ホーンブロワーシリーズ

出典: Wikipedio


Template:文学 ホーンブロワーシリーズは、セシル・スコット・フォレスター1899年 - 1966年)著のホレイショ・ホーンブロワーを主人公にした海洋冒険小説シリーズ

単なる戦争・冒険小説として高い水準を有するに留まらず、上層部に対する部下、乗組員に対する上司としての苦悩、様々な劣等感に悩む姿など、英雄としてだけでなく人間としてのホーンブロワーが綿密に描かれており、その評価は非常に高い。そのため、以後の海洋冒険小説に与えた影響も大きく、「第2のホーンブロワー」「未来のホーンブロワー」など、ホーンブロワー以後の小説の形容に用いられることもある。また、以後の海洋冒険小説のシリーズ中で重要な登場人物として、あるいはワンシーンだけの登場人物として、ホーンブロワーが登場する例も確認されている。 パーキンソンの法則で知られる英国のシリル・ノースコート・パーキンソンが、ホーンブロワーの架空の伝記『ホレーショ・ホーンブロワーの生涯とその時代』を著している。(邦訳は至誠堂から1974年に刊行)

日本ではハヤカワ文庫より「海の男/ホーンブロワーシリーズ」として出版されており、近年訳語の統一及び字体を読み易くして再版されている。1951年に"Captain Horatio Hornblower R.N."(邦題「艦長ホレーショ」)として映画化され、また1998年にはイギリスにて長編テレビドラマ「ホーンブロワー 海の勇者」が制作された。

作品一覧

ハヤカワ文庫のシリーズ順は執筆順ではなく小説の年代順になっている。

  1. Mr. Midshipman Hornblower(1948-50)
  2. Lieutenant Hornblower(1952)
  3. Hornblower and the Hotspur(1962)
  4. Hornblower and the Atropos(1953)
  5. The Happy Return(1937)
  6. A Ship of the Line(1938)
  7. Flying Colours(1938)
  8. The Commodore(1945)
  9. Lord Hornblower(1946)
  10. Hornblower in the West Indies(1958)
  11. Hornblower Companion(1964)
  12. Hornblower and the Crisis(1967 未完)
  • 以上英語版
  1. 『海軍士官候補生』 ISBN 978-4150400361(1973年2月)
  2. 『スペイン要塞を撃滅せよ』 ISBN 978-4150400583(1973年12月)
  3. 『砲艦ホットスパー』 ISBN 978-4150400590(1974年1月)
  4. 『トルコ沖の砲煙』 ISBN 978-4150400705(1974年6月)
  5. 『パナマの死闘』 ISBN 978-4150400804(1974年11月)
  6. 『燃える戦列艦』 ISBN 978-4150400873(1975年1月)
  7. 『勇者の帰還』 ISBN 978-4150401016(1975年8月)
  8. 『決戦! バルト海』 ISBN 978-4150401245(1976年10月)
  9. 『セーヌ湾の反乱』 ISBN 978-4150401382(1977年4月)
  10. 『海軍提督ホーンブロワー』 ISBN 978-4150401726(1978年5月)
  11. 『ホーンブロワーの誕生』 ISBN 978-4150401856(1978年9月)
  12. 『ナポレオンの密書』 ISBN 978-4150411398(2007年3月)
  • 以上ハヤカワ文庫版

主な登場人物

Template:ネタバレ

ホレイショ・ホーンブロワー
主人公。
ウィリアム・ブッシュ
戦列艦「レナウン号」三等海尉として登場。登場時はホーンブロワーの上官。のち友人・部下。
ブラウン
ホーンブロワーの艇長(コクスン)。後年、ホーンブロワー家の執事となる
ロバート・キーン艦長
戦列艦「ジャスティニアン号」勅任艦長。ホーンブロワーを士官候補生として受け入れた。
エドワード・ペリュー提督(エクスマス卿)
フリゲートインディファティガブル号」勅任艦長。ホーンブロワーは士官候補生であった。後に提督に昇任。ホーンブロワーの理解者。
ジェームズ・ソーヤ艦長
戦列艦「レナウン号」勅任艦長。ホーンブロワーは同艦の五等海尉であった。
ウィリアム・コーンウォリス提督
海峡艦隊の司令長官。ホーンブロワーはスループ「ホットスパー号」海尉艦長として彼の指揮下に入った。
マリア(マリア・エレン)
下宿屋のメイスン夫人の娘、ホーンブロワー最初の妻。
レディ・バーバラ・ウェルズリー
後に、レディ・バーバラ・レイトン
アーサー・ウェルズリーの妹。ホーンブロワーの再婚相手。
ネルソン提督
子爵。トラファルガー海戦の英雄。ホーンブロワーは彼の葬儀にて活躍。
グラセー伯爵ルシアン・アントワーヌ・ド・ラドン
フランス貴族・市長
マリー
グラセー子爵夫人
グラセー伯爵の義理の娘。未亡人
ナポレオン・ボナパルト
ホーンブロワーシリーズの大部分はナポレオンのフランス帝国を敵として書かれている。
ルイ=ナポレオン
シャルル・ルイ=ナポレオン・ボナパルト。フランス共和国大統領。後に皇帝ナポレオン3世として即位。ホーンブロワーにレジオンドヌール勲章(シュバリエ)を授与。
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