カウプ(Ignaz Kaup)によって小児の発育指数として利用されるなどして普及し、1972年のKeysらの研究<ref>Keys,A.K.,et al.,"Indices of relative weight and obesity.",J. Chronic. Dis.,1972,25,p329-343.</ref>によってこの指数が体脂肪率とよく相関することが明らかにされたことによって、身体組成研究分野における重要な指数として位置付けられ、以後、BMIと呼称されるようになった。1985年には、GarrowとWebsterの研究<ref>Garrow,J.S.,Webster,J.,"Quetelet's index (W/H2) as a measure of fatness.",Int. J. Obes.,1985,9,p147–153.,PubMedTemplate:En icon</ref>によって、肥満度の代替指数としての有効性が検証された<ref name="hattori">服部恒明「発育期のBody mass indexと身体組成」『体育学研究』2006年、51巻、p436、2009年4月7日閲覧</ref>。

相似則との関係

アドルフ・ケトレーは統計学的手法によって「平均人」(仏:l'homme moyen、英:average man)を示す指数として「体重/身長2」の関係を見出したが<ref name="Quetelet"/>、相似則に従えば重さ(体重)は長さ(身長)の3乗と相関するはずであり、事実、胎児の発育段階では相似則が保たれるため3乗と相関するローレル指数が適合する。しかし、成人では頭部の重量比率などが胎児や乳幼児とは大きく異なり、また、筋肉量に応じた放熱に必要な体表面積を確保するために相似にならないものと考えられている<ref name="hattori"/>。

BMIの限界

多様な肥満の病態を、身長と体重の関係のみに抽象して算出されるこの指数には自ずから限界がある。内臓肥満メタボリック症候群の原因でありながらこの数値に表れにくいこともありTemplate:要出典隠れ肥満となる場合がある。こういった問題は残されているものの計算式が簡便なこともあり、成人の肥満の指標として多用されるもののひとつである。また体重は身長の3乗に比例するのだが、この計算式では2回しか身長で割らないため、背の高い人ほど大きくでてしまう。

近年の日本での指数への弊害

近年、日本では全ての人を対象にこの指数を当てはめて健康への指針としている。しかし、この指数は身長と体重のみで計算を行うため、ある特定の職業に従事する者(公務員では警察、消防、自衛隊等。民間では力士、ボディビルダー等のスポーツ選手。)に適用するのは不適当である。

脚注

<references />

関連項目

外部リンク

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